第二話
幼なじみの法則!
しょくいんしつ!
さわ子「…唯ちゃん。あなたのことを呼び出した理由…わかるわよね?」
唯「はい…本当にごめんなさい…」
さわ子「…わかってるなら良いのよ。でも私、言ったわよね?能力を人に対して使うと…」
唯「夏休みの宿題…まだ1ページも終わらせてません!」
さわ子「あなたの才を失ってしまいやがて…」
唯&さわ子「……」
唯&さわ子「えっ?」
唯「えっ!?さわちゃん先生、力使ってるとこ見てたの!?」ガーン
さわ子「なんでまだ1ページも終わってないのよ!?次の進級は保証出来ないのに!」
唯&さわ子「……」
さわ子「…まぁ、課題のことはまだ目を瞑っていてあげるわ」
唯「あっ…助かります…」
さわ子「話を戻すわよ?どうして一般人に向けて能力を使ったの?」
さわ子「一般人に能力による危害を加えた数だけ「才」…あなたの才能が消滅する」
さわ子「そして全ての才を失った時……」
唯「うー…それはわかってたけどりっちゃん達がピンチだったからつい…」
唯「それに消滅?ってなんだがよくわからないし…一回ぐらいは良いかなぁって…」
さわ子「消滅って言うのはそのままの意味。全てが無くなる。簡単に言えば「死」ね」
唯「死!?」ガーン
さわ子「友達を助ける為だったとはいえ罰は避けられないんだから…これからは気をつけてよ?」
唯「罰?」
さわ子「そう。もう既に受けてもらったけどね。まぁ比較的に軽い罰になったわよ」
唯「?」
さわ子「今回失ったのは「一夜漬けの才」普段から勉強していれば必要性の無い才ね。ギターの才じゃなくて良かったわね」
唯「…あのー話が難しくてよく…」
さわ子「ええっ!?」ガーン
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唯「つまりもう徹夜で頑張って勉強したところでどうにもならないってこと!?」ガーン
さわ子「やっと理解してくれた…」ゲッソリ…
さわ子「とりあえず木で人を殴らない!もうこれだけ覚えてれば良いから!」
唯「了解であります!」ピシッ!
さわ子「あと課題も出す!出さなきゃ今度こそ留年!」
唯「そ…そこをなんとか…」
さわ子「来週まで待ってあげるから!」
和「……」
和「(木で人を殴るって…なに?)」
先生「あっ、真鍋さんプリントご苦労様」
和「あぁ、いえ」
きょうしつ!
唯「ただいまんもす!」
紬「おかえりんご!」
唯&紬「えへへ~///」
律「唯、さわちゃんからの呼び出しってなんだっんだ?まさか昨日の…」
紬「…!」
唯「あー…うん!大したことじゃなかったよ!もう木で人を殴っちゃダメだよ!って!」
律「一番の大問題じゃねぇか!?」ガーン
紬「そ、それでなんて言われたの…?」アセアセ
唯「えっ?だからもう「木で人を殴っちゃダメ!」だよって…」
律&紬「……」
律&紬「それだけ?」
唯「あと課題出さなきゃ今度は留年って言ってた!」
律「えっ!?なにそれ!?詳しく…」
紬「りっちゃん、その話に食いつくのはあとにしましょう」
紬「唯ちゃん、その…昨日のことでさわ子先生は他に何か…」
唯「あっ…うーん…」
唯「(才とか消滅とかそういう話はしなくても良いよね?難しいし!)」
唯「うん!他には何も言ってないよ!」
律&紬「……」
律「(唯が木を使って人を殴り倒す場面を見ておいて感想がそれだけ?いくらなんでも天然過ぎやしないか、さわちゃん?)」
紬「(もしくは私たちと同じく敢えて唯ちゃんの力には触れずに…いやでも木で殴るなって言ってるわけだし…)」
律&紬「(うーん…なんか引っかかる…)」
唯「?」
律「あっ、それより も唯…課題って…」
紬「切り替えが早いわ!?」
紬「(まぁ今は確かに考えてもわからない…注意だけで済んだのなら今はそれで良しとしましょう…)」
ほうかご!
おんがくしつ!
ジャジャカドンドン
律「…ふぅ。やっぱり五人で合わせた方がしっくりくるな!」
澪「そうだな。唯のギターの腕も鈍ってないみたいだし…ちゃんと家で練習はしてたんだな」
唯「えへへ~えらいでしょ~!」
梓「練習して当然なんです!調子に乗っちゃダメです!」
唯「ぶぅ~あずにゃんのいけず~」
そんなセリフを言う梓はセリフとは裏腹にどこか嬉しそうな表情をしていた
梓「律先輩!勝手なモノローグを入れないでください!?」
紬「うふふふ」
ガチャ
和「こんにちはー。唯いるー?」
唯「あれ?和ちゃん何かご用?」
和「うん、ちょっとね。少し二人で話したいことがあるんだけど今大丈夫かな?」
唯「大丈夫かな?」
律「あぁ一段落付いたし別に良いよ!ムギ、お茶入れて貰っても良いか?」
紬「ええ。ちょっと待ってて」
梓&澪「また休憩!?」
和「ありがとう。そんなに時間は取らないから。…それじゃあ唯?」
唯「あっ、うん!それじゃあ行ってくるね!」
ほうかごのきょうしつ!
和「ここで良いわね。誰もいないし」
唯「和ちゃんおはなししたいことってなぁに?」
和「…あっ、えーと…その…」モジモジ
唯「あっ!もしかして今日一緒に帰ろうとか?私は大丈夫だよ!」
和「(……多分、唯なら大丈夫よね?)」
和「…唯」
唯「ん?」
和「…ぶりっこポーズ…してもらってもいいかな?」
唯「……」
唯「へ?」ポカーン
和「(あぁっ!?流石の唯も呆気に取られてる!?)」ガビーン
唯「えーと…」
和「あぁ!良いの!別に良いのよ!忘れて!変なことを言ってごめ…」
唯「こ、こうで良いのかな…?」キャルン
和「……」
和「(…やってくれたわ。なんて従順な子なの…)」
和「(…なんか今から自分が今からしようとしていることに罪悪感が…)」
唯「和ちゃーん?これで大丈夫?変じゃない?」
和「(でも、ぶりっこポーズまでさせて何もしないのも…)」
和「唯!ごめん!あとでアイス奢ってあげるからっ!」
唯「えっ?なになに?アイス?」
和「相手をメガネ好きに変える力!」ドーン!
唯「ふえっ!?」
唯「和ちゃん…?えっ…なに?」
和「……」ジーッ
唯「…?」
唯「……!?///」ボッ!
唯「(えっ!? なにこれ!?急に和ちゃんを見てると胸が…///)」ドキドキ
和「…ねぇ、唯?」
唯「えっ!?な、なに…?///」ドキドキ
和「私のこと好き?」
唯「ええっ!?///」ドッキーン
和「……」
唯「(ど、どうしよう…///なんだかわからないけど私、和ちゃんに恋しちゃったのかな!?///)」ドキドキ
和「…私とメガネならどっちが好き?」
唯「メガネ!///」
和「……」
唯「…あれ?」
和「(この力…本物なのね…)」シクシク
唯「(わっ!?和ちゃんが泣いてる!?)」
唯「(私が和ちゃんよりメガネの方が好きって言っちゃったからだ…フォローしないと!)」アワアワ
唯「ご、ごめん!今のは冗談!和ちゃんよりメガネの方が…!」
唯「……」
唯「あれー!?」ガビーン
和「良いのよ唯…もう良いの…」シクシク
和「(なんなのこの能力…)」シクシク
さわ子「なんだあの能力…?」
犬丸「いやーその…」
さわ子「唯ちゃんが真鍋さんが一緒に歩いてるとこ見かけてなんか胸騒ぎがして来たのは良いけど…」
さわ子「まさかアンタの担当の子だったとはね犬丸」
犬丸「いや、私も和さんが一般人に能力を試すつもりなんじゃないかと心配して追いかけてきたのは良いんですが…」
犬丸「まさかさわ子先生の担当の子だったとは…安心しました…」
さわ子「あぁっ!?何が安心だぁ!?」
犬丸「ひっ!?」ビクッ
さわ子「相手をメガネ好きに変える能力!?ふざけてんのか!?」
犬丸「ふ…ふざけているわけでは…彼女にピッタリな能力かと…」
さわ子「そういうこと言ってんじゃないわよ!」
さわ子「唯ちゃんの状態を見る限り能力は洗脳系!しかも最強クラスの力!!」
さわ子「もし真鍋さんが冗談で眼鏡を折ったりして見せたら唯ちゃん、どうなると思ってんの!?」
犬丸「しょ…ショックでのた打ちまわって壁や机に頭をぶつけて自爆……ハッ!?」
さわ子「その時点で唯ちゃんバトルから脱落になるだろうが!!こんのワンコが!!確信犯か!?」
犬丸「すいませんすいません!!違うんです!まさかいきなり能力者の方と…しかもさわ子先生の担当の方と出会うとは…!」ペコペコ
さわ子「まぁ…優勝者の一人を決めるバトルだからいずれは戦うこともあるかもしれないけど…さすがにそんな展開で最初に脱落するのはちょっと…ねぇ…」
犬丸「…ホントにすいません」
さわ子「もう良いわよ…なんか向こうも落ち着いたみたいだし…」
和「(職員室で聞こえた唯と先生の「木で人を殴る」って会話…)」
和「(やっぱり能力の話だったのかな…?)」
和「(こんなふざけた能力があるんだもの…何かを木に変える力があっても…)」
和「……」
和「(なにこの能力…)」シクシク
唯「ああっ!?泣き止んで和ちゃん!」
さわ子「…真鍋さんが不登校になったりしたら殺すわよ」ギロッ
犬丸「あぅぅ…!見た目だけで与える能力を決めなきゃ良かった…!」
第二話終了です!
最終更新:2010年10月31日 22:23