晩御飯終了。
律「んじゃ風呂入るか。沸かしてくる」ヨイショ
梓「あ、大丈夫です。さっき沸かしておきました」
律「なんと……」
梓「どうぞどうぞ入ってきてください♪」
律「お、おう」
梓「それとも一緒に入りましょうか?」
律「え!?///」
梓「冗談ですよ、それくらいで赤くならないで下さい恥かしい」アハハ
律「ハハッ、だよ、な……」
梓「ちょっと期待とかしました?」
律「し、してないしてない!//」
梓「変態ですね、いくら私の肌が見たいからって」ボソッ
律「いや、だからちげーし!」
律「(まあでも風呂二人くらいなら狭くないだろうし……、今寒いし私が入った後で梓が入ったらお湯冷めちゃうかも知れないし……)」モンモン
律「梓、やっぱ一緒に入る?」
梓「」
梓「変態!?」
律「……」ズーン
梓「……すみません、冗談です」
梓「さ、それじゃあ冷めないうちに入っちゃいましょう!」
律「(で、風呂場に来たのはいいけど……)」
梓「(……脱衣所狭っ!)」
律「まあ、仕方無い。脱ぐか」
梓「へ?あ、はい!///」
律「いや、そこで赤くなるなよ!?大丈夫、別に見ねーし」
梓「じゃあ律先輩は奥で脱いでください。大丈夫です、私も見ませんから」
律「おぉ」ヌギヌギ
梓「……」ヌギヌギ
律「っていうか、合宿とかでも一緒に入ってんだから別に気にすることない
よなあー」ハハッ
梓「……」ヌギヌギバサッ
律「(無言!?恥かしいんだけど!素面の梓はやっぱり酔ってるときみてーに
甘えてこないんだな……)」チラッ
律「(……あれ?梓の髪下ろした姿、澪に似てる……)」ボーッ
目が合い
梓「な、なに見てるんですか!?///」
律「わ、悪い///」カチューシャトリトリ
梓「……///」プイッ
律「(あ、そっぽ向かれちゃった……)」
梓「(り、律先輩がカチューシャ外して……///さらにイケメン度UPですか!?)」
律「(あー、私のアホ!何見惚れてんだ!)」ヌギヌギバサッ
律「じゃ、じゃあ私先に入っとくから」
カラカラ
チャポーン
律「……はあ……」
カラカラ
梓「失礼します……」
律「」ドキッ
梓「律先輩?」キョト
律「あ、いや……///のぼせちゃったのかも!」
梓「そんなに長い間浸かってないじゃないですか……」
律「まあまあ。そろそろ髪洗うよ。梓は寒いだろうし風呂浸かっとけ!」
梓「はあ?」
チャポーン
梓「(律先輩って見た目よりももっと小さいんだな……)」ポーッ
律「」シャカシャカ
梓「(すごい、さすがうちのドラマー!頭洗うときもリズムに乗って!?)」
律「(あぁ、梓がいると思うと調子が狂う!)」シャッカシャッカ
シャワーザー
梓「あ、律先輩」
律「ん?」
梓「まだ後ろにシャンプー残ってますよ」ザバッ
律「あ、ほんとだ」
梓「流してあげます」
律「え、いいよ別に!」
梓「いいからじっとしててくださいよ、目に入っちゃいますよ」
律「う、うん……」
シャワーザー
梓「(……律先輩の髪、本当にさらさらなんだなあ……)」
梓「(ずっと触ってたいよ……)」ソッ
律「梓?手止まっちゃったけどどうしたんだ?」
梓「あ、すいません。終わりです」
律「ありがとな」ブルブル
梓「犬みたい……」プッ
律「あ、こら、今なんて言った!?」
梓「いえ、なんでもないです」ププッ
律「こんにゃろ!」グリグリ
梓「い、痛いですって!」
律「今度笑ったら承知しねーからな!」フウ
梓「はいはい」ククッ
律「(あ……今いつもどおりの感じに話せてる?そういえば、梓がこうやってちゃんと
笑ってるの見たの今日始めてな気がするし……)」
律「よかった……」ホッ
梓「何がです?」
律「ううん。ほら、今度は梓が座れよ。私が洗ってやる!」
梓「え、いいですよ一人で洗います」
律「そんなこと言わないの!洗ってもらったんだし私も洗いたい!」
梓「子どもですか……」
律「いいからほらほら」グイッ
梓「(律先輩の手が私の肩に……//)」ストンッ
律「よし、それじゃあ目瞑れよ」
梓「は、はい……」ギュ
シャカシャカシャカ
律「痛くないか?」
梓「あ、はい、気持ちいいです」
律「そーか、そんじゃあもっと気持ちよくしてやるぜっ!」
律「(って、この会話なんかエロくないか……?いや、何考えてる私は!)」
ジャカジャカジャカ
梓「い、痛いです、律先輩!」
律「あー、悪い!」
律「(焦って強くしちまった!気をつけないと!)」
シャカシャカ
梓「(あれ、このリズムは……)」
シャッカシャッカ
梓「(少し早いけど……)」
律「~~♪」
梓「ふわふわ時間、ですか?」
梓「(律先輩の鼻歌!レアだ!)」
律「え、あぁ、うん。歌いたくなってなー」
ジャカジャカ
梓「 キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI ♪」
律「 揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ ♪」
いつもがんばる君の横顔
ずっと見てても気づかないよね
夢の中なら二人の距離縮められるのにな
梓「(律先輩は、この曲を誰のことを想って歌ってるんだろう……)」チラッ
あぁ カミサマお願い
二人だけの
梓「(私のこと、じゃないよね……)」ズキッ
梓「痛っ!」
律「え!?目に入っちゃったか!?」
梓「みたいです……」
律「ちょっと調子に乗りすぎちゃったみたいだな。ごめんなー、梓」
シャワーザー
梓「いえ……」
梓「(二人だけのDream Timeください、か……。ずっとそう思ってたはずなのに、
何で実現した今、こんなに胸が痛いんだろう……)」
律「よし、終わりっと」
シャワー止め
律「おー寒っ!」
梓「すいません先輩!」
律「いいっていいって。ほら、梓も浸かろうぜ?狭いけど」
梓「あ、はい」
チャポーン
律「(つーか……うちの風呂やっぱ狭すぎだろ!二人ならいけるとか考えた
私が悪かった!梓が近い……//)」
梓「(あぁ、向かい合わせで座ってると律先輩の顔が凄い近い///)」
律「あ、梓!」
梓「はい?」
律「私の上に座るか?」
梓「……え?」
律「いや、変な意味で捉えないでくれよ!ほら、狭いしさ、胡坐かくからその
上に座ったらいいんじゃないかなーと……」シドロモドロ
梓「(律先輩の上に座る!?それって律先輩と密着……//)」
梓「えっと……」
律「私のことは気にしないでくれていいし!」
梓「そうはいわれましても……」
律「今のままよりはマシだろ?こんなに顔近くちゃ落ち着かないし……//」
梓「わ、わかりました、失礼します//」
律「おう」
ストン
梓「(り、律先輩がさっきよりも近く感じるんですけど!先輩の太股が///)」アァ
律「くすぐった」
梓「はい?」
律「いや、梓の髪長いから顔に当たってさー」ケラケラ
梓「すいません」
律「謝るとこじゃねーし」ククッ
梓「(やっぱり律先輩はこんなに近くてもなんとも思ってないのかな……)」
律「梓、もっと楽な姿勢しよーぜ?そんなかちんこちんにならなくても」
梓「いえ、律先輩こそもっと適当に座ってくれていいですよ」
律「私はいいの」
突然、梓の髪に触れる。
律「ん?いや、梓の髪、綺麗だなーと思ってさ。さっき髪洗ってるときも思って
たんだけど」
梓「そうですか?」
律「うん、それになんか澪の髪に似てる」
梓「え」ズキッ
律「梓?」
梓「あ、いえ……。澪先輩と似てるなんて、そんなこと全然ないですよ」アハハ
律「まあ体型とかは正反対だよな」ケラ
梓「う……」
律「けどさ……」
髪に触れ続けながら。
梓「……なんですか」
律「やっぱ、なんか似てるんだよなあ、髪だけじゃなくって」
梓「……、そう、ですか」ズキズキ
律「さて、と」スッ
梓「どうしたんですか?」
見上げて訊ねる。
律「そろそろほんとにのぼせそうだし上る。梓まだ入りたかったら入ってていいよ」
カラカラ
梓「……バカ」チャポン
律「……」ハァ
律「(おかしーな、私……。何でこんな気持ちになるんだよ……)」フキフキ
律「さっさと着替えて梓が上る前に水でも飲んで頭冷やそ……」ボソ
部屋に戻る。
プルルルル♪
律「電話?誰だ?」
『着信:澪』
律「……」ズキ
律「あー、もう、何でこんな罪悪感感じてんのかなあ、私」ハハ
律「(やっぱ私、さっきからおかしーわ……。澪からの電話でも全然嬉しく
なんねーんだもんな……。この罪悪感はどっちに対しての罪悪感なんかも
わからねー)」
プル、ル……ツー、ツー、ツー
律「あ、切れた」ホッ
水をコップに注ぐ。
律「また後で掛けなおせばいいか……」ゴクゴク
.
梓「……もう帰ろっかな」
カラカラ
梓「(当たり前だけど、歓迎されてなかったみたいだし……)」フキフキ
梓「(勢いでお嫁にして下さいとかへんなこと言っちゃって……)」ハァ
服を着替えると、暫くその場に佇む。
梓「(ほんとは記憶だってちゃんとあるんだよね。確かに酔ってたときの記憶は
あんまりないけど、一応残ってるし……。律先輩と何もなかったことだって知ってる)」
梓「(全部知ってて、それなのにこんなふうに何も知らない振りして律先輩の傍
にいるなんて……)」
梓「最低だ……」グスッ
「何が?」
梓「!?」ビクッ
律「何そんなに驚いてんだよ」ハハッ
梓「突然何も言わずに入ってくるから……吃驚しました」
律「悪うござんした。梓が遅いから何かあったのかと思って見に来たんだよ。
そしたらここでぼーっとしてるし。私のほうが驚いた」
梓「すいません……」
律「いいけどずっとここにいたら風邪ひくぞ?」
梓「そうですね……」
律「……とりあえず向こう行こうぜ?」
手を掴む。
梓「!?///」
律「ほら、もう冷えてんじゃん」サスサス
梓「先輩の手、あったかい……//」
律「梓の手が冷たすぎるの。ほら、とりあえずこっから出るぞ」グイッ
梓「は、はい!」
.
律「ほい」
温かいココアの入ったコップを梓の前に置く。
梓「ありがとうございます……」ゴクゴク
律「どう?美味いだろ?なんせりっちゃん特製ココアですから!」
梓「……普通のココアと何も変わらない気がするんですけど」
律「それは禁句だ!」
梓「美味しいですハハハ」
律「乾いた笑い漏らすんじゃねー」
梓「でも……」
律「ん?なに?」
梓「味はあれですけど、温まりました」
律「そ。それならよかった」ニッ
梓「……///」フイッ
律「さて、飲んだらもう寝るか」
梓「早くないですか?まだ10時回ったとこ……」
律「まあなー。でも今日は寒いし。梓、どこで寝る?」
梓「えっと、どこでもいいですけど……」
律「じゃあ私、梓の隣で寝ていい?ここに布団持ってくるしさ」
梓「へ!?」
律「やっぱだめ?」
梓「えっと、だめっていうかその……///」
梓「(私の理性が持ちきるかどうか……っていう問題が……)」
律「大丈夫だって、変なことはしないから」ケラ
梓「(逆に私の理性がぶっ飛んじゃうかも知れないんですって!)」
律「おーさむっ」タタッ ガチャッ
梓「あ、律せんぱっ……!行っちゃった……」
梓「(ど、どうしよう、律先輩と隣で寝るなんて……//)」
梓「(と、とりあえず落ち着こう……。だって、律先輩はまだ澪先輩のこと……)」
梓「……好きなんだもん」ボソ
梓「(自分で言ってて悲しくなってきた。やっぱだめだな、私は……)」
ガチャ
梓「あ、早かったですね……って布団一つ、ですか?」
律「悪い、梓……。これ、自分の部屋から取ってきたんだけど、他のお客用布団探して
もなかったんだよ……」
ドスッ
律「あー、重かった」ゼーハー
梓「すいません、私やっぱ……」
律「帰ります、は無しだぜ?大体もう遅いし今日くらい泊まってけよ」
梓「……けど、御迷惑じゃ……」
律「いいの。っていうか、……私がいてほしいから」ボソ
梓「え?」
律「梓の言った通り、うちしばらく誰もいないんだよ、そんでちょっと寂しいっつーか、
寂しくないっつーか、だな……///」
梓「……」プッ
律「なっ!笑うんじゃねえ!///」
梓「(律先輩がいてほしいって言ってくれた……それだけでなんでこんなに嬉しく
なっちゃうんだろう。その理由が私と関係なくっても)」
律「もう!寝るぞ!」
布団を敷くと、横になる。
律「ほら、梓もおいで」ポンポン
梓「えっと……ほんとに同じ布団で寝るんですか?」
律「仕方ないだろー、一つしかないんだから」
最終更新:2010年11月17日 00:33