翌日
唯先輩は、部活に来なかった。
2日後
唯先輩は、部活に来なかった。
3日後
梓「…」
紬「梓ちゃん、唯ちゃんなんだけど…」
梓「唯先輩は何やってるんですか?部活を何日もサボって…」
律「いや、つーか学校休んでるんだよね…」
梓「えっ?どうしてですか?」
澪「先生は風邪って言ってたけど、多分本当は…」
律「なあ、やっぱり今からでも唯の家に行ったほうがいいんじゃないか?」
紬「うん、私達もちょっと心配だし」
梓「…」
梓「…いえ、その必要はないです」
律「梓ー…」
梓(折れたら負け…。これは私と唯先輩の勝負なんだ!)
紬「じゃあ、私達3人だけでも行ってくる?」
梓「あ、だめです!」
梓(もし私が唯先輩の事好きってばらされたら…)
律「だめってお前」
梓「あ、いえ…憂が言ってたんですけど、本当に風邪なんです。風邪がうつるってお見舞いも断られてますし」
梓(ってことでいいや…)
澪「そっか…じゃあそっとしておくか」
梓「はい。それがいいと思います」
翌朝
梓「おはよ、憂」
憂「あっ梓ちゃん。おはよう!」
梓「なんだかご機嫌だね。唯先輩、元気になったんだ?」
憂「うん!えへへ♪」
梓(やっとかあ。今日あたり、何かあるかも…!?)ワクワク
放課後
梓「そういえば唯先輩、今日は学校来てるみたいですね」
澪「ああ。そろそろ来ると思うよ」
ガチャ
唯「おいっす!」
梓「お久しぶりです、唯先輩」
唯「あずにゃんおひさ~」
梓「…」
唯「ムギちゃん、今日のお菓子は~?」
梓「…」
梓「唯先輩?何か言うことはありませんか?」
唯「おお!そうだった!」
梓「あの…皆いますけど大丈夫なんですか?」
唯「うん。皆に言わなきゃだめだもんね」
梓「…わかりました。どうぞ」
唯「うん。皆、部活休んでごめんねー。今日からまた毎日くるね!」
梓「…」
紬「唯ちゃんが元気になってよかった~」
梓「…」
律「じゃ、早速ティータイムといこうぜ~!」
梓「あの…」
澪「ん、どうした梓?」
梓「いえ、唯先輩が他に何か言いたい事があるんじゃないかと」
唯「…あ!」
梓(思い出しましたか)
唯「皆、この前は突然帰っちゃってごめんね。でももう大丈夫!元気一杯だから!」フンフン
澪「やっぱり唯は元気なのが一番だよ」
紬「じゃあお茶にしましょう♪」
梓「…」
律「ん、どうした梓?」
梓(ここまでヘタレだとは…。助け舟を出してあげますか。唯先輩ってば、本当に私がいないとダメなんだから…)
梓「いえ…唯先輩、この前私の元カレの話を聞いて泣いちゃいましたよね?あの事なんですけど」
梓(お膳立ては整いましたよ。どうぞ)
唯「あ…あの話かぁ///」テレッ
梓「なんで泣いちゃったんですか?」
唯「…」コホン
唯「えっと…私、あずにゃんの事好きだったから…。あずにゃんの色んな話聞いて、何だか切なくなっちゃったんだ…」
唯「あずにゃん、皆、びっくりさせてごめんね」
梓「そう…だったんですね。でm
唯「でももう大丈夫!私、新しい恋を見つけたから!」
梓「…え?」
唯「あずにゃんの事好きだったから、すっごく悲しくて、いっぱい泣いちゃったんだけど…」
梓「え…あのう」
唯「そんな時、その人はずっと私の側にいてくれて、支えてくれて…」
唯「ううん、ずっと前から、私が気づかない時からずっとそうしてくれてたんだけどね」
梓「ちょっと…」
梓(そんな…勝手に一人で諦めないでよ!もっと踏み込んできてよ!)
梓「唯先輩!」
唯「あ、何?」
梓「いえ、唯先輩は私の事が好きなんですよね?」
唯「うん。もちろん好きだよ」
梓「私、今フリーなんですよ。私がそうなることってあまりないです」
梓「で、まあ結構暇だし…。先輩の気持ちを無下にするのもアレですし…」
唯「?」
梓(あーもう!)
梓「唯先輩がどうしてもっていうなら…つ、付き合ってあげてもいいかな?」
唯「…ありがと、あずにゃん」
梓「…!べ、別にお礼を言われる事じゃありません!ちょっとした気まぐr」
唯「気持ちだけ受け取っておくね」ニコ
梓「え…」
唯「さっきも言ったけど、本当に大切な人が誰なのか気づけたから」
梓「ま、待ってください!」
梓「唯先輩、意地はってるだけなんですよね?私にはわかります!」
唯「…」
梓「さっきの言い方が悪かったなら謝ります!だから、私と付き合…」
唯「違うよあずにゃん。これが私の本当の気持ちだよ」
梓「…」
紬(梓ちゃん顔白い…)
澪「梓?大丈夫か?」
律「あ…あはは!唯~、梓が珍しくデレてるぞ?作戦大成功だな!」
唯「そだね。珍しいや」ニコ
律(これは…ダメか)
梓「あ…あ…」
唯「じゃあこの話はおしまい!あずにゃんとは、ちょっとゴチャゴチャしちゃったけど…よかったら、また仲良くしてね!」
梓「は…い」
なんでこんな事になっちゃったのかな。
私の何がいけなかったんだろう。唯先輩を傷つけるような事、言っちゃったのかな…
あの時追いかればよかったのかな。それとも、彼氏なんて嘘を言わなければよかったのかな。
恋の相手が誰かは知らないけど、その人の話をしている唯先輩は幸せそうだった。
唯先輩はもう私の事は見ていない…
もし時間を巻き戻すことができるなら…もう一度あの日に戻ってやり直したいな…
終
最終更新:2010年11月08日 22:18