梓「ね、かわいいよね?」

純「いやいや、全然かわいくないって」

梓「なに言ってるの!かわいすぎるでしょ!」

純「ダメダメ。わたしはかわいいとは思わない」

梓「…わかった。じゃあわたしが憂のかわいさを…」

 「おーい!ふたりともー」

梓純「!」

憂「ふぅ……ね、先生何処行ったか知ってる?」

梓「そ、そんなの知るわけないでしょ!」ツーン

憂「そ、そうだよね…」

純「うい~」ベタベタ

憂「わっ」

純「わたしと一緒に探そ?ね?」ベター

憂「あ、ありがと…でも大丈夫。二人はお昼食べてて」

梓「…」

純「なんだ、いいのにー」

憂「ううん、ありがとね。じゃあ探してくる」

梓「さっさと行きなよ!もう!」

憂「う、うん。じゃあね」

タタタ

純梓「…」

梓「ねえ」

純「なによ」

梓「言ってることとやってることが違うじゃん」

純「文句あんの?」

梓「ある!憂にベタベタしないで!」

純「は?憂なんてだ、大嫌いだし!あんなの演技に決まってるでしょ!」

梓「ウソつくなー!」

純「あ、あんただってなによあれ。やたらツンツンしちゃってさ。不自然にも程があるっての」

梓「う、うるさい!」

純「バーカ!ばーか!」

梓「ふざけんなー!」バッ

純「うわあ!」

                        「おらっ!」バキ
     「ちぎってやるー!」ムシッ
                                  「なにすんのよ!」ボカ
           「いたっ!このやろ!」ビシ

 ボコスカ…

梓「はぁ、はぁ」

純「ぜー、ぜー…」

梓「あ、あんまりやると憂に怒られるからね、この辺にしといてあげる」

純「こっちの台詞よ!」

梓「!…へーぇ…」ニタリ

純「な、なによ…」

梓「つまり純も憂に怒られるのが嫌なわけだ」

純「ち、違う!今のは、その…」

梓「なぁにぃ~?」ニヤニヤ

純「…っもう!わたし知らない!」ガタ

梓「…」

純「ばーか!」

梓「あっ」

タッタッタ…

梓(逃げた…)

梓「…」

梓「…お弁当食べよ」

モグモグ


梓「…」

梓(二人とも戻ってこないし…)

梓(もうお昼休み終わるのに)

梓(純はどうでもいいけど、憂はまだご飯食べてないよね)

梓(……あ、でも授業中にお腹が鳴って恥ずかしがる憂が見られるかもしれない)

梓(それはそれで…)ブツブツ

憂「梓ちゃん?」

梓「うひゃぁ!」

憂「わっ、ど、どうしたの?」

梓「な、なに急に!びっくりしたでしょ!」

憂「ごめんね。…それで…」

純「うい~」ベッタリ

梓「……!」

梓(こいつ…)

憂「じゅ、純ちゃんそろそろ…」

純「えー?…わかったよぉ」パッ

梓「…」ギロ

純(睨まれてるし…)

憂「あ、そうだまだご飯食べてないや」

憂「もう間に合わないかな」

純「!平気へいき!五分あれば大丈夫だよ!」

憂「そうかな」

純「うんうん!一緒に食べよ!」

憂「うん」

純「……あれぇ?梓もう食べちゃったの?」

梓「そ、そうだけど…?」

純「あっらぁ…じゃあわたし憂と ふたりきり で食べよーっと」チラ

梓「……勝手にすれば!」タタタ

純(…すねてやんのー)

憂「あれ…?梓ちゃん行っちゃった…」

純「平気へーき!さ、食べよー!」グイグイ

憂「う、うん」


梓「…」

梓(もう、なんなの)

梓(勝手に仲良くしてればいいじゃん)

梓「…ばーか」

純「ほら憂、あーん」

憂「えぇっ、恥ずかしいよぉ」

純「いいじゃんいいじゃん」

憂「もー…あーんっ」パク

純「どうー?」

憂「うん、おいしいよ!」

純「よかったー!」


梓「…」ジー

梓(なんなのなんなの)イライラ


憂「じゃあわたしも。あーん」


梓「!!」


純「えっ!?ま、マジで…?」

憂「え?どうして?」

純「い、いや!なんでもない!」

純「じゃあ…いただきまー…」

梓「こらぁっ!」ガシ

純「な、なにすんのよあんた…」

梓「わ、わたし憂に用事あるから!ほら憂!」

憂「え?う。うん」

梓「…っ!」グイッ

憂「ま、まってよぉ…」

ズルズル…

純(あーあ、梓のせいで出来なかったしー)


梓「…」

憂「梓ちゃん?用事って?」

梓「え。えっと…」

梓(ここでちゃんと言わなくちゃ!純に憂取られちゃう!)

梓(なんて切りだそう…)

憂「?」

梓「その…」

梓(どうしよう…普段あんなだから、なんて言えばいいか…)

キーンコーン…

梓憂「…あ」

憂「……大丈夫?」

梓「……あとで、いい」

憂「そっか。じゃあ早く戻ろ」

梓「うん…」


純(あ、戻ってきた)

トボトボ

梓「…」ズーン

憂「梓ちゃん?平気?」


純(憂に心配かけて、何やってるんだか)

純(まあいいや、そのスキにわたしが憂を…ぐへへ)


梓「はぁ…」ストン

梓(ばかだなぁ。わたし)

梓「はぁ…」

憂(?梓ちゃんどうしたんだろ…)

ガラッ

憂「!」


先生「じゃはじめまーす」


憂(あとで聞いておこう)

憂(…さて、授業授業!)


純(よーし!寝るぞー!)バッ

純「……zzz…」


梓(ほんとダメだわたし…)

梓(何がダメって…)ブツブツ…


純「ふー、やっと部活だー!」

梓「純は寝てただけでしょ」

純「寝るのも疲れるのよ…ふぅ」

憂「あはは」

純「ねぇ?憂もわかるよね?」

憂「うーん、わたしは授業中に寝たことないからなぁ」

純「優等生!さすが憂!」ギュー

憂「わっぷ…」

梓「…じゃ、わたし部活に…」

憂「あ!梓ちゃんちょっといい?」

純「!」

梓「え?なに?」

憂「お話、いいかな?」

梓「う、うん」

純「…ねぇ憂、わたしはー?」

憂「あ、ああごめんね。ふたりだけで話したいの」

純「……そっか。じゃあわたしはもう行くね」

憂「うん。ありがとう」

純(…やれやれだぜ)

バタン

梓「…」

憂「じゃあ、いいかな」

梓「うん」


憂「お昼休みのお話って、なに?」

梓「!えっと…それは…」

憂「……もしかして今じゃダメだったかな?」

梓「そんなことは、ない、けど…」

憂「よかった」

梓(でも、そんな急に…)

憂「?」

梓(と、とにかくなにか言わなくちゃ!)

梓「ええっと…」

憂「うん」

梓「う、憂は好きな人いるのっ!!?」

憂「……へ?」

梓(やっちゃったよもう……)

梓「ごめん…今のは…」

憂「…好きな人かぁ…」

梓「!」

憂「……うーん」

梓(これは…)ドキドキ

憂「どうなのかな?」

梓「え?」

憂「よくわかんないや。だってみんな好きだもん」

梓「…どういうこと?」

憂「うん。梓ちゃんも、純ちゃんもお姉ちゃんも、みんな好きだよ」

梓「そ、そう…」

憂「だから、そんなふうに聞かれても『みんな』としか答えられないや」

梓「うん…」

梓(この子の天然っぷりがここにきて…)

憂「ってことでいいかな?」

梓「ああ、うん…」

憂「?どうかした?」

梓「いや、別に…」

憂「?じゃあ梓ちゃん、部活行かないと」

梓「あ」

憂「忘れてた?」

梓「うん。…じゃあ」

憂「うん。ばいばい」

梓「……」

タタタッ

憂「あ!梓ちゃん!」

梓「?」クル

憂「他に聞きたいことがあったら、なんでも言ってね!」

梓「!……うん、ありがと」

憂「じゃあねー!」

梓「…!」

梓「……ばっ」

憂「?」

梓「ばいばいっ!」

タタタ…

憂「…えへへ」


梓「…ふふ」

梓(言えた!言えた!)

梓「っおりゃー!」タタタ

ガツン

梓「いたっ」

律「いつ~…こっちのセリフだばかもの!」

梓「あ、律先輩…」


律「ったく、若いやつはお盛んで困るぜー」

梓「す、すいません」

律「…ん?」

梓「なんですか?」

律「何でわらってんだ!わざとかこのヤロー!」ガシ

梓「ち、違いますよ!……ふふふっ!」

律「こらあ!」

梓「やめてくださいよー!」

梓「……ぷっ」

律「中野ぉ!」

ギャーギャー…


憂「……ふぅ」

憂(ふたりとも行っちゃったな)

憂「…かーえろ」



モッジャモッジャ♪

純「…ん?メールだ」

パカ

純「なんだ梓か」

梓『純と違って私は積極的に行くからね。もう純は諦めたほうがいいよ!』

純「…はぁ?」

純「憂のこと言ってるの?」

純「積極的って…どの口が言うんだか」

純「せいぜいお別れ言えたくらいでしょうが」

純「ま、いいや」

純『憂のことなんて好きでも何でもないから、お好きにどーぞ』

純「…送信っ」ピッ

純「…」

純「…寝よ」


2
最終更新:2010年12月01日 00:50