紬「今日はみんなにいいもの持ってきたわよ~」
唯「何ー?」
紬「これから暑くなるから夏バテ防止のために栄養剤持ってきたの~」
澪「ほー」
紬「一粒飲めば顔をとりかえたみたいに元気百倍よ~」
律「じゃあありがたく頂戴して…」
ごくごく
唯澪律紬梓「うまい!!」
(次の日の朝)
-各自の部屋-
唯澪律紬梓「うわあああああ!!」「ぎょええええええ!!」「ひええええええ!!」「きゃああああああ!!」「どわああああああ!!」
-部室-
澪「ぐす…、ひっく…ひっく…」
律「澪の様子を見ればわかると思うが、一応確認する」
律「今日、朝起きたら自分に何か変化があった人?」
唯澪律紬梓「…」すっ…
律「それは、本来あるはずのないものが自分に付いていた…。という人?」
唯澪律紬梓「…」すっ…
律「…よし。どう考えても昨日の薬が原因だと思うんだが」
紬「ごめんなさい…。あれはそんな薬ないはずなんだけど典」
澪「もうだめだ…。きっとサーカスに売られてテレビの奇人変人コーナーで笑いものにされるんだ…」ひっく、ぐすっ
梓「確実に白いギターもらえますね…」
澪「私はベースだ…」
紬「み、みんなの楽器白くする…?」
唯澪律梓「…………」
紬「ごめんなさい…」
律「で…、元に戻れるの?」
紬「ちょっとそれはわからないわ…。何せこんなこと症状は世界に例がないから…」
唯「そりゃそうだろうね…」
紬「でも安心して!みんなを元に戻すために、地球の医学・科学をはじめあらゆる分野の粋を集めたプロジェクトチームを結成したから!」
梓「ほー!」
紬「今日から一週間泊り込みで検査をおこないます」
唯「しょうがないか~」
紬「では、後ほど向かいます。みなさん準備しておいてください!」
(一週間後)
澪「終わったか…」
唯「まさか知力テストや体力テストまであるとは思わなかったよ」
梓「検査の結果はいつでるんですか?」
紬「明日よ。明後日部室で私が報告します」
律「えらく早いな」
紬「それは地球の粋を集めたんですから」
澪「そ、そうか…」
(次の日の夜)
-澪の部屋-
澪「明日結果がでるんだよな…。もし戻れなかったらどうしよう…」
澪「……」
澪「り…、律と…!?」
澪「いやいや、私は何を考えているんだ!きっと元に戻れる!寝よう寝よう!」
-律の部屋-
律「明日か…。大丈夫だよな、地球の粋を集めたんだし」
律「……」
律「でも、もし戻れなかったら…」
律「いじめられるかな…。家を追い出されたりして…」
律「やだ…、怖い…。怖いよぉ…」ぐす…
-梓の部屋-
梓「明日かー」
梓「……」
梓「ちょっと興味あったんだよね…」
梓「……」
梓「ひそかに入手した(盗撮他)私の唯先輩ザ・ベスト…。今日は何だかいつもより…」
梓「……」
梓「ああっ!唯先輩!唯先輩!」
-紬の部屋-
紬「え…!?」
紬「そ、そんな…」
-唯の部屋-
唯「…………」
唯「…………」
唯「…きっと大丈夫だよね」
(翌日)
-部室-
唯澪律梓「………」
紬「…全員集まりましたか?それでは、これから結果を報告します」
律「おいおい…、なにそんなまじになってんだよ?もちろん元に戻れるんだろ?」
紬「そのことなんですが…」ぐす…
紬「私たちは元には戻れません…」
唯澪律梓「」
唯「嘘だよね!?ねえ、そうだよね!?」
律「そうだ!こんな時に冗談は…」
紬「……」ふるふる
律「そ、そんな…。嘘だろ…」
律「やだよぉ…!元に戻りたいよぉ…!元に戻してよお…!」ぐす…
律「うぇぇぇ~ん!やだよぉ~!こんなのやだぁ~!」
紬「ごめんなさい…、ごめんなさい…。ううっ…」
澪「律、落ち着け!」
唯「ムギちゃんも…、ごめんね」
(その後、落ち着きを取り戻した紬から様々な事実が語られた。
それは、あの時飲んだ薬は紬が用意したものではなかったこと、それは何者かがとりかえたのか、薬の突然変異なのか、何も原因がわからないこと、
このような薬は世界中の誰も研究していなかったこと、
さらに自分たちの体の中には男性と女性の機能を両立させるための未知の物質が存在し、その物質無しでは生命に関わるということ、
その物質は男性器で生成されているため、手術も不可能であることなど、驚くべきことばかりであった)
澪「なんて事だ…」
紬「こんなことは気休めにもならないと思うけど…」
紬「私たちの身体能力は飛躍的に向上していることがわかりました」
梓「どういうことですか?」
紬「まず、知力テストの結果、全員がIQ200を超えていました」
紬「唯ちゃんとりっちゃんが230、梓ちゃんが240、私と澪ちゃんが270という結果が出ました」
唯「それってすごいの?」
澪「あ…ああ、確か世界一IQが高い人って220位だったよな?」
梓「てことは…」
紬「色々な要因があるから断言はできないけど…、私たちは…天才…ということになります」
紬「
その他にも、新陳代謝やら何やらが活発になったりして、お肌の老化が防いで、若さが保てたり、普通の人より長生きできるかもしれないという報告もあります」
律「ぐすっ…、やだよぉ…。いじめられながら長生きなんてしたくないよぉ…」
紬「…それから、男性器、女性器ともに生殖機能はあるということもわかりました」
澪「それなら、もし受け入れてくれる人が入れば普通に暮らす事ができるかもしれないのか…」
紬「ただ、それには大きな問題があることもわかりました」
唯「問題…?」
紬「さっき話した私たちの体にある、謎の物質…、それが普通の人に重大な影響を与えるかもしれないんです」
唯「ど、どんな…」
紬「私たちの血液から採取した物質を使って動物実験をしたところ…」
紬「物質を投与された動物は私たちと同じ状態になったそうです」
澪「そ、それじゃあ、もし受け入れてくれる人がいたとしても…」
紬「……」
梓「まるでドラキュラですね…」
律「やだぁ~!私お化けやだぁ~!」うぇぇぇん
澪「…梓!」
梓「」ビクッ
梓「す、すいません…」
紬「…とりあえず、報告は以上です」
紬「…みんな、本当にごめんなさい…!私のせいで…!ぐす…」
唯「ううん、ムギちゃんのせいじゃないよ。だって、あれはムギちゃんが用意したものじゃなかったんでしょ?」
唯「それに、ムギちゃんは私たちのために色々がんばってくれたじゃない…。きっと、何とかなるよ。だから気にしないで…」
澪「そうだぞ、だから泣くな」
紬「でも、りっちゃんが…」
澪「大丈夫だ、きっと…な?」
律「ひっく…ひっく…」
唯「今日はもう帰ろうか…」
澪「そうだな、また明日集まろう」
唯「それじゃ…、ムギちゃん気にしないでね?」
紬「うん…」
(その日の夜)
-澪の部屋-
律「…急に押しかけてごめん」
澪「いいよ、それより落ち着いたか?」
律「うん…」
澪「それにしても、律があんなに泣いちゃうなんてな?」
律「だって…、怖かったんだもん…」
律「みんなにいじめられるかもとか…、もしかしたら家から追い出されるかもとか、考えたら…、ぐす…怖かったんだもん…!」
澪「…」ぎゅ…
律「…!」
澪「…大丈夫だ。お前のお母さんやお父さんがそんなことするはずないだろ?」
律「ほんと…?」
澪「本当だ。それに、お前には…」
澪「私がいるじゃないか…。私がずっとそばにいてやるから…。だから、泣くな」
律「うう…。澪…。みお~!」
-梓の部屋-
梓「…律先輩にひどい事言っちゃったな…。澪先輩にも…」
梓「明日ちゃんと謝ろう…」
梓「……」
梓「今日はやめよう…」
-紬の部屋-
紬「……」
紬「……」
紬「私はどうしたら…」
-唯の部屋-
唯「…元に戻れない、か…」
唯「……」
唯「大丈夫、きっといいことある…!」
(翌日)
-部室-
律「ムギ、昨日はごめん!」
紬「そんな…、元はと言えば私のせいで…」
律「それは違うぞ!昨日唯も言ってたけど、ムギが用意したんじゃないんならムギのせいじゃない!」
律「だから、ムギはな~んにも気にすることはないんだぞ!」
澪「ああ、そのとおりだ」
唯「ムギちゃん、私お茶飲みたいな~!」
紬「みんな…、ありがとう…。すぐに用意するね!」
梓「律先輩、あの…、昨日はすいませんでした!」
律「え?何が?」
梓「何がって…、昨日私ひどいことを…」
律「もしかして、ドラキュラがどうのってやつ?今言われるまで完全に忘れてたな!」
律「もしかして、気にしてたのか?」
梓「だって…、昨日律先輩あんなに泣いてたから…」
律「あー!あー!泣くな!私は全然気にしてないから!」
梓「本当ですか…?」
律「本当だとも!でもせっかくだからアレやってもらおうかな~?」
梓「アレ…?」
律「そう、アレ♪」ぱんぱかぱ~ん(ネコミミ)
梓「」
律「どうしたのぉ~?やってくれなきゃ許してあげないぞ!」
梓「…さっきは気にしてないって言ったくせに…。…仕方がありません」
梓「にゃ~」
唯澪律紬「おお~」パチパチパチ
唯「これで仲直りだね!」
梓「なんか納得いかない」
紬「お茶が入りましたよ~」
澪「よかったよかった」
(その日の夜)
-澪の部屋-
澪「律が仲直りできてよかった。今日はもう寝るか」
澪「…」
澪「…昨日の律、可愛かったな…」
澪「律もあんなふうになるんだな…」
澪「…」
澪「コレ…、何で律のことを考えると…こんなに…」
澪「…」
澪「律…、律…」
最終更新:2010年11月30日 22:39