・・・・・
梓「あ~…なんかすっきりした」
純「ずいぶんと楽しそうだったね、梓」
梓「ちょ、ちょっとはしゃぎ過ぎちゃったかな」
憂「あはは、でも良かったよ」
梓「なんか…恥ずかしくなってきたんだけど」
純「まぁカラオケだし、そんぐらのテンションはいいんじゃない。あっ、飲み物頼もっと」
純「二人も飲むでしょ?」
憂「うん、喉カラカラだよぉ」
~♪
梓「次の曲、純じゃない?」
純「そうだった。梓、代わりにメロンソーダ頼んどいて」
梓「ん、分かった」
憂「純ちゃんがんばれー!」
~♪
純『チャッティングナウ!』
純『ガチでカシマシネバーエンディングガールズトーク♪』
梓「ノリノリだ」
憂「楽しいねー♪」
純『ドキドキが止まんない!フルスロットルな脳内!!』
・・・・・
純「いいね~、やっぱ大声出して歌うと気持ちいいー」
梓「純はジャズとか歌わないの?」
純「ジャズ? 歌の方は私あんま知らないんだよね」
梓「ジャズ研なのに…?」
純「だ、だって私ベースだし」
梓「そういうの覚えたほうがいいよ。良い曲いっぱいあるし」
純「うーん…英語で歌えるかなぁ」
梓「日本語のやつもあるから大丈夫だよ…」
梓「そうだ! 帰りにうちに来なよ。CD貸してあげる」
純「…急だね」
梓「オススメとかあるし、ね? いいでしょ?」
純「はいはい、じゃあ後でね」
憂「私、ちょっとトイレ行ってくるね」
純「あ、うん。いってらっしゃ~い」
・・・・・
――廊下
憂「ふぅ…」テクテク
憂「……」
憂(あれ? なんか見覚えのある姿が見えたような…)
憂(たしかこの部屋…)
憂「……」チラッ
さわ子『Maddy candy!! Maddy candy!! Maddy candy!!』
憂(あ、先生だ…しかも一人)
さわ子『アタマ!!アタマ!!首ぃ!!!』
憂「……」
憂(見なかったことにしよう…)
・・・・・
~♪
憂『制服脱いだらちょっとスゴいよ? 着ててももちろん凄いけど♪』
純「たしかに憂は脱いだらすごいよね」
梓「ぶっ!?」
梓「い、いきなりなに言ってんの!!」
純「だってそうじゃん。私が男だったらほっとかないなー」
梓「いやらしいよ…純」
純「梓は脱いだらどうなるのかなー?」
梓「なっ!?」
純「なーんてね、大体想像つくから期待してないけど」
梓「お、大きなお世話!!」
憂『ゴキゲンなフレーズ♪ 無制限にリフレイーン♪』
・・・・・
・・・・・
梓『猫みたいに、爪を立てて自分守るように♪』
純「梓ってさ、ボーカルやんないのかな?」
憂「え? どうなんだろう」
純「絵的にはかわいいから似合いそうなのにね」
憂「そうだね~…お姉ちゃんとデュエットなんていいかも」
梓『同じステージの上にいるじゃん! ってそれだけでなんか勇気沸くね♪』
憂「梓ちゃんかわいい~!」
純「なんだかんだで気持ちよさそうに歌ってるなー」
憂「そうだ、写メに取ろう!」パシャリ
梓『低俗だってー高潔だって♪』
・・・・・
・・・・・
梓「あっ、もうそろそろ時間だよ」
憂「じゃあこれで最後の曲だね」
純「どうせならさ、三人でなにか歌おうよ」
梓「なに歌うの?」
純「んー…これ! 『レッツゴー』」ピピッ
~♪
純「ほらほら、始まったよ。二人ともマイク持って」
レッツゴー!レッツゴーゴー♪ レッツゴー!レッツゴーゴー♪
梓「はい憂、マイク」
憂「ありがとう、梓ちゃん」
レッツゴー!レッツゴーゴー♪ レッツゴー!レッツゴーゴー♪
純「ふふーん、最後だし思いっきり歌うぞー」
憂「レッツゴー♪」
純『やっちゃった! 8時起床ヤバイ誰も起こしてくれない♪』
純『あ、今の出だし良くなかった?』
梓『いやそれより歌の続き…』
憂『観覧車よりもお姉ちゃんgogo!』
梓(勝手に歌詞変えてる!?)
梓『あーもー! 私も好きに歌うからね!!』
梓『発射ースタンバイ♪ちょっと不安だね♪』
純『ここまできたらー閉めるシーットベルトーーーーーー!!ゴホッゴホッ』
梓『のばしすぎ!?』
憂『おk♪』
純『ギリギリ遅k…あ、あれ?このマイク音でないよ』
憂『言い訳ジョーク♪』
純『ねぇー、これ音出ないよこれー』
梓『壊れたんじゃないの? シンドイ時もナミダな時も♪』
純『ここにきて故障!?』
憂『赤点ショックショックショック!』
純『ちょ、梓貸してー!』
梓『信号ウェイトウェイトウェイト♪ 無理に決まってるでしょー』
純『じゃあ二人で使おうよ! 気まぐれロックロックロック♪』
梓『あっ、ちょっと!!』
憂『もっと行ける♪ 私も梓ちゃんのマイク使うー!』
梓『わわっ!?』
純『反省しても後悔しないでー♪どうにかー…』
純憂『レッツゴーーー♪』
梓『ゴーーーーーー!!』
・・・・・
――帰り道
純「あー! 楽しかった」
憂「また今度行こうね」
梓「はぁ…なんだか疲れちゃった」
純「梓が一番ノリノリだったよね」
梓「なっ、カ、カラオケだから別にいいの!!」
憂「梓ちゃんが歌ってるところ写メで取っちゃった」
梓「!?」
梓「け、消して消してー!!」
憂「え~、あとでお姉ちゃんに見せたいんだもん」
梓「ダメー!!」
純「疲れたって言ってるのに元気だね、梓」
梓「むぅ~……あっ、そうだ純」
純「ん?」
梓「うちに行こうよ。さっき言ったとおりCD貸してあげる」
――中野家
純「別に今日じゃなくてもいいのに」
梓「でもせっかくだし」
憂「ここが梓ちゃんの家かぁ」
純「そういえば初めて来るね」
梓「はい純、これ」ドッサリ
純「そんなに!?」
梓「だって聞いて欲しいのがたくさんあるんだもん」
純「だからってこんな聞けないって」
梓「パソコンの中にでも入れて後でじっくり聞きなよ」
梓「ジャズなんだし、勉強にもなるでしょ?」
純「先輩みたいなこと言って…しょうがないなぁ」
純「じゃ、ありがたく借りておくよ」
梓「うんうん、感想も聞かせてね」
純「それじゃあ私たちは帰ろっか」
憂「うん、バイバイ梓ちゃん」
純「またね」
梓「あ…うん」
梓「……」
梓「ちょっと待って!」
純「うん?」
梓「送っていく」
――帰り道
憂「最後の曲楽しかったよね~」
梓「滅茶苦茶だったけどね」
純「マイクが壊れたのは困ったなー」
梓「純の使い方が悪いんだよ」
純「えー、私は悪くないよー」
純「きっと私に罪を着せようとするカラオケ店の陰謀だね」
梓「はいはい」
憂「こうやって三人でなにかするのって楽しいよね。またなにかやりたいなぁ~」
梓「うん。また歌おうね」
純「それまでにちょっと練習しておこうかなー」
梓「じゃあさ、今度一緒にジャズ歌おうよ!」
純「梓歌えるの?」
梓「歌えるよ、一応」
純「へぇー…なら私もこれ聞いて練習しようかな」
梓「絶対歌おうね!」
純「はーい」
憂「ふふっ…あっ、もうここら辺でいいよ」
梓「え?」
純「そうだね。見送りご苦労さま、梓」
梓「あ、うん。…気をつけてね」
憂「バイバイ梓ちゃん」
梓「うん……」
純「……」ジーッ
憂「……」ジーッ
梓「…なに?」
憂「梓ちゃん、なんか寂しそうな顔してる」
梓「え?」
純「ははーん、私たちが帰っちゃうから寂しいんだ」
梓「ちょ、なにそれ! 全然そんなんじゃないよ」
純「よしよし、かわいい子だねぇ」ナデナデ
憂「よしよし」ナデナデ
梓「だーーっ!!ちがーーーう!!」
純「素直じゃないなー、梓」
梓「す、素直とかそんなんじゃないし…」
純「まぁさ、明日もまた学校で会えるんだし寂しがらなくてもいいんだよ?」
憂「そうそう、また明日があるんだし」
梓「明日……って」
梓「寂しがってないって! しつこいなー」
純「はいはい、それは失礼しました」
憂「そうだ! 一緒に写真撮らない? 携帯で」
純「え?」
梓「えぇ…いいよそんな」
憂「いいからいいから、二人とも集まって」
梓「もう…しょうがないなぁ憂は」
純「いいんじゃない? この三人で写真撮るのも初めてなんだし」
梓「そういえば…そうかも」
純「ほらほら梓、そこつめて」
梓「きつい…」
純「三人入ってる?」
憂「うん…たぶん大丈夫」
純「ピース!」
梓「純、手が私の顔と被ってる」
憂「いくよー。せー、の――…」
――パシャッ
# 憂と梓と純
おわり
最終更新:2010年11月13日 01:11