紬「グスタフ・マーラーは大戦前に亡くなった方だから著作権の保護はもう切れているから大丈夫よ」

唯「JA〇RACの人に怒られないの?」

澪「唯…なぜ古文はわからなくて著作権は分かるんだ…」

紬「著作権は著作者が亡くなってから半世紀経てば自動的に消滅するのよ」

唯「へぇ~そうなんだぁ~!なら安心だね!」

ガチャッ

律「ちぃーす…」

唯「あっ!律っちゃん!ムギちゃんが新曲を持って来たんだよ!」

律「ん…そっかぁ…」

紬「律っちゃんのはほとんどティンパニのを担当してもらうけど…良いかしら?」

律「まぁ…結局やるって言った手間なんだ…やるよ…」

紬「ふふ♪律っちゃんはやっぱりそうでなきゃ!」


♪~

唯「あはは~ここのメロディ良い~!」

澪「飲み込み早っ!」

紬「ふふふ♪みんな唯ちゃんみたいに頑張りましょ!」

律「今日はここまで~!」

唯「なんかいつもと違う感じで良かったね~!」

澪「たまにはクラシックも良いだろ?」

唯「うん!」

澪「しかし、原曲にはなかったところがあったけど、ムギが独自に加えたのか?」

紬「えぇ、そうよ♪」

澪「すごい…全く違和感がなかったよ!本当に作曲の才能があるなぁ~!」

律「………」


律(唯といいムギといい…よくもまぁなんであんなに音楽の才能が…)

律(それに私ときたら…)

律「………」

律「はぁ……」

唯「?」


……

カッチコッチ

梓「………」

カッチコッチ

梓「………」

ジリリリリリ

梓「はぁ……ここまでかぁ…」

ベーシスト「何をしているんだ梓?」

梓「ん…英語を時間内でどれだけ早く読めるかの練習…ってきゃああああっ!!!!」

ベーシスト「ん?ゴキブリでも出たのか?」

梓「ノックぐらいしなさいっ!!」

ベーシスト「おいおい…ノックをしようがしまいが結局は用があって入っているに代わりはないだろ?」

梓「なにその詭弁…」

ベーシスト「ははは…そんな細かいことを気にしていたら良いお嫁さんになれないぞ?」

梓「よ…余計なお世話だぁっー!!」

バタンッ

ベーシスト「あ…晩ご飯出来たのを伝えるの忘れてた…ははは…」



田井中家

律「よーし!今日でこの本を読破してみせるぞー!」

律「シンフォニアって交響曲のことなのか…バッハにモーツァルト、ベートーベン…知っている音楽家ばっかりだなぁ…」

律「ははっ…余裕余裕!」

律「一般には多くの楽章からなる大規模な音楽でソナタ、弦楽四重奏、ピアノ三重奏と似た形式を持つ…」

律「………」

律「あっ~わっかんねぇ~!」ポリポリ

律「うん、交響曲は私には難し過ぎたんだ。うん。次は協奏曲か…」

律「イタリア語でコンチェルト…特定の楽器群または一つの楽器がソロとして多楽章構成される演奏形式…まぁ、ソロっつったら目立つあれだよな…」

律「一般にはソナタ形式の三楽章構成が多く、小規模な協奏曲、単一楽章のみでなる協奏曲をコンチェルティーノ、小協奏曲という…」

律「………」

律「有名な音楽家はヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、ブラームス、チャイコフスキーなどなど…」

律「ああぁぁっ!!頭割れそうだぁぁっ!!」


チュンチュン

律「Zzz……んあ…?」

律「ね…寝ちまっていたのか…」


律「…って今何時だ!?」ガタッ

律「8:20…ち…遅刻しちまう…!!」ドタバタ

律「………」そ~

律(結局HR始まったか…)

律(けど、この田井中律はソリッド・ス〇ークばりに忍びこむことができる!!幸い出席はまだのようだな…)そ~

先生「…じゃ、出席をとるか…」

律(よ~し!あともう少しで席だ!やっほい!)

先生「そんなににやにやして、ほふく前進が好きなのか?田井中?」

律「」

先生「残念だったな~あともう少しで自分の席だったのに…」

律「あはは…そうですねぇ~」

先生「こんな時間に到着ってことは家からほふく前進か…朝から大変なことだなぁ~」

律「いやぁ~大変でしたよ~途中で通行止めがあって…ははは…」

先生「ははは…そうか~そうか~…私はお前みたいな生徒を持てて嬉しいなぁ~」

律「いやぁ~褒めないでくださいよ~照れちゃうじゃないですかぁ~」

先生「ははは…本当だぞ?何せお前に反省文を書かせることができるからなぁ~」

律「」


放課後

先生「ほい、原稿用紙5枚びっしり書くことだな!」

律「う゛ー…鬼…」

先生「はいはい…ぶーたれるぐらいならさっさと書け」

律「ちぇっ…」ブー

先生「おっと、途中で抜けたりしたら倍になるからなぁー!」

律「仕方ない…ちゃんと書くか…はぁ…」


音楽室

唯「律っちゃん遅いね~」

澪「全く…何やっているんだあいつは…」

紬「かわいそうだけど、先にティータイムにしましょ」

唯「わぁ~い!待ってましたぁ~!」

律「ショパン、シューベルト…うわっ!反省文が…」ケシケシ

ブブブブ

律「ん?澪からメール…あっ!やべぇっ!!」


澪「おっ、律からメールだ…はぁ?反省文だと?何やらかしたんだあいつは…」

唯「あらあら律っちゃんやらかしたんだ…」

紬「律っちゃん…何をやらかしたかしら…あんなことやこんなことを…ふふふ…///」

澪「………」

澪「はぁ…仕方ない…今日は個人練習にするか…」

唯「ねぇねぇ、この曲の原曲を聞かせてよ」

紬「あ…ごめんなさい。今日は持って来てないの…」

唯「そっかぁ~ざんね~ん~」

澪「私のiPodにあるよ。ただ、古くて聞きづらいけど良い?」

唯「聞きたい!聞きたい!」

唯「あれ?昨日合わせた感じとは全然違うよ?なんか暗い…」

澪「それは1楽章だな。1楽章は葬送行進曲といって暗くかつ厳かな感じを出すんだ」

唯「へぇ~そうなんだぁ~あっ!すっごい盛り上がってきた!かっこいい~!」

紬「ふふふ♪」

唯「あっ…また重苦しくなった…暗いよ…澪ちゃん、これ…」

澪「まぁ…葬儀向けに作られた楽章なんだし…」

澪(というかこの曲自体短音階の調だから全体としてやや暗めなんだけどな…)


唯「あっ…何か違う感じになった…」

澪「2楽章に移ったか…っていうか、途中をとばして5楽章を聞いたらどうなんだ?」

唯「えぇ~!私全部聞きた~い!」

澪「全部で70分近くあるんだぞ…?良いのか?」

唯「5楽章に移ります♪」ピッ

澪「………」


律「っしゃぁあああああ!!!!書き終えたー!!!!」

律「まだ唯達いるかなー?」


唯「?あれ?聞こえなくなったよ~」

澪「え…?ちょっとイヤホン片方だけでも貸して!……あ、本当だ…」ガバッ

紬「……///」ワクワクワク

澪「ん…?どうしたんだ?ムギ…」

唯「み…澪ちゃん…顔近いよ…大胆すぎる…///」

澪「………」

澪「……///」


律「お?まだ帰ってなかったな…いやぁ~悪い悪い…って!?」

律(澪と唯が見つめ合ってお互い頬が赤くなっている…!)



唯「み…澪ちゃん…律っちゃんという者が澪ちゃんにいるのに…///」

澪「…って違ーう!わ、私はい…イヤホンをだなっ…!///」

ガチャッ

律「み…澪…お前…」

紬「澪ちゃん…人間は罪深い生き物なのよ…愛は性も法律も越えるのよ!」

澪「」


律「え…イヤホン…?」

唯「澪ちゃんのイヤホンが途中で聞こえなくなっちゃってね~澪ちゃんが確かめてくれたの~」

紬「イヤホンを理由にして唯ちゃんと接近する口実を作ったわけなのね…」

律「えぇっ!やっぱり、澪…お前…」

澪「ムギの言うことを真に受けるな…」

澪「だ…だいたいなっ!女同士っていうのはおかしいだろっ!///」

唯「えぇ~!そうかなぁ~?」

紬「そ…そ…そんな…」ショボーン

澪(唯は良いとしてムギの落ち込みようはなんなんだ…?)

律「ははっ!な~んだ!ムギ達の冗談かよ~」

澪「あ…当たり前だっ…///」


……

律「もうこんな時間か…悪い…私のせいで合わせ練習出来なくて!」

澪「まぁ…明日があるから大丈夫だよ…」

唯「そうだよ~気にしない!気にしない!」

律「ありがとな…みんな…」

紬「女同士っておかしいの…?女同士っておかしいの…?」ブツブツ


帰路

律「み~お~!そう拗ねんなって!」

澪「……グスンッ…」

唯「ありゃりゃ…澪ちゃん拗ねちゃった…」

紬「女同士っておかしいの…?女同士っておかしいの…?」ブツブツ

律「………」


憂「お姉ちゃ~ん!」

唯「う~い~!」

憂「あっ!みなさんこんばんは」ペコッ

律「ちっす!」

澪「憂ちゃん、塾帰り?」

憂「いえ…友達の家で勉強会をしていて今終わったところなんです」

律「熱心だなぁ~」

紬「女同士っておかしいの…?女同士っておかしいの…?」ブツブツ

憂「あの…紬さんどうしたのですか…?」

律「気にするな…一種のカルチャーショックだ…」

憂(高校生って国際的!!)


律「もうすぐ入試なんだよなぁ~憂ちゃん気分はどう?」

憂「やっぱり、落ち着けません…緊張してしまうのが正直な気持ちです」

律「緊張するな、とは言わないけど、ガッチガッチにはなるなよ~どこの誰かみたいに」

澪「だ…誰がガッチガッチに緊張などっ…!!///」

律「別にぃ~」♪~

唯「憂はできるから大丈夫だよ~」

憂「お姉ちゃん…みなさん…ありがとうございます!」

唯「んとん…ヒラリー・クリントン…アメリカの現国務長官…」

憂「どうしたの?お姉ちゃん?」

唯「ううん!何でもないよ!う~い~!」

憂「あ…夕飯どうしよう…」

唯「何が良い?カレーライス?ライスカレー?」

律「カレーとご飯以外のバリエーションないのかよっ!!」


唯「あ~!!律っちゃんまた私をばかにしたでしょ~!!カレー以外に作れるもんっ!!」

律「じゃあ、他に何作れるんだよー?」

唯「シチュー!!」

律「作り方あんま変わんねーぞ!こらー!」

唯「やっぱりだめ?」

憂(受験終わったらお姉ちゃんと一緒に料理をしたいなぁー…)

唯「それじゃぁ、律っちゃんは何か料理出来るの?」ブー

律「ばかにするなよ~私はなっ!!スパゲティとかラーメンとかハンバーグだって出来るんだからなーっ!!」

唯「え…?」

澪「そ…そんな…」

唯「律っちゃん…見栄をはっちゃダメだよ…」

律「本当だっー!てめー絞めんぞっー!」

澪「こんなの私の知っている律じゃない…」

律「お前もいい加減にしろっー!!」

律「不愉快だっ!じゃーなっ!」スタスタ

唯「ありゃりゃ…律っちゃん帰っちゃった…」

憂「律さん行ってしまいましたけど、良いのですか?」

澪「良いよ…どうせ明日に忘れているよ…しかし、律のやつ…なんでまた料理なんて出来るようになったんだ…?」

唯(澪ちゃんの律っちゃんのイメージって一体…)


唯「あ、う~い~、結局、晩ご飯どうする?」

憂「う~ん…今度は…シチューかな…?えへへ…///」

唯「ガッテンですっ!!」

澪「………」

澪「…楽しそうだなぁ……」


秋山家

♪~

澪「………」

♪~

澪「はぁ…料理かぁ…全くやってこなかったなぁ…」

澪「律に教えてもらおうかな…///」

澪「いやっ!ダメだっ…!どうせバカにされるに決まってるっ!」

澪「ムギに教えてもらえるか頼んでみるか…」


田井中家

律「…ったく…唯といい澪といい…私が料理できたら良くないのかよっ!」ブツクサ

律「………」

律「まぁ…音楽の才能のない私には唯一の救いかもね…はぁ…」

律「ムギなんて両方そろってそうだよなぁ…はぁ…」

律「ムギに音楽について教えてもらえるか頼んでみるか…」


琴吹家

紬「女同士っておかしいの…?女同士っておかしいの…?」シクシク

斉藤「………」

斉藤(あわわ…お嬢様がお悩みであるというのにどうしたら…?)

斉藤(ここでお嬢様を元気にさせなければ琴吹家の執事としての名折れ…!なんとしてもお嬢様の気分を…)

trrrrrr……

斉藤「はい。琴吹家でございます…あぁ…これは田井中様…」

斉藤「はい…かしこまりました…お嬢様にそうお伝えします。はい、お休みなさいませ」ガチャン


紬「グスッ…女同士っておかしいの…?女同士っておかしいの…?」シクシク

トントン

紬「ん…?グスンッ」

斉藤「お嬢様、先ほどご友人の田井中様からご連絡がございました」

紬「律っちゃんから…?グスッ…なんて…?」

斉藤「ご相談がおありかと…明日の昼休み部室にお待ちになると…」

紬「グスンッ…分かったわ…ありがとう…斉藤…」

斉藤「……あの…何でお悩みか私は存じませんが…何があっても私は紬お嬢様の味方でございます…」

紬「………」

紬「…ふふ♪ありがとう…斉藤…」

斉藤(気分が戻られたぁぁぁ!!!)


中野家

梓「来週で試験かぁ…」

梓「たった5時間で私の高校生活が決まっちゃうのかぁ…はぁ…」

「ニャーニャー」

梓「にゃー?」

ガラッ

猫「ニャー」ピョンッ

梓「わぁっ…かわいい…って言っている場合じゃない…勝手に部屋に入っちゃいけないでしょ?めっ」

猫「ニャー?」

梓「もう……」

猫「ニャー」ゴロン

梓「あっ…寝転んじゃった…」

猫「ニャーニャー」

梓「ここが気に入ったのかな?」

猫「……」トコトコ

梓「?」

猫「ニャー」ペロ

梓「きゃっ…もう止めてったら…あはは…」

猫「ニャーニャー」ペロ

梓「励ましてくれているのかな?ふふ…」

ベーシスト「これは珍しい…オスの三毛猫だなぁ…」

梓「」


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最終更新:2010年01月12日 05:06