憂編
しょくじ!

憂「え?」

 またお姉ちゃんの意味不明な戯言が始まりました。
 とりあえず聞いてるふりをしてテーブルにお料理を並べていきます。

唯「だから、女の子の身体ってやわっこくて、抱っこするとぷにぷにして、気持ちいいよね~」
憂「ちょっと同意出来ないかな、あはは」
唯「えぇ~?」

 お姉ちゃんに抱っこされると気持ちいいのは確かにそうだけど、他の人がどうかはわからない。
 だからって、お姉ちゃんみたいに誰にでも抱き着くなんて、私にはちょっと出来ない。
 こういう時は、聞き流すに限る。

憂「いただきます」
唯「……いただきます」

 どれだけおかしなことを言っていても、ご飯はちゃんと食べてくれる。
 美味しそうにスープを飲んで、おかずおかずご飯おかずおかずスープご飯。

唯「憂の作ってくれるご飯は、いつもながら最高だねぇ~」
憂「ふふっ。お代わりあるから、沢山食べてね」
唯「うんっ!」

 ほんとに、美味しそうに、たまにむせるくらい慌てて食べてくれるお姉ちゃん。
 お料理は逃げないし、なくなってもまた作ってあげるのにね。


ういのへや!

 お姉ちゃんにおやすみを言って、明日に備えて早めに寝ようとしたところ。
 コンコン、とドアが控え目にノックされた。

唯「ぅ~ぃ~?」
憂「お姉ちゃん?」
唯「今日、一緒に寝てもいい?」
憂「うん」
唯「えへー。ありがと」

 ……え?
 何か今、お姉ちゃんの笑い方がおかしかったような……。

唯「うーいー。もうちょっとそっち寄ってくれないと、落ちちゃうよ~」
憂「うっ、うん、ごめん。んしょ、んしょ……」
唯「もっとそっち」
憂「え? いつもはこのくらい……」
唯「寝てる間にごろんって落ちちゃいそうで、安心して眠れないよ」
憂「うん……」

 お姉ちゃんがそう言うなら、まぁ、もう少しくらい大丈夫……。

唯「んふー」
憂「どうしたの、お姉ちゃん? 急に一緒に寝たいだなんて」
唯「実は夜這いに来ました」
憂「よばい?」

 えーと。
 よばいって、夜這い……?
 それってつまり、夜に女の人の寝床に忍び込んで……えええええ!?

憂「ちょ、お姉ちゃ……んっ!?」
唯「やっぱり憂はやあらかいねぇ。こことか、特に」
唯「や……ひゃんっ!?」

 お、お、おっぱい、揉まれてるっ!?
 そんな、ちっちゃい頃はふざけて触り合ったりもしてたけど、最近は、全然っ……!

唯「ん~……ねぇ、憂。あっち側向いてくれるかな? その方がしやすいし」
憂「しやすい、って、何が、しやすぃ、のぉ……?」
唯「もっと、気持ちぃこと、だよ」
憂「ひゃぁ!?」

 ほらほら、と催促するようにお尻をなでてくるお姉ちゃん。
 くすぐったくて、思わず変な声を上げちゃった。

唯「ぎゅー♪」
憂「ん、ふぁ……やぁ……」

 お姉ちゃんは、私の胸を揉みながら、背中に自分のおっぱいを押し付けてきた。
 あったかくて、柔らかくて、ちょっとどきどきする。

唯「ういのおっぱい、ふにふに~♪」
憂「ぅんっ、んん、駄目、お姉ちゃん……早く寝なきゃ、明日、遅刻しちゃうよ……」
唯「私、このままじゃ眠れない。憂の身体を隅々までたんのーしなきゃ眠れないよ」
憂「んく……すみずみ……まで……?」


 その、隅々って、まさか……お姉ちゃん?
 私のあんなとこやそんなとこまで、見たり触ったり……舐め、たり……するの?

唯「んきゅ~……ういって、いい匂いがするよね」
憂「首す、じ、くすぐった……ぃ、んぅ、あっ……はふ……」

 ふんふん、と匂いを嗅がれてる。
 ちゃんとお風呂で綺麗に洗ったし、汗臭かったりはしないと思うけど、お姉ちゃんだって同じ匂いがするハズなのに。

憂「ね、ねえ、お姉ちゃん?」
唯「なぁに?」
憂「私も、お、お姉ちゃんの匂い、嗅ぎたい……な」
唯「駄ぁ目」
憂「ど、どうして?」
唯「この格好の方が、おっぱい揉みやすいもん。ほら、ふにゅふにゅ」
憂「あうう……」

 私だって、お姉ちゃんの匂いを嗅ぎたい。
 おっぱいも、こんな風に思いきり触りたい。
 たまにそんな気分になるけど、私達は姉妹だから……我慢、してたのに。

唯「ふんふんふ~ん♪ 可愛いねぇ、憂は」
憂「お、お姉ちゃん、私……別に、可愛くなんか……」
唯「うん? どおして? 私は、憂がこう……された時の」
憂「きゅうんっ!?」

 パジャマの上から、固くなっちゃった乳首をつまんで引っ張られる。
 そうだよね、沢山揉んでるから、お姉ちゃんにはバレバレなんだよね。

唯「ほら、今みたいな声。気持ちよさそうなのに我慢してて、でも思わず叫んじゃうとことか、可愛くて堪んないよ」
憂「ふぅ、っく、はぅ……お、おねぇ、ちゃ……」
唯「ほんとはね。向かい合ってると、憂が気持ちよくなって、すっごくエロっちぃ顔になったら、自分を抑えられなくなりそうで怖いんだよ」
憂「おねぇ、ちゃん……?」
唯「もっと、もっと色んなことして一緒に気持ちよくなりたい。けど、憂に好きな人が出来たら、きっと私のこと恨むから……」

 私の胸を揉んでいた手が、お腹のとこまで滑っていく。
 いよいよなのかなって身構えたのに、予想に反してお姉ちゃんは何もしようとしなかった。

憂「……お姉ちゃん?」
唯「ごめんね、憂。こんな変なお姉ちゃんで」
唯「もう、こういうことしない。憂に嫌われたら、私、きっと生きていけないから」

 すっ、と引き抜こうとするお姉ちゃんの手を、掴んで止める。
 お姉ちゃんは、私のお姉ちゃんのくせに、私の気持ちを全然わかってない。

唯「う、い……?」
憂「嫌いになんかならないよ? 本当は、私だってお姉ちゃんにエッチなことしたかったんだもん」
唯「え……?」
憂「だ、だから、触られてる時、嬉しかったんだよ? ぎゅ~ってしてもらうと、幸せなんだよ?」
唯「こ、こお……?」

 ぎゅうっと、さっきまでよりちょっとだけ強く、抱き締められる。
 うん。
 やっぱりお姉ちゃんに抱っこされると、あったかくて、柔らかくて、気持ちいいよ。

憂「ねぇ、お姉ちゃん?」
唯「な、なぁに?」

憂「あのね、こ、今度は……私に、お姉ちゃんを抱っこさせて欲しいの」
唯「う……」
憂「駄目……かな?」
唯「駄目なんてこと、絶対にないよ、憂」

 お姉ちゃんの腕の力が緩くなる。
 くるんと回って、お姉ちゃんの切なそうな表情を見ながら、その首筋に両腕を絡めた。

憂「お姉ちゃん、ぎゅ~♪」
唯「ぎゅ、ぎゅ~♪」
憂「えへへ~……お姉ちゃん、とってもあったかいよ♪」
唯「うん……憂も、あったかい……」
憂「でもね、お姉ちゃん」
唯「うん?」
憂「その、え、エッチしたかったら、先に教えてくれないと……こんな時間じゃ、ゆっくり出来ないよ……」
唯「……私のこと、嫌いになってないの?」
憂「どうして私がお姉ちゃんを嫌いになるの?」

 嫌いだったら、抱き着いたりしないよ。
 ただ、エッチなことするなら、それなりに心の準備とかあるってだけで。

憂「……ちょっと、お姉ちゃんのせいでもじもじするけど、今日はもう寝よ?」
唯「う……うん」
憂「明日……ううん、明後日も、その次の日も。お姉ちゃんがしたいなら、私はいつでも大歓迎だよ」
唯「……そっか。こんなことしないで、ちゃんと告白すればよかったんだね」
憂「告白、なら……」
唯「えっ?」

 ううん、やっぱり駄目。
 告白なんてされたら、私も思いの丈をお姉ちゃんに伝えちゃって、雰囲気に流されちゃう。


憂「え、えっと、明日までに考えておいてくれる? 私も、今すぐに気の利いたお返事出来そうにないしっ」
唯「……うん、わかった」

 でも。
 これくらいは、いいよね。

憂「……ちゅ」
唯「ん……ちゅっ」
憂「えへへ……おやすみなさい、お姉ちゃん」
唯「うん。おやすみ、憂」

 軽く触れるか触れないかのキスをした後、お互いにぎゅっと抱き締め合って、身を寄せ合って。
 明日の朝、目が覚めたらすぐに『おはよう』って言えたら、いいな。

~おしまい!~




最終更新:2010年11月28日 22:41