そのころ平沢家では
唯「でねでね、ロりっちゃんがむぎちゃんの膝の上に座ってね、かわいいんだよぉ~!」
憂「いいなぁ~、私も見たかった~!(律さんホント何考えてんだろ…?)」
唯「でね、むぎちゃんのことを『おねえちゃ~ん』って呼ぶんだよぉ~!」
憂「かわいいね~!(妹キャラ…?うわ、全然似合わない!)」
唯「むぎちゃんが『あ~ん!』ってするとロりっちゃんも『あ~ん』って!」
憂「へぇ~!(ゴスロリ着たり妹キャラになったり…すごい急なキャラ変更だよね…厨二病?)」
唯「あ、今日はお風呂で洗いっこしようね、うい~!」
憂「ふえええっ!?」
翌日
唯「おっはよ~!」
紬「おはよう、唯ちゃん」
澪「あれ…?なんか、いつもの唯と違うような…」
和「そういえば…どことなく肌艶がいいわね」
唯「えへへ~、憂がテッテ的に洗ってくれたからだね~♪」
澪「憂ちゃん?ま、まさかお前…」
唯「うん!むぎちゃんとロりっちゃんのまねして一緒にお風呂入ったの!」
紬「あらあら~♪」
唯「頭の先からつま先までもう至れり尽くせりだったよ~」
和「ねえ、ろりっちゃんって?…律のこと?」
唯「そうだよ和ちゃん!この世に降りた天使だよ~」
紬「私の妹なのよ~♪」
和「ごめん、状況が全然読めないんだけど」
和「ねえ、律はどうしたのよ?昨日は休みだし今日もまだ来てないし…で、むぎとお風呂には入ってるの?」
澪「あぁ、そのだな和…説明し出すと長くなるんだけど…」
唯「りっちゃんはさわちゃんの実験台になってロりっちゃんになっちゃったんだよ!」
和「うん、あの、唯は黙ってて。澪、お願い」
唯「ぶー」
澪「ううん…あんまり口外にしないでくれよな。実は…」こしょこしょ
和「うん…うん…ええ!?」
澪「まあ、そういうことなわけだ」
和「事実…なの…よね?」
唯「モチのロンだよ!」
和「はあ…なるほどね。ロりっちゃんだの、一緒にお風呂だのの意味がやっとわかったわ」
紬「うふふ~♪」
姫子「(どうしよう…私もすごく気になってるんだけど教えてくれないかな…)」
和「で、律は今どうなってるの?」
澪「さわ子先生が校長に掛け合ってくれるって言ってたけど…」
和「じゃあ、許可がでたなら、律は学校に復帰できるわけね」
唯「早くロりっちゃんに会いたいな~♪」
紬「私も~♪」
和「ううん…難しいかもしれないわよ…」
唯紬「えっ!?」
和「だって、ロ律が大手を振って校内を歩き回るためには、全校生徒や全職員のコンセンサスが必要でしょ?」
澪「確かにそうだ…このクラスだけならともかく、全校に対して事態を説明したうえで了解を得るのは骨だな…」
紬「そんな…それじゃりっちゃんは…」
和「あ、でも、まだわからないわよ?事態がどう転がるかなんて私にも予想しかできないもの」
唯「ねえ和ちゃん、コンセントに何をさすの?」
紬「それにしても…先生遅いわね…」
澪「確かにな。律の件で職員会議でもしてるのかも」
唯「おお!じゃあ、きっと今ごろさわちゃんは先生相手に啖呵を切ってるんだね!」
紬「素敵!さわ子先生は熱血教師だったのね!」
澪「いや、ちゃんと冷静に話し合ってると思うぞ…」
唯「頑張れさわちゃん!みんな、さわちゃんとロりっちゃんのためにお祈りしよう!」
紬「はいっ!むうっ!」
唯「むむむむ…」
紬「むむむむ…」
和「…むぎも何だかトリッキーになってきたわね」
澪「もうまともなのは私だけだよ…」
ガラッ
さわ子「遅くなってごめんなさい。さ、みんな着席して?」
和「あ、先生来たわよ」
唯「むむむむむ…」
紬「むむむむむ…」
澪「お前らなあ…いい加減にしろっ!」
唯「はっ!今私少しだけ宙に浮かなかった!?」
紬「私は未来が少しだけ見えた気がしたわ!」
澪「目的が摩り替わっている!?」
さわ子「そこの二人、早く自分の席に着きなさい」
澪「あ、はい…ほらむぎ行くぞ?」
紬「今日の澪ちゃんのお弁当は…のり弁!」
澪「はずれだ!」
紬「…しょぼん」
さわ子「ええと…今日はちょっと、みんなにお話があります。田井中さんのことなのだけれど…」
唯「いよっ!待ってました!」
さわ子「平沢さんはしばらく喋らないでね?」
信代「先生、律がどうかしたんですか?昨日も休んでたし、今日も来てないし…」
三花「まさかりっちゃん…重い病気とか…!?」
ざわざわ
さわ子「はい、静かにして頂戴!静かに!ううん…実際見たほうが早いか…」
ガラッ
さわ子「りっちゃん、入っていいわよ」
信代「あ、なんだ来てるんだ」
律「お…おーっす、みんな…」
いちご「…どこの子供?」
さわ子「田井中さんです」
一同「えぇーっ!?」
和「あ、思ったよりかわいいわね」
さわ子「えーと…みんな唖然としてるみたいだけど、面倒なのでどんどん話を進めちゃうけれど…」
さわ子「田井中さんは、まあ要するに某探偵コナン的な薬によって見た目は子供頭脳は普通、という感じの状態になってしまいました」
さわ子「ただ、体は子供でも学習能力は高校生相当だし、本人の希望もあるので、今までどおりにこの教室で授業を受けてもらうことになります」
律「わたしはきぼうしたおぼえは…」
さわ子「元に戻る方法は現在鋭意調査中です。色々違和感もあるだろうけど同じクラスの仲間なんだし、みんなよろしくね?」
律「よ、よろしく…」ぺこり
姫子「かわいい…」キュン
信代「かわいい…」キュン
エリ「かわいい…」キュン
いちご「(蹴りたい…)」キュン
さわ子「と、いうわけでホームルームは以上です。あ、秋山さん…と琴吹さん」
澪「はい、何ですか?」
さわ子「田井中さんの机とイスを運ぶから、私と一緒に来てくれる?」
紬「わかりました~♪」
さわ子「じゃあ、他のみんなは一時間目の準備よ?はい、号令」
和「起立、礼、着席」
わーっ!!
律「ひいっ!?」
律「なな、なんだよ!?なんだよおまえら!?」
三花「ね、りっちゃん!?ほんとにりっちゃんなんだよね!?」
唯「そうだよ!私のロりっちゃんだよ!」
和「いつから唯のものになったのよ」
姫子「唯たちが話してたのって、このことだったんだね…しかしかわいいなあ」
信代「ね、ね、抱っこしていい?抱っこしていい?」
潮「あっ、ずるい!私も私も!」
いちご「(軽くでいいから蹴っちゃ駄目かな…)」
律「わーっ!?ちょ、ちょっとまてって!うわーっ!!」
澪「ま、当然こうなるわな…」
紬「りっちゃん大人気~♪」
澪「そ、そうだな…」
さわ子「ほら、二人とも行くわよ?みんなも授業の準備よー?」
紬「先生、本当に大丈夫なんですか?」
さわ子「え?うん、まあね」
澪「でも…今の律が学校にいると、色々とややこしいことになるんじゃ…」
さわ子「そうね…まあ確かに、先生方の中には反対してた人も多かったけど…でもね」
澪「でも…?」
さわ子「校長先生がね、『姿形が変わろうと、我が校の生徒であることに何ら変わりはない』って仰ったの」
紬「校長先生が…」
さわ子「それから、『学ぶ意欲のある生徒から学ぶ権利を奪うのが教育者のすることか!!』って一喝。反対してた先生方もぐっと黙っちゃったわ。さすがは校長先生よね~」
澪「へえ…すごいなあ、校長先生」
紬「うん、なんだかかっこいいわ~♪」
さわ子「でも真正ロリコンなのよね…」
澪「…ここでそれ言う必要ありますか?」
さわ子「はい、じゃあこれ持っていってね」
澪「なんだかずいぶん年季が入ってますね」
さわ子「そうねぇ、ま、この際使えればいいじゃない、ね?」
紬「じゃあ私は机運ぶから、澪ちゃんはイスをお願いね?」
澪「あ、うん。わかった」
さわ子「よろしくね。今までのやつは教室の後ろか廊下にでも出しておいてね」
紬「は~い♪じゃあ澪ちゃん、行きましょう?」
澪「あ、うん」
紬「ふんふんふ~ん♪」
澪「あの、さ、むぎ…」
紬「なあに?」
澪「…律との秘密って…何だ?」
紬「えっ!?」
澪「律に…体を洗ってもらったんだろ?」
紬「え、ええ。髪を洗ってもらって、それから体も洗ってもらったわ」
澪「その話題になると…急に律のやつ口ごもって、秘密だ、って…」
紬「そう…(りっちゃん、私との約束をちゃんと守ってくれたのね、うれしい♪)」
澪「なあ、体を洗うことを何で秘密にするんだ?一体何があったんだ?」
紬「うん、まあその…色々とね」
澪「色々?色々って何だよ?何の説明にもなってないぞ!?」
紬「でも、ほら…そこは秘密だから、私も言えないのよ」
澪「何だよそれ!?別にやましいことじゃないなら言えるだろ!?それともやましいことでもしたのか!?」
紬「…澪ちゃん」
澪「…っ!」
紬「あなたにとって…りっちゃんって一体何?」
澪「な、何って…た、ただの幼馴染だよ」
紬「いち幼馴染にしては、態度が暴戻ではないかしら?」
澪「そ、それは…」
紬「私もりっちゃんも、もう18歳。結婚だって出来る年齢なのよね。つまり、ほとんど大人なのよ」
澪「そう…だな」
紬「大人と大人がかわした約束や秘密を無理矢理に暴くほどの権利が、幼馴染にはあるのかしら?」
澪「……ないよ」
紬「わかってるじゃない♪」
澪「でも…でも、私は…」
紬「私はりっちゃんのこと、愛してるわ」
澪「へ…!?」
紬「ふふっ」
澪「あ、あいし…」
紬「まあ、愛なんて概念は素晴らしく玉虫色だから。解釈は澪ちゃんに任せるね♪」
澪「そ、それってどういう…」
ガラッ
紬「お待たせ~♪机を持ってきました~♪」
律「わーん!おねえちゃんたすけてぇ-!」
姫子「えっ!?なに!?お姉ちゃんってなに!?」
唯「ロりっちゃんはむぎちゃんの妹ちゃんになっちゃっちゃん!」
和「最後のほうおかしかったわよ」
紬「うふふ~、はい、りっちゃんの机よ♪澪ちゃん、早くイス持ってきて~」
澪「あ、うん…はい」
律「おっ!サンキュー、みお!」
澪「ああ、気にするな…(律は…私にとって…)」
そのころ2年1組では
純「梓!先生が言ってたことって本当!?」
梓「律先輩のこと?うん、本当だよ」
純「はあ~…軽音部って特殊だとは思ってたけど…これほどとは」
梓「うぅ…否定できない…」
純「ね、憂!って…どうしたのアンタ」
憂「うぅ~…」
梓「なんかずっとこの調子なんだよね…」
純「憂!?ちょっと憂!?」
憂「あ…純ちゃん…おはよう…」
純「何!?どうしたの!?」
憂「ちょっとね…脳内麻薬が…出すぎてて…」
純「はぁ!?」
憂「肉体は悲鳴をあげて…精神は幸福の絶頂にあって…」
純「わかんない!どういうことなの!?ねえ、梓!?」
梓「私だって何一つわかんないよ。…ねえ憂、昨日何かあったの?」
憂「お姉ちゃんとね…お風呂に、入ったの…」
梓「唯先輩とお風呂…?…ん?……あぁ、そういや部活の時にうらやましがってたな」
憂「それで…私、お姉ちゃんのこと…すみずみまで…2時間くらいかけて、きれいにしてあげて…」
純「それで肉体にガタがきたのか」
憂「そうしたら…今度はお姉ちゃんが私の身体を…あぁん!」びくん
梓「うん、わかった。要するにいつもどおりってことだね」
純「…軽音部のまわりってホント変人ばっか集まるよね…」
休み時間
紬「りっちゃんどう?ちゃんとついていけてる?」
律「うん、まあな。ノートとるのがちょっとたいへんだけど…まあもともとそんなにじゅぎょうについていけてたわけでもないし」
紬「ふふっ、がんばってね!ノート取り損ねても私が後で見せてあげるから心配しないで!」
律「うん…ありがと、おねえちゃん!」
唯「わ~い!私も私も~!」
澪「お前は普通にちゃんとノート取れよ…」
女子A「失礼しま~す!わっ、マジで子供だ…」
女子B「ね、ね、ね?ホントにりっちゃんなんだよね?」
律「お~っす。う~ん、まあな…」
女子A「確かにこの感じは律だわ…すごいなしかし」
女子C「うん…すごく可愛いなあ…」
紬「…?…あ、ねえねえ、ちょっとあれ見て?」
唯「ほえ?うわ~、なんか廊下に人がたくさんだねえ」
澪「2年生も1年生もいるな…」
和「きっと律を見に来たのね」
律「え~!?」
唯「ロりっちゃん、試しに手を振ってみたら?笑いながら!」
律「てを?…こう、かな…?」ふりふり
キャーッ!!
かわいいーっ!!
律「うおっ!?」
紬「うふふふふ~、りっちゃんモテモテだわ~♪」
唯「新アイドル誕生だね!!」
澪「……」
次の休み時間
梓「失礼します」
純「失礼しま~す…あっ!」
唯「あっ、あずにゃ~ん!」
梓「ちょっと様子を見に来たんですけど…大丈夫ですか律先輩?」
律「お~…なんとかいきてるよ~…」
梓「半死半生って感じですね…」
律「だってさあ…」
純「ふああかわいい!かわいいです!あの、だ、抱っこしていいですか!?抱っこしていいですか!?」ぎゅ~っ
律「あさからだいたいこんなかんじなんだもん…」
梓「ああ、なるほど…。純、終わったら私と交替ね」
律「なかのぉ~…」
唯「あれ?そういえば憂は来てないの?」
梓「あ、唯先輩、少しは自重すべきですよ」
唯「ほえ?」
梓「憂ってばずっとグロッキー状態なんですから」
律「ういちゃん、どうかしたのか?」
梓「昨日唯先輩とお風呂で洗いっこしたおかげで精魂尽き果てたみたいです」
律「あらいっこ…///」
紬「うふふ~♪」
澪「…?」
唯「そういえば憂、朝も元気なかったなあ。運動不足で体力落ちてるのかな?」
梓「自覚を促したほうがいいんだろうか…」
最終更新:2010年11月06日 03:34