【パラレルワールド2】

唯『あうぅ……本当にパラレルワールドから来ちゃったのかなぁ?』

梓「唯先輩は私に抱き付いたりしません」

律「平沢さんはあうぅ……とか言わないよ~」

澪「それにこんなに可愛いらしくない」

和「猫耳を心良く付けたりしないわ」

唯『ど、どうしよう……』

紬「……頭大丈夫?」

唯『うん!大丈夫だよ~……それより本当にここパラレルワールド!?』

澪「多分……その内、体が消えたりするんじゃないか?」

唯『えーっ!怖いよー!』

梓「唯にゃん先輩は何処行ったんですかね?」

紬「…………無事だといいな」

唯『と、とりあえず憂に電話しなきゃ!』

澪「憂ちゃんに?」

唯『うん!……あれ?憂の電話番号が違うよ!』

梓「私が憂を呼びますよ」

唯『ありがとう!あずにゃん』

梓「チッ……あずにゃんって変なあだ名」ボソボソ

唯『うぅ……どーしよう?』

紬「……落ち着こ?」

唯『うん!』

梓「あ、もしもし……うん唯にゃん先輩がさ……ま、とりあえず部室に来てよ……じゃあバイバイ」

唯『カチューシャしてないりっちゃん可愛いね~』

律「えへへ……そ、そうかな?」

唯『えへへだって~可愛い~』

和「平沢さんスクール水着があるんだけど……着る?」

唯『今はそんな気分じゃないよ~』

ガチャバタン。

憂「お姉ちゃん!?」

梓「あ、憂だ来た来た」

唯『憂ー!パラレルワールドに来ちゃったみたいなんだー助けて!』

憂「どう言う事ですか?」

澪「話すと長くなりそうだけど……この平沢さんは平沢さんじゃないんだ」

憂「ほぇ?どう言う事ですか?」


【パラレルワールド】

唯「はぁ……」

憂『…………』

律『憂ちゃんが言うんなら間違いないな』

憂『はい……この人はお姉ちゃんじゃありません』

唯「マジでパラレルワールドの来たんだ……体育館でジョニー・B・グッドでも歌おうかな……」

律『それはタイムスリップした時に歌え』

唯「はぁ……」

紬『唯ちゃん紅茶よ』

唯「ありがとう……」ズズズ

憂『あの!お姉ちゃんは何処行ったんですかね?』

唯「私の世界じゃない?」

憂『そう……ですか』

梓『唯先輩どうやって帰るんですか?』

唯「それが分かったらとっくにやってるよ……」

澪『ま、まぁ!その内戻るんじゃないのか?』

唯「だといいんだけどね……せめて四日後には戻って欲しいよ」

律『四日後には何かあるのか?』

唯「学園祭だよ。ライブを初めてやるんだけど……このまま戻れなかったら……はぁ」

さわ子『何だか話しが良く分からないわね~』

律『さわちゃんは少しだけ静かにしてて下さい』

さわ子『えっ!私だけ仲間外れ?まぁいいわ……仕事もあるし職員室に戻ってるから』

澪『さ、さようなら』

さわ子『えぇさようなら』

唯「学園祭どうしよう……」

律『だ、大丈夫だって!な澪!?』

澪『あ、あぁ!』

唯「気休め程度にしかならないけどありがとう」

憂『向こうの世界のお姉ちゃん大丈夫ですかね?』

唯「多分、今頃……謎の地底生物に……喰われて」

憂『……え?』

唯「ご、ごめん冗談だよ。大丈夫だと思う」

憂『そ、そうですか……』

紬『せっかくこちらの世界に来たんだし向こうの世界の話しを聞きたいわ!』

唯「あ、うんいいよ」

紬『本当?嬉しいわ!』

唯「何を話せばいいかな?」

紬『唯ちゃんの印象に残った事とか聞きたいわ~』

唯「それなら、アメリカでジョン・マクレーンって警察がいるんだけどその人凄いんだ」

澪『ジョン・マクレーン?』

唯「そう、その人は本当に凄いよ。テロリストを一人でやっつけたり何か色々と凄いんだ」

律『ちょっと待てよ……ジョン・マクレーンってダイ・ハードの主人公じゃないか!』

唯「ダイ・ハード?」

梓『また冗談ですか?』

唯「いや、これ本当だよ!この前も何かして有名になったんだから!」

律『いや、嘘だろ~』

唯「本当だって!」

紬『ダイ・ハードって何なの?』

律『知らないのか?アクション映画だよ』

紬『映画なのね~!私達の世界は映画でも唯ちゃんの世界は現実なのかもね!』

唯「え?こっちの世界では映画になってるの?」

梓『そ、そうですよ!結構有名な映画です』

唯「見てみたいなそれ」

律『もし唯が言ってる事が本当ならそっちの世界は凄いな』

唯「そうかな?そっちの世界では何かあった?」

梓『う~ん……特に無いですね』

憂『お姉ちゃんそんな世界に行って大丈夫かな?』

唯「大丈夫だよ。日本は平和だから、そう言えばこの前も北朝鮮の大統領が秋葉原を観光しに来てたなぁ……」

澪『き、北朝鮮の大統領が秋葉原を観光!?』

唯「うん、半年に一回は来てるよ」

律『す、凄いなそっちの世界は』

唯「そうかな?」

憂『よかった……そっちの世界も平和みたいで』

唯「まぁ私もこの世界が平和でよかったよ。いきなりゾンビとかが出て来たりしたら怖いもん。この近くにショッピングモールは無さそうだしね」



【パラレルワールド2】

唯『お、おじゃまします……』

梓「向こうの世界とは帰り道が全然違うんですね」

唯『うん……でも家の形とかは一緒だよ!』

憂「お姉ちゃん大丈夫かなぁ?」

梓「大丈夫なんじゃない?」

憂「そうかなぁ?」

唯『家の中は全然違うね~』

梓「唯にゃん先輩の部屋見てみます?」

唯『あ、見たい見たい!』

憂「じゃあ案内してあげるね~」

唯『ありがとう憂!』ギュッ

憂「お、お姉ちゃんが私に抱き付いてるよ梓ちゃん!」

梓「うわぁ~羨ましい」

唯『羨ましいの~?じゃああずにゃんにも!』バッ

梓「やめて!」ヒョイ

唯『よ、避けられた!』

梓「私に抱き付いていいのは向こうの唯にゃん先輩だけです!」

唯『えーっ!』

憂「お姉ちゃんの部屋早く見に行こーよ!」

唯『そうだね~』

憂「ここがお姉ちゃんの部屋だよ~」

唯『わぁ!私の部屋と全然違う!』

梓「特徴が無い部屋ですよねっ」

唯『そうだね~あ、このポスターの人誰?』

憂「リバー・フェニックスって俳優さんだよ!お姉ちゃんが大好きなんだぁ~」

唯『そうなんだぁ~カッコイイね~』

唯『今日はここで私寝ていいかなぁ?』

憂「うん!大丈夫だと思うよ~」

唯『向こうの私怒ったりしないかなぁ?』

憂「怒らないよ~お姉ちゃん優しいから!」

唯『そっかぁ~あまり汚さないようにするよ!』

梓「あ……あぁ!大事な事忘れてた!」

唯『ほぇ?大事な事?』

梓「バイトですよ!バ・イ・ト!」

唯『そう言えば向こうの私はバイトしてるって言ってたね~』

梓「今日シフト入ってますよ!」

憂「ど、どうしよう……」

唯『私行ってみたい!』

梓「チッ……ダメって言うに決まってるじゃないですか」

唯『あ、あずにゃんが……チッって言ったチッって言った……』

梓「とりあえず。私から店長に言っておきますけど……大丈夫かなぁ?」

憂「ク、クビになったりして!」

梓「大丈夫、私が何とかするから」

憂「梓ちゃんありがと~!」

唯『あずにゃん……少し怖い……』

梓「まだまだ時間あるけど私も今日バイトだから……帰ろうかな」

唯『えーっ!もう?』

梓「唯にゃん先輩とシフト変わってくれる人を探さないといけませんしね」

憂「そ、そっかぁ……梓ちゃん、お姉ちゃんの為に色々してくれてありがとぉ~」

梓「ううん、気にしなくていいよ。それじゃあまた明日」

唯『バイバイ~』

憂「さようなら~」



【パラレルワールド】

唯「はぁ~ここが私の部屋か……」

憂『今日はここで休んで下さいね』

唯「うん、ありがとう……はぁ、向こうの世界に戻れるかな?」

憂『分かりません……』

唯「何かこう……危機感が無いんだよね。向こうの世界に戻れないかも知れないのに……何でかな?」

憂『向こうの世界とこっちの世界が似ているからじゃないですか?』

唯「そうなのかな?」

憂『少なくとも、私は危機感を感じています。もしこのままお姉ちゃんが戻らないと想像するだけで凄い怖いです……』

唯「そっか……憂は大丈夫かな?ご飯は誰が作るのかな?」

憂『少し心配ですけど……お姉ちゃんが作ってくれると思います』

唯「こっちの世界の私はご飯作らないの?」

憂『と、時々作ってくれますよ!ケーキの上にトッピングしたりとか!』

唯「へーそれは凄いね」

憂『お姉ちゃんがトッピングしたケーキは美味しいんですよ!』

唯「トッピングした果物とかが美味しいんじゃなくて?」

憂『お姉ちゃんがトッピングするから果物が何時もより美味しくなるんです!』

唯「今度、食べてみたいね……ま、無理だと思うけど」

憂『あ、そろそろ夜ご飯の支度しますね!』

唯「私も手伝うよ」

憂『いえ、今日は休んでて下さい。こっちの世界に来て疲れてるだろうし……』

唯「う~ん……じゃあそうしようかな」

憂『はい!今日はゆっくり休んでて下さいね』

唯「うん、ありがとうね。向こうの世界の憂もこっちの世界の憂も優しいね」

憂『あ、ありがとうございます!じゃあご飯作って来ますね!』

唯「楽しみにしてるから」

ガチャバタン。

唯「はぁ……」

唯(それにしても変な部屋だなぁ……)

唯(何だこのティーシャツ……ハネムーン?)

唯(趣味の悪い人形も置いてあるなぁ……ニワトリかな?)

唯(それよりバイトは大丈夫かな……梓ちゃんが何とかしてくれると良いんだけど……)

唯(それに……学園祭のライブ……もしこのまま戻れなかったら……)

唯(考えないようにしよう……考え過ぎると人間は臆病になるって何かの映画で言ってたし……)

唯「はぁ……あれ?スカートの裾がほつれてる……」

唯「縫い直さなきゃ」


【パラレルワールド2】

唯『今日はやっぱりカレーにしよっか!』

憂「そうだね!」

ピンポーン。

唯『あ、誰か来たみたいだよ!』

憂「私が行ってくるね~」

唯『うん!じゃあ私はじゃがいもの皮を切ってるね!』

紬「……こんばんは」

憂「あ、紬さん!どうぞ入って下さい!」

紬「……ありがと」

唯『憂ー!誰が来たのー!?』

憂「紬さんだよー」

唯『あ、ムギちゃん!』

紬「……心配で来ちゃった」

唯『えへへ~ありがとうムギちゃん!』

紬「……ムギちゃんってあだ名好き」

唯『そっかぁ~私も好きだよ~』

憂「今、カレー作ってるんです!よかったら食べていきませんか?」

紬「……そんな悪いよ」

唯『悪くないよ~どうせ明日の朝まで余るもん』

紬「……じゃあ、カレー食べたいな」ギュッ

唯『ほぇ?何で私の手を握るの~?』

紬「……ごめん」パッ



【パラレルワールド】

唯「いただきまーす」

憂『いただきます』

唯「凄いメニューだね。ポテトサラダにロールキャベツ、白菜の味噌汁。これ一人で全部作ったの?」

憂『ポテトサラダは昨日の余り物ですけどそれ以外は全部私が作りました』

唯「へー凄いね。何時もこんな感じ?」

憂『そうですね。あ、勿論お姉ちゃんも手伝ってくれますよ!』

唯「ふぅん……あ、このポテトサラダ美味しい!」

憂『ありがとうございます!』

唯「私より料理上手いんじゃない?」

憂『そんな事ないですよー!きっと唯さんの方が料理上手いですよ!』

唯(唯さんって……)

唯「こ、今度作ってあげるよ」

憂『ほ、本当ですか!是非食べてみたいです!』

唯「うん、憂の頼みだもん何でも言う事聞くよ」

憂『ありがとうございます……』

唯「こっちの世界の憂も向こうの世界の憂もみんな私の妹だからね。困った事があったら何か言ってよ。助けてあげるから」

憂『優しいんですね。やっぱり何処の世界でもお姉ちゃんは優しいんですね!』

唯「優しいかな?まぁ性格は随分違うけどね」


唯「じゃあ私はそろそろ寝るね」

憂『はい、私もそろそろ寝ますね』

唯「うん……明日になると元の世界に戻るといいな」

憂『そうですね……おやすみなさい』

唯「おやすみ憂」

ガチャバタン。

唯(はぁ……目が覚めたら戻ってるといいな)


3
最終更新:2010年11月12日 02:26