放課後、軽音部部室
唯「・・・良い物見つけたよ」
律「なんだ?クッキーの余りでもあったのか?」
唯「これこれ」
澪「私は付けないからな」
律「なんだよ。ネコ耳の澪を抱いて、もふもふしたかったのに」
澪(早まったっ)
紬「これは、梓ちゃんの物じゃなくて」
律「案外私って線もあるんじゃないのか」
唯「でもこれを付けたら、りっちゃん本体はどこに行っちゃうの?」
律「・・・私はカチューシャじゃないんだよ。そういえば唯は、こういうの付けないな」
唯「私は素材が良いから、何も付けなくても勝手に輝いちゃうんだよ」
澪「自分で言うな」 ぽふっ
律、紬「あはは」
梓「済みません。遅れました・・・。付けませんからね」
律「察しが良いな。だが、もう遅い」
紬「うふふ、捕まえた♪」 がばっ
梓「ちょ、ちょっと。ムギ先輩」
紬「梓ちゃんって小さくって柔らかくて、抱き心地が最高ね♪」
梓(ムギ先輩は、匂いが最高ですね♪) くんか、くんか
唯「では、そーちゃくっ」 かぱっ
梓「は、はぅっ」
律「おー。やっぱり梓は、ネコ耳が良く似合うな」
澪「それって、褒め言葉なのか?」
律「当然だろ。梓、にゃーだ。にゃー」 しゃかしゃか
梓「やりませんよ、そんな事」
律「にゃー、にゃー。にゃーっ」 しゃかしゃか
梓「止めて下さいよ、もう」
澪(可愛いから、もっとやれ)
梓「もう、取りますからね・・・。あれ」
紬「もしかして、取れないとか?」
梓「髪の毛が絡まってて。・・・どうしましょうか」
唯「一体化したのかも知れないね。あずにゃんとネコ耳が」
紬「それって、お互いが惹かれあったって事かしら」
唯「多分、そうだと思う。私はそう信じてるよ」
紬「なるほど。そんな事って、本当にあるのねー♪」
律「そろそろ突っ込んでも良いかな、二人とも」
澪「帽子もあるけど、結局取らないと駄目だからな。少し髪を切るか?」
梓「えっ?」 びくっ
唯「私が・・・」
梓「唯先輩以外でお願いします」
唯「あずにゃん、しどいよ」
梓「だ、だって唯先輩、絶対失敗しそうですもん」
澪「私も、ちょっと自信無いな」
律「やっぱ順当に、ここはムギだろ」
紬「お任せあれー♪」 じゃきじゃき
律「いやいや。それ、裁ちバサミだから」
紬「冗談でーす♪」 にやり
律「それを持ったまま笑うなよ」
澪「絡まってる部分を切るだけだから、髪型には影響しないだろ」
紬「それにハサミより、カミソリの方が良いのかしら?」
唯「なんだか、変な汗が出てきたよ」
梓「どうして唯先輩が」
唯「私、こういうの苦手なんだよね。しゅっ、て切っちゃいそうで。しゅっ、て」
澪「マジで止めろ」
梓「なんだか私も、変な汗が」
紬「大丈夫?りっちゃん、梓ちゃんが動かないように押さえてて」
律「しゃーないな。ほれ」 きゅっ
梓「ちょっと。律先輩、抱きつき過ぎです」
律「良いやないか、良いやないか。乙女の柔肌は気持ち良いのー」 すりすり
梓「どこの時代劇ですか、それ」 くすっ
紬「・・・ちょっと緊張が解れたみたいね」
唯「さすがりっちゃん」
澪(梓、チェンジ、チェンジ。チェイングッ)
紬「じゃ、行くわね」 すーっ
律「大丈夫か、梓」
梓「私が何かする訳でも無いですからね」
律「急にクールだな。しかしお前、細いなー」
梓「あまり自覚はありませんけど」
律「私も、少し痩せた方が良いのかな」
梓(律先輩は良い匂いがするんだから、もう十分ですよ♪) くんか、くんか
紬「・・・こんな感じかしら」 すっ
唯「あ、取れた」
梓「ありがとうございます。ムギ先輩。・・・それと一応、律先輩」
律「可愛くない奴め」
紬「うふふ♪」
律「さて、このネコ耳はどうするよ」
唯「髪の毛が絡まるなら、使わない方が良いのかな」
律「逆に、敢えて使う手もあるぞ」
唯「ほほぅ。では、誰に」
さわ子「・・・私、今日はアイスティーでお願い。・・・どうかした?」
唯「あり?」
律「無いな」
さわ子「なんの話よ」
律「ネコ耳があるんだけど、誰に付けようかって話をしてたんだ」
さわ子「私だって、まだまだあるでしょ」
律「そういう、マニアックな趣味の人もいるかもな。だははーっ」
さわ子「マジックでヒゲ描くぞ、デコッパチ」
律「あー、ひどい目に遭った」
澪「自業自得だ。とにかくそのネコ耳は、しまうなり捨てるなりしろ」
律「澪は付けないのか」
澪「取れなくなったら困るだろ。それと、私には似合わない」
唯「そかな。澪ちゃんも、結構良いと思うけどな」
澪「何も良くないし、取れなくなったら困る。大体どの部分が引っかかったんだ」
紬「カチューシャの、この辺かしら」
澪「別におかしい所はないな。……付けてみても、全然」 かぱっ
紬「え?」
澪「え?」
律「突っ込んだ方が良いのか慰めた方が良いのか、ゆっくり考えてくれ」
澪「す、すぐに取る。・・・あれ?」
唯「やっぱり、可愛いよね」
紬「うんうん♪」
澪「笑ってる場合じゃないんだ。紬、早く切ってくれ」
律「その前に、にゃーだ。にゃー」 しゃかしゃか
澪「どうして」
律「
田井中律、一生のお願い。本当、この通り」 がばっ
澪「・・・にゃ、にゃー」 しゃかしゃか
律「あ、ごめん。顔伏せて、見てなかった」
澪「しゃーっ」 がりがり
唯「やっぱりカミソリの出番だね。今度こそ私が・・・」
澪「ム・ギ。た・の・む」
唯「ぶー。澪ちゃんのいけず」
澪「しゅっ、てなったら嫌だろ。目の前でそんなのは見たくないし、唯に危ない真似はさせられない」
唯「澪ちゃん♪」
紬「そういう事なら、私に任せて。梓ちゃん、、澪ちゃんをお願い」
梓「は、はい。澪先輩、絶対暴れないで下さいよ」
律「なんなら、私が押さえてやるか?」
梓「いえ、それには及びません」
澪(おろろーん)
紬「澪ちゃん、じっとしててね」
澪「や、優しく頼む」
紬「うふふ♪お姉さんに任せなさい♪」
澪「う、うん。お、お願い♪」
梓(なんか変な雰囲気だし。澪先輩、良い匂いだし♪) くんか、くんか
唯「澪ちゃん達、茶碗蒸しみたいだね」
律「・・・ああ、百合根って事か」
唯「え?ほかほか温かいって事だよ」
律「痛いっ。穢れた自分の心が痛いっ」
紬「・・・こうかしら」 すっ
澪「だ、大丈夫か?」
紬「ちょっと動かしてみるわね・・・。痛くない?」
澪「全然」
紬「良かった。えいっ」 かぱっ
澪「た、助かったー。ムギ、ありがとう。それと、梓も」
紬「うふふ♪」
律「あー、もふもふするの忘れてた」
澪(なんてこったっ)
梓「でもさすがに、もう捨てた方が良いですね」
律「呪いのネコ耳になってきたもんな」
唯「教会じゃないと外せないとか?」
梓「そうなると、ムギ先輩が牧師さん。いや、シスターですか」
唯「ありがたや、ありがたや。ムギ様、ありがたやー」
律「くっ。突っ込みたいが、意外に間違ってない」
紬「・・・」 じー
梓「ムギ先輩、どうかしました?」
律「おい、悪い事考えて無いか?」
紬「え?」
澪「落ち着けよ、ムギ。良いからそれを置け」
梓「ゆっくり、ゆっくりです。ムギ先輩」
紬「・・・みんな、ごめんなさいっ」 かぱっ
律「あちゃー、結局付けちゃったか」
澪「ムギーッ」
紬「ご、ごめんなさい。で、でも。なんだか、楽しそうだったから」
梓「楽し、そう?」
紬「楽しく無かった?」
梓「そう言われると。ねえ、澪先輩」
澪「私に振るな。まあ、楽しく無かった訳でも無くも無いというか」
唯「私は分かるなー、ムギちゃんの気持ち」
紬「ありがとうー、唯ちゃん」 きゅっ
澪「全く、唯は甘いんだから」
律「まあまあ。とにかく、ネコ耳を取るぞ」
梓「で、誰が取りますか?」
紬「え?」
唯「僭越ながら
平沢唯。私が是非とも立候補致します」 びしっ
律「よし、平沢隊員に任せたっ」
唯「はっ。平沢唯、全力で頑張りますっ」 びしっ
紬「ええっ」 びくっ
唯「うふふ。お姉さんが、優しくしてあげる♪」 じゃきじゃき
紬「ご、ごめんなさーいっ。お母様、ごめんなさーいっ。紬が、紬が間違っておりましたーっ」 びくびくっ
唯「ムギちゃんは、どうして謝ってるのかなー♪これから、楽しい事が始まるんだよー♪うふふふふふ♪」 じゃきじゃき
澪「ムギ。冗談だよ、冗談。ほら、律も謝れ」
律「わりー、わりー。ちょっとからかっただけだよ
紬「わ、私こそごめんなさい。つい、調子に乗っちゃって」 しゅん
律「もう、ムギはやっぱり可愛いなー」 撫で撫で
紬「全くだ」 撫で撫で
梓「よしよし、です」 撫で撫で
唯「で、私は誰が慰めてくれるのかな・・・」
律「わりー、わりー。まずは、髪の具合を見てみるか」
澪「さらっさらだなー」
梓(良い匂いだなー♪) くんか、くんか
律「やっぱ、良いトリートメント使ってんの?」
紬「え?市販の物を、普通に使ってるだけよ」
澪「だったら、手入れが行き届いてるのか?
律「お手伝いさんが、あれこれやってくれるとか」
紬「そんな。普通に自分で洗って、自分で乾かしてるから」
律「ふーん、それでこの髪かー」
梓(ふーん、それでこの匂いかー♪) くんか、くんか
唯「私が突っ込んで良いのかな、さすがに」
最終更新:2010年12月01日 02:15