平沢家!
憂「ただいま…っと」ガチャ
憂「…」トテトテトテトテ
憂「…」ポスッ
憂「…ふう」ストン
憂「…」
憂「…さてt」
唯「うーいー!お帰りー!」ガバッ
憂「きゃああああ!?」ガッターン
憂「かかか…帰ってたんだ!?」ドッキドッキ
唯「う、うん、大丈夫?痛くない?」ナデナデ
憂「だ、大丈夫…///」ズッキズッキ
唯「びっくりさせてごめんね?」
憂「ううん」
唯「憂、おかえり。」
憂「ただいま。」
憂「ところで今日は早かったね。」
唯「うん。ワックスがけで部室が使えなかったから。」
憂「そういえばそうだね。」
唯「憂はこの時間まで何してたの?買い物じゃないみたいだけど。」
憂「えっ」
唯「えっ」
憂「…」
唯「…」
憂「…」
唯「…」
憂「…冷蔵庫にあいすあるよ?」
唯「わーいあいすー!」
唯「うまうま」シャリシャリ
憂「ふふっ♪(良かったごまかせた)」
唯「おいしー♪(はぐらかされた…)」
よくじつ!
律「お茶ー!」
澪「練習だろ!」ゴチン
律「あいたっ!?」
紬「ふふ♪」
唯「お茶にしようよー」ブーブー
梓「練習しましょうよ…昨日も部室が使えなかったわけですし。」
唯「あずにゃんぶん補給ー」ギュー
梓「にゃあ!?」
紬「あらあら♪」
澪「まったく、昨日楽器屋行ってスティック一緒に選んでやったのに…」ブツブツ
律「いいじゃんいいじゃん♪」
紬「あらあら、昨日は二人ででかけてたの?」
澪「べっ…べつにデートとかそんなんじゃないからな!?」アセアセ
律「久しぶりに二人の時間を過ごしたわけじゃないからな!?」アセアセ
紬「あらあらあらあら♪」ツヤツヤ
唯「おおお!(りっちゃん澪ちゃん、付き合ってたんだ!)」
梓「(澪センパイ!?そんな…律センパイと…)」ガーン
律「あっそういえば!」
紬「何?何?」
律「昨日あの楽器屋の近くで憂ちゃん見かけたんだ。」
澪「そういえば。」
唯「え?憂?」
澪「見かけたは良いけど、なんかそわそわしてたし、ちょっと声かけづらかったんだよな。」
律「うんうん。周りの目を気にしてたっていうか。」
律「って、唯なにか知らないの?」
唯「うん…。」
唯「昨日出掛けてたみたいだけど、聞いたらはぐらかされちゃって…。」
澪「憂ちゃんがはぐらかしたのか?なんかめずらしいな。」
梓「私も何も知りませんけど。」
紬「なんだったのかしら?」
律「うーん…」
律「…男、かもな。」
唯「」
唯「…えっ?」
梓「(そんな…憂…!)」ガーン
澪「それはあるかもしれないな。」
律「憂ちゃんみたいな娘が彼女だったら男は幸せだろうな。」ウンウン
紬「お…お…お…」ゴゴゴゴ
梓「?」
紬「オトコォオオオオオ!?」
澪「ひいっ!?」ビクゥ
紬「あんな物ねっ、ただヤリたいだけの猿よ!?殺しましょう!今斉藤にヒットマンの手配をさせるわ!?」ズゴゴゴ
律「ムギ!?」
梓「む、ムギセンパイ、殺すのはマズイです!」
澪「みえないきこえない」ガクブル
唯「」
紬「じゃあ去勢よ!憂ちゃんが汚される前にキ◯タマえぐり出して一個ずつ食わせてやるわ!その後殺す!」ズゴゴゴ
律「ムギ!?」
梓「ダメだこの人(でも去勢には賛成)」
唯「」
梓「まあ、男の人と決まったわけではないですから…」
紬「フーッフーッ!」
唯「…」
律「唯、どうした?妹に先越されてショックか?」
澪「だから決まったわけでは…」
唯「…分かんない。」
唯(憂…好きな人が出来たなら相談してくれても良かったのに…)
唯(でも…なんだろうこの感じ…胸の奥が締め付けられる…)
唯「…」
律「…」
律「唯、今日はもう部活は終わりにして、私の家でちょっと料理の練習でもしよう。」
梓「ええ?練習は?」
律「唯がこんなんじゃ練習にならないよ。」
澪「でもなんで料理?」
律「憂ちゃんが部活もせずに家事をしてるのは唯の部活のためだし、そのために憂ちゃん自信の時間が持てないのは部長として申し訳ない。」
律「それに大学受かったら唯も一人暮らしだろ?だから今から少しでも練習しといても損はないはずだ。」
律「簡単なやつならわたしも教えれるからさ。」
紬「そういうことなら私も協力するわ。」
梓「律センパイもたまにはマトモなこといいますね。」
律「おいこらたまにってなんだ中野」
澪(普段おちゃらけてるけどこういうとこちゃんとしてるんだよな、律は。)
律「それでいいだろ?唯。」
唯「…うん。」
梓(…唯センパイ…?)
琴吹家キッチン!
梓「すげえ…」
澪「広い…」
律「よ、よ、良かったのか?急な思いつきのためにこんなん使わしてもらって…」ビクビク
紬「いいのよ♪」
唯「ありがとう、ムギちゃん。」
紬「いいえ♪」
律「じゃあ早速始めようか…」
唯「うおお…!」ジュー
唯「ぬおお…!」ガッターン
唯「ふおお…!」ガッチャーン
唯「るおお…!」ドグチュア
…
…
…
鍋「ズゴゴゴ」プシューブシュー
皿「オオオーン」ボシュッボシュゥー
唯「…」
律「ま、まあ慣れないうちはこんなもんだよ…」
澪「…ど、独創的でいいと思うよ…」
梓「いや流石にこれはねーよ」
紬「皆で料理たのしかったわ!」
唯「私…」
律「ん?」
唯「私いつもこんな重労働を憂一人にやらせてたんだね…」
唯(憂…)
梓(唯センパイ…もしや…)
律「まあ何度も言うけど慣れだと思うよ。」
澪「そうだな。律も最初の方はアレだったしな。」
律「澪ちゅわーん。そういうことは私より上手くなってから言いましょうね。」
澪「うっ…それは言わないで…」
紬「あらあら♪」ニヤニヤ
律「唯や憂ちゃんが嫁に行ったりしてからじゃ遅いからな。今から少しずつでもこうやって練習しよう。」
唯「!」
唯「…」
唯「…だよ」ボソッ
律「?」
唯「やだよ…」
澪「唯?」
唯「どんな美味しいご飯も一人じゃやだよ…」ポロポロ
紬「唯ちゃん?」
唯「どんなに美味しくても、隣で憂が笑ってくれないとやだよ…」ポロポロ
梓「唯センパイ…もしかして憂のこと…」
唯「分かんない…」
唯「でも…憂のことならなんでも知ってるって思ってたのに…」
唯「私の知らない所でこんなに苦労してたり…」
唯「昨日だって私の知らない所で何やってたんだろうって…」
唯「憂が私の知らないうちに変わっていっちゃうのがさみしくて…」
唯「私が先に置いて行っちゃったからなのかな…」
唯「憂のことで頭がいっぱいで…」
梓「唯センパイ…」
唯「女の子同士だし…それに妹にこんな感情持つなんて…」
澪「…」
唯「りっちゃん…澪ちゃんと付き合う前はりっちゃんも辛かったの…?」
律「ああ…。」
律「でも唯、辛そうにしている唯に敢えて苦言を呈するが、」
律「少なくとも私と澪がこうして付き合ってるから、じゃあ私もいいのかな…みたいな考えは捨てて欲しい。」
律「幸いにも私達はこうしてお互い想い合うことができてるわだけど、」
律「想いを伝えるためには相当な覚悟が必要だった。」
律「澪との関係が壊れるかもしれないし、澪を傷つけてしまうかもしれない。」
律「それに女の子同士で付き合うなんて世間では認められてないことだし、外の世界に出れば風当たりも強くなるかもしれない」
律「澪とはずっと一緒に居たいけど、お互いの自分の家族にすら打ち明けられないでいる。」
律「自分の一方的な感情で澪を巻き込んでしまっている…」
澪「律…」
律「まして憂ちゃんは妹だ。下手したら一生ものの傷ができるかもしれない。」
律「だから唯がどんなにくる苦しくても、私はこれ以上唯の力にはなれない…」
唯「…うん…」
律「もちろん相談があれば全力で応えるよ。」
律「でも想いを伝えるのか、しまっとくのか、結局は唯が自分で決めるしかない。」
唯「うん…。」
澪「辛いかもしれないけど、憂ちゃんが大事なら精一杯悩め。苦しんだだけ強くなれるはずだ。」
紬「でもね…唯ちゃん…」
紬「それでも辛くてどうしようもなくなったら…」
紬「私達が一緒に泣いてあげるから…」ポロポロ
紬「だって私達…友達でしょ?」ポロポロ
唯「ムギちゃん…」ポロポロ
律「ああ…私達もだ…」ポロポロ
澪「辛くなったら遠慮なく言ってくれ」ポロポロ
唯「みんなぁ…ありがとう…」ポロポロ
梓(私も軽音部の一人として一緒にやってきたけど…)
梓(センパイ方の間には目にみえない絆みたいなのがあったんですね…。)
梓(わたしもまだまだです…)グスッ
最終更新:2010年11月17日 03:41