――控え室


先輩B「あ゛~…じぬ゛~~」

先輩2「……ふぅ」

先輩「……」

先輩2「…終わっちゃったね」

先輩「……」

先輩2「聞いてるの?」

先輩「聞いてるー…」

先輩2「うそつけ」

先輩「……」

アナウンス『まもなく、結果発表の時間です』

先輩「……」

先輩2「だってさ。ほら、行こう」

先輩「…うん」

――――
――

――会場外


純「あっ、先輩!」

先輩「みんな…」

「「「お疲れ様です!」」」

先輩B「ホントに疲れた~」

先輩2「寄りかからないで、しっかり歩きなさい」

純「あ、あの…おめでとうございます!」

先輩「ふふ、ありがとう」

先輩B「ほらほら部長、みんなに見せましょうよ」

先輩「あっ、そうね…」ゴソゴソ

先輩「あれ…あれっ!?」

先輩2「どうしたの?」

先輩「ない…なくなってる!!」

先輩2「えぇ!?」

先輩B「じゃーん、準グランプリトロフィー、と賞状」

先輩「なんであんたが持ってるの!!」

先輩B「さっきこっそりと」

先輩「も~…」

先輩B「はい先輩、おめでとうございます」

先輩「…あんたに渡されても嬉しさ半減よ」

同級生「でもすごいですね、準グランプリって!」

先輩2「まぁこれだけ結果を残せば…来年からジャズ研究“部”として活動できるわね」

先輩B「こうしてジャズ研に安息の日々がおとずれたのであった」

先輩「気を緩めないの。あんたのせいで来年廃部になるかもしれないんだから」

先輩B「私どんだけ信用ないんですか~」

先輩「ふふっ」

同級生「ねぇ純」

純「うん、分かってる」

純「あの――」

純「先輩!」

先輩「ん?」

純「これ、私たちからです」

同級生「どうぞ」

先輩2「これは…?」

純「マフラー…です。手作りですけどよかったら」

先輩「私たちに?」

純「はい、先輩たちになにかお礼したくて…」

同級生「二人はジャズ研の創始者ですから」

「せー…の!」

「「「三年間お疲れ様でした!!」」」

先輩2「み、みんな…」

先輩「…ありがとう」

純「えへへ」

先輩B「そうだ!これからみんなでなんか食べに行きましょうよ!!」

先輩B「センパイたち二人のおごりで」

先輩2「何人いると思ってるの!?」

「二年のおごりでいいんじゃない?」

「そうそう、私たちが来年上に立つんだし」

先輩B「えー…しょーがないな~」

先輩「そうよ、それぐらい寛大な心を持ちなさい、新部長」

先輩B「…え?私が?」


純「あー、美味しかった」

先輩B「……そう言ってもらえると軽くなった財布も喜ぶよ」

先輩「ならもっと喜ばせてあげよっか?」

先輩B「なんだよ~引退したからってつけあがって~~」

先輩2「さて…もう暗いし帰るわよ」

先輩「みんな、帰り道は気をつけてね」

「「「はーい」」」

先輩2「…私たちも行こっか」

先輩「うん」


純「あー、美味しかった」

先輩B「……そう言ってもらえると軽くなった財布も喜ぶよ」

先輩「ならもっと喜ばせてあげよっか?」

先輩B「なんだよ~引退したからってつけあがって~~」

先輩2「さて…もう暗いし帰るわよ」

先輩「みんな、帰り道は気をつけてね」

「「「はーい」」」

先輩2「…私たちも行こっか」

先輩「うん」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「……」

先輩2「……」

先輩「――う゛っ…うぅ…」ポロポロ

先輩2「あぁもう、みんながいないとこれなんだから」

先輩「だっでぇ~~~っ」

先輩「プレゼントとかもらえるなんて聞いてなかったんだも~~んっ」

先輩2「はいはい」

先輩2「手のかかる子ね」

先輩「うあ~~~んっ!!」ポロポロ

先輩2「ちょ、ちょっと!?人が見てるわよ!!」

先輩「あ~~~~んっ!!」

先輩2「……はぁ。まぁいっか」

先輩「私ジャズ研作ってよ゛がっだ~~~っ!!」

先輩2「そうね」

先輩「みんなと演奏できてよがっだ~~~っ!!」

先輩2「……そうね」

純「……」

純「……」

純「……」

純(よかったな…先輩たちの演奏…)

純(私もいつか…あんな風にできるかな…)

純「………あ」

梓「あっ」

純「…こんなところでなにしてんの?」

梓「別に…ただ用事があったからその帰り道」

純「ふーん…」

梓「純は?」

純「私はジャズ研のコンテストの帰り」

梓「今日だったんだ」

純「そうだよ、すごかったんだから!」

純「最高の演奏だった!」

梓「そうなんだ…」

純「そうだ、途中まで一緒に帰ろっか?」

梓「うん、いいよ」

純「……」

梓「……」

純「……」

梓「…寒いね」

純「あれ、そういえばマフラーは?」

純「買ったんでしょ?」

梓「……忘れた」

純「…やれやれ、手のかかる子だね~」

純「じゃあこれ貸してあげる」

梓「なにこれ?」

純「余った手作りマフラー」

純「ほら、二つ作ったでしょ?」

純「片方は先輩にあげちゃったから、もう片方は梓に」

梓「これ…短いやつじゃん」

純「文句あるならべつにいいけど」

梓「…やっぱ借りる」

純「どうぞどうぞ。私も持て余してたし」

梓「なんかいらない物の処分に利用された気がする…」

純「……」

梓「……」

純「マフラーどう?」

梓「まぁまぁあったかい」

純「そっか、よかった」

純「……」

梓「……」

純「あ、じゃあ私こっちだから」

梓「うん…バイバイ」

純「じゃあね、梓!」

梓「……」

梓「……」

梓「やっぱ短いなぁ…これ」



#14
おわり



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最終更新:2010年11月13日 00:37