梓(それにしてもムギセンパイは…)
律「まあもう遅いしそろそろ帰ろう。」
澪「唯。あんまり憂ちゃんに心配かけないようにな。」
唯「うん。」
紬「みんな、斉藤が車で送って行ってくれるそうよ。」
梓「うおリムジンだ」
平沢家!
唯「ただいま…」
憂「お姉ちゃん!遅かったね、遅くなるなら連絡してほしかったのに!めっ!」
唯「ごっごめん…///」
唯(まともに顔見れない…)
憂(…?)
翌日!
唯「ういーっす…」ヌラリ
律「すごいクマだな…」
唯「眠れなくて…」
澪「憂ちゃんのことか…」
唯「うん…」
紬「あんまり無理しちゃダメよ?」
唯「うん…」
梓(そういうムギセンパイにもクマが…やっぱり…)
律「みんな揃ったことだしお茶にしよう。」
梓「練習は?」
唯「わーいお菓子ー!」
澪「まあしょうがないよな。」
紬「はいはい♪ちよっと待ってね。」
唯「じゃあ練習しよう!」
梓「!」
梓「大丈夫なんですか?」
唯「うん。」
唯「私決めたんだ。憂に気持ちを伝えるよ。」
律「…そうか。」
唯「憂にはすでに彼氏がいるのかもしれないし、ダメだったとしても家族として一生付き合って行かないといけないけど、」
唯「でもやっぱり想いを伝えたい。」
唯「憂は本当にいい女の子だし、好きになって良かったって思えるようになれるはずだもん。」
唯「もう決めたんだ。だからもうクヨクヨしないよ。」
律「なら私がいうことはもうないな。唯、上手く行くといいな!」
唯「うん!」
澪「唯、つよくなったな。」
唯「?」
澪「なんでもない。」
梓(恋は女の人を強くするんですね。)
紬「…」
…
律「ふぃ~つかれた~」
澪「今日はまあまあだったな。」
唯「今日は真っ直ぐ帰るよ!」
律「ひょっとして今日決行するの?」
唯「うん。」
澪「ずいぶん早いな。」
唯「思い立ったら吉原ってね。」
澪「吉日な。」
紬「みんな、私はちよっとやる事があるから先に帰ってて。」
律「…分かった。じゃあ帰ろうか。」
澪「ムギ、また明日。」
唯「ムギちゃん、バイバイ!」
梓「ムギセンパイ、また明日。」
紬「みんな、さようなら。」
昇降口!
梓「…やっぱり私もやる事があったのでちよっと残ります。」
律「…そうか。」
澪「夜も遅いから気をつけてな。」
唯「あずにゃんバイバイ。」
梓「皆さんまた明日。」
音楽準備室!
梓「…失礼します。」
紬「…梓ちゃん?」
梓「ムギセンパイ…泣いてるんですか?」
紬「…ええ。」
梓「ムギセンパイ…唯センパイのことが…」
紬「…」
梓「やっぱり…」
紬「…梓ちゃんも唯ちゃんのことがすきだったんでしょ?」
梓「…はい。」
紬「…だったら分かるでしょう。一人にしてちょうだい。」
梓「…」
梓「唯センパイのこと好きでしたが、ムギセンパイだって大好きです。」
紬「…」
梓「そんなムギセンパイが辛くてどうしようもなくなったら…」
梓「私が一緒に泣いてあげますから…」
紬「!」
紬「あずさちゃ…うっ…ひっぐ…!」
梓「ムギセンパイ…ぐすっ…ぐすっ…!」
唯「ムギちゃん…あずにゃん…ごめんね…」
律「…」
澪「…」
平沢家!
唯「うーいーただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
唯「憂、あのね、よく聞いてほしいんだ…」ジッ
憂「ど、どうしたのお姉ちゃん…」
唯「私…憂が…」
憂「!」
憂「そうだ!」
憂「お姉ちゃんちょっと待ってて!」
唯「へっ?」
憂「お姉ちゃんこれ受け取ってくれる?」
唯「これ…ギターのピックとストラップ?」
憂「あ、あのね、使い易さとかよく分からないからさ、使ってくれなくてもいいんだ。」
憂「演奏してる時のお姉ちゃんはかっこよくてすごい輝いてるし」
憂「きっと軽音部の皆さんと一緒だから楽しいんだって」
憂「きっとそこに私の入る隙間はないと思うけど」
憂「軽音部のお姉ちゃんのファン一号としてお姉ちゃんにもらってほしいんだ。」
憂「一昨日みんなに内緒でお姉ちゃんを驚かそうと思って楽器屋さん行ってみたんだけど」
憂「どれにしていいか分からなくて帰るのが遅くなっちゃったんだ。」
唯「憂…」ポロポロ
憂「お、お姉ちゃん!?」オロオロ
唯「ありがとう…だいじにするよ…」
憂「う…うん…。」
憂「ご飯もうすぐ出来るからちよっと待っててね。」
唯「憂」
憂「え?」
唯「私…憂のことが…」
街中!
唯「ハアハア…!」タッタッタッタッ
唯「憂…私が好きだって言ったら急に家を飛び出して…!」
唯「いったいどこに…」
唯「!」
唯「あそこは…小さい頃憂と一緒によく遊びに来た公園…」
唯「もしかして…」
唯「!」
唯「憂!」
憂「!」
唯「ハアハア…憂…こんな時間に一人でこんな所にいたら…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「急に好きだって言われてどうしていいか分からなかったのかもしれないけど…」
唯「べつに応えは急がなくてもいいんだから…」
憂「…」
憂「私はずっとずっと前からお姉ちゃんのことが好きだった…」
憂「でもこの気持ちは心の中にしまっておこうと決めてたの…」
憂「それに…お姉ちゃんが大学に合格したら距離をおけるし…」
憂「それで諦めもつくと思ってたの距離」グスッ
唯「憂…」
憂「今になって…そんな…」ヒック
唯「憂…置いて行っちゃってごめんね。」
唯「でも…私は憂のこと待ってるから。」
唯「憂がいないと私…」グスッ
憂「お姉ちゃん…」グスッ
唯「憂…」
憂「お姉ちゃん…大好きだよ…」
唯「うん…」
憂「帰ろう!」
唯「うん…!」
平沢家!
唯「お腹空いたー!」
憂「ご飯冷めちゃったね。」
唯「ついでに体も冷えたー」ギュー
憂「もう…///」
唯「あったかあったか!」
憂「あったかあったか!」
唯「…恋人どうしになっちゃったんだね、私達…///」
憂「…うん…///」
唯「でもこうしてるといつもと変わらない気が…」
憂「そ、そうだね…」
唯「じゃ…じゃあ…キス…なんぞを…///」
憂「えっ?///」
唯「ちう~」ムチウー
憂「お姉ちゃん…その顔でキスはちょっと…」
唯「どーせへんな顔ですよ!」プンスカ
唯「知らない!」プイッ
憂「もう…」
唯「…」
憂「…」
唯「…」
憂「…顔に何かついてるよ?」
唯「えっ?」クルッ
チュッ
唯「あっ…///」
憂「料理あっためないと///」スタスタスタ
唯「ういー!」
唯「ずるいよ!」
完
最終更新:2010年11月17日 03:42