梓「よん」

唯「10秒……、け、けっこうでぃーぷだね……」

梓「そうですよ、さん」

唯「もしかしてえっちなやつ……?」

梓「お嫁にいけなくしてやります。にぃ」

唯「えっ、ちょっとどきどきしてきたよお……//」

梓「離れるなら今のうちですよ。いち」

唯「め、目とかつぶったほうがいいのかなっ? ど、どどどうしよ//」

梓「そのほうがいいです。ぜろ」

唯「うん……//」どきどき

梓「……」

唯「……ど、どしたのあずにゃん、目なら閉じてるよ?//」

梓「ま、」

唯「ま?」






梓「まいなすいち……////」

唯「まいなす!?」



梓「ぜ、ゼロでカウント終わりとは言ってません!///」

唯「斬新すぎるよ!」

梓「唯先輩にちゅーするなんて、恥ずかしすぎてむりです!」

唯「でもすっごいどきどきしたよ! あれあのままいってたら絶対やばかったよ!」

梓「あのままいってたらわたしもやばかったです……」

唯「……あずにゃんのいくじなし」

梓「いくじとかじゃないです」

唯「さっきちゅーしたんだからもういいじゃん」

梓「わたしからするのが恥ずかしいんです!」

唯「おやおやっ、それは遠まわしに「ちゅーしてください」っていってるのかな?」

梓「ちがいます! ていうかさっきのでどきどきしたなら、もう離れてください!」

唯「えぇ? だってあれはもっとくっついていたくなる種類のどきどきだもん」

梓「どういうことですか……」

唯「ようするにあずにゃんかわいいってことだよ!」

梓「……唯先輩って女ったらしの素質ありそうですよね」

唯「女なのに女ったらし? ……よくわかんない」

梓「よくわかんなくていいです」

唯「まぁまぁ、早く離れたくなっちゃうほどどきどきさせてよー」ぎゅっ

梓「あれがもう最終手段だったんですけど……」

唯「ほんとかな? あずにゃん必殺技隠してるでしょ?」

梓「ないです」

唯「いやいやー、あるはずだよー、探してみてー……」

梓「といっても…………あっ……」

唯「おっ、あったんだね!」

梓「……これは純に教えてもらったことなんですけど」

唯「ふむふむ」

梓「人と目を合わせ続けていると、ストレスを感じて無意識に目を逸らしちゃうらしいですよ」

唯「へー」

梓「ということで、目を逸らしちゃ負けゲームしましょう。先に目を逸らしたら負けです。わたしが勝ったら離れてください」

唯「おもしろそうだね!」

梓「じゃあ、スタートです!」

唯「まばたきはあり?」じー

梓「ありです。でも連続でするのは無しです」じー

唯「負ける気がしないよっ」じー

梓「でもこれけっこう難しいんですよ」じー

唯「そうかなぁ」じー

唯「そういえば、わたしが勝ったらなにかあるの?」じー

梓「あ、決めてなかったですね」じー

唯「あずにゃんのお家に泊まりたい」じー

梓「そんなのでいいんですか?」じー

唯「それで、あずにゃんといっしょのお布団で寝たい」じー

梓「ちょっとそれは……」じー

唯「だめ?」じー

梓「だめじゃないですけど……」じー

唯「じゃあそれね!」じー

梓「まぁ負ける気はないですし」じー

唯「あずにゃん」じー

梓「ちか、ちかいです」じー

唯「あずさ」じー

梓「……もうその手にはかかりません」じー

唯「みつめあーうとー♪」じー

梓「すなーおにー♪ ……ってなに歌わせてるんですか」じー

唯「えへへ……」じー

唯「抱き合いながら見つめ合うって恋人みたいだねっ」じー

梓「抱き合ってません、抱き着かれてるんです」じー

唯「なんかあずにゃんすごくそっけなくない?」じー

梓「心を閉ざさないと簡単に負けそうですからね」じー

唯「ゲームなんだから楽しもうよお」じー

梓「勝たないと唯先輩が離してくれない上に抱きまくらにされるじゃないですか」じー

唯「あずにゃんを抱きしめながら寝る……どれほど幸せか……」じー

梓「もしかしてわたしが負けたら抱きしめられたまま帰宅ですか?」じー

唯「なに言ってるの? 当たり前じゃん」じー

梓「……ますます負けられないです」じー

唯「お料理のときもごはんのときもお風呂のときもね!」じー

梓「勘弁してください……」じー

唯「さすがにお料理は嘘だよお、包丁とか危ないしね」じー

梓「いや、ごはんはともかくお風呂は十分に危険です」じー

唯「なんで?」

梓「なんでもです」

唯「むぅ……さっきからたくさん攻撃してるのにぜんぜん目を逸らさないね」じー

梓「ええ、唯先輩とじっくりと見つめ合えるのが幸せですから」じー

唯「え//」じー

梓「いつまででも見てたいです」じー

唯「……今のちょっとときめいたよ……腕を上げたねあずにゃんはん」じー

梓「本心ですし」じー

唯「も、もうやだあずにゃんったら……」じー

梓「(よし!あと一息っぽい!一気に―――、)」





唯「じゃあずっといっしょにいよっか//」
梓「いつまででもいっしょにいたいぐらいです//」



唯梓「…………」

唯「今どっち先に目逸らしたかな」

梓「ほぼ同時でしたね」

唯「あずにゃんのほうが早くなかった?」

梓「唯先輩のほうが早かったです」

唯「レースみたいにビデオ判定したいなぁ」

梓「あるわけないじゃないですか」


紬「安心して!」バーン!

梓「わぁっ!?びびびびっくりしたぁあっ!!」

唯「あずにゃんだいじょぶ、ムギちゃんだよ!」なでなで

紬「驚かせてごめんね、梓ちゃん」

梓「はぁ……はぁ……だ、だいじょうぶです。唯先輩ありがとうございます」

唯「ん?なにが?」ぎゅっ

梓「いえ、なんでも……」

紬「それでね、そんなこともあろうかとスーパースローカメラで記録しておいたの!」

唯「ムギちゃんさすが!」

梓「えっ、撮ってたんですか!?」

紬「唯ちゃんにちゅーしようとする梓ちゃんがすごく可愛かったわー」

唯「ムギちゃんそれあとでゆっくりみたい!」

紬「もちろんBlu-rayで再生機といっしょにお届けするね♪」

唯「わーい!」

梓「ちょ、やめてくださいよ……」

梓「それで、どっちが先だったんですか?」

紬「いまスーパースロー再生するわね」ぴっ

唯「わぁ……すごいゆっくりだねー」

梓「映像で客観的に見ると……わたしたちすごく近いですね……」

唯「抱き合ってるからねー」

梓「抱き合ってませんってば」

紬「うふふ、そろそろね!」

唯「むむむ……」

梓「………あっ」

唯「やった!わたしの勝ちだ!」

梓「そ、そんなぁっ!」

紬「梓ちゃん残念ね」

梓「じゃあ今日はこのまま……」

唯「あずにゃん、よろしくねーっ」ぎゅー

梓「はぁ……、今夜はすごく疲れそう……」

唯「むっ、どういう意味かな?」

紬「そういう意味に決まってるじゃない!」

梓「ち、ちがいますっ!///」

唯「? ……ねえ、どういう意味なの?」

梓「唯先輩は知らなくていいです」

紬「梓ちゃん、教えてあげないの?」

梓「もう! ムギ先輩やめてください!」

紬「うふふ、じゃあお邪魔虫は退散するわねー」

梓「お見合いじゃないんですから……」

紬「こういうセリフ、憧れだったの。じゃあ、またあしたね!」

唯「またねー!」

梓「お疲れさまです」

唯「じゃあわたしたちも帰ろっか」

梓「ほんとに抱き着かれたまんま帰らなきゃいけないんですか……?」

唯「そういう約束だもん」

梓「はあ……」



かえりみち!


唯「最近少しずつ暑くなってきたねー」

梓「そうですね、そろそろ夏服にかわりますし。……暑いなら離れたらどうですか?」

唯「わたし、夏服好きなんだよね」

梓「スルーですか……」

唯「おかたいブレザーがない分、よりあずにゃんの柔らかさを味わえるんだよ」

梓「……ほんとにそんなこと考えてるんですか?」

唯「うん、抱き心地が段違いなんだー♪」

梓「……」

梓「じゃあ」

唯「ん?」

梓「夏服に移行したあと、唯先輩に抱き着いてみてもいいですか……?//」

唯「うん、いつでもおいでー♪」

梓「(…やっぱり軽いジャブじゃ簡単にスルーされちゃうなぁ……)」

梓「あの、ところで唯先輩……」

唯「なあに?」

梓「道行く人々から奇異の目を向けられるのですが……///」

唯「恥ずかしいの?」

梓「すこし……」

唯「周りから見たらただの仲のいい女子高生二人組だよ」

梓「それならいいんですけど……」

唯「そうそう、周りの人なんて気にしちゃだめだよ?」

梓「唯先輩は少しは気にしてください!」

唯「恋するふたりは盲目なんだよ……、あずにゃん」キリッ

梓「な、なにいってるですかっ!///」

唯「あずにゃん好き好きー♪」ぎゅー

梓「うぅ……」



なかのけ!

唯「おっじゃましまーす!」

梓「どうぞおあがりください」

唯「あずにゃんのお家っていつ見てもすごい、なんか音楽に囲まれてるって感じだよねー」

梓「親がミュージシャンですからね、普通の家庭とはちょっと違うかもです」

唯「CDやレコードがいっぱい……」

梓「あ、あんまり触らないでくださいね、お父さんに怒られちゃいますから」

唯「そういえばお父さんとお母さんは?」

梓「今日は帰って来ません。地方で公演があって……」

唯「あ、あずにゃーん……、寂しいときはいつでも家来ていいからね?」ぎゅっ

梓「べつに寂しくなんか……平沢家だって親がいないこと多いじゃないですか」

唯「わたしには憂がいるから」

梓「うぅ、姉妹ってうらやましい……」

唯「やっぱり一人は寂しいんじゃん」

梓「確かに家で一人でいるのは、少し寂しいです……」

唯「そうだ! あずにゃん、今日だけでもわたしをお姉ちゃんと呼びなさい!」

梓「えっ、わたしが唯先輩の妹ってことですか?」

唯「うん、あくまでもそういう体でね!」

梓「(ちょっと恥ずかしいけど……これはチャンス!)」

梓「い、いいですよ……」

唯「ほんと? ……やたー! あずにゃんみたいな妹欲しかったんだー!」

唯「あずにゃん、今日はほんとのお姉ちゃんだと思っておもいっきし甘えていいからね!」

梓「お、お姉ちゃん……?///」

唯「はうっ!//」ずきゅーん!

唯「たまんないよあずにゃん!」すりすり

梓「や、やめてください……お姉ちゃん///」

唯「あずにゃんが可愛すぎてむりだよお!」すりすり

梓「(うう、憂がシスコンになるわけだよ……)」

唯「ねえ、ほんとにわたしの妹にならない? 平沢梓でどう?」

梓「むりですってば……」

梓「あ、中野唯なら考えなくもないですっ!」

唯「えっ? プロポーズ?」

梓「なんでそうなるんですか!」

唯「はぁあ……、あずにゃんがわたしの妹だと思うといつにもまして愛おしいよ……」

梓「憂が聞いたら怒りますよ」

唯「あ、憂はいっつも100%で大好きだからね!」

梓「わたしは100%じゃないんですか……?」

唯「そうやってかわいくないこといわないの!」

梓「だ、だって……」

唯「……あずにゃんはちゅーされないとわからないのかな?」

梓「高校生にもなって妹にちゅーする姉がどこにいますか!///」

唯「なうひあ!」

梓「憂……」

唯「ということで聞き分けのないあずにゃんにちゅーします。カウント開始。ごー」

梓「それわたしのまねじゃないですかっ!」

唯「どきどきさせられちゃったから仕返しなのよん」

梓「そんな、もとはわたしが仕返しする側だったのに……!」

唯「えへへ、これカウントするのもけっこうどきどきしちゃうね、さん」

梓「ならやめてくださいってば///」

唯「やーだよー。に。むちゅー」

梓「んむっ!? ……ん……///」

唯「ぷはっ、……ぜろでカウント終わりとは言ってないもんねっ」

梓「ふ、不意打ちは卑怯です!///」

唯「とかなんとか言ってー……抵抗しようと思えばいくらでもできたじゃん」にやにや

梓「それは……っ!///」


3
最終更新:2010年11月24日 02:22