ビチャー



ざわざわ…

ヒソヒソ


小学校の音楽室

音楽の授業中、その事件が起きた。
先生がピアノを弾き、生徒が後ろに並んでピアノに合わせて歌を歌っていた。


A「うわーーー!」

澪「…」ペタン

澪が床に座り込んだ。その下には水が出ていた。

生徒がざわざわし始める。


澪「う…、ヒック…う、う…」


澪が座り込んで泣いている

 どうしたのー?

 お漏らし?

 えーうそー?

 うっわ…


先生「どうしたの…?」」

先生が異変に気づきピアノの演奏をとめる


ほどみんな何が起こったのか気づいていた。
どうしおようもない雰囲気に教室が包まれる。

「どけー!!」

そこへ誰かが生徒をかきわけて勢いよくやってきた

律「立てるぅ?」

澪「うぅ…、うぅ…」

律「よっ、っこいっしょ」

澪「ヒック…、う…!!グス」

律が無理やり澪を立たせて抱きかかた


律「ちょっとごめんねー」

澪「…」

澪はうつむいて泣いている。律に誘導されている
律が澪を抱きかかえてドアを目指して歩いていく。
そして教室を出て行った。


廊下はシーンとしていて誰も居ない。
律は何もいわずに澪を抱えて歩いている。

律「大丈夫?」

澪「グス…」

律「保健室いこっか?」

澪「うぅ…、ヒック…」コクン


律の問いかけに澪が泣きながらうなずく

長い廊下を歩き、階段を降りる。
すぐに保健室に着いた。

ガラガラ

律「失礼しまーす」

先「あら?律ちゃんどうしたの?」

ドアを開く保健室の先生が居た

澪「…」

律「ちょっとだけ澪ちゃんを見てほしいの!」

先「分かった」

律「お願いします!」

ガラガラ

保健室から出て、律は走ってトイレに向かった

律「あった!」

そしてすぐにトイレからでて走って音楽室へむかう


ガチャ

音楽室に到着してドアをあける。
教室はすこし混乱していた。

律「あれー?先生は?」

 「雑巾とりにいったよー」

律「あれー、私が持ってきたのにー!」


律の手にはトイレットペーパーと雑巾があった。


律「みんな!手伝ってー!」

そういって何人かに手伝ってもらい床を吹き出す

律「でもビックリだねー」

A「え?」

律「澪ちゃんがお漏らしするなんてさー」

A「え…」

律「んー?」

そんなことをいいながら律は床をせっせと拭いている

律「でも仕方ないよー。お前もお漏らしぐらいしたことあるだろー?」

A「は!?ねぇし!!」

律「どうせ毎晩お母さんにおぱんつ変えてもらってんだろー!!」

A「ふざけんなーー!!」


 っぷ…

 Aきたねぇー

 ハハ!!

そんな会話にみんなが笑っている

律「みんなー、澪ちゃんには普通に接してあげようね!!」

律がいきなりそんなことを言い出す。一瞬教室が静かになるがみんなが同意し始める

 そうだねー

  仕方ないよ

 俺ごみ箱もってくるねー

 私もてつだうよ?

律はせっせと床を拭いていながらアンドした顔をした

ガラガラ

先生が教室に戻ってきた。手には雑巾を持っている


先「あれ?」

教室を見渡すとほとんどを終わっていた

律「よーし!みんなありがと!!」

先生が状況を理解したみたいだ

先「律ちゃん、澪ちゃんはどこかな?」

律「保健室にいまーす」

先「そう。分かったわ」

先生が安堵したようすでにっこりわらう

律「せんせー、保健室に行ってきまーす」

律がそういってドアに向かう。

律「あ!」

律「雑巾とトイレットペーパー!!」

大きな声でそういって戻ってくる。
両手に雑巾とトイレットペーパーを持つ。

律「A-?」

A「なんだよ」

律「後は頼むねー」

A「うん」

律がドアへ向かい、教室からでる。

律「ふー」タッタッタタt

トイレにいったん戻り、そして保健室へ向かう
すぐに到着する

律「失礼しまーす」


ガラガラ


律「澪ちゃーん?」

保健室に入って中を見渡す。
澪はジャージ姿になっていた。
後ろを向いて座っているので顔が見えない

先「律ちゃんありがとうね」

律「はーい」

澪「…」


律が歩いて澪に近寄る
澪の顔は見えない

律「澪ちゃーん?」ヒョコ

澪「…」ビクン!


律が澪の顔を覗き込んで澪がビックリしている


律「大丈夫ー?」

澪「…」ササ


律の問いかけに澪は顔を目をあわさないようにしている
そして律が澪の隣に座る


律「よいしょと」


少しの沈黙のあと、律が言い出す


律「大丈夫だからね」

澪「…」

澪「…」ボソ


律の後に澪が何を言ったのか聞こえなくて律が耳をかたむける


律「んー?なんかいった?」

澪「…ありがと。」

律「いいよ。」

澪「うん…」

しばらく二人は保健室にいた。
とくに何かをしていたわけではない。
しばらく時間がたった。


律「帰ろうっか?」

澪「うん」

律「とう!」


律が変な声を発して立ち上がる。
澪も普通に立ち上がった。


律「あ!澪ちゃんかばんとか全部教室だよねー?」

澪「…」


律がくるっと向いていきなりそう問いかけた。
澪は俯いている

律「あららー」

澪「…」

律「澪ちゃん?」

澪「うう…、うぅ…」


澪がまた泣き出しそうになって座り込んだ
ウルウルして悲しい顔している


律「私がとってくるから大丈夫だよ!」

澪「…!」

律「ちょっと待ってて!」

澪「うん…」


そう行って律は保健室から出て行って走っていった


ガラガラ

教室に律が入ってくる。
帰りの会の途中である。

A「あれ?」

律「さっきはありがとねー」

A「いいよぉ」


Aと少し話した後、自分と澪のカバン等を持つ。


律「先生!今日は澪ちゃんと先に帰ってもいいですか!?」

先「いいよ。頑張ってね」

律「はーい!」


律が荷物をもって後ろのほうへ歩いていく


A「律っちゃん」

律「ん?」


律が振り向く


A「澪ちゃんにまた明日っていっといてね」

律「分かった!」


そして律がドアへ向かい教室から出る

ガラガラ

保健室のドアが開く
そして律が入る。


律「持ってきたよー!」


律がカバンを二つ持っている。


律「ほい!」

澪「…」ス

律「じゃぁ帰ろっか?」

澪「…」コク


澪が律からカバンを受け取り問いかけうなずく



帰り道


律と澪は歩いている
律が一方的に話していてそれを澪が聞いている


律「Aの奴が前さーー  

  それでさー!

  ・・


澪はいつもより元気が無かった
そろそろ澪の家に到着しそうである。


律「あっ」

澪「…?」


律は思い出したように言う


律「Aが「また明日」って言っといてだってー」

澪「うん」


澪の家の前に着いた


律「ついたね」

澪「うん」

律「どうしたの?」


澪の元気が無い。
もともと恥ずかしがりやで変な子だけど、律からすれば話せば普通の子だった


律「大丈夫だよ!」

澪「…」

澪「…」ギュ


澪がい俯き、抱きかかえたカバンを強く握り締める
そして律が近づいて顔を除く


律「澪ちゃん!」


澪が驚いて見上げると律が変な顔をしていた


律「うにゅ~」

澪「…っぷ」

律「おかしいだろ?」

澪「うん…!」

律「また明日ね!!」

澪「うん!」


律がそういうと走っていった。


澪「…」


澪は見えなくなるまで見送り、しばらくして家に入った



澪「ってことが昔あったんだ」

唯「へーーーー!」

紬「さすがりっちゃんね~」


部室でみんなで机に座っていた。
澪、唯、紬、梓でケーキを食べていた。


唯「そのとき澪ちゃんとりっちゃんは何年生だったの~?」

澪「2年生だったかな」

紬「それは仕方ないわ~」


梓「澪先輩がお漏らし…」

澪「うるさい!!」

唯「恥ずかしかった~?」

澪「当たり前だろ…。死ぬかと思ったよ」ガーン

紬「りっちゃんが居てよかったわね~」

梓「やっぱり昔から活発なひとだったんですね」

紬「Aくんはいいこだったのかしら?」

澪「あぁ…あいつはクラスでやんちゃだったけどいい奴だったよ」

梓「空気を読めるけど読めない人ですね」

澪「まぁそうかな」ハハ


唯「それで次の日はどうなったのー?」


澪「ああ。私は次の日は休もうと思ったよ」

梓「そうですよね」

紬「さすがにいきづらいわよね」

澪「そうなんだ。もう学校に絶対行かないって思ったよ」

唯「それで?」

澪「次の日起きて布団の中で包まってたんだ」

澪「マ…、お母さんには「お腹が痛い」って言ってな」

澪「それでこれからどうするか考えてたんだ」


みんなが話を聞いている
澪は思い出すようにゆっくり語っている



澪の部屋の中

澪はどうするか考えていた。


澪「…」


毛布の中でボーっとしている
昨日のことを思い出す


澪「…!」


澪は悲しくなって毛布を強く握る
そして律のことを思い出す


 「どけー!」

 「大丈夫ー?」

 「ほい!」


澪「(律ちゃん…)」

澪「(律ちゃんかっこいいな…)」

澪「(律ちゃんみたいになりたい…)」

澪「あ!」



澪「(そういえばまだ「ありがとう」って言ってない…)」


澪は一人で考える
昨日のことしかでてこない
しかしもう考えるんのをやめた。


澪「…」

澪「(寝よ…)」


澪はまた寝ようとした。
睡魔が襲ってきて意識が少し遠のいていく


「みーーーおーーー」


澪「…!」


2
最終更新:2010年11月11日 20:43