律「何泣いてんだよ」

唯「だって・・・」

律「嫌だったのか?」

唯「うん」

律「・・・」

唯「なに・・・?」

律「私が梓だったらよかったのになー?」ニヤニヤ

唯「そんなこと、言ってないよ・・・」

律「思ってるくせに」

唯「・・・」

律「否定はしないってか」

唯「とにかく、こういうことはもうやめてね・・・」

律「んー?聞こえない」

唯「・・・」グスッ

律「なんだよ、また泣くのか?」

唯「別に」

律「ふーん。まぁいいや。私帰る」

唯「うん・・・」

律「あー・・・最後に一つだけ聞いとくけど」

唯「なに?」

律「私、何か悪いことしたか?」

唯「・・・して、ないよ」

律「だよな?」

唯「ん・・・だから、今日はもう帰ってよ」

律「それじゃ失礼しますっ唯先輩っ」

ダァン!!!

律「!?」

唯「なんであずにゃんの真似するの?あずにゃん関係ないよね?」

律「へぇ?怒るのか」アハハ

唯「いいから早く帰ってくれないかなぁ」イライラ

律「ふぅん?んじゃ、また明日な」

唯「あぁ、寝坊するなよ?」

ダァン!!!!

唯「うるっさいなぁ、人の部屋の壁思いっきり殴るのやめてくれるかな」

律「お前こそなんで澪の真似してんだよ」

唯「え?そんな風に聞こえた?ごめんねー」アハハ

律「・・・」カッチーン

唯「なに」

律「気が変わった」

唯「え・・・?」バッ

律「何隠してんだよ」

唯「え、ちょっと」

律「一回ヤるのも二回ヤるのも変わらないだろ」グッ

唯「りっちゃん、やだよ・・・痛い、手離して」

律「うるせぇよ、被害者面すんな」

唯「え?被害者面すんなって言った?今」

律「言ったよ、耳悪いのか?」

唯「りっちゃんこそ頭悪いんじゃない?明らかに私、被害者だと思うんだけど」

律「何言ってんだよ、確信犯」

唯「・・・」

律「図星、か?」

唯「そんなこと、ないよ」

律「いいんだぜ、私のこと梓だと思って」

唯「え?それ本気で言ってるの?あずにゃんにすごく失礼だよ」

律「へーへー、そりゃ悪ぅござんした」

唯「私のことを澪ちゃんだと思ってこういうこと出来るりっちゃんと一緒にしないでよ」

律「・・・てめぇ」グッ

唯「やぁっ・・・くる、しいよ・・・!」

律「ヤってる最中に澪の話すんなよ」

唯「それはこっちだって一緒だよ。あずにゃんの話しないで」

律「・・・」

唯「なに」

律「お前さ、抵抗しようと思えばできたよな」

唯「いつの話?」

律「さっきも。今も」

唯「・・・」

律「まさかとか思うけど、こうなるように仕向けたなんて言わないよな?」

唯「・・・」

律「・・・返事くらいしろよ。まぁ、いいや。続きするかr」

唯「・・・だったら何?」

律「・・・っ!」

唯「ちょっとカマかければ襲ってきたりしてって思って・・・結局その通りになったけど、何?」

律「お、お前」

唯「まさか本当に無理矢理されるとは思ってなかったからさっきはちょっとビックリしちゃったけどね」アハハ

律「・・・全部計算かよ、馬鹿馬鹿しい」

律「何が『りっちゃんに無理矢理犯された・・・グスッ』だよ。ふざけんな」

唯「ビックリしたせいで泣いちゃったよー」

律「演技だろ」

唯「演技じゃないよ、混乱して涙が流れたのは本当だもん。女の子を泣かせるなんて最低だね、りっちゃん」

律「・・・何?神経逆撫でしようとしてるのか?」

唯「そんなつもりはないよ」

律「・・・」

唯「ただ、これじゃ澪ちゃんは嫌がるよねーと思っただけ」

律「・・・ほっとけよ」イライラ

唯「まぁ、いいや。続きしたいならしなよ」

律「・・・」

唯「それとも、また気が変わった?りっちゃんの心は秋の空なのかな?」

律「へぇ、ムカつく言い回しありがとよ」

唯「どういたしまして」ニコッ

律「・・・はは、とことん腹立つな、お前」

唯「別にいいんだよ、私は。りっちゃんはしたいようにしなよ」

律「・・・そうか」

唯「するの?しないの?しないなら帰ってくれるかな」

律「なんだよ、そんなに私を追い出したいのか?」

唯「うん、一人になりたい」

律「へぇ?オナニーでもするのか」アハハ

唯「冗談がいちいち下品なんだよね、りっちゃんって」

律「悪かったな」

唯「あ、確かにりっちゃんとするくらいなら一人でした方がマシかも」

律「・・・んじゃ、やっぱ今日は帰らない」

唯「・・・図々しいんだね。『ゆっくりしていってください♪』なんて言ってたさすがの憂でもビックリして白目剥くよ」

律「いや、それ憂ちゃんのリアクションおかしいだろ。白目って」

唯「・・・」スッ

律「っ!」

唯「じれったいなぁ・・・もしかしてりょーしんのかしゃく?」

律「言葉の意味わかってんのかよ」

唯「わかってない人がこんな使い方すると思う?」

律「・・・さぁな」

唯「別に、細かいことは考えなくていいじゃん」

律「・・・なんだよ」

唯「私は澪ちゃんの代わり、りっちゃんはあずにゃんの代わり。それでいいでしょ」

律「・・・」

唯「元はと言えばりっちゃんが私を襲ったからこうなってるんだよ?」

律「それは、唯があんな話するから」

唯「しー。言い訳はいいよ。・・・そういう話もさ、終わってからしよう?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

律「・・・」

唯「ん・・・」

律「なにしてんの」

唯「ケータイ・・・」ンショッ

律「届くか?」

唯「ん、大丈夫・・・」ガシッ・・・パカッ

律「うおっ、眩しっ・・・」

唯「あーあ、もう1時だよ」

律「・・・そうか」

唯「泊まるの?」

律「この時間から帰れってか」

唯「冗談だよ」

律「わっかりにくいっての」

唯「りっちゃんはわかりやすいよね」

律「え?」

唯「終わってから明らかに凹んでるもん」

律「・・・唯は、いいのかよ」

唯「無理矢理した人に『いいのかよ』なんて、普通聞かないよね?」アハハ

律「・・・」

唯「りっちゃんがそんなんだとこっちの調子も狂っちゃうよ。・・・私は平気だよ」

律「悪い。・・・そっか」

唯「そんなの、聞かなくてもわかってるでしょ。状況から考えようよ」

律「・・・私、最低だな。澪にも唯にも、梓にも悪いことをした」

唯「うん。でもね、一つ忘れないで欲しいことがあってね」

律「ん・・・?」

唯「それをさせたのは私だよ」

律「・・・慰めなんていらねぇよ」

唯「慰める?面白いこと言うんだね、りっちゃん。曲がりなりにも自分を犯した人を慰めることなんてしないよ」

律「・・・じゃあ、どういう意味だよ」

唯「だからね、私たちは運命共同体だよってこと」

律「・・・」

唯「ここまで来ちゃったら後戻りは出来ないよね」

律「まぁ、な・・・」

唯「これからもりっちゃんの中で私は澪ちゃんだし、私にとってりっちゃんはあくまであずにゃんの代わり」

律「・・・」

唯「なんで泣きそうな顔してるの?」

律「・・・どうして、こうなったんだろうなって・・・思って・・・」

唯「それは私たちが二人におかしな気持ちを抱いたからだよ」

律「・・・」

唯「私だってあまりこういうこと口にしたくないよ」

律「ごめん・・・」

唯「・・・夜は冷えるね」

律「あぁ。さっきまでの汗がひいて、余計肌寒いな」

唯「・・・寝よっか」

律「・・・」

唯「返事が聞こえないよ。何?このままずっと朝まで起きてるの?」

律「なんか、寝てると現実逃避してるみたいで」

唯「いまさら何言ってるの」アハハ

律「え?」

唯「それを言うなら私達のこの関係自体が現実逃避だと思うけどね」

律「・・・だな」

唯「そうだよ、変なりっちゃん」

律「・・・くっついていいか?」

唯「駄目なわけないだろ」

律「澪の真似、すんな」ギュッ

唯「しっかりくっつきながら言っても説得力がないよ」アハハ

律「うっせ・・・」ウトウト

唯「眠い、寝ていい・・・?」ウトウト

律「唯。明日、どうしよう・・・」

唯「どうって?普通に学校行けばいいじゃん・・・」

律「そうじゃなくて・・・」

唯「なにー・・・?」

律「だから、澪に合わせる顔がない・・・」

唯「そんなの知らないよ・・・あ、合わせる顔と言えば・・・」

律「なんだよ・・・」

唯「澪ちゃんに連絡、しなくていいの・・・?」

律「へ・・・?あ・・・そっか、私、明日はここから学校にいくのか・・・なあ唯・・・」

唯「・・・」スースー

律「寝たか・・・もういいや・・・私も寝よ・・・」スースー





次の日


唯「おはよー!」

紬「あら、おはよう」ニコッ

律「っはよー!」

澪「ん、おはよ」

律「あ・・・澪・・・」

澪「あぁ、おばさんに『友達の家に行ったきり帰ってこない』って言われたから先に来ちゃったぞ」

唯「そうだったんだー。もう、りっちゃんってばちゃんと澪ちゃんに連絡しないとダメだよー」

澪「あぁ、全くだ。それにしても、やっぱり唯の家だったんだな」

唯「そーなのです!私たちは仲良しなのです!」ブイッ

律「!!?・・・や、やめろよ唯」

唯「えー?なんでー?」

律「・・・(こいつ、ホントいい性格してんな)」イラッ

紬「でも、りっちゃんが唯ちゃん家に泊まるなんて珍しいね?」

律「そ、そうかー?」

澪「そうだよ、律だけ泊まるなんて初めてじゃないか?」

唯「まー私達の愛がそれだけ深まったということですなっ!」エッヘン!

律「ばーか(マジでやめてくれ)」コチンッ

唯「あたっ」

澪「やれやれ。確かに仲よさそうだな」

紬「微笑ましいわー」ニコニコ

律「唯、そういうこと言うなよ」ボソッ

唯「えー?そういうことってどういうことかな?」

律「ばっか!声がデカい!」

澪紬「ん?」

律「え、えっと、その、ほら!本妻の澪しゃんが嫉妬でどうにかなっちゃうだろ!」アセアセ

澪「そうかそうかー・・・って、どうにかなるか!」ゴチンッ

律「ったー!」

唯「本妻っていうことは私は愛人なのー?」ブーブー

律「例え話っていうか、とにかくその話はおしまい!はい終了!」

唯「えー?」

紬「りっちゃん、やけに慌ててるのね?」

律「そ、そうか?」

澪「あぁ。それで、なんで律は唯の家に泊まったんだ?」

律「えっと・・・」

唯「本当のことが聞きたい?嘘が聞きたい?」ニコニコ

律「おい、何言ってんだよ」

紬「え、えっと・・・」

澪「じゃあまず嘘から」

唯「意味もなくなんとなく二人で遊んでました!」フンスッ

律「」


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最終更新:2010年11月09日 23:55