『ポエマーとぱんつ』
昔、ある雪国のはずれに澪という女の子がいました。
澪は自作のポエムを人々に聞かせて、お金を貰って、貧乏ながらも不満のない暮らしをしていました。
澪「うう…ぐすっ」
しかしこの日、澪は家で泣いていました。
それというのも、今日の朗読会で澪は、転んでしまい、客にぱんつを見せてしまったからです。
大勢の人の前にぱんつをさらけ出してしまった以上、痴女のそしりはまぬがれません。
澪「こんなしましまぱんつなんて破れてしまえばいいんだ!ふんぎぎぎぎ…」
澪はぱんつに呪いのことばを投げ掛けると、引っ張って引き裂こうとすると、
ぱんつ「痛い、痛い!お願いですから助けてください!」
と、ぱんつが悲鳴をあげました。
澪「でも、お前のせいで私は恥をかいたんだ!」
ぱんつ「あなたの望みをなんでもかなえてあげますから!」
ぱんつ「まず、スカートをたくしあげて、「私の願いはぱんつの命令!」と言いなさい」
澪「そんな恥ずかしい真似できるかっ!!本当の痴女じゃないか!」
ぱんつ「そうしないとあなたの願いをかなえられませんよ」
澪「で、でも」
ぱんつ「ほら、ここにはあなたと私しかいません。さあ、スカートをまくって…」
澪は恥ずかしがりながらも、スカートをたくし上げました。
ぱんつ「それじゃあ、かまどに火をつけてみてください」
澪「わ…私の願いは、ぱっ、ぱんつの命令///…かまどよ、燃えろ///」
すると、かまどはひとりでに激しく燃え上がりました。
澪「すごい…!でもスカートまくるのは、凄く恥ずかしい…」
ぱんつ「なに、じきに良くなりますよ」
ぱんつ「ちなみに、命令をするときは対象にぱんつをさらけ出してくださいね」
さて、澪が外に出ると、幼なじみの律が扉の外で待っていました。
律「聞きましたわよー、澪しゃ~ん♪」
澪「うわっ、律…」
律「とぉーってもハズカシーイ!目にあったんだってー?」
澪「律には関係ないだろ…」
貧乏な澪は、よく律に助けてもらっていましたが、何かとからかわれるし、
ポエムを馬鹿にするので、澪はあまり律のことが好きではありませんでした。
律「やっぱりポエマーやるより真面目に働いた方がいいってことだって!」
澪「わ、私の勝手だろ。それに今回のはただの事故だし」
律「どっちでもいいよそんなこと!それより一緒に薪拾いに行こうぜっ!」
澪「お前なんかとは絶対に行かないっ」
律「ちぇっ、今夜は寒いのに。風邪ひいても知らないからなー!」
そう言うと、律はそりを引いて行ってしまいました。
澪「そっか、今夜は冷えるんだ。律に薪は…分けてもらえないよなあ」
澪「薪拾いに行かなきゃ、でも今日はもう町を通りたくない…そうだ!」
澪は玄関に戻ると、薪を運ぶそりの前に立ちました。
そして、周りに人がいないのを確認して、そっとスカートをたくしあげると、
澪「わ、私の願いはぱんつの命令。そりよ、私を乗せて山まで滑れ」ボソッ
と、言いました。すると、そりが震えて、じわりじわりとひとりでに動きました。
そして澪を乗せると、山のある町の方へと滑って行きました。
町にはたくさんの人がいました。そりは道の真ん中を走り、避けるそぶりを見せません。
澪「これはいいな!…あっ、人がいるけど…うん。蹴散らせ!」
唯「わーいわーい!あ、うい見てー!ぱんつの人が滑ってるー!」
憂「お姉ちゃん、見ちゃいけませ」
ドーーーーーーーン
唯「ギャー」
憂「お姉ちゃあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあん!!!!!」
そりは人々を蹴散らして街中を進みます。
澪「あっはははー!いい気分!私を笑うやつはみんな○ねばいいんだー!!」
山につくと、澪はまたスカートをたくし上げ、
澪「私の願いはぱんつの命令!斧よ、木を切って木は勝手にそりに乗れ!」
と、言いました。
すると、斧はひとりでに木をストンストンと割り、切られたそばから木はそりに積まれていきます。
あっという間に、そりには山のように薪が積まれました。澪は喜びました。
澪「なんて簡単なんだ!これからは律に分けてもらわなくても薪が集まるぞ!」
そして、機嫌よくスカートをたくしあげると、
澪「私の願いはぱんつの命令!そりよ、私を乗せて家まで帰れ!」
と、言いました。そりはまた町の方へ向かいます。
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!しっかりしてー!」
唯「う…う~ん?」ムクリ
憂「よかったあ…気がつい」
ドーーーーーーーン
唯「ギャー」
憂「お姉ちゃあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあん!!!!!」
そして、また人々を蹴散らし、家まで帰ってきました。
家に帰ると、澪はこれからのことを考えていました。
澪「思っていたよりずっと便利なぱんつじゃないか…これがあれば楽ができるぞ」
澪「家事に薪拾い、全部やらせたらじっくり新作ポエムを考えられる」
澪「ん?待てよ…。これを使えばもっと多くの人にポエムを聞かせることができるんじゃないか?」
そんなことを考えているとき、扉をたたくものがいました。
律「わたしだよん☆」
澪「なんだ律か…何の用だよ」
律「つれねーなー。薪を分けてやろうかと思ったんだけど…」
澪「ああ、見てのとおり必要ないよ」
律「やるじゃん!やっぱり澪はすごいんだなー。まじめにやりゃいいのに。それと…ほら!」
律はスープの入った鍋を抱えていました。
律「澪、どーせポエム考えててロクにご飯食べてないだろ?持ってきてやったぞー」
澪「ふん、よくわかってるじゃないか。じゃあ次に言いたい事はわかるよな?」
律「はいはい、忙しいから私の邪魔をするな、だろー?」
澪「正解」
律「当たったから一緒にご飯食べてっていい?」
澪は無言でこぶしを振り上げました。律はあわてて扉にかけていきます。
律「わーったわーった。出て行きますよーだ。ホント可愛げのないやつだなー…」
律「あんま根詰めすぎんなよ!」
律が出て行ったあと、澪はスープを口にして、またこれからのことを考えはじめました。
澪「あんながさつなのに、料理だけはうまいんだから…でも、野菜ばっかりだ。貧乏人め」
澪「私だって狩が出来るわけでもない。お金さえあれば肉をこのなかに入れてやるのに」
澪「だけど明日からは私は金持ちだ。たくさんの人にポエムを聞かせるんだから」
澪「…そうとも、たくさんの人に聞かせてお金を貰えば、こんな肉のないスープともおさらばさ」
次の日、さっそく澪はそりに乗ると、町へと繰り出していきました。
人々に命令して、ポエムを聞かせるのです。そうして澪が人通りの多い広場についたとき、
憂「兵隊さん、こっちです!この人がお姉ちゃんを!」
民衆たちに引かれて、兵士が澪の前に現れました。
話によると、人々を蹴散らしたことが王様の耳に入ったとのことです。
兵士は、澪に城までついてくるように言いました。
澪にまったく心当たりはありませんでしたが、このままでは澪は裁かれてしまいます。
澪(面倒だ、そんなことで裁かれてたまるか!)
澪「触るな、城ぐらい自分でいける!」
兵士を跳ね除け、そりに乗り込もうとすると、また何やら騒ぎます。
このままだと、またそりが人々を蹴散らすことを心配されているようです。
澪「ああもう…人をはねなかったらいいんだろ?私の願いはぱんつの命令!そりよ、空を飛べ!」
澪が言うとともに、そりは兵士をその場に残したまま、お城まで飛んでいきました。
澪「そうだ、いいことを思いついたぞ…フフフ」
そりはお城の門を越え、壁を越え、窓から王様の部屋にまで入っていきました。
恵「だれ!?どうやってこの部屋に入ったの?」
誰も入ることが許されない部屋への来客に、王様は驚きを隠せません。
澪は落ち着いて答えます。
澪「私は澪、プロのポエマーです。このそりに乗って、空を飛んできました」
恵「そりで、だなんて!それは魔法のそりなのかしら?」
澪「いいえ王様。私のぱんつの力が、そりを飛ばしたのです」
恵「その不思議なぱんつの力、私も見てみたいわ。見せてくれる?」
澪「(計画通り…!)いいでしょう、では失礼します」
澪は不敵な笑みを浮かべると、スカートをたくし上げて、王様に向かい、
澪「私の願いはぱんつの命令、王様は私のファンになれ」
と言いました。澪は王様に取って代わろうとしたのです。
すると、王様は急に胸が苦しくなって、目の前の澪がとても魅力的に見えるようになりました。
恵「な、何なのこの切なさは…これが…恋?」
澪「ではまた後ほど。次に私が来るときには、私にここを明け渡す準備をしていてくださいね」
恵「澪タンの仰せのままに!!」
澪はそりに乗って町の広場に戻ってきました。
見下ろすと、人々がこちらを見上げてなにやら騒いでいます。
唯「憂ー!ぱんつの人が飛んでるよ!空飛ぶぱんつだよ!」
憂「降りてきてお姉ちゃんに謝ってください!」
澪「…地面にはいつくばって、わめいて。なんてちっぽけなやつらなんだろう」
澪「仕方ない。私の偉大さを教えてやらないとな」
澪は、そりの上で大きく足を開き、大衆の前にぱんつをさらけ出しました。
人々の視線は、一斉にしましまぱんつに向けられます。
興奮で顔を高潮させて澪は叫びました。
澪「私の願いはぱんつの命令!私の詩を聞けぇーっ!!」
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l::::::::::|::::| |/ | ヾ::N:::::|:::::| ときめきシュガー
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「うおおおおおおおお!!!澪様ばんざい!澪様ばんざい!」
唯憂「澪様ばんざい!澪様ばんざい!」
一通りポエムを読み終えた澪はお城に帰ることにしました。もう誰も文句を言いません。
そりに乗って城へ向かう途中、澪は考えていました。
澪「とうとう王様になってしまった。従わないやつは追い出してしまえばいいか」
澪「私のポエムも、みんな認めるようになった…」
澪「少し前までただの貧乏人だった私が、たった一枚のぱんつで、こんなに変わるなんて!」
澪「…でも、こんな特別な力があるのに、私がただの王様でいていいわけがないよな」
澪「王様なんて所詮神様のしもべ。私は誰かの下になんてつきたくない!」
そう言うと、澪はそりに寝そべると、スカートをまくりあげて大きな声で叫びました。
澪「私の願いはぱんつの命令!天よ、私を神にしろ!」
澪が叫ぶと同時に、空は黒い雲に覆われ、冷たい風が吹きすさび、稲光が光りました。
すると、突然澪の乗っていたそりが消えてしまったのです。
澪「うそっ!?」
足場を失ってしまったら、もう落ちるしかありません。足元にはひたすら針葉樹林が広がるばかり。
驚きのあまり、声もあげられないまま、澪は木々の間に飲み込まれてしまいました。
澪「うわあああーーっ!!」ガバッ
澪「……ここは?」
気がつくと、澪はベッドに寝ていました。
自分のお城ではないですが、見たことがあるような気もする場所です。
律「おっ、気がついた?」
これまた聞いたことのある声のする方を見やると、幼なじみの律がいました。
澪が目覚めた場所は、律の家のベッドだったのです。
律「薪を取りに行ったら澪が街中で倒れてるんだから…ホントびっくりしたよ」
律「お前をここまで運んでくるの大変だったんだからなー?」
律「ハラへってないか?待ってろ、今あったかいスープ用意するからな」
澪(街中…?でもそうか、律が私を…しゃくだけど、お礼しないとな)
澪「…よし、晩御飯なら私が用意してやるよ。律なんかには作れない、王様の料理をな」
得意げにそういうと、澪は勢いよくスカートをたくしあげ、
澪「私の望みはぱんつの命令!鍋よ、かまどよ、包丁よ!最高の料理を作れっ!」
と、叫びました。しかし、かまどに火はつきません。それどころか、スプーン一つ動きません。
律「み、澪しゃん…いったい何を…?」
澪「どうした!?私の望みはぱんつの命令!私の望みはぱんつの命令!」
澪「私は神様なんだぞ!ぱんつ!私の言うことが聞けないのか!?」
律「そんな…ぱんつを見られたショックで…こんなのって…!」
律「…みおぉ…私はお前を見捨てたりしないからなぁ…」ポロポロ
いくら澪がスカートをたくしあげて叫んでも、何も起こりません。
こうして、澪は変わらず貧乏のままで暮らしました。
それでも、澪は自分が神様であると言って聞かなかったそうです。
END
憂「すべては澪さんが見た夢だった、というわけです」
憂「人はかくも欲深く、何かを手に入れると、どうしても次が欲しくなるもの」
憂「澪さんも、神様だなんて言わなければ…夢にならずに済んだかも知れないですね?」
唯「うーん…なんでも欲しがってたらダメなのはわかったよ?」
唯「でもそれじゃあ、はじめからなんでも手に入るお金持ちの人以外は幸せになれないの…?」
憂「…お金があっても、当人が不幸だと思えば不幸です。しかし、逆もしかりです」
憂「お金がなくても、幸せだと思えば、それは十分幸せです」
唯「あと、憂。次は楽しい話が聞きたいな。さっきの話、最後が少し怖いもん」
憂「大丈夫。次は、そんな幸せへの近道を教えてくれる、とっても楽しいお話です」
最終更新:2010年12月04日 23:13