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【パラレルワールド】

唯「じゃあまた……」

憂『はい……』

唯(はぁ、大丈夫かな?)

澪『あ!平沢さん、おはよう』

唯「秋山さん……おはよう」

唯(……平沢さん?)

唯「平沢さんって……急にどうしたの?」

澪『え?何が?』

唯「いや、平沢さんって呼んだよね?」

澪『うん、呼んだけど……どうかしたのか?』

唯(まさか……秋山さんもパラレルワールドに来たのかな?)

唯「秋山さんが1番好きなゾンビ映画なんだっけ?」

澪『ゾ、ゾンビ映画?そんな怖い映画私は見ないぞ!』

唯「あれ?」

律『おっ!澪と平沢さんじゃん校門の前で何やってんだ?』

唯「田井中さん、秋山さんがおかしい……今平沢さんって言った?」

律『言ったけど……それがどうかしたか?』

唯「普段は唯って呼んでるのに何で急に平沢さん?」

律『寝ぼけてんのか?前からそう呼んでるじゃん』

唯「呼んでない呼んでない」

律『言ってたよな?』

澪『あぁ言ってた』

唯「どう言う事?これって何かの遊び?」

律『え?遊んでるつもりは無いんだけど……唯何かあったのか?』

澪『何時も以上に機嫌が悪そうだぞ』

唯「いや、だからさ何で急に平沢さんって呼ぶの?」

律『呼んだらダメなのか?』

唯「別に呼んでも良いけど、昨日まで唯って呼んでたよね」

紬『三人共、どうしたの?』

唯「あ……琴吹さん」

紬『唯ちゃん何かあったの?』

澪『唯ちゃん?』

唯「いや、この二人が私の事を急に平沢さんって呼び始めたんだ」

紬『そうなの……』

澪『なぁ、ムギは何で唯の事を唯ちゃんって呼んでるんだ?』

紬『え?前からそう呼んでたわよ?』

澪『いや、一年の時から平沢さんって呼んでたよな?』

紬『一年生の時から唯ちゃんって呼んでたわよ?』

唯「ねぇ一年生の時の私はヘアピン付けてた?」

律『付けてないぞ。ずっとその髪型じゃん』

澪『うん……お前が軽音部を廃部から救った時から同じ髪型だぞ』

紬『唯ちゃんが軽音部を廃部から救った?』

唯「救って無いんだけど……」

律『一年の時に私達を無理矢理に軽音部に誘って救ったじゃん』

紬『りっちゃんがみんなを誘ったんじゃないの?』

律『え?私が?誘ってないぞ』

唯「ちょっと琴吹さん話しがあるから来てよ」

紬『え、えぇ……』

唯「……おかしくない?」

紬『おかしいわね……』

唯「嘘言ってるのかな?」

紬『嘘じゃないと思うわ……あの二人は人を傷付けるような嘘は言わないの』

唯「じゃあ二人が言ってる事は本当?」

紬『……分からないわ』

唯「昨日まで唯って呼んでたのに……」

紬『またパラレルワールドから来たんじゃないかしら?』

唯「それ、試してみたけど違うみたいだったよ」

紬『そうなの?』

唯「うん、あの二人私がずっとヘアピンを付けて無いって言ったよね」

紬『え、えぇ……唯ちゃんはずっと付けてたのに……昨日の立花さんやいちごさんも同じような事を言ってたんでしょう?』

唯「うん言ってたね」

紬『何だか向こうの世界に行ってしまった唯ちゃんの事を忘れてるみたいで怖いわね』

唯「忘れてる感じがして怖いかぁ……」

紬『そんな感じがしない?』

唯「パラレルワールドの私の事をあまり知らないから分かんない」

紬『そう……私にはね何だか二人が唯ちゃんとの思い出を忘れてしまってるような気がするの』

唯「……ねぇもしさ私がパラレルワールドに来た事によって過去が変わってしまったらどうする?」

紬『過去が変わる?』

唯「うん、正解には過去が変わるんじゃなくて私がパラレルワールドに来た事によって過去が書き換えられる」

紬『つまり……どう言う事?』

唯「ほら、梓ちゃんも言ってたじゃん。みんな最初から私の事を知っているみたいだって」

紬『えぇ……』

唯「もしかしたらだけど……私はこの世界に最初から居た……そう言う事になってるんだと思う」

紬『まさか……そんな事って有り得るの?』

唯「だって、みんな私の趣味を知ってるし私がこの世界で軽音部を廃部から救ったって言う過去も出来てるんだよ?」

紬『じゃあ!この世界に元々居た唯ちゃんの事はみんな忘れてしまったって言うの!?』

唯「……うん、田井中さんや秋山さんはもう覚えていないよ……」

紬『……唯ちゃんとの思い出を全部、全部忘れてしまったって言うの!?』

唯「……もう、何一つ覚えていないと思う」

紬『そんな……』

唯「彼女達とパラレルワールドの私が過ごした過去は書き換えられて……私と過ごした過去になってるんだよ……きっと」

紬『憶測よね?……根拠は無いのよね?』

唯「あのね琴吹さん……小学生の時の思い出……何か思い出せる?」

紬『小学生の時の思い出?』

唯「何かあるでしょ?何でもいいから言ってみて」

紬『小学生の時は……ピアノのコンクールで賞を取った事があるわ』

唯「じゃあ中学生の時の思い出は?」

紬『飼っていた犬が死んでしまったわ……』

唯「高校一年生の思い出は?」

紬『…………!?』

唯「……書き換えられてるでしょ?」

紬『何で……何でアナタが私を軽音部に誘ってるの?』

唯「記憶が書き換えられてるんだよ……」

紬『嘘よ……こんなの嘘よっ!』

唯「私も小学生の頃の記憶が書き換えられてるんだ。真鍋さんと幼なじみって事になってる」

紬『……唯ちゃんもなの?』

唯「うん、悔しいけどね。こればっかりは止められないよ。きっと向こうの世界でも同じ事が起こってるんだと思う。これで憶測じゃないって事がわかったでしょう?」

紬『……唯ちゃんは何でそんなに冷静なの?』

唯「どうしてかな?それよりもさ……今、書き換えられた思い出を思い返して見ると凄く楽しそうなんだ」

唯「真鍋さんは凄くまともでしっかりしてる憂も可愛い……」

紬『唯ちゃん……?』

唯「憂って真鍋さんの事を和ちゃんって呼んでるんだよ知ってた?」

紬『…………』

唯「幼稚園生の時なんか私カスタネット必死で叩いてる……」

唯「思えば私の人生って対した思い出なんか無いんだよね」

唯「こっちの世界の思い出は楽しい事がいっぱいだね」

紬『唯ちゃん……』

唯「ずっと私は友達がいなかった……幼稚園生の時も一人で折り紙を折ってたし小学生の時は一人で小説を読んでた。中学生の時も……友達はいなかった」

唯「こっちの世界はいっぱい友達がいる……私の事を思ってくれる沢山の友達がいる」

唯「でもね。何でだろう?私、元の世界に帰りたくて堪らないんだ」

唯「何でかな?きっとこっちの世界にいた方が楽しいんだろうけど……元の世界に凄く帰りたい」

唯「秋山さんのホラー映画のうんちくを聞きたいし田井中さんの転んだ姿を見たい。真鍋さんのが作ってくれてる衣装を見たい。梓ちゃんの我が儘に振り回されたい。琴吹さんと一緒に帰りたい」

紬『…………』

唯「何より憂に会いたい……私がいなきゃ生きていけないだろうから……」

紬『きっと……戻れるわよ』

唯「うん……戻れるよね……」

紬『……私も手伝うわアナタの為にも唯ちゃんの為にも……私も手伝うわ』

唯「ありがとう……」

紬『でも、どうやって唯ちゃんを連れ戻せるか分からないの』

唯「私もだよ……でも何もしないよりかはマシだよ。私達の記憶が書き換えられる前に……早く戻らないと」

紬『とりあえず……私は梓ちゃんがまだ記憶が書き換えられてないか見てくるわね』

唯「うん、お願い。私は……何か戻れる方法が無いか学校を隈なく探すよ」

紬『えぇ……それじゃあ行くわね』

唯「うん……ありがとう手伝ってくれてやっぱり何処の世界でも琴吹さんは私の1番の親友だよ」

紬『まぁ!平沢さん嬉しいわぁ~』


紬『平沢さん急に私にそんな事言ってどうしたの?』

唯「ううん。何でも無いよ。授業そろそろ始まると思うから……琴吹さん教室に行った方がいいよ」

紬『平沢さんは?』

唯「私、今日は学校休むよ。先生にもそう伝えておいて」

紬『何処か具合が……』

唯「いいから早く行ってよ!!」

紬『わ、わかったわ……お大事にね』タッタッタッ

唯「琴吹さん怒鳴ってごめんね」



【パラレルワールド2】
放課後。

唯『何だかみんな、今日おかしいね!』

律「そうかなぁー?」

唯『そうだよ~』

梓「確かに何でみんな急に唯って呼ぶようになったの?」

紬「……ずっと前からそう呼んでるよ」

律「うん、呼んでるー」

澪「別におかしい所なんか無いよな?」

梓「いや、おかしーし」

唯『みんな何かあったのー?』

律「何も無いよ~っ」

唯『もう!友達に隠し事しちゃダメなんだよ!』

澪「本当に何も無いよ」

唯『もう!あれ?あれって……』

梓「あぁ、パラレルワールドと交信出来た手鏡ですね。まぁ鏡は割れちゃいましたけど」

唯『触っていいかなぁ?』

澪「いや、自分のだから聞かなくてもいいんじゃないか?」

唯『私のじゃないよ~』

律「パラレルワールドの世界の唯ちゃんはカッコよかったよねー」

唯『え?えへへ……そうかなぁ?』

梓「いや、唯にゃん先輩の事じゃ無いと思いますよ」

唯『えーあずにゃん酷い!あ、それよりムギちゃん私背が低くて取れないから手鏡取ってくれる?』

紬「……いいよ」ガタッ

唯『ありがとーっ!おーい聞こえるー?』

梓「無理無理、私も何回か為した事はあるけど向こうの世界とは交信出来ませんよ」

唯『ちぇっ……つまんなーい』

律「それ不思議な鏡だったよねー」

紬「……うん」

唯『私も最初見付けた時はびっくりしたよー!』

梓「ほら、返して下さい。唯にゃん先輩の大事な物なんですから」

唯『わかったぁ~』

梓「はぁ……向こうの唯先輩は能天気ですね」

唯『そうかなぁ?』

澪「唯は何時も能天気じゃないか」

唯『澪ちゃん酷い!』

梓「私は向こうの世界に行った唯先輩の事を思うだけで夜も眠れませんよ」

唯『あずにゃん今日、ぐっすり寝てたよ!』

梓「……チッ」

唯『でも、何時戻れるんだろうね~早くみんなに会いたいよ!』

律「さっきから何の話しをしてるの~?」

唯『パラレルワールドの話だよ!』

紬「……パラレルワールド?」

唯『うん!早く元の世界に戻りたいよぉ~』

梓「何でみんな唯にゃん先輩がパラレルワールドに来た事覚えてないのかな?」

唯『えぇ!覚えてないのー!?』

梓「多分……」

紬「……唯ちゃんはパラレルワールドから来て無いよ」

唯『来てるよー!』

梓「まさか……まさか!?」

唯『あずにゃんどうしたの!?』

梓「いえ、何でも無いです。言ってみただけ」

唯『な、何それぇ~!』

梓「ま、向こうの世界に行った唯先輩なら戻って来ますよ」

唯『うん!私も元の世界に戻れる……よね?』

梓「勿論、戻れるんじゃないですかね?」


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最終更新:2010年11月12日 02:31