第四話

後輩の法則!

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?「…それで?結局バトルに負けて能力を失っただけの状態で帰ってきちゃったの?」

ベッキー「ご、ごめんです…途中に邪魔が入ってしまい…」

?「へぇー…その人そんなに強かったんだ?どんな人?」

ベッキー「き、金髪で眉毛が太い人で…能力は肉体強化系的な感じで…」

?「……」

?「わかった。ありがとう。もう帰っても良いよ」

ベッキー「えっ!?そ、そんな…もう一度だけ…」

?「もう能力失ってるくせにチャンスなんてものが存在すると思ってるの?…早く消えないと殺すよ?」

ベッキー「ひっ!?す、すぐに帰るです!ど、どうか見逃してください!」ガクブル

?「(その能力…早めに潰しておいた方が良さそうだね)」



ほうかご!

律「唯とムギ…今日は一緒に…」

唯「あっ、りっちゃんごめんっ!」

紬「私たち今日も和ちゃんと三人で帰る約束があって…」

唯&紬「それじゃあまた明日ねっ!」

律&澪「……」

眉毛とメガネ…私の唯先輩を誑かして一体…

梓「だからやめてくださいってば!?」ムキー

律「…なーんか、また最近おかしくね?」

澪「うん…唯だけのうちは気にならなかったけどムギまで最近、和と一緒に帰るようになったのは…」

律「…こりゃ三人共、男か…」

梓「そんなことないですってば!?」

澪「いや…私も流石に何かあるようにしか思えないな…私たちには多分言えないような何かが…」

梓「澪せんぱーい…」

律「…また、ちょっと後でも付けてみるか?」

梓「そうしましょう!」

澪「早っ!?」



かえりみち!

和「…しかしムギったらここ3日間で5人もの能力者を倒しちゃうんだから驚きよね…」

紬「そんなことないわ。唯ちゃんのフォローがあってこその結果だもの。私一人の力じゃないわ」

唯「えへへー誉められた!」

和「…どうせ私は未だに唯以外じゃ能力使用回数は0回よ…」シクシク

唯「大丈夫!そのうち絶対ぶりっこポーズで攻撃してくる能力者も出てくるよ!」

和「逆にイヤよ…そんな相手…」シクシク



律「能力…がなんだって?」

澪「いや…よくわからない…」

梓「ぶりっこポーズってなんですかね?」



……

紬「そ、それよりも今日は平和ねー!誰も能力者が襲ってこないし!」

和「襲ってきてもムギが一人で瞬殺よ…」イジイジ

紬「あぁっ!?和ちゃんがイジケモードに!」

唯「ありゃりゃー…最近多いんだよねぇ…」


澪「な、なんか瞬殺とか物騒な単語が…」アワアワ

律「…ストリートファイトでもして金稼いでんのか?」

梓「そういえばムギ先輩って怪力なんですよね…ってイヤイヤ!ストリートファイトとかどこのスラム街ですか!?」

律&澪&梓「(うーん…謎は深まるばかりだ…)」


「おねーちゃーん!!」

唯「お?」

梓「あれは…憂と純?こんな時間に二人で帰ってるなんて珍しい…」


憂「お姉ちゃん!」

唯「おりょ?憂?帰り道で会うなんて偶然だね!それと…」

純「あっ純です。鈴木純。こんばんはー」ペコッ

唯「そうだ純ちゃんだ!こんばんはー!」

憂「ムギ先輩に和ちゃん。こんばんはー」ペコッ

和「こんばんは憂。帰り道で会うなんて珍しいわね」

紬「確かにそうねー 。さっきまで学校にいたの?」

憂「あっ、はい!彼女のジャズ研が終わるのを待ってて…たまには一緒に帰ろうかな。みたいな」

純「憂と一緒に帰るなんて久々だよねー」

憂「ふふっ、そうだね」

紬「……」

紬「そうなんだー。それでその帰りに偶然私たちを?」

純「はい!憂ったら平沢先輩見つけた瞬間に笑顔になっていきなり走りだして…」

憂「も、もうっ!やめてよー///」

唯「そうなの?えへへー///憂かわいいー!」ギューッ…

憂「わぷっ…お姉ちゃん///」


そういえば最後に唯先輩に抱きしめられたのはいつ…ってぇ!?

梓「律先輩!いい加減殴りますよ!?」プンスカ

律「殴ってから言うなー!全くなんて奴だー!!」ムキー

澪「いや律の自業自得だろ…」

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紬「それじゃあ私はこっちだから…また明日ね!」

和「うん。またね」

唯「ムギちゃんバイバーイ!」

憂&純「さようならー!」


律「ありゃ?ムギの奴、自分の帰路に…」

澪「解散…か?…特に何も無かったな」

梓「だから言ったです!男なんていないって!」

律「はいはい、悪い悪い」

律「(うーん…何かあると思ったんだけどなぁ…)」

律「(能力って言葉も出てきて…唯の木の力の秘密でもわかるんじゃないかと思ったけど…)」

律「(まぁ、何も無いなら無いでそれでいいか)」

律「んじゃあ私たちも今日は帰るべ?」


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紬「……」

?「……」

紬「…いつまでそうやって私の後を付けてるの?」

?「…!!」

紬「私が一人になるのを最初からずっと狙っていたわね」

紬「…憂ちゃん」

憂「…ムギさん。いつから気づいていたんですか?」

紬「単純なこと。今日はジャズ研の活動はおやすみだったはず。なのにこんな時間まで鈴木さんを待っていた…なんてバレバレな嘘をついたからよ」

憂「…私も彼女も嘘をつくのが苦手なんですよね。素直な性格だから」

紬「そこをどいて憂ちゃん。私、唯ちゃん達のところに戻らないと」

憂「大丈夫ですよ。お姉ちゃん達には純がいます」

憂「…だからムギさんは私と遊んでもらって良いですか?」

紬「…どいてもらえないなら実力行使で行くわよ?」

紬「(唯ちゃん、和ちゃん…それまで無事でいて…!)」

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唯「憂が忘れ物なんて珍しいなぁ。一人で行っちゃったけど大丈夫かなぁ?」

和「そうね…もうすぐ外も暗くなるし今からでも追いかけて…」

純「いや?そんな必要無いと思いますよ?今頃もう忘れ物の回収に取りかかっているはずですから」

唯「えっ?もう学校に着いてるころ?それはいくらなんでも早すぎると思うなー」

純「そうですね…速すぎるという噂の琴吹先輩がいない今こそ先輩方を倒すチャンスってやつですね…!」スッ…

和「…!?」

唯「えっ?」

和「唯!彼女から離れて!」




純「口笛をレーザーに変える能力!!」ピィッ…!

和「あぶない唯!」ダッ…

唯「わっ!?」

バシュッ…!!

和「ぐっ…あぁっ!!」バタン…!

唯「…えっ」

唯「…の」

唯「和ちゃんっ!!!」ダッ…

純「あらら…平沢先輩に当たらなかったよー。でも次は…」

和「くぅ…っ…!」

唯「和ちゃん!大丈夫!?和ちゃん!?」

唯「(わ、私がどんくさいせいで…和ちゃんが…!)」ガクガク

和「大丈夫…カスっただけ…そ、それよりも第二波…来るわよ!」

唯「!!」

純「口笛をレーザーに変える能力!」ピィッ…!

唯「(あの子も能力者だったんだ…!)」

唯「(もっと私が早く気づいて対応出来ていたら…!)」

唯「くっそぉ!!」パァッ…グクグ…

純「(それがベッキーの隕石を打ち返した木の幹ですか?結構大きさがありますね!当たると痛いんだろうなぁ…)」ピィッ…

唯「あったれぇ!!」ブンッ…!

純「(まぁ、だからなんだって話ですけどね!)」ピィィッ…!

バシュッ!!…ドーン!!

唯「うわっ!?木が真っ二つになっちゃった!?」

純「私のレーザー光線はダイヤモンドさえ千切ることが出来ます」

純「木の幹如き…いつでも粉微塵に出来ますよ!」フフン

唯「えぇっ!?じゃあもしかして私ピンチ!?」ガーン

和「(…マズい…あの子…強いっ…!!)」

純「うーん…正直あんまり強いって感じしないなぁ…」

純「なんで憂は…っとと…危うく口が滑るとこだった…」

和「(憂…?)」

和「憂も…この能力バトルに参加しているの…?」

唯「えっ?」

純「……」

和「憂が私たちを襲うことを指示したの…?一体…」

純「おしゃべりはここまでです。うるさいからあなたから始末しちゃいましょうか」スッ…

和「…!!」

純「口笛をレーザーに…」

唯「やめて!!」

純「…平沢先輩」

和「ゆ、唯…」

唯「あなたの相手は私だよ!和ちゃんには手を出すなぁっ!」フンス

純「…まぁ、本来の目的は平沢先輩ですからね。別に良いでしょう」

純「そこで倒れてる人はいつでも始末出来ますしね」

和「くっ…!」

純「でも、どうするつもりですか?勇ましいのは良いですが先輩の攻撃は私には届きませんよ!」


唯「…そうだね。だから悪いけど私も今から本気を出しちゃうんだからねっ!」フンス

純&和「!?」

純「(本気…?まだ何か手があるというの?)」

純「(いや平沢先輩の能力にそれほど応用力があるとは思わない…ハッタリだ!)」

唯「……」フンス!

和「(いや…嘘をついているような眼には見えない…!)」

和「(唯…あなた一体どうするつもり…!?)」

純「…その無駄に自信満々な態度…ムカつくなぁ…!すぐに打ち崩してあげますよ!」スッ…!

唯「…!!」パァッ…

純「(ここで能力を使おうとしている…あくまでレーザーと ぶつけ合う気ですか…)」

純「そんなの無駄なのにさぁ!」

純「トドメです!口笛をレーザーに…変えるちからぁっ!!」

純「(これでトドメです!)」ピッ

ゴォォォッ…!!

純「…ん?なんか辺りがいきなり暗く…」

和「あ…わ…わ…!?」ガクガク

純「えっなに?…上に何か…?」スッ…

純「…!?」

ドスーン!!!!

純「がっ!?…はっ!?」メキメキッ…!!

純「(た、大樹から上から…降ってきたぁ…!?)」バキボキッ…!!

唯「正面がダメみたいなので上から攻めてみました!」フンス!

和「唯の能力…木を生んで殴る以外に木を生んで飛ばすことも出来るの…?」

和「(しかも…あんな大樹を…)」

純「そ…そんなの…聞いて…な…」ガクッ…

唯「そりゃ誰にも言ってないもん!使うのも初めてだし!」フンス

和「(バトルの中で閃いて生み出した技…!?)」ガビーン

和「(出せる保証も無い…全くのギャンブルだったというの…)」ポカーン

唯「しかし、ちょっと大きく作り過ぎちゃったなぁ…」

純「」

唯「生きてる?」

和「軽っ!?」

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ピーポーピーポー…

和「骨と言う骨が粉砕骨折…とりあえずトラックの轢き逃げあったと説明しておいたけど…」

和「トラックに轢かれたとはいえ、あまりにも酷い状態で生きているのが不思議なぐらいだって…」

唯「そっかぁ…見かけによらず凄い生命力なんだね!」

和「アンタもう少し罪悪感持ちなさいよ!?下手したら殺してしまってたのよ!?」

唯「ううっ…そうだよね…ごめんなさい…」

和「…まぁでも…あの状況を打開する為にはさっきの技ぐらいしか無かっただろうし…」

和「唯に限って殺意があったわけじゃ無いだろうしね…今回はもうこの話はこれでおしまい!」

和「(実際唯があの子を倒さなきゃ私たちが殺されていたかもしれないしね…)」

唯「ホント!?良かったぁ…あんまり怒られないで済んだよ~…」ホッ…

和「でも今後はなるべく使わないように!人殺しなんて唯だってイヤでしょ!」

唯「は、はいっ!了解であります!」ピシッ!

和「…もう」

和「(そういえばムギと憂…二人は今…?)」

~~~~~~~~~

紬「…くっ!」ハァハァ…

憂「ふふっ…随分と粘りますねムギさん…」ハァハァ…

紬「(憂ちゃん…この子の能力は一体…!?)」

憂「(純ちゃんが遅い…しくじったかな…)」

憂「(お姉ちゃん…)」

憂「(やっぱり私が直接手を下さなきゃダメなの…?)」



第四話終了です!



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最終更新:2010年10月31日 22:28