――夕方
律「よし!今日はこれで閉店だ!」
紬「楽しかったわ~」
澪「ご苦労さま」
紬「またお手伝いしたい!」
律「おう!」
唯「りっちゃん、泊まりに来たよー」ガラガラ
律「うお!?唯!?」
澪「ほんとに来たのか」
律「扉くらい叩けよ!」
唯「ムギちゃんおいーす」
紬「おいーす!」
律「唯はいっつも急にくるなー」
唯「えへへ~」
澪「ちゃんと許可とってきたのか?」
唯「うん!ばっちり!」
律「じゃあ、大丈夫だな」
唯「あずにゃんは~?」
律「あー、来てないな」
唯「はやく来ないかな~」
澪「来れるかもまだ分からないんだぞ?」
唯「あずにゃんはきっと来る!」
唯「ね、ムギちゃん!」
紬「うん!来るわ!」
コンコン
唯「来た!?」
律「はいはーい」
ガラガラ
梓「あ、こんにちはー」
唯「あ~ずにゃん!」ギュ
梓「むぎゅっ」
唯「来てくれたんだね!」スリスリ
梓「唯先輩も来れたんですね」
律「許可とれたのか?」
梓「はい」
梓「ところでみなさん」
律「んー?」
梓「突然ですが、今日は一つ提案を持ってきました」
澪「提案?」
梓「はい」
梓「実は今度、中野家主催の演奏会があるんです」
梓「みなさんも良ければ出演してみませんか?」
律「ええ!?私達が演奏会に!?」
唯「面白そう!」
紬「私も出たいわ!」キラキラ
澪「それって……お客さんの前で演奏するってことか?」
梓「そうですね」
澪「む、無理だよ!そんなの……」
梓「え、どうしてですか?」
澪「だって、大勢の前で失敗なんかしたら……」
澪「うわあああ!」ドカーン
律「どこでやるんだ?」
梓「私の家です」
梓「結構歴史のある由緒正しい演奏会なんですよ」
梓「近隣の殿様とかも観客としてくるぐらいですから」
梓「毎年この時期にやるんです」
唯「へ~」
紬「でもそんな演奏会に私達が出演して大丈夫なの?」
律「いや、少なくともムギは大丈夫だろ」
梓「大丈夫です、既に許可はおりてます」
澪「大勢の前で……演奏……はは……」
唯「一人一人演奏するの?」
梓「一人一人でもいいですし、みんなで合わせても大丈夫です」
澪「みんなでやろう!」
澪「ひ、一人でなんて……」
紬「でも琴と琵琶はともかく、琴と三味線を合わせるなんてあんまり聞かないけど……」
律「あー、たしかに」
梓「いいじゃないですか、前衛的で」
律「前衛的ってお前……」
梓「何事も挑戦です!」
唯「そうだよ~、やってみようよ!」
律「う~ん、まあそこまで言うなら」
紬「そうね、やってみましょう」
唯「いつやるの?」
梓「1週間後です」
澪「1週間後!?」
律「結構はやいな」
紬「みんなで合わせるとなると……練習しなくちゃいけないわね」
梓「そうですね」
律「じゃあ、ムギのとこで練習させてもらうか」
紬「あ……私のとこはちょっと……」
律「!」
律「あー、そっか……家出中か……」
梓「え!?家出!?」
唯「ムギちゃん家出したの!?」
律「あ、やべ……」
紬「う、うん……」
唯「どうして?」
律「ムギ、ごめん……」
梓「ムギ先輩が家出……」
紬「……」
紬「わかったわ……」
律「え?」
紬「みんなもいるし……ちゃんと理由を話すわ……」
澪「ムギ……」
律「……」
梓「……」
紬「私……結婚するかもしれないの……」
澪「ええ!?」
律「結婚!?」
唯「ムギちゃんが……結婚!?」
梓「だ、誰とですか!?」
紬「隣の国の殿様の息子さんなの……」
律「な、なんだ~……おめでたい話じゃないか!」
澪「そ、そうだな」
唯「ムギちゃんおめでとう!」
紬「でも……ほんとは結婚なんてしたくない……」
梓「え?」
紬「実は相手の人はお父様が選んだ相手なの」
紬「他の国の殿様のとこにお嫁に行けば、政治的に有利になるって……」
律「政略結婚ってやつか……」
唯「政略結婚?」
澪「政略結婚ってのは、政治目的の結婚のことだ」
澪「相手方の子供と自分の子供が結婚すれば、政治の場でも仲間になれるだろ?」
唯「へ~」
梓「へ~って……唯先輩も殿様の娘なんですから、今後そういうことがあるかも知れないんですよ?」
唯「え、私が?」
梓「はい」
唯「結婚を?」
梓「はい」
唯「ないよ~」
梓「お気楽ですね……」
律「どうして嫌なんだ?」
紬「だって……結婚なんてしたらみんなといれる時間が減っちゃうわ……」
紬「それに勝手に決められた相手だなんて……」
澪「ムギ……」
紬「だから今は結婚なんて嫌……」
律「お父さんとは話しあったのか?」
紬「一方的に言われたから……あまり話もできなかったわ」
紬「そして思わず家出を……」
律「そうだったのか……」
澪「……」
紬「……」
律「なあ、ムギ」
紬「なあに……?」
律「だったら、その気持ちをお父さんに伝えなきゃ駄目なんじゃないのか?」
紬「え……」
梓「そうです!」
澪「そうだな」
澪「ちゃんと伝えればわかってくれるはずだ」
紬「でも……」
律「大丈夫!私もついてくから」
紬「本当!?」
律「ああ!」
紬「ありがとう!」
律「澪もな!」
澪「私も!?」
唯「私もいく!」
律「唯は待ってなさい」
唯「え~、なんで~」
律「お前が来ると話がややこしくなる」
唯「ちぇ~」
律「梓、唯と待っててくれ」
梓「わかりました」
紬「みんなありがとう……」
紬「私、お父様とちゃんと話あってみるわ!」
律「よし!そうと決まれば明日お城の乗り込むぞ!」
澪「乗り込むって……」
梓「あ、そう言えば」
梓「ちょっといいですか?」
律「ん?どうした?」
梓「さっきの演奏の練習の場所のことなんですけど」
澪「そういえばまだ決まってなかったな」
梓「私の家はどうでしょう?」
梓「大体の楽器は揃ってますし、本番と同じ場所で練習できた方がいいと思うのですが」
律「おー、そうだな!」
唯「あずにゃんの家行ってみたい!」
澪「ここからどのくらいなんだ?」
梓「歩いて行ける距離です」
紬「そういえば梓ちゃん、いつも歩いて来てるわね」
梓「はい」
律「唯はいつもどうやって来てるんだ?」
律「ムギは近いから歩いたりしてるけど」
唯「私は商人さんの馬に一緒に乗せてもらったりしてるよ~」
澪「ええ!?」
律「おいおい……危ないな」
唯「みんないい人なんだよ~」
梓「何度も言いますが、唯先輩は殿様の娘なんですよ!?」
梓「そんな知らない人にホイホイついていったらだめです!」
梓「少しは自覚してください!」
唯「あずにゃん怒った~」
梓「怒ってないです!心配してるんです!」
澪「唯は愛されてるな……」
律「でもこうなってくると明日から忙しくなるな~」
澪「お店はどうするんだ?」
律「こうなったら臨時休業だ!」
澪「大丈夫なのか?」
律「大丈夫大丈夫!」
澪「うーん……」
律「ちょっとの間だろ」
澪「まあ……そっか」
律「よし!頑張るぞ!」
紬「おー!」
唯「おー!」
――夜
律「大嘘つき大会ー!」ダアー
唯「おー!」パラリラパラリラ
紬「いえーい!」ドンドンパフパフ
澪「夜なんだから静かにしろ!」
律「まずはムギから!」
紬「女同士なんて……汚らわしいわ!」
律「大嘘つきだー!」
唯「嘘つきー!」
律「行け!唯!」
唯「世の中腐ってるよ!」キリッ
梓「ぶふっ!?」
澪「梓まで!?」
紬「大嘘つきー!」
律「そんなこと考えたことも無いくせに!」
唯「えへへ~」
唯「さありっちゃん!」
律「私……実はかつらなんだ……」
紬「大嘘つきー!」
唯「嘘つきー!」
律「……」
唯「あれ?」
紬「りっちゃん?」
唯「え……もしかして……」
律「……」
唯「本当にかつら……」
律「うん……」
紬「……」
唯「……なんかごめんね」
紬「……りっちゃんはりっちゃんよ」
律「うん……ありがとう……」
唯「……」
紬「……」
律「うそぴょーん!」
唯「あー!」
紬「凄い嘘つき!」
律「よし!澪いけ!」
澪「え、わ、私!?」
唯「さあ!」
澪「あの……じ、実は……私男なんだ!」
律「……」
梓「……」
紬「お、大嘘つき~……」チラッ
唯「澪ちゃん……」
澪(はずした~!)カアア
律「ま、枕投げ大会ー!」
梓(うやむやにした!?)
唯「お、おー!」
紬「よしきたー!」
律「とう!」
梓「むぎゅっ!?」
律「ふっふっふ」
律「ここはすでに戦場なのだよ、お譲ちゃん!」
梓「やりましたね!?」
唯「とう!」
紬「唯ちゃん強~い」
澪「消えて無くなってしまいたい……」ブツブツ
――――
律「ぐごー」
紬「zzz」
唯「おかわり……えへへ……」ムニャムニャ
澪「スー…スー…」
梓(みんな寝ちゃった)
梓(……)
梓(私も嘘考えてたのになー)
梓(……)
梓「私、髪の毛ほどくと巨大化するんです~」ボソッ
梓「……」
梓「大嘘つき~」
梓「……」
梓「寝よ……」
最終更新:2010年10月30日 21:43