律「お前を倒さなきゃ、澪と両親に顔向けできないんだよぉぉ、トランザムっ!」

憂「私にだって譲れない、想いがあるんです、律さん倒させてもらいます!」


憂は気づくとスローネの顔面に銃を突きつけられていた

憂「はやいっでも!」

憂「それは一度エクシアで見ました!」

腕ごと銃をたたききらんと大剣をふるう」

律は剣があたる直前にその場で一回転して、またスローネに銃を突きつけた

律「甘いんだよ!」

憂「くっ」

スローネの脚部に仕込まれている、ファングを収納状態から自機の片腕にむけて撃つ

ドンッ、自機の腕がふっとぶが、衝撃で分身を出しながらデュナメスも体勢を崩した

律「やる事が滅茶苦茶なんだよ、ガンダムッ」

憂(後手にまわったら負ける)

危機を脱出し、一端下がると、自分のシールドをデュナメスに向けて投げ、内側を狙ってビームを放つ、シールドは爆散し、そのスキをついて一気に近づく

律「ばればれだっつのっ」

デュナメスが構えると、少し先に剣を振りかぶったスローネが見える

律「うかつだ、もらったぁ!」

この距離なら絶対に外さない自信がある律は確信をもってビームを撃った

憂「読まれて!?」

憂「当たる!?あぁぁぁぁぁぁあ」

憂は一瞬だけ眼が金色に光るとなんとビームを剣で切り裂いた

律「な、化け物かよ、お前は!」

憂はその勢いでデュナメスに近づき、デュナメスを突き刺した

律「がぁぁぁぁぁああ」

デュナメスから爆発が起こり、スローネは剣を引き抜いて爆発に巻き込まれないように安全地帯まで下がる

憂「はぁはぁ・・・勝った」


崩れ落ちるデュナメスの中で、律はデュナメスが警告音を出したまま動かないのを確認すると、血を吐きながら脱出しライフル本体に端末を接続、生身でスローネに狙いをつける

スローネはデュナメスを撃墜した事に油断しているようだった

律「はぁ・・・はぁ・・・澪、げほげほっ、悪いなぁ唯、私はこいつを殺らなきゃ・・・仇をとらなきゃ・・・私は前に進めないんだ、だからさ・・・」

律「狙いうつぜぇ!!」

ピピピピ
憂「え?しまっ・・・」

スローネは、違和感に気づき、ライフルに向かってビームを放つが、自身が貫かれた後であった

憂「お姉・・・ちゃん、ごめんね、大好きだよ」ドォォン


スローネとデュナミスのライフルから爆発がおこり、その傍らには二人分のヘルメットだけがおちていた

唯「あの爆発は・・・?」

澪「嘘だろ・・・デュナメスとスローネの反応が消えた・・・」

唯「いやだよ、いや・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」



ーープトレマイオス内ーー

ガンッ無機質な音がプトレマイオス内に響く

澪「お前が・・・お前の妹のせいで律はっ!!」グス

唯「ふぇぇぇぇん」ボロボロ

紬「澪ちゃん、やめて!!唯ちゃんだって辛いのよ、通信を聞いていた澪ちゃんだって分かってるでしょ?」

澪「くそっ分かってるさ・・・頭では分かってるんだ・・・」ポロポロ

澪「私・・・さ律の事・・・すきだったんだ・・・いつも助けてくれて・・・それなのに・・・私は・・・!!」ガンッ

紬「澪ちゃん・・・」

唯「う”~い”~りっぢゃぁぁぁぁん」ポロポロ

その日母艦内には泣き声が聞こえ続けていた


澪(律・・・)

暗い部屋で今はいない親友とのアルバムをめくる、親友との写真をみつける度指でその姿をなぞった、次第にページもなくなり最後のページにさしかかった所で封筒を見つけた、封筒には大きな文字でこう書かれている



-みおへ-

澪は急いで封をあけると中の手紙を読み始める

「みおがこれを読んでいる時には、私はもういないかもしれません」

「思えば小学生の頃からずっと一緒だったね」

「覚えてるか?はじめてあった時のコト、私が大声で話しかけると君は恥ずかしそうにうつむいていたね」

「覚えてるか?お前が私に自分の体の事を打ち明けてくれたコト、君は泣きながら一生懸命話してくれたね」

「覚えてるか?CBに志願したコト、私の足は震えていたんだよ、君は私の横にいて安心させてくれたね」

「他にも沢山あったね、何度もケンカをした事、川原でタイヤキを半分こした事、みんなで撃ち合いをして遊んだ事」

「どれも私にとっては大切な大切な思い出達だよ」

「知ってたか?私、澪の事大好きだったんだよ」

「他の友達と仲良くしている所をみるとやきもち焼いちゃったり、優しくしてくれたら舞いあがっちゃったり、みおは私の青春そのものでした」

ポツポツと手紙に水滴がおち斑点ができる

「もう行くね、いつも支えてくれてありがとう、大好きだよ」

-律-




澪「リヅッ」ブワッ


澪「律・・・もういないんだよな、なら私はお前が望んだ戦争根絶をやりとげるよ・・・さよなら律・・・愛してたよ」ポロポロ

心ではそう思った、しかしそれが無理して強がっているという事から澪は目を背けていた

ピリピリ
「唯か?」グス


ーーブリッジーー

さわ子「唯ちゃんと澪ちゃんは?」

紬「それがまだ・・・」

ブリッジのモニター回線が開き澪の姿がうつりこむ

さわ子「澪ちゃん・・・」

澪「さわ子先生、次のミッションプランをお願いします」

紬「澪ちゃん大丈夫?」

心配そうに大きな眼でむぎが私を見つめる

澪「・・・ああ、それにこれは唯からの提案でもあるんだ」

さわ子「唯ちゃんが・・・」

澪「国連軍の擬似太陽炉(エンジン)を持つ機体を殲滅できれば、私達の力を示すことができます」

そこに別の回線が開き、唯がうつりこんだ

唯「私達が行動する事で、何か変わるなら、憂やりっちゃんの為にも動くんだっ、だって私達は生きているんだもん!」グス

唯の眼は真っ赤にはれ、目尻から涙の跡がうかがえていた

紬(唯ちゃん、澪ちゃん乗り越えたのね)ニコッ

紬「そうよ!私達は生きている、生きているのよ!」パァァ

さわ子「分かったわ、次のミッションプランを説明するわね」

ビービービー
「敵部隊補足、第一戦闘配置です、くりかえす--」

さわ子「何でこの場所を!?先手をうたれたわね、でもこういう時の為にプランを用意してあるわ」

さわ子「グッジョブ私!」グッ

紬「さっさと説明してください」スチャ

さわ子「その銃おろしてくれるかしら・・・」サァー

さわ子「まぁ待ちなさい、曜子ちゃん敵の数は?」

曜子「13機です、でもその奥に、見慣れないMSが・・・映像出します」

ザザッ
映ったのはエクシアによくにた青と白を基調とした機体

紬「なんで!?あの機体が・・・!!」

紬は眼を開いて驚く

唯「む、むぎちゃんどうしたの?あれエー太によく似ているねぇ」

ヂヂッ
なぜか頭に和の姿が思い浮かぶ唯

唯「うぅ」


紬「Oガンダム・・・」

唯澪「Oガンダム・・・?」

紬「あれがあそこにあるなんてありえないわ・・・」

唯「むぎちゃん・・・」

紬「あれはソレスタルビーイングに戻されたはず、まさか裏切り者が・・・いつのまに」

紬「オリジナルの太陽炉をもつ機体よ」ギリッ

澪「敵が何でもやるしかないんだろ?」

唯「そうだよ!!」フンス

紬「そうね」ニコッ

澪(律・・・私は・・・)


ーー国連軍ーー


和「世界は纏まりつつある、消えてくれないかしら?ソレスタルビーイング」

次々にプトレマイオスからハッチが開く

唯「エー太目標を駆逐するよ!」

紬「ヴァーチェ目標を破壊するわ」

澪「キュリオス、介入行動を開始します」

発進直後澪の心がドクンと音をならし、律を失った悲しみに染まっていく

澪(なんで?決めたのに、律・・・こわいよ・・・)

唯「予定通り、Oガンダムの所へ向かうよ」

紬「私と澪ちゃんは艦の防衛にあたるわね」

澪「うん・・・」


ーーデブリ帯ーー

のぶ代「各機衛生を盾にして、艦を破壊するよ」

梓「はいっ」

ドンッギギギギ後ろの機体が大きなハサミのような物で突き刺され、機体を中から切り裂かれていく

梓「どうしたの!?」

ミオ「ハッハッハッハァー!悪いなぁ澪、あたしはまだ死にたくないんでねぇっ!!」


梓「羽つき!」

キュリオスは不意をついたのを利用し、擬似太陽炉を搭載した灰色のガンダム型の梓へ近づき、銃を頭部にねじこむように突きつけた

ミオ「ばいばーい♪」

梓「きゃあっ」

のぶ代「こんのぉ!」ガキン

のぶ代は梓をたすけんと、キュリオスにタックルをかます


ミオ「いってぇなぁ、やってくれるじゃねぇか!ブタゴリラちゃんよ!」

ミオ「先に雑魚をやるか」

一端離脱すると他の敵に眼をつけ猛攻をはじめた

しかし敵も高性能機そうやすやすとは撃破されないが、超兵特有の卓越した反射神経で確実に1機1機と撃墜していく

ミオ「ゴミのくせにそんなもの乗ってんじゃねーよ!ハッハッハァー」

のぶ代「調子にのるなっ」ゴォォ

ミオ「あん?」

頭を撃たれ失い足を撃たれ失おうが、キュリオスに組み付き動きを封じる

ミオ「おいおい、ブタに抱きつかれる趣味はないぜ、牧場で草でも食ってろよ」

のぶ代「梓撃つんだっ」

梓「でも・・・!中佐が巻きぞいにっ」

ミオ「は?マジかよ、どけっブタ野郎」ジタバタ

さすがのミオも焦るが梓の機体が躊躇している姿をみてほくそ笑む

ミオ「ハハハハハハ、うてんのかよ?怖いよな、怖いよなぁ、お前が殺すんだぜ!!」

梓はのぶ代を殺す事、そしてこんな状況でも笑っていられるキュリオスのパイロットが怖いと感じていた

梓(怖いよぅ・・・助けて唯先輩、律先輩、澪先輩、むぎ先輩)ジワァ

梓(先輩達助けてっ)

梓が迷っている内にミオは拘束をとこうと暴れ、のぶ代の右足が吹き飛ぶ

のぶ代「早くっ!」

その瞬間梓の頭に軽音部のみんなの顔が浮かんだ、唯が心を落ち着かせ、律が力をくれ、澪が後ろから支えてくれ、むぎが勇気をくれる

梓「あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」ギュインギュインギュイン

ミオ「うそだろっ!?」ドォン

のぶ代「それでいいんだよ・・・梓・・・」ドォン

組みあっていた2機は爆発に包まれた

爆発が収まるとそこに機影が一機見える、それはのぶ代の機体であった

梓「中佐っ」パァァ

スラスターを吹かし近づこうとすると、突然のぶ代の機体がハサミで突き刺され内部からこじあけられていく

そのあけられた穴から見え隠れするのはオレンジ色の胴体

梓「そんな・・・」

機体は完全に引き裂かれるとそこには頭が半分吹っ飛び、右手と左足がない、ボロボロのキュリオスが姿を現す

頭から血を流し梓を睨み付けるミオ

ミオ「下手こいちまったぜ、クソがっ!」

ミオはビームが当たる直前に反応し、のぶ代の機体を使って衝撃をやわらげたが、それでもキュリオスの損傷はひどいものだった

梓「あの状況で・・・!?」

ミオ「あぁ・・・お陰様でこんな情けない姿になっちまったけどなぁ」

ミオ(逃げても損傷のせいで、追いつかれて撃破されるのがオチ、これで生き残れんのか?)

澪(生きる?)

澪は暗闇の中でその言葉に反応する

そしてなぜかふと唯の言葉が頭に浮かんだ

(私達が存在する事でなにかが変わるなら、憂やりっちゃんの為にも、いきるんだっ)

澪(そうか)

そして紬のその後の言葉に重ねるように叫ぶ

澪「私達は生きている、生きているんだぁーーーーーー!!」

澪「ミオ」

ミオ「あ?ひっこんでろよ、澪、いつまでもメソメソしてばかりのお前とは話す事なんてねーよ、あたしは生きてーんだ」

澪「私も生きる・・・私はまだ律が望んだ世界を見ていない、それまで私は生きる」

ミオ「へぇ・・・ようやくその気になったか、なら見せ付けてやろうぜ、本物の」

ミオ「超兵ってやつをよぉーーーーー!!」

ボロボロのキュリオスは梓へと突っ込む

だがどこからみても、梓の勝利を疑わない者はいないくらい機体のコンディションは最悪だった

梓「こいつッ!」

梓は迎撃する

澪「直撃コース」

ミオ「よけてみせろよぉー!」

並のパイロットなら機体もまっすぐに飛ばせない状態でキュリオスは宙返りをし梓につかみかかる

操縦席では右手が、左手が、足が忙しなくそれぞれ別人のように動く

梓「動きが変わった?!あの動きでどうやって!くっ私は完璧な超兵のはずなのにっ」

ミオ「わかってねぇなぁ、お前は!反射力は大したもんだよ、だがなぁその反射力に思考がおいついてねぇんだよ!」

梓「そんな事ありませんっ」ギュインギィン

掴み掛かったキュリオスをまちかくから撃つ

しかしそこにいたはずのキュリオスはすでに上空のデブリに足をつきこちらを見つめている

澪「だから動きが読まれるんだよ」

ミオ「反射と思考の融合、それそこが超兵のあるべき姿だっ」

澪ミオ「トランザム」

ちぎれた手足から粒子を噴出し赤色に染まるキュリオス

梓「い、いや、こないでっ」ギュインギュイン

銃を乱射し、近づかせないように、迎撃するが、澪は最低限の動きだけでかわし、梓にハサミをねじ込み、一気に引き抜いた

自身が貫かれた瞬間、梓の頭に軽音部で遊んで楽しかった日々を思い出した

梓「カハッ・・・ハァハァ、唯先輩、律先輩、澪先輩、紬先輩」ヂヂドォン

澪「!?」

梓の機体は消滅し、キュリオスも無理がたたってシステムダウンする

ミオ「あ~あ、エンストってやつだ、疲れた、少し休ませてもらうぜ」

澪「澪先輩!?いまのまさか梓なのか?」

澪「ミオ、知ってたのか?」

ミオ「知ってたら、殺せなかっただろ、敵も強いんだ、躊躇してる場合じゃねぇんだよ」

澪「ぐやじ・・・い・・・まだっ・・・だいじな・・・びとを・・・守れながっだ」ボロボロ

澪「なんで・・・いづも・・・わたじはこうなんだ・・・」ボロボロ

澪「あずさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

ミオ「・・・」



ーー別宙域ーー

ちか「どこなの?ガンダム」

ザザッ
「少尉、ガンダムですっうわぁっ」

遠方を捜索していた味方機の反応がロストする

ちか「見つけた・・・ガンダム!」

部隊が反応を頼りにヴァーチェの所へと集ってくる

攻撃を開始するむぎだが、いつもと違うみちがえるような動きにビームをかわされる

紬「あのエンジンのせいなの?」

紬「出し惜しみしている場合ではないわ」ギリッ

紬「トランザム!」

ヴァーチェが赤く輝きはじめる

ちか「え?何?この赤いの・・・」

紬「目標を殲滅します」

ヴァーチェのバズーカが光ると弾速があがった極太ビームがちかの部隊に放たれるが、数機を巻き込んだだけであった

ちか「何度も見てるのよ!当たるわけがっ」

紬「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

紬は自機を軸にバズーカを発射したまま、無理やりその場で一回転する


ちかは必死に逃げようとするがビームが追ってくる為、逃げ切れず、部隊共々焼き尽くされてしまった

しかしそんな中、射線の軸をずらし、粒子を噴出するフラッグが一機紬に接近する

純「会いたかった、会いたかったよ、ガンダム!」


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最終更新:2010年11月21日 23:50