唯(あの不思議な出来事からもう二ヶ月か……)

梓「唯にゃん先輩、猫耳つけて下さいよ」

和「いいわ……平沢さんの猫耳って凄くいいわ」

唯(まだまだ、この人達には馴れないなぁ……)

梓「猫耳つけて下さいよ~」

和「私からもお願いするわ!」

唯「うっるさいな」

梓「減るもんじゃないしいいじゃないですか~」

唯「嫌だ」

唯(はぁ……梓ちゃんのこの欝陶しい性格直らないかな……)

律「平沢さーん!ポテチ食べるー?」

唯「いらない」

律「美味しいのにー」

―――ほんの少し前、私は不思議な鏡を拾った。
その鏡は私達が住んでいる世界とは別の世界……つまりパラレルワールドを写しだす鏡だった―――

唯(まぁ、割れちゃったけどね)

澪「なぁ琴吹さんカリガリ博士って知ってる?」

紬「……知らない」

梓「はい!唯にゃん先輩に猫耳装着!」カチャ

唯「ちょ……やめろ!」

和「可愛いわ~」

―――中野梓、性格はうるさくてマイペース。
悔しいけど、彼女からギターを教えて貰っている―――

唯「はぁ……もう」

和「写真撮っていい?」

唯「無理」

―――真鍋和、性格はよく分かんないけど一つだけ言える事は変態っぽい。
まだライブはやった事は無いけど衣装担当―――

和「いいじゃない写真の一つや二つぐらい」

唯「よくないよくない」

律「えへへ~平沢さん可愛いよ~」

唯「……あっそう」

―――田井中律、性格は可愛い系?ドジッ娘?
長い前髪で目が見えなくなる事があるらしくよく転んでいる。
軽音部のドラム担当―――

律「ポテチ美味しいよ~」

澪「いいか!カリガリ博士って言うのはな!ホラー映画の原点そう言っても過言じゃない映画なんだ!」

紬「…………」

―――秋山澪、正義感が強くて喧嘩も強いらしい。
それと、凄くホラー映画好き。
軽音部のベース担当―――

唯「ほらほら秋山さん、また意味の分からない話で琴吹さんを困らせない」

澪「す、すまん」

紬「…………」

―――琴吹紬、性格は静かであまり自己主張しない人。
私の1番の親友でよく一緒に帰っている。
軽音部のキーボード担当―――

唯「琴吹さんも聞きたくない話は無視していいんだよ?」

紬「…………」

唯「ほら、秋山さん琴吹さんはホラー映画は嫌いなんだからあまり驚かせたらダメだよ」

澪「す、すまん……」

唯「怖かった?」

紬「……少し」

澪「本当にすまん!」ガバッ

紬「……ううんいいよ」

唯(うわぁ土下座してるよ……)

唯「ほら、琴吹さんも許してくれてるみたいだし腰をあげてよ」

澪「あ、あぁ!」

梓「あ、そう言えば唯にゃん先輩?」

唯「そのあだ名やめて」

梓「いいじゃないですか~。今日部活見学に来る人が一人来るんですよ~」

律「それ本当ぉ?」

梓「はい!私が来いって言いました」

唯「ふぅん……」

梓「褒めてよ」

唯「その人が入ったら褒めてあげる」

梓「チッ……あ、名前は鈴木純って言うんですよ」

澪「鈴木純?ホラー映画は好きなのか?」

梓「あ、う~ん。嫌いだと思います」

澪「そ、そうか」

唯「その人はどんな人なの?」

梓「博多から来たみたい人ですよ。今は寮に住んでるって言ってた」

唯「へーここって寮あったんだ」

紬「……入るといいね」

唯「そうだね」

梓「きっと入ってくれると思いますよー」

律「わぁー!楽しみだなー楽しみだなー」

和「メイド服とか似合う娘だといいわね」

唯「真鍋さんは鈴木さんが来たら喋っちゃっダメ」

和「嫌だわ」

唯「あとで猫耳つけてあげるから」

和「わかったわ」

純「あのー…しゅみません」

梓「あ!来た来た!」

純「梓!軽音部の部室ってここであっとーと?」

梓「うん!あ、この人が鈴木純です」

唯(しゅみません?あっとーと?)

純「あ、鈴木純です見学に来ました!よろしくお願いします」

梓「座って座って」

純「わかった!」

律「鈴木さんの髪の毛、羊さんみたーい!」

純「そ、そうでしゅか?」

律「そうでしゅよ~」

唯「ね、ねぇ梓ちゃん?」ボソボソ

梓「はい何ですか?」

唯「何で鈴木さんは赤ちゃんみたいな喋り方なの?」ボソボソ

梓「あぁ、かつぜつが悪いんですよ」ボソボソ

唯「うわぁ……」

唯(ボーカルには向いてないな)

澪「鈴木さんは楽器は何をやってるんだ?」

純「ベースをやってましゅ……ます」

和「ふふっ……」

梓「純のベースは上手いんですよー」

澪「そっか、私と一緒だな」

純「そうなんですか?」

澪「あぁ!」

純「あ、今日はただ見学するだけじゃ悪いので……お菓子を持って来ました」

律「お菓子!?」

梓「わざわざそんな事しなくていいのに……あ、唯にゃん先輩は食べちゃダメですよ」

唯「おい、食べるよ」

純「どうぞポテチです」

唯(何だポテチか)

律「わぁ!何コレ!九州醤油味だってー!」

純「福岡にしか売ってないんでしゅ……ですよ!」

梓「私も見た事ない……美味しいの?」

純「うん、凄く美味しいとよ~」

唯「あ、鈴木さんは軽音部に見学しに来たんだよね?」

純「はい!」

唯「入るの?」

純「えっとまだ分かりません」

梓「えー!入ってよー」

純「でも、私ベース下手だし……」

唯「う~ん一度弾いて?下手でも上手でもとりあえずは褒めるからさ」

純「え?」

唯「ごめん、冗談だよ。鈴木さんのベース聞きたいな」

純「わ、分かりました……でもベース持って来てないですよ?」

澪「あ、私の貸すよ」

純「え?本当ですか?ありがとうございます!」

澪「うん、ちょっと持ってくるから待ってて」

純「はい!」

唯「ねぇ?鈴木さん?」

純「何ですか?」

唯「とーとって何?カエル?」

律「博多弁だよ~私の親戚が博多に住んでるから分かるんだ~」

唯「あぁ、博多弁か」

澪「ほら、ベース持って来たぞ」

純「ありがとうございます!」

澪「それじゃあ弾いてくれ」

純「わ、分かりました!緊張しますね」

律「大丈夫だよ~」

唯「ちょっと待って私トイレ行きたいな」

紬「……私も」

唯「じゃあ私と琴吹さんはトイレ行くからベースは帰って来てから聞かせてよ」

純「はい!分かりました!」

和「二人でトイレに言って何するの?」

唯「じゃあ、行こっか」

紬「……う、うん」

和「無視しないでよ冗談よ冗談!」

唯「すぐ帰って来るから鈴木さん待っててね」

純「あ、はい!」

ガチャバタン。

唯「ふぅ……また癖がある人が来たね」

紬「……髪の毛が可愛い人だね」

唯「え?そうかな?」

紬「……うん」

唯「何かその内、草むしりが趣味な人とか軽音部に入って来そうだね」

紬「……うん」

唯「ごめん冗談だよ。早くトイレ行こっか」

紬「……うん」

唯「そう言えば琴吹さんはバイト始めたんでしょ?」

紬「……うん」

唯「何のバイトだっけ?忘れちゃった」

紬「カレー屋さんだよ。私カレー好きだから……」

唯「そっか接客とかはちゃんと出来てる?」

紬「うん……大丈夫」

唯(何かちょっと心配だなぁ……)

紬「…………」

唯(前みたいにイジメられてなきゃいいんだけど……)

紬「…………」

唯(大丈夫かなぁ?)

唯「うわっ!!」ドテッ

唯「あ痛てててっ……」

紬『唯ちゃん大丈夫?』

唯「あ、うん……こけちゃった」

紬『怪我とか無い?』

唯「うん……大丈夫大丈夫……」

紬『よかったわ~あら?唯ちゃんヘアピンは?』

唯「ヘアピン?着けてないよそんなの」

紬『でも、今まで付けてたわよね?落としたの?』

唯「だから付けてないよ。それより早くトイレに行こうよ琴吹さん」

紬『琴吹さん?』

唯「ん?どうしたの?」

紬『まさか……憂ちゃん!?』

唯「違う」

紬『違うの?』

唯「違うよ。全然違う」

紬『でも私の事、琴吹さんって呼んでたわ!』

唯「何を今更、何時もそう呼んでるじゃん」

紬『……本当に唯ちゃんなの?何か雰囲気が全然違うわ』

唯「琴吹さんも凄く饒舌だね。別の人みたい」

紬『そう?あ!わかったわ!新しい遊びね~』

唯「遊んでる様に見えるんならそうじゃないかな?」

紬『……何だか本当に唯ちゃんじゃないみたい。パラレルワールドの唯ちゃんみたいね』

唯「琴吹さんもパラレルワールドの琴吹さんみたい」

紬『まさか……パラレルワールドの唯ちゃんなの!?』

唯「そんな分け無いよ。ほら、早くトイレ行くよ」

紬『え、えぇ……』


唯「ふぅ~じゃあ行こっか」

紬『えぇ、そうね!』

唯「鈴木さん待ってるだろうから急ごっか」

紬『鈴木さんが誰を待っているの?』

唯「私達だよ。あー早くベース聞きたいな」

紬『……唯ちゃん?』

唯「何?」

紬『唯ちゃんギターに名前付けてたでしょ?』

唯「付けてないから」

紬『やっぱりアナタは唯ちゃんじゃないわ!』

唯「よく分かったね。本物の唯はお腹の中です」

紬『そ、そうなの!?』

唯「嘘だよ。琴吹さんって冗談言える人だったんだね」

紬『冗談じゃないわぁ~』

唯「ふぅん、ほら部室に着いたから鈴木さんに迷惑かけないようにね」

ガチャバタン。

唯「ただいま。あれ?鈴木さんは?」

澪『鈴木さん?来てないぞ』

紬『みんな聞いて!唯ちゃんがおかしいの』

唯「おかしくない。おかしくない」

律『あれ?唯ヘアピンは?』

唯「何で田井中さんカチューシャしてるの?」

律『田井中さん?』

紬『唯ちゃん澪ちゃんの名前を呼んでみて』

唯「秋山さん」

梓『唯先輩どうしたんですか?』

唯「どうもしてないって梓ちゃん」

紬『ほら!おかしいわよね?』

律『あ、あぁ……どっかで頭打ったのか?』

紬『あ!そう言えば唯ちゃんこけたわ!』

唯「恥ずかしいからそれ言わないでよ」

梓『こ、こけた!?』

紬『それで頭を打って……唯ちゃん病院に行きましょう!』

唯「確かに頭は打ったけど大丈夫だって……」

澪『でも、一応行った方がいいんじゃないか?唯の雰囲気が何時もと違う……』

唯「みんなも違うね……パラレルワールドの人達みたい」

律『それだ!』

唯「どれ?」

律『この唯はパラレルワールドの唯なんだよ!わざわざ来ていただきありがとう』

唯「あっそう。で、鈴木さんは何処行ったの?」

梓『純は最初からいませんよ』

唯「冗談はいいから……」

梓『ほ、本当です!』

澪『梓が言ってる事は本当だぞ唯』

唯「あれ?外……雨が降ってるね」

紬『雨なら朝から降ってたわよ?』

唯「降ってなかったよ……今日は朝から快晴だったよ」

律『もしかして私がさっき言ってる事は本当……なのか?』

唯「ハハッまさかね……本当だったら霧が学校を包んで怪物が出てくるよ」

梓『あ、あの私のあだ名を言ってみて下さい!』

唯「サンプラザ」

梓『憂じゃありませんよね……?』

さわ子『憂ちゃんじゃないわ!』

梓『やっぱり……ってきゃっ!』

さわ子『おっぱいの大きさが唯ちゃんと同じなのよ』

律『いきなり出て来て何を言ってるんだ?』

唯「びっくりした……」

さわ子『やっぱり……雰囲気が違うわね。アナタ何者!?』

唯「平沢唯ですけど……」

さわ子『そうよね~あ、ムギちゃん紅茶入れてちょうだい』

紬『はい、分かりました~』

唯「紅茶なんてあるの?」

律『前からムギが持って来てたじゃないか』

唯「……もし私がパラレルワールドから来たんだったらどうする?」

律『びっくりする』

唯(みんなの呼び方も違うし外は雨だし……もしかしたら本当に違う世界に来たのかも……まさかね)


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最終更新:2010年11月12日 02:24