澪「律は私のことが、好き……嫌い……好き……」

プツ……プツ……

澪「嫌い……好き……嫌い……。はあ……」

唯「みーおーちゃんっ!」

澪「うわあっ!唯!?」

唯「何してるの?」

澪「べ、別に何も……」

唯「ん?花びら占い?」

澪「ちがっ!」

唯「なんでそんなに慌ててるの?」

澪「あ、慌ててなんか……」

唯「そっかあ、澪ちゃん好きな人できたんだ~」

澪「うぅ……」

唯「誰誰~?」

澪「誰にも言わない?」

唯「うん!」

澪「本当に?」

唯「ほんとほんと~」

澪「…………」

唯「誰なの?澪ちゃんの好きな人って」

澪「……つ」

唯「なに?もっかい言って?」

澪「り……」

唯「りー?」

澪「り、律……」

唯「えっ……」

澪「女の子が好きなんて、おかしいよな。ごめん、やっぱ聞かなかったことにして……」

唯「……おかしくないよ」

澪「えっ?」

唯「澪ちゃんは、おかしくないよ」

澪「だって、律は女なんだぞ?」

唯「うん」

澪「女が女を好きになるなんて、おかしいって……」

唯「だから、おかしくないよ!」

澪「なんでおかしくないって思うんだ?」

唯「だって、澪ちゃんとりっちゃん仲いいし、私だってあずにゃんのこと好きだし!」

澪「唯が梓を好きなのとは違うと思うけど……」

唯「と、とにかくおかしくないよ!」

澪「本当?」

唯「本当だよ」

澪「……ありがとう。ちょっと気が楽になった」

唯「よかった」

澪「でも律は私のこと、なんとも思ってないんだろうなぁ」

唯「そんなことないと思うよ?」

澪「そうかな……」

唯「澪ちゃんが本当にりっちゃんのことが好きなら、きっとりっちゃんも応えてくれるよ」

澪「そうだと、いいな……」

紬「はい、お茶どうぞ」

律「お、サンキュー」

紬「梓ちゃんも、はい」

梓「どうも」

律「やっぱ、ムギの入れてくれるお茶は美味いなあ」

梓「そうですね」

紬「ふふっ、ありがとう」

唯「澪ちゃん、さっきからりっちゃんばっかり見てるね」

澪「そ、そんなこと……」

唯「みんなとお茶飲まないの?」

澪「は、恥ずかしい……」

唯「ええ~?」

律「おーい、唯と澪はお茶飲まないのかー?」

唯「あ、飲む飲む~!ほら、澪ちゃんも」

澪「う、うん……」

律「ケーキうめえー!」モグモグ

澪「…………」モジモジ

律「澪、ケーキ食べないのか?」

澪「えっ」

律「しょうがないなあ。ほら、あーん」

澪「あ、あーん……」

律「おいちいでちゅね~」

澪「おいちいでちゅ……」

律「えっ」

梓「えっ」

紬「ごくり」

唯「ああ~……」

律「ケーキうめえー!」モグモグ

澪「…………」モジモジ

律「澪、ケーキ食べないのか?」

澪「えっ」

律「しょうがないなあ。ほら、あーん」

澪「あ、あーん……」

律「おいちいでちゅね~」

澪「おいちいでちゅ……」

律「えっ」

梓「えっ」

紬「ごくり」

唯「ああ~……」

澪「あっ……」

律「ね、熱でもあるのか?」

澪「だ、大丈夫!」

律「そうか……?」

澪「ちょ、ちょっとトイレに!」

ダーッ

律「どうしたんだろうな」

紬「なにかあったのかしら?」

唯「私も行ってくる!」

梓「唯先輩っ……」

タッタッタッ……

唯「澪ちゃん」

澪「唯……」

唯「りっちゃんと話すだけで顔真っ赤なんて、本当に好きなんだね」

澪「うぅ……」

唯「それに、おいちいでちゅって……」

澪「あぁ~、もう部室に戻れない……」

唯「恋する乙女ってこんなふうになるんだね……」

澪「唯ぃ、どうしよう……」

唯「普通に戻ればいいと思うけど……」

澪「でも、目の前に律がいるんだぞ!」

唯「嬉しくないの?」

澪「嬉しいけど、照れるし……。はあ、なんで律を好きになっちゃったんだろう……」

紬「えっ!?」

唯「わっ、ムギちゃん!」

澪「ひうっ!」

紬「ごめんなさいっ!盗み聞きするつもりはなかったんだけど……」

澪「い、いつから聞いてた……?」

紬「部室に戻れないってところから……」

唯「ありゃ~……」

澪「ムギにまで知られた……。もう生きていけない……」

紬「女の子を好きになるのは、悪いことじゃないのよ?」

唯「ムギちゃん?」

紬「私、澪ちゃんを応援する!」

澪「ムギ……」

紬「誰にも言わないから、安心して?」

唯「よかったね、澪ちゃん」

澪「でも、律との距離が縮まったわけじゃないし……」

唯「ぶっちゃけあとは澪ちゃんが告白するかどうかだよね」

紬「確かに、澪ちゃんとりっちゃんは友達以上恋人未満って感じね」

澪「でも、律は女の子同士なんて嫌だろうし……」

唯「もっといい方向に考えないと!」

澪「でも、私と律じゃ不釣合いだし……」

紬「でもでも言ってても何も始まらないわ!」

唯「おおっ!びっくりしたー……」

紬「澪ちゃんが一歩踏み出さなきゃ、りっちゃんは多分澪ちゃんの気持ちに気付けないと思う」

澪「怖いんだ……」

唯「怖い?」

澪「もし律に告白しても、女の子同士なんて普通じゃないし、
  拒絶されたらどうしようって思うと、怖くてしょうがないんだよ……」

紬「澪ちゃん……」

澪「そのせいで律に嫌われたりしたら、私本当に死んじゃう……」

唯「じゃあ、確かめてみよっか」

澪「確かめる?」

唯「りっちゃんに、女の子同士の恋愛をどう思うか聞いてみるんだよ」

澪「唯がやってくれるのか?」

唯「えっ!」

紬「澪ちゃんには、無理そうね……」

唯「そんな~」

澪「お願い、唯!律に告白するときは、私一人で頑張るから!」

唯「ええ~」

澪「頼む!」

唯「うー……」


唯「り、りっちゃん」

律「なんだ?」

唯「あのね、聞きたいことがあるんだけど……」

梓「なんだか震えてますけど、唯先輩大丈夫ですか?」

唯「あ、あずにゃん!いつからそこに!?」

梓「最初からいましたよ……」

律「で、なんなんだよ」

唯「えっとね、りっちゃんは……」

律「……?」

唯「レズってどう思う!?」

律「は……?」

紬「流石にあの聞き方は……」

澪「唯に任せた私がバカだった……」


律「いきなり何言ってるんだ?」

唯「どう思う!?」

律「どう思うって……」

唯「……!」

律「変……なんじゃないか?」

唯「えっ……」

律「女同士なんて、おかしいだろ」

唯「あわわわ……」

澪「ううっ……」

タッタッタッ……

紬「澪ちゃん!」


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最終更新:2010年11月07日 04:18