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#3
お昼休み


純「じゃーん!今日はとうとうお弁当を作ってみました!」

梓「おぉ…」

憂「見せて見せて!」

純「では…ご披露します」

純「どうぞ!」カパッ

憂「あっ…」

純「え?」

梓「……中身ぐちゃぐちゃだね」

純「えぇっ!?嘘…本当だ!!」

純「こんなはずじゃ!?」

憂「バッグに入れて運んでる時に具が片寄っちゃったんだね」

純「そ、そんな~…」

純「せっかく頑張ったのに…」

憂「具の上にラップをかけてフタをするとズレなくなるんだよ」

純「へぇ~、憂は物知りだね」

憂「えへへ」

梓「憂はなんでも器用にこなせて凄いなぁ。昨日遊んだ時も…」

純「えっ、昨日遊んだの?」

梓「え?うん…」

純「なんでよー、私も誘ってよー」

梓「ご、ごめん純ちゃん」

純「あ…でもどうせ昨日は部活だったんだ」

憂「また今度遊ぼうね」

梓「昨日は楽しかったよね」

憂「うん!」

梓「憂ったらさぁ…」

憂「あははっ」

純「むぅ…」

純(なんか楽しそう…)

梓「また行きたいねー」

憂「そうだね」

純「…あっ、そうだ」

憂「どうしたの?」

純「おかず交換しようよ!これやりたかったんだ」

純「はい、玉子焼き」

梓「え…私と?」

純「だって梓のお弁当にも玉子焼きあるし」

梓「まぁいいけど……はい」

純「どれどれ…」モグモグ

純「うん!普通に美味しい!!」

憂「よかったね梓ちゃん」

純「私のも食べてみてよ」

梓「あ…うん」モグモグ

梓「……」

純「どう?」

梓(微妙…)

純「朝がんばって作ったんだ~」

梓「へ、へぇ…」

梓(どうしよう…本当に微妙だ)

梓(不味すぎじゃないけど美味しくもない…)

純「ねぇ梓、どう?」

梓「えっと…」

梓(なんて言おう…何も思い付かないよ)

純「ねぇ、梓ったら!」

梓「………うん、食べれるよ」

純「食べれる?」

梓「いや…美味しいってこと」

純「本当!?」

梓(ごめん嘘)

純「よかった~、作ったかいがあったよ」

純「梓も甘い玉子焼き好きなんだね」

梓「え?」

純「私も甘いの好きだから今回は砂糖を入れてみたの」

梓「そうなんだ…」

梓(なんか苦かったんだけど)

純「私も自分の食べてみよーっと」モグモグ

梓(まぁ本人が満足してるならいいけどさ…)

純「……まずっ!?」

純「梓これあんまり美味しくないよ!!舌だいじょうぶ!?」

梓「ええーっ!?」

純「こりゃ失敗だ、食べられないよ」

純「こんなの好きだなんて梓って変わってるね」

梓(せっかく気をつかって言わないようにしただけなのに…)

憂「……」

純「憂、これなんで不味いのかな」

純「いや、そこまで不味いわけじゃないんだけどなんか微妙なんだよね……ちょっと味見お願いしてもいい?」

憂「……」

純「憂?」

憂「あっ、ごめん…なに?」

純「…大丈夫?ボーっとしてるみたいだけど」

憂「うん…大丈夫だよ」

梓「顔赤くない?」

憂「そう…?」

梓「うん。ひょっとして熱あるんじゃ…」

純「どれ、おでこに手を」ピタッ

純「あつっ!?熱じゃん!!」

憂「そういえば…さっきから寒気してた…」

純「完全に風邪だ…」

梓「早退したら?」

憂「でもお姉ちゃんに……あっ、今日はお母さんいるんだった…」

純「帰って休みなよ。先生には言っておくから」

憂「早退…なんか悪いなぁ」

純「別に悪くないって。このまま憂が倒れたら大変だよ」

梓「そうだよ、早退したほうがいいよ」

憂「…ごめんね」

純「憂は謝んなくてもいいの。お大事に」

憂「ありがとう…じゃあ」

梓「気をつけてね」

憂「うん…」

梓「フラフラしてるけど…本当に大丈夫なのかな」

純「憂も疲れたまってたんだろうね」

梓「そっか…そうだよね」

梓(唯先輩の面倒とか大変そうだし)

純「とりあえずご飯食べよっか」

梓「うん」

梓(あっ…そういえば純ちゃんと二人っきりなるの初めてかも)

純「う~ん…このお弁当全部食べれるかなぁ」

梓「……」

梓(どうしよう…なに話していいか分かんない…)

純「梓、これ食べる?」

梓「いや…いい」

純「そういえば聞いてよ、最近ジャズ研がまた厳しくなってさぁ…」

純「一年なのにこれでもかっ!ってくらい練習させるだよ」

梓「へ~」

純「軽音部はどうなの?」

梓「…そこそこ」

純「そっか、あんまり練習してるイメージないからどうなのかと思ってた」

梓(まぁ当たってるけど…)

純「でもやっぱ部活は楽しいよねー」

梓「うん」

梓(本当はもっと練習したいんだけどね…)



キーンコーンカーンコーン


純「あっ、昼休みももう終りか」

梓「席戻さないと」

純「そだね」

純(今日は梓といっぱい話せて楽しかったなぁ)

梓(憂…大丈夫かな)

純「ん…次は選択の授業だっけ。じゃあまた後で」

梓「うん」



平沢家



憂「う~…風邪ひいたのって久しぶり…」

憂「やっぱり辛いなぁ…」

憂「ケホッ、ケホッ」

憂「ズズッ…はぁ」

憂「早く治さなきゃ…」



翌日


純「憂休みなんだって?」

梓「うん、まだ熱が下がらないみたい」

純「心配だなぁ」

梓「そうだね…」

純「今日はお昼ご飯分けてもらおうと思ってたのに」

梓「その心配?」

純「じゃあ今日も梓のもらおうかな」

梓「えぇ~…」

純「大丈夫、今日はちゃんとしたやつだから」

純「ほら」カパッ

梓「……なにこれ」

純「お弁当作る時間なかったから、コンビニで買ったパンをお弁当箱に入れてみた」

梓「意味ないじゃん」

純「雰囲気あるじゃん」

梓「そうかな…」

純「そうだよ」

梓「…純ちゃんってさぁ」

純「なに?」

梓「……なんでもない」

梓(よく分かんない人…)



お昼


純「うん、コンビニのパンは私のやつより美味しい」

梓「だろうね」

純「む~…でもコンビニに負けるなんて悔しい」

梓「最近はいろいろ美味しくなってるからしょうがないよ」

純「ねー、値段の割にけっこう満足できるし」

純「コンビニも進化してるんだなぁ」

純「良い時代になったもんだ」

梓「…なんか年寄りくさい」

純「あれっ、そう?」

純「あ、サンドイッチ食べる?」

梓「うん…ありがと」

純「ツナとタマゴあるけど、どっちがいい?」

梓「タマゴ」

純「おぉ、梓はタマゴ派ですか。私とは違うね」

梓「え?」

純「私はツナの方が好きなんだ」

梓「ふーん」

純「好みが違うみたいだね」

純「お好み焼きともんじゃどっちが好き?」

梓「えっ…お好み焼きかな」

純「私はもんじゃ」

純「カレーとハヤシライスは?」

梓「カレー…」

純「私はハヤシなんだよねぇ」

純「スイカとメロン」

梓「スイカ」

純「えぇっ、メロンの方が美味しいじゃん」

純「じゃあ野球とサッカーは?」

梓「サッカー…かな」

純「ふーん、私はどっちでもいいけどね」

梓(じゃあなんで聞いたの…)

純「犬と猫は?」

梓「ネコ」

純「あっ、それは一緒なんだ!よかった」

純「いやぁ、一つぐらい好みが同じで安心したよ」

梓「……あれ?」

純「どうしたの?」

梓「じゃあさ…なんでタマゴ買ってきたの?ツナが好きなのに」

純「え?だって梓が食べると思って」

梓「えっ…」

純「うん?」

梓「……ううん、ありがとう」

梓「私のおかずもあげる」

純「やったー!やっぱり手作りの方が美味しいよ!」

純「そういえば昨日軽音部の…律先輩だっけ?見かけたよ」

梓「律先輩を?」

純「うん、なんか生徒会の人に怒られてた」

梓「あぁ…」

純「あの人かっこいいよね~」

梓「そうかな?けっこうおおざっぱな人だよ」

純「ふーん。あっ、あと澪先輩もいた」

純「澪先輩って美人だよねぇ」

梓「うんうん、それは同意」



キーンコーンカーンコーン


純「おっ、昼休み終わっちゃった」

純「楽しい時間はあっという間だね」

梓「次の授業の準備しよっか」

純「あ~…授業めんどくさい」

梓「あと二時間なんだから頑張りなよ」

純「憂のお弁当食べたかったなぁ」

梓(憂…風邪治ったかな)

純「明日は三人で食べれるといいね!」

梓「うん」

梓(三人か…いつの間にかグループできちゃってた)

梓「……」

純「ねえ、次なんだっけ?」

梓(ていうか、正直純ちゃんみたいな友達ができると思ってなかったかも…好みとかほとんど違うのに)

梓(高校は分からない所だなぁ…)

純「ねぇ梓ったら!」

梓「あっ…ごめんごめん。なに?」


翌日

キーンコーンカーンコーン


梓(今日はまじめに練習できるかな…)

~♪

梓(あっ、メール…憂からだ)

ポチポチ

梓「……あれっ、今日も休むんだ」

梓「まぁ無理はしない方がいいもんね」

梓「『お大事に』っと」ポチポチ

梓「ふぅ……」

梓「……」

純「おはよー!」

梓「あっ、おはよう純ちゃん」

純「むふふ…」

梓「…なに?なんで嬉しそうなの?」

純「あとで教えるよ」

梓「?」

梓「まぁいいけど…」

梓「そうだ、それより憂今日も休むんだって」

純「えぇっ!?まだ治ってないの?」

梓「ほとんど治ったんだけど、一応今日は安静にするらしいの」

純「あぁそっか…それならよかった」

純「でも今日は憂に聞きたいことがあったんだけどなぁ…」

梓「なにを?」

純「うん?大したことじゃないって」

梓「……」

梓(やっぱり二人は中学からの付き合いだから仲良いのかな…)

純「梓、今日もお昼一緒に食べようね」

梓「え…うん」

純「ふふふ…」

梓「?」



授業中


梓(高校入ってもうすぐ一ヶ月…早い)

梓(いろいろ思ってた事と違うけど…こんなものか)

梓「……」

梓(まぁ悪くはないかも…)

梓「……」

梓「ふあぁ~…」

梓「……」

梓(ねむ…)


キーンコーンカーンコーン


純「ようやくお昼だー!」

梓「なんか楽しそう」

純「まぁね。なんたって今日は…」ガサゴソ

純「再びお弁当を作ってきました!」

梓「おぉ!」

純「今回は力作だよ~」

梓「だから朝から嬉しそうだったんだ」

純「うん。本当は憂に感想とか聞きたかったんだけどね」

梓「そっか…でも憂は休みだからしょうがないよ」

純「だよねぇ」

梓「私もお弁当…」ガサゴソ

梓「あ…あれ?」

純「どうしたの?」

梓「お弁当…忘れちゃったみたい」

純「あちゃー」

梓「はぁ…購買行ってくる」

純「ちょっと待った!」

梓「な、なに?」

純「せっかくだから私のお弁当半分あげるよ」

梓「え…でも…」

純「お金もったいないでしょ?あげるって」

梓「…ごめん」

純「いいのいいの、梓にも食べてもらいたかったんだし」

梓「ううん、本当にごめん。なんか迷惑かけちゃって」

純「そんな変に気をつかわなくても。友達なんて迷惑のかけあいみたいなもんでしょ?」

梓「純ちゃん…」

純「ほら、食べよ」

梓「…うん」

純「今日の玉子焼きは梓も満足すると思うよ。なんたって砂糖をたっぷり入れたからね」

純「いざ、梓にリベンジ!」

梓「リベンジって、なにそれ」

純「えへへ、まぁ食べてみてよ」

梓「うん」モグモグ

純「コンビニより美味しいでしょ?」

梓「……ねぇ、純」

純「なに?」

梓「ううん…ふふっ、なんでもない」

純「?」

純「そ、それより味はどう?美味しい?」

梓「う~ん……あますぎ」






#3
おわり



4
最終更新:2010年11月13日 00:04