澪「えっ」
律「えっ」
律「え、と、冗談なんだろー?w」
澪「……」
律「お、おい、澪? なんか言えよーw」
澪「じ、冗談なんかで……」
律「え?」
澪「冗談なんかで、こんなこと言えるはずないだろ……っ」
それは、高校三年の、自分の行く末なんて何も分からない時に、突然起きた事件だった。
その時私はまだまだ子供で、先のことも何も分からなくて、このまま軽音部で楽しくやって行けたらな、なんて有りもしないことを考えていて、――どうしようもなく幼かった。
だから、そんなことを言われるなんて夢にも思わず、いつもとは全く違った澪の様子にも気付かないふりをして、冗談で流してしまうつもりだった。その時私はまだまだ子供で、そしてどうしようもなく馬鹿だった。
高校三年の冬――私と澪はいつものように二人で帰路を辿っていた。
澪は何だかいつもと様子が違ってて、私は異様な様子の澪に気付かないふりをして、お互いに黙ったまま気まずい時間をただひたすらに耐え続けていた。
擦れ違う人々は、クリスマスを間近にして、誰も彼もが浮かれているように見えた。私も澪も、この気まずい雰囲気の中に、クリスマスという浮かれた日を意識していたのかも知れない。
澪「な、なあ律?」
律「んあー?」
澪「……話があるんだ」
律「何だよかしこまってw」
澪「う、うるさいな。大事な話なんだよっ」
律「なんだー? 私に愛の告白でもするのかー?w」
澪「……」
律「……おーい? みーおー?」
その時には、澪の異様な様子が、どんなものかなんて見当はついていた。
でも、それを確かめたい気持ちと、確かめたくない気持ちとがせめぎ合い、結局私はいつものように
澪をからかうような調子で話すことしかできず、澪が続けようとしている言葉から、耳を塞ごうとしていた。 だから、その言葉に対して、準備と言えることなど、何もなかった。
澪「な、なんかさ、クリスマスが近付いてくると、街の雰囲気も随分変わってくるよなw」
律「そりゃそうだろー、世の中のカップルはお熱い日を過ごすんだろーし」
澪「……」
律「……」
澪「あのさ、律」
律「ん?」
澪「少し、寄り道してもいいか?」
律「ん、いいぜ」
それから私達は見慣れた公園のベンチに、座った。
冬の肌寒い空気の中、コートのポケットに手を突っ込んで、何をするともなく、寒空の下で無言の時を過ごしていた。
澪は中々話を始めなかったし、私もそれを催促するようなことはしなかった。ただ、このまま無言の状態で、時が過ぎ去ってくれたらいいのに、なんて私は考えていた。澪が話を始めたら、今までの関係で居られなくなる、そんな根拠のない予感がして、不安だった。
澪「……律?」
律「ん?」
澪「昔はさ、この辺でよく遊んでたよな」
律「そうだなー。結構遅くまで夢中になって遊んで、それで暗くなってくると澪が泣きそうになって――」
澪「そ、そんなことなかった」
律「あったよw私がよく澪を家まで送ってったじゃん」
澪「そうだっけ……」
律「そうだよ」
澪「それから、中学の時も、高校になってからも、この公園でよく話したよな」
律「そうだなー、私の想い出の中で、澪が居ないことなんてないもんな」
澪「私達って、いつも一緒だったんだよなぁ」
律「こういうのも、腐れ縁っていうのかねぇ」
澪「……でもさ」
律「……」
澪「これから大学受験に入ったら、二人ともばらばらになっちゃうんだよな」
三年の後半ともなれば、大半の生徒が自分の進路を決めている時期で、私と澪も――それだけじゃなく唯やムギだって、ちゃんと自分の進路を決めて、そのための準備をしていた。私は近くの短大、澪は音楽の専門学校、唯は私立の大学、ムギは有名な国立の大学に、それぞれ進む。まだそれが確定したわけじゃないけれど、みんな自分なりに自分の行く末を決めていた。
だから、澪の言葉は妙に重々しくて、色々な不安にさいなまれていた私には、少しだけ辛く感じられて、私達の間の雰囲気が妙にシリアスな感じになっていたのも、未だ続いている気まずい雰囲気に拍車をかけていた。
律「でも、なんだかんだで私達は一緒にいるだろwまさ北海道と沖縄に引き離されるわけじゃないんだから」
澪「そうだけど、中学や高校みたいに、いつも一緒にいれるわけじゃないだろ」
律「そりゃまあ、……そうだけど」
澪「だから、私、決めたんだ。ちゃんと決着をつけよう、って」
律「決着? なんのだよ?」
澪「話したいことって、そのことなんだ」
澪はそれからしばらく俯いて、公園の中ではしゃいでいた子供達は、だんだん帰って行く。どこか寂しげな街灯が、ぽつりぽつりと明かりを灯し始めていた。
律「なんだよーw 勿体ぶらないで言えよw」
澪「じ、じゃあ言うからな。絶対笑うなよ」
律「笑わない笑わないwほれ、言ってみろってw」
二三回、澪は大きく深呼吸して、白く色付く吐息を吐き出すと、ゆっくりと私の方に向き直った。 澪の真剣な顔を見るのは、勿論始めてじゃなかった。
だけど、その時の澪の表情は、少なくとも私が今まで見た事のない種類の表情で、そこにはどこか艶めかしい、恥じらいのようなものがあった。
公園にはもう誰も居ない。暗くなり始めた空には星がちらほらと見え始めている。身を刺す寒さは、更に厳しくなって私達を取り巻いていた。それでも仄かに赤く色付く澪の頬だけが、私の目には明らかに映っていた。
澪「女同士なのに、おかしいかも知れない。普通じゃないかも知れない。でも、」
律「……」
澪「でも、私は、律が好きなんだ。友達としてとかじゃなくて、本当に律のことが……」
その時の澪の顔は、未だに覚えている。
真赤になった顔を隠そうともせず、私をまっすぐに見据えて、硬く握り締めた拳を膝の上で震わせながら、澪は私に好きだと言った。冗談か本気か、そんな区別を付けられないほど私は子供じゃなかったし、澪のことなら尚更分からないなんてことはなかった。
それでも、当時の私はまだまだ子供で、どうしようもなく馬鹿で、下らない羞恥心から、澪の言葉を本気で受け止めることができなかった。心の中では色々なことを考えていた。だけど、それを直接伝える術を、私は全く心得ていなかった。
澪「……」
律「……」
澪「……」
律「……ぷっw」
澪「……え?」
律「あっはははははwwなんだよいきなりwww好きってwww」
澪「り、律?」
律「だって、女同士で恋愛とかwwwねーよwww」
澪「えっ」
律「えっ」
律「え、と、冗談なんだろー?w」
澪「……」
律「お、おい、澪? なんか言えよーw」
澪「じ、冗談なんかで……」
律「え?」
澪「冗談なんかで、こんなこと言えるはずないだろ……っ」
それから、澪は涙を目尻に浮かべると、一目散に走り出してしまった。
マフラーに顔をうずめて、「馬鹿!」という一言を残して、行ってしまった。
取り残された私は、一人馬鹿なことをしたな、なんて考えながら笑ってみたりした。だけど愉快な気分には全然なれなくて、結局寒さに耐え切れなくなると、重い足取りで家へ向かった。
「冗談だってwww」
と言えば許されるだろう、そんなことを思いながら、気楽な気分で居ようと努めていた。
澪がどれだけ傷付いたか? それが分からないはずはないのに、私はそれにすら気付かないふりをしていた。
その日の夜は、眠るまでの間、ずっと携帯電話を手にしていた。澪宛てのメールを開きながら、どうやって謝ろうか、と色々な言葉を探したけれど、けっきょくそれを送ることはしなかった。 明日になればどうにでもなるさ、馬鹿な私はそんなことを考えていた。
翌日、学校に行き、いつものように唯やムギと話をして、適当に授業を受けて、何となく放課後を迎えると、やっぱり同じように唯やムギと一緒に部室に向かった。途中で梓も合流したが、遂に澪とは会わなかった。
律「あれ、今日は澪を見ねーなぁ」
唯「そだね、どうしたんだろ?」
紬「きっと先に部室に行ってるのよ」
梓「卒業ライブまで後少しなんですから、先輩達も澪先輩みたいにやる気ださないと!」
律「はいはいwまあ最後くらいびしっと決めないといけないしな!」
唯「おー!りっちゃんがやる気に!」
紬「頑張ろう!」
律「みーおー! 練習する……ぞー……あれ?」
唯「居ないね……」
梓「居ませんね」
紬「どうしたのかしら」
律「よっし唯、電話だ電話!」
唯「らじゃ!」
唯「……」
唯「……」
唯「……」
唯「……出ない……」
律「なにー?澪のやつ、さぼろうとしてるな? 私がじきじきに電話してやる」
律「……」
『……お留守番サービスに接続いたします。御用件が御有りの方は……』
律「おっかしいなー、何してんだ?」
その後、ムギと梓も連絡してみたが、やっぱり澪は電話に出なかった。それどころかメールも返してこない。
私はこの時になって、漸く事の重大さを実感し始めた。もはや「私の所為じゃない」なんて言い逃れができるはずもなく、次第に責任を感じ始めた。だけど、だからといってどうすればいいのか、それが私には分からなかった。
律「仕方ないし、今日は澪無しで練習するかー」
梓「そうですね、できることからやって行きましょう」
唯「どうしたんだろー澪ちゃん」
紬「心配ね」
澪がいない部活は、何だかあるはずのものがないような、そんな気がして、いまいちはかどらなかった。
だけど、昨日の事件のことをみんなに話すこともできず、明日になれば来るだろう、そんな甘い考えが私の中にはあった。
それから、次の日、次の日、と時間が経過しても澪は部活はおろか、学校にさえやって来なかった。みんなも流石に妙だと思い、澪の家に行こうという話が出たのは、私が澪から告白されて、三日後のことだった。
澪の家に向かう途中の私の足取りは、とてつもなく重たくて、出来ることならこのまま走って逃げだしたい心地だった。
だけどそんなことができるはずもなく、澪の家に着くと、私達は澪のお母さんに話を聞いてあがらせて貰うことになった。
澪のお母さんの話によると、澪は私に告白した日から、具合が悪いと言って部屋から出て来なくなったらしい。
何を言っても聞かないので、暫く様子を見ようとしたらしいが、私達には事情を話してくれるかも知れないので、是非話をして行って欲しいと言われた。
正直気はあまり進まなかった。だけど、だからといってのこのこと帰れるはずもなかった。
唯「澪ちゃん……? 入るよー」
そういって真先に澪の部屋に入ったのは唯で、私はお邪魔しますと続くムギと梓の後ろから、おずおずと入った。
薄暗い部屋の中はカーテンが閉め切られて、乱雑に散らかされた衣類の数々は、澪の部屋とは思えないほどだった。
微かに膨らんでいるベッドの上には、澪が居るという証があって、唯はゆっくりと傍に近寄った。
私と紬と梓は、その後ろで見守るばかりで、私だけが澪の挙動に恐れを抱いていた。
澪「……」
唯「澪ちゃん、どうしたの? 具合悪いの?」
澪「……」
梓「澪先輩、何かあったんですか?」
澪「……」
紬「澪ちゃん……」
澪「……」
律「……」
口々に心配の言葉を投げ掛けるみんなを見ながら、多分私だけがとてつもない不安に襲われていたのだと思う。
澪はその時ぴくりとも動かなかったけれど、それでも私はいつあの時の事を言われるのか、気が気じゃなかった。
その内、一向に反応を示さない澪を見かねて、唯が澪の身体を揺すり始めた。澪は私達に顔を向けないように、布団を頭まで被っていて、その表情は少しも判らなかった。だけど、こうなった原因が私にあるのだ、という事実が、深く心を抉るようだった。あの時、真剣に澪の言葉を受け取っていれば、こんなことにはならなかったのに。
唯「澪ちゃん、澪ちゃんっ! 何か言ってよぅ……」
澪「……」
梓「澪先輩! どうしたんですか、何で何も言ってくれないんですか……」
紬「……」
律「……」
唯が更に激しく澪の身体を揺する。梓は泣きそうになりながら、それを見守っている。ムギはおろおろして、私は何も出来ないまま、ただ無表情にその光景を眺め続けていた。
唯「澪ちゃんっ!」
澪「……ゆ……い……?」
唯「澪ちゃん!」
その時の澪の声は、何だかとても掠れていて、ゆっくりと唯の方へと向き直った目は、赤く晴れていた。髪の毛はぼさぼさで、パジャマにも着替えないまま、制服姿で澪はベッドの上に横たわっていた。
唯「澪ちゃん、どうしたの……? 何かあったの?」
澪「……」
梓「何かあったなら、私達に相談してくれてもいいじゃないですかっ」
澪「……」
紬「澪ちゃん……」
その時、部屋の中を見回すように動いた澪の眼が、確かに私を捉えていた。怯えるような光を中に湛えて、悲しげに涙を浮かべて、何かを訴えかけるように切なそうで、そんな表情を見るのが苦痛だった。私は思わず視線を逸らし、自分の馬鹿さ加減に嫌気が差した。
澪「唯……みんな……、悪いけど、部屋から出てって。来週にはちゃんと学校にも行くから……。ごめんね、今は体調悪くて……」
そういって、乾いた笑みを漏らす澪の様子は、どう見ても大丈夫そうには見えなくて、きっとみんな澪の言葉を信じていなかったと思う。だけど、有無を言わさない、澪の雰囲気に気圧されて、唯も梓もムギも、みんな黙ってしまった。掠れた声も赤く腫らした目も、澪が泣いていた、と証明するには充分すぎて、みんな何も言えなくなってしまったのだろう。
それから、何を言っても澪は「帰って」と「大丈夫だから」の一点張りだった。
大人しく私達が引き下がって、澪の家から出た時には、誰もがショックを隠せずにいて、誰もが言葉を発しようとはしなかった。
そして、ようやく私達が会話を始めたのは、澪の家から離れて、数十分もした頃の、喫茶店の中でのことだった。
唯「澪ちゃん、どうしたのかな……」
梓「……何もないって顔をしてませんでしたよ」
紬「りっちゃん、何か知らない?」
律「えっ? わ、私は、何も……」
唯「澪ちゃん、このまま居なくなっちゃうのかな……」
梓「そ、そんなことあるわけないじゃないですか! 今まで一緒にやってきたんですよ!」
紬「でも、ただごとじゃない様子だったし……」
梓「そ、そんな……り、律先輩もそう思いますよね!?」
律「……」
梓が全員の顔を眺める。だけど、梓が望む言葉を言ってくれる人は誰も居ない。
梓「そんな……そんなことって……」
唯「あずにゃん……。……きっと大丈夫だよ! だって澪ちゃんだもん、絶対また来てくれるよ!」
堪らず泣き出した梓を、唯が抱きしめる。梓の泣き声を聞くと、私の中の罪悪感も膨れ上がるようで、二人から視線を外す。 ムギは神妙な面持ちで、何かを考えているようだった。
紬「りっちゃん、この後時間ある?」
律「え? あ、うん、まあ……」
紬「じゃあちょっと付き合ってくれる?」
律「うん、分かった」
唯が梓を慰めている間、私はムギとそんなやり取りをした。何を言われるのかなんて、考えるまでもない。
私の不審な様子が分からないほどムギは鈍くないし、それが澪の様子と直結していることにも気付かないムギじゃない。
私は心の中で覚悟を決めると同時に、どうにかして、現状を打開する策を見付けださなければならないと思った。
梓「澪せんぱい、きっと、きっと大丈夫ですよね……」
梓の辛辣な呟きが、私に突き刺さるかのように思えた。
それから、唯は梓を家まで送るために、二人一緒に帰って行った。私とムギは、喫茶店を出たあと、適当な場所で寒さに手を擦り合わせながら立っていた。
紬「りっちゃん、澪ちゃんと何かあったの?」
律「……ちょっとな」
紬「澪ちゃんの様子、ちょっとで納得できないわ」
律「……」
紬「何があったのか、話してくれる?」
押し黙る私を覗きこんで、ムギは優しく言った。自分の中だけに押し込んでいた感情が爆発しそうになって、不意に泣きそうになる。私は半分涙声になりながら、ムギに全てを打ち明けた。
紬「そう……そんなことが……」
律「私が馬鹿だったんだ。澪が真剣なのは分かってたのに、冗談で済ませようとして……」
紬「そうね、りっちゃんが悪いわ」
律「……」
分かっていた、分かっていたけど、ムギの言葉は予想以上に辛くて、涙を堪えることができなかった。
一粒二粒と流れ出す暖かい雫を頬で感じながら、私は誰に謝っているのかも分からないまま「ごめん」と繰り返していた。
律「なんて……答えれば良かったのか、分からなくて……」
紬「……」
律「それでっ……」
紬「りっちゃん」
律「……っ?」
紬「りっちゃんは、今まで何度も澪ちゃんと喧嘩したことあるでしょ?」
律「う、ん……」
紬「それで、ちゃんと仲直りしてきたじゃない」
律「でも……」
紬「今回だって同じよ、今まで通り、自分の悪かったところを謝って、その後に正直な気持ちを伝えてあげればいいのよ」
そういって、私を抱きしめたムギの腕はとても暖かくて、街中だというのに大声を上げて泣いてしまった。
ムギはそんな私の頭を優しく撫でてくれて、大丈夫、と何度も囁いてくれた。
――クリスマスが近付いて来た街は、どこか騒がしくて、大学受験に追われる私達を小馬鹿にするように、人々は私達の横を通り過ぎて行く。その時の私はまだまだ子供で、どうしようもなく馬鹿で、そしてどこまでも楽観的だった。
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――――――――
――――――
律「あーあ、とうとう私も大学生かー」
珍しく朝早くに目が覚めて、私は早々と着替えると、枕元に置いた目覚まし時計を見遣った。
時刻は午前六時、何時もの私なら、決して目覚めることのない時間帯だった。
カーテンを開け放つと、眩しい光が部屋中に降り注ぐ。新しいカーペット、新しいベッド、まだ物も少なく、寂しげなキッチン。
まだ見慣れない部屋――これが今の私が住んでいる所だった。親に無理を言って、都心にある安いワンルームのアパートに
越してきてから、まだ三日しか経っていない。私は今日から、この家から、大学へと出発する。
窓の外は驚くほど以前とは違っていて、まだ朝もやの残る外には、人影もあまり見られない。本当に引っ越したんだ、そう自覚したのは、今この瞬間だった。
律「あいつら、元気にやってんのかな」
律「唯は変に抜けてるところあるから心配だし……」
律「梓はちゃんと部長としてやれてるのかな……」
律「ムギはきっと心配いらないな、私達の予想もつかないところにいるんだろうし」
律「……」
律「私は、何をやってるんだろうな……」
私の気分とは裏腹に、ただただ眩しい太陽の光が、何だかとても悔しかった。
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それから、澪の言った「来週」が来ても、やっぱり澪は学校に来なかった。
私はその日、ようやく決心して、私から澪と直接話しに行くことを決めた。
最終更新:2010年01月07日 23:13