第八話
姉妹の法則!(前編)
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さわ子「……ってわけなのよ」
律&澪&梓「」
さわ子「?ちょっと!三人とも聞いてるの!?」
澪「いや…聞いてはいますが…」
梓「いきなり夜明け前に電話で起こされて何事かとと思えば…」
律「…さわちゃんは人間じゃなくて憂ちゃんも人間じゃないって…なんのこと?」
さわ子「そういうことよ」
犬丸「さわ子先生…色々と端折り過ぎかと…」
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律「つまり…さわちゃんは神様を目指していて神様になる為に唯に能力を与えた…と」
澪「それが…あの木の能力…?」
さわ子「そういうこと。やっと理解してくれたわね」
律「いや、まだイマイチ…」
梓「あ、あの!」
さわ子「ん?何かしら梓ちゃん?」
梓「ひゃ、百歩譲って先生が人間じゃないのはまだ認めます…」
さわ子「なんか複雑ね」
梓「憂が…人間じゃ…ない?」
さわ子「……」
さわ子「…ええ。これまた話すと長くなるんだけどね…」
律「うっそだろ…流石にそれは信じらねぇって…」
澪「じゃ、じゃあ…唯も…?」
さわ子「大丈夫。唯ちゃんはれっきとした人間よ」
梓「それって…」
さわ子「そうね。唯ちゃんと憂ちゃんは本当の姉妹じゃないわ」
律&澪&梓「!!」
律「おいおい…いくらなんでもそんなのって…」
澪「二人が本当の姉妹じゃないなんて…」
梓「…唯先輩はもうそのことを…?」
さわ子「…ええ。知っているわ」
澪「そんな…」
さわ子「知った上で今でも憂ちゃんの姉として彼女のことを 大切に思っている」
律&澪&梓「…!!」
さわ子「…彼女のことを救おうとしているの。だからお願い…あの子の力になってあげてほしいの!」
律&澪&梓「……」
さわ子「……」
律「…ハハッ!やっぱ能力者とかそんなんでも唯は唯だなー!」
さわ子「…えっ?」
澪「ホントにな…裏表も何も無い…」
梓「……」
梓「…能力者バトルというものが如何せんまだ信じがたいものなんですが…」
梓「救うっていうのは唯先輩と一緒に唯をいつも通りの暮らしに連れ戻す…って意味で良いんですかね?」
さわ子「あなた達…」
澪「そういえば救うってなんのことか聞いてなかったな…怖い内容だったらイヤだな…」ブルブル
律「まぁ内容聞こうが聞くまいがアイツらの為だ!部長としては一肌脱がないとな!」
梓「全く…律先輩は…それで私達は何をすれば?」
さわ子「あなた達…」
さわ子「あなた達は…」
律&澪&梓「?」
さわ子「なんて良い子なの~!!」ガバッ
律「おわっ!?さ、さわちゃんなんだよ!?」
さわ子「(…ちょっとだけ未練が残っちゃうわね)」
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律「で、私らはどうすりゃ良いのさ?その能力者バトルに参加すれば良いわけ? 」
澪「えぇっ!?ババババトルに…さ、参加するのか!?」
律「いや能力者とかそういう話を聞いて力になってくれってことはつまりそういことじゃねぇのかなー?って澪?」
澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイ」
律「おいおい…」
梓「でもバトルに参加するにしても私達には能力も何も…」
澪「そ、そうだよ!私達はバトルで使えるような…」
澪「…!?」
律 1
澪 2
梓 3
さわ子 1
犬丸 2
斉藤 3
澪「あれ…まさか…これって…」
さわ子「ちょうど三人いて良かったわ~!一人に一つずつ能力が与えられるから!」
澪「うわああああああ!?」
律「あぁ、後ろの二人も神候補なんだ。じゃあやっぱりバトルに参加しろってことか」
さわ子「ええ。夜明け前に自然公園で能力者によるチームバトルがあってね…向こうが6でこっちが3だったからどう考えても不利だって思っていたところでね…」
律「チームバトルか!なんか燃える展開じゃん!」
澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイ」ガクカク
律「あれ?6対6?唯…あとは、あぁ斉藤さんいるからムギもか!」
斉藤「左様でございます。紬お嬢様の神候補にてございます」
律「案外身近なとこに神候補っているんだなー…」
律「となると後一人…」
律「……」
律「私らの知らない人?」
犬丸「……」シクシク
さわ子「アンタが泣くなアンタが」
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律「……和か。すまん和…完全に忘れてた…」ズーン…
犬丸「あなたが謝る必要はありません…悪いのは…」ズーン…
さわ子「二人して落ち込まない!」
梓「…あれ?ここにいる皆さんってそれぞれの担当の人がもういるんですよね?」
さわ子「ええ。そうよ」
梓「既に担当の人がいるのに他の人にも能力を与えりしちゃって良いんですか?」
さわ子「ダメね」
梓「そんなあっさり!?」
律「ダメって…ああ、じゃあ他に私らの担当をしてくれる神候補が…」
さわ子「いないわね」
律「能力無しで戦えと!?」ガーン
さわ子「そんな危険な真似を生徒にさせたりなんかしないわ」
梓「(能力使ってバトルすること自体は危険じゃないのかな…)」
律「じゃあ、どうすんのさ?」
さわ子「ルール破る」
律「そっちの方が生徒の前でやっちゃダメだろ!?」ガーン
さわ子「大丈夫よ。ルール破ったところで罰なんかたかがしれてるもの」
律「どうなんの?」
さわ子「地獄に落ちる」
律「そんなサラッと言うなよ!?」ガーン
梓「じ…地獄…って…」
さわ子「あっ、別に死ぬわけじゃないから大丈夫。所謂人間界で言うところの囚人生活が待ってるだけだもの」
律「待ってるだけってアンタ…私達に能力を与えてから地獄に落ちるまでの執行猶予とかあるのか…?」
さわ子「無いわよ。即地獄行き」
律「おいおい!?」
律「じ、じゃあ唯のことはどうすんのさ!?ていうか、そっちの二人もそれで良いのかよ!?」
犬丸&斉藤「……」
律「ムギは?和は!?アンタらなぁ…!」
さわ子「だから、りっちゃん達が支えてあげて。だって私達神候補はバトルに手を出すことすら出来ないもの」
さわ子「今、出来る最善のことは仲間を増やして唯ちゃん達のバトルの負担を少しでも軽くすることなの」
律「……」
さわ子「…わかってくれる?」
律「…バトルが終われば地獄から出てこれんの?」
梓「(律先輩…)」
さわ子「……」
さわ子「…出てこれないことは無いけどね。それがいつになるかはわからないわ」
梓「!!」
律「……」
律「教師が生徒をほったらかして良いのかよ…」
さわ子「今、生徒の為に頑張ろうとしてるからチャラじゃダメ?」
律「明日から私の担任誰だよ」
さわ子「副担任?」
律「…卒業式までに出てこれんの?」
さわ子「…約束は出来ないけど覚える」
律「…ずるいぜ、さわちゃん」
さわ子「そうね…ごめんなさい…」
律「……」ギュッ
さわ子「…!りっちゃん…?」
律「…さわちゃんいねぇならずっと留年する」
さわ子「…ダメよ。そんなの許さないわ」
律「……」グスッ
さわ子「りっちゃん…」
梓「(律先輩…)」
澪「コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ」
さわ子「…ありがとうりっちゃん。こんな優しい生徒を受け持つことが出来て先生嬉しいわ」ギュッ…
律「……」
さわ子「…きっと早く返ってくるからね」キュイン…
律「…!?」
梓「さ、さわ子先生の体が光って…」
さわ子「………を………に変える能力………」
律「さ、さわちゃんっ…」
さわ子「さてと…」バシッ…!
律「うわっ!?……!?」
さわ子「こんなことに巻き込んでごめんなさいね…」ゴォォォォッ…!
梓「(先生の周りにブラックホールみたいな…穴が…)」
さわ子「……」
さわ子「またね」
ヒュンッ……!
梓「消え…た…?」
律「……」
律「ずりーよなぁ大人って」
律「次から次へと言葉を並べてさ…」
律「…早く帰ってくる。…またね?」
律「……ホント…かよっ…!」グスッ
梓「(律…先輩…)」
梓「(多分…もうきっとさわ子先生には…)」
梓「……」
梓「…あなた達はそれでも良いんですか?」
犬丸&斉藤「……」
斉藤「…ええ。決めたことなのです」スッ…
梓「!」
斉藤「これが今、お嬢様の為に出来る最善の一手…」キュイン…
斉藤「………を………に変える能力………」
梓「あっ…」
斉藤「お嬢様を…どうか…」ゴォォォォッ!
斉藤「どうか、よろしくお願いいたします」ヒュンッ……!
梓「……」
犬丸「…このような戦いに彼女達を巻き込んでしまった私達の贖罪みたいなものです…」
梓「(…でも、それで本当に良いの…?)」
犬丸「…さて、私も…」
澪「」ガクガク
犬丸「秋山さん…だったかな…」
澪「」ガクガク
犬丸「…うん。怖いんだね。こんなことに巻き込んでしまってすまない…」
犬丸「しかし私だけ地獄に行かない…ってわけにもいなくてね…じゃないと多分さわ子先生に殺されそうだし…」
澪「」ガクガク
犬丸「秋山さん…君には………を………に変える能力を与えようと思います」
澪「…えっ?」ブルブル
犬丸「えーと…ほら!こんな感じです!」パァァッ…
澪「…!」
犬丸「きっとあなたならこの能力と上手くやっていけると思いますよ」ニコッ
犬丸「そしてあなたの支えてなってくれるでしょう」
犬丸「どうでしょうか?この能力…受け取っていただけますか?」
澪「……」
澪「(バトルは怖い…怖い…けど…!)」
澪「は、はひっ!や、やります!」
犬丸「そうかありがとう」ニコッ
梓「(…!澪先輩がやる気に…一体どんな能力を…?)」
犬丸「では…………を………に変える能力………」キュイン…
犬丸「能力を受け取ってくれてありがとう秋山さん……和さんをよろしくお願いします」ゴォォォォッ…!
澪「え、えっ!?黒い大きな穴が…?」
梓「(そっか…澪先輩は地獄に落ちる瞬間をさっきまで見てなかったんだっけ…)」
犬丸「…では、さらば!」ヒュンッ……!
澪「!?」
梓「(犬丸さん……)」
梓「(…澪先輩…今の見て大丈夫だったかな…?)」
澪「……」
梓「(あれ?案外大丈夫そう…?)」
澪「」
梓「(…よく見たら立ったまま気絶してた…)」
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澪「そ…そうか…斉藤さんや…さわ子先生も…」
律「…ああ」
梓「…本当にこれで良かったんでしょうか?唯先輩達にも別れを告げずに…」
律「…まぁ、帰ってくるとは言ってたし良いと思ったんじゃね?…ホントかどうか知らないけどよ…」
梓「律先輩…」
澪「……」
澪「あのさ一つ思ったんだけどさ…」
律「ん?なんだよ?」
澪「このバトルって…」ゴニョゴニョ
律&梓「……」
律&梓「…!!」
澪「…ってのはダメなのかな?」
律「いや、アリだろそれ…大アリだよ澪!」
梓「さわ子先生達の言ってたことが本当なら…試す価値はありますね」
澪「そ、そうか…?けど地獄に落とされてそれってやっぱり少し無理が…」
律「ないない!絶対ないって!むしろ無理なら神様ぶっ飛ばす!」
梓「なんという発言を…」
律「よっしゃー!!そうと決まれば俄然やる気出てきたぞー!!サクッとチームバトルで勝っちまおうぜ!!」
澪「律が急に闘志を…」
梓「くすっ。やる気があるに越したこはとないです」
梓「(となると、これから始まるバトルには絶対に負けられない…!)」
そうちょう!
しぜんこうえん!
唯「…あれ?」
和「…えっ?…どうして律達がいるの…?」
律「そんなの決まってんじゃーん。私らも今日のチームバトルの参加者なのだ!」
紬「…ってことは」
律「そういうこった!」
紬「……」
紬「敵チーム!?」
律「ちげーよ!」
最終更新:2010年10月31日 22:33