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唯「! ……でも」

梓「家に入れてもらえないかも、ですか?」

唯「あぅ……うん」

梓「必死にドアでもインターホンでも鳴らしまくればいいんですよ」

唯「それじゃ迷惑だよ…」

梓「むしろ迷惑被ってるのは唯先輩だから大丈夫です!」

唯「!」

唯「…また」

梓「? どうしました?」

りっちゃんもムギちゃんも憂も。それにあずにゃんまで…。

唯「……なんで澪ちゃんが悪いみたいな言い方するの?」

梓「あっ…」

唯「明らかにわたしが悪いよね? ねえなんで?」

梓「……とにかく行ってください」

唯「みんな変だよ! わたしなんか擁護する価値ないでしょ!!」

梓「あとでわかります!!!」

唯「っ!?」

耳がキーンってする。いやそんなことより

唯「どうい」梓「澪先輩と仲直りしたいんでしょお!!」

唯「…」梓「だいじょうぶですから! 私が保障します!」


強引だなぁ……そんなに言われたら……。

…いいんだね?

あずにゃんのこと…信じるからね?

梓「もう切りますよ! 早く行ってください!」

唯「…さいごに一つだけ、いい?」

梓「一つ、だけですよ?」

唯「あのね」

唯「迷惑で済む話じゃなくて、私が家に行ったら澪ちゃんが傷つくことは」梓「ぜったいありません!!」

唯「ありがとう!!」ピッ

左手に携帯を力強く握りなおす。
いますごく気分が高ぶってるのを感じる。寒いのに力がみなぎってきたみたいな。

さあ

唯「待っててね澪ちゃん!」

右手でドアノブを壊れるぐらい捻った。

唯「とぉ!」ガチャン!

唯「まだ雨降ってる」

唯「傘!」クルッ

唯「あっあれ傘はー!?」キョロキョロ

唯「もうなくていいよ!」ダッ

唯「雨つめた!」バシャッ

唯「てあれ?」

唯「…」ジロッ

唯「服着てなかったああ!!/////」バシャッ

唯「クローゼットまで服取りに行くのめんどくさい…」ダッ

唯「濡れてる制服でいいや」ビチャキリ ビチャキリ


――真っ暗な雨の中、息もきれぎれに澪ちゃんの家が見えてきた。

唯「はっはっはっ…」タッ タッ

唯(あれ…?)タッ タッ

澪ちゃんの家より少し先から人が歩いてきてる。
最初はただの通行人だと思ってた。でもだんだん馴染みのある髪型が見えてくる。手にはビニール袋を提げてる。

唯(あの人って……)タッ

そして澪ちゃんの家の前。私たちはお互いの顔を確認できた。

唯「みおひゃん!」
澪「ゆい!!?」

息が上がって声を出しずらい。

澪「///」プイッ

唯「うっ」

澪「/// …!」クルッ

澪「なんで傘さしてないんだよ! しかもまだ制服で!」

唯「はあっはあっ…あははちょっとね…はあっ」

唯(会話ができてる!)

澪「とにかくうちに来い! 風邪引く!」ガシッ

唯「わっそんなに腕引っ張んないで」バシャシャ

そのまま澪ちゃん家の玄関に連れられた。

澪「ただいま! ママー、大きいタオルってどこにあるー!」

唯「ママ?」

澪「! お母さん!///」

いつかやった漫才。それができるほど澪ちゃんは普通に接してくれた。
あずにゃんの言う通りにして良かった。ありがとう。


――澪ちゃんに荒々しくタオルで拭いてもらったり、澪ちゃんの私服を借りた。
…ほんとにお母さんっぽかった……胸まで…。はぁ。

唯「お風呂とか下着まで借りちゃってごめんね」トコトコ

澪「別にいいよ、唯が風邪引くのは嫌だしな」トコ ガチャッ

唯「おー、ここが澪ちゃんの部屋」トコトコ

澪「べつに感嘆するほどじゃないよ」トコトコ トスッ

澪「唯も床に座っていいよ」

唯「うん」トスッ

澪ちゃんの正面で同じようにあぐらをかく。

雰囲気的にそろそろ切り出そう…この分なら大丈夫そうだし。
……あれ、じゃあなんで避けられてたんだろ私?

唯「澪ちゃん」

澪「ん? どうした……っ!」

唯「?」

澪「///」

唯(えっ…?)

突然澪ちゃんがはっとしたかと思ったら、また顔が赤くなりはじめた。
たぶんまだ赤く……

澪「/////」プイッ

唯「あっ…」


やっぱり…私が突き飛ばさせてしまった時と同じ。トマト? …ぐらい紅潮してる。

澪「っ/////」

澪ちゃんの手が拳を作った。それに小刻みに震えてる。なにかを我慢してるみたいに。

さっきは緊急だから構ってくれたのかもしれない。でも本当は許してない……よね。

唯(澪ちゃんは優しいね)

もし言葉で許してもらえないならなんでもしよう、うん。

唯「澪ちゃん」

組んでた足を正座にする。
これからやるのはもちろん

唯「ごめんなさい」

土下座。
澪ちゃんの反応が見れないけどしかたない。ただのごめんでは済まないほど澪ちゃんを傷つけた……あずにゃんは違うって言うけど…。

でもいいの、これが私の気持ちだから。

澪「/////」

澪「はっ/////」クルッ

唯「……」

澪「そういうわけじゃないのぉ!/////」

唯「!」

澪「唯は悪くない! だからそんなことしないでくれ!///」

唯「………」ムクリ

顔を上げる。ものすごく慌てた顔がそこにあった。

澪「えっとな…///」アタフタ

澪「その…/////」

唯「……落ちついて話して欲しいな」

澪「ごめん!!///」ドゲザ!

唯「!?」

澪「みんなから聞いた! わたしが臆病だから唯をすごく心配させたって!」

唯(…ほんとに澪ちゃんが悪いの? みんなそう言うけど……なんで?)

澪「ごめん! ごめんなさい!」

唯「…顔を上げて」

澪「ヤダ!」

唯「……私の方が苦しくなるからやめて」

澪「……」

澪「…うん」ム ク リ

唯「…ねえ」

澪「……///」

唯「なんで澪ちゃんが悪いの? 澪ちゃんは私がいつまでもくっついてたから怒ってたんじゃないの?」

澪「ちがうんだ/////」

澪「むしろうれしかったんだ…/////」

唯「!」

唯(なんと……)

唯(えっと……つまりきらいじゃなくて)

唯(うれしい…私といるとうれしいってことだよね)

唯(えへへ♪)

澪「…唯はいつも梓とスキンシップとってるだろ?/////」ポタッ

唯「あっうん」

唯「って澪ちゃん鼻血はなぢ!」

澪「えっきゃあ!!」

唯「ティッシュティッシュ!」ドタドタ!

澪「チコワイチコワイチコワイチコワイチコワイ」ガタガタガタガタ ポタポタッ

唯「お待ち! …澪ちゃん」

澪「チコワイチコワイチコワイチコワイチコワイ」ガタガタガタガタ ダラダラ

唯(…自分の鼻血がこわいの……)ガッサガッサ


唯「はいティッシュ、入れるよー」スルッ スルッ

澪「うっ……ありがとう…」

唯「床拭いとくね」フッキフッキ

澪「わたしも」

唯「澪ちゃんはだめ、下向いたら鼻血が余計に出ちゃうよ」フッキ ポイッ

澪「ごめんな」

唯「いいよこれぐら…ヘートジュン!」

澪「! 風邪引いたのか?」

唯「グシュッ…大丈夫だってば~」ニコッ

澪「そうか…///」

唯「私より澪ちゃんの方が心配だよ、熱あるんじゃないの? 昨日から顔赤いし」

澪「こっ…これはちがう…///」

唯「むぅ~ほんとにー?」

澪「ほんとう!///」

澪「話、続けるな///」

唯「…うん」

澪「梓が来る前は私と時々…その……じゃれてただろ?」

唯「ぷっ!」

澪「ゆい!///」

唯「じゃれるって…クッ…ククッ」プルプル

澪「うるさい!///」

唯「つづけ…プッ…て…」プルプル

澪「…だから久しぶりで驚いたんだ…」

唯「私も久しぶりだな、て思ったよ。……それだけ?」

澪「えっと…」

唯「…」

澪「…///」

澪ちゃんが目を反らした。そして口元に左手を当てて何か言いづらそうにしてる。
似たような状況が昼間にあった気がする……うん。

唯「ごめん、言いづらかったらべつにいいよ」

澪「いや言わなきゃいけないことなんだ!///」

唯「うぉっ」

澪「……ごめんちょっと待って」

唯「うん?」

澪「…」

澪「……///」

澪ちゃんが目を閉じたままなにかを考えてる。そういえば結局私じゃなくて澪ちゃんが悪いって話だったっけ。
その説明をしてくれるのかな。

澪「/////」

唯(それよりまた顔が赤いけど病気じゃないよね……)

澪「ああもお!!/////」ガシャガシャ

唯「!!?」ビクッ

唯(髪グシャグシャし始めちゃったよお……110番呼ぼっかな…)

澪「ゆい!!」ガシッ

唯「いたいいたいっそんなに肩掴まないで」

澪「いいか!? ヒカないでくれよ! おねがいだ!!///」グッ

唯「ヒクってなんのはなし…」

澪「あのな!///」

澪「唯のことが好きなんだ!!/////」

唯「……」

澪「/////」

唯「…?」

澪「言っちゃったあぁぁ/////」クルッ

唯(背向けちゃったよ…)

唯「私も澪ちゃんのこと好きだよ?」

澪「!! …」

澪「いや待って待って!」クルッ

澪「そうじゃなくて…///」

唯(よくわかんないよ…)

唯「…」

澪「……///」

澪「!///」グッ

唯「?」

澪「恋人として好きなんだ!!/////」



唯「    」



澪「/////」

唯「    」

澪「///// …」

唯「   …」

澪「あぅ……/////」

唯「告白!?」

澪「/////」コクリッ


唯(どうしよどうしよ!!)

澪「…好きだから…あの時抱きつかれたとき…/////」

唯(カップルって男の人と女の人がくっつくものじゃないの!?)

澪「恥ずかしくって…頭が真っ白になっちゃって…/////」

唯(あわわわどうしよ憂たすけてー!!)アタフタッ

澪「…ほお擦りしてきたときが限界だったんだ…///」

唯(はっ落ちつけ平沢ゆい!)

澪「唯のくちびるがわたしのほおを擦りそうで…きゃああ/////」バタバタ

唯(相手は私の親友! ならそれに答えるのが私の役目!)

澪「/////」バタバタ

唯(いやいや嘘はだめだよ! 澪ちゃんをそういう目で見てるわけじゃないし!)

澪「/////」ゴロゴロ バタバタ

唯「って澪ちゃんがもだえてる!?」

澪「はっ!!/////」シャキッ

唯(う~ん……)

澪「/////」

唯(やっぱり……だよね)

澪「あっあのさ……///」

唯「澪ちゃん」

澪「はいぃ!///」

唯「よくわかんないや」

澪「………だよな……」

澪「ごめんな!」

唯「あっ…えっと」

澪「気持ちわるいこと…言ってさ……」

唯「澪ちゃーん」

澪「…グスッ…」

唯「ちょっと待って、そうじゃなくて」

澪「………」

唯「保留、じゃだめかな?」

澪「……?」

唯「もちろん澪ちゃんのことをきらいになんてならないよ? 驚いたけどね」

澪「…ホォ…」

唯「むしろ大好きだよ」

澪「…///」

唯「でもこれは恋じゃないの」

唯「恋だったら周りの人みーんな、私の恋人だよ」クスッ

澪「…」コクリ

唯「えっと…それで……あっ」

唯「わたし、恋するっていうのがよくわからないの」

澪「…クスッ」

澪「だよな」

唯「むっ仕返しですと」

澪「あっいやそんなつもりはないよ」

唯「まあいいや。だからね…えっと…」

澪「うん…」

唯「そういうのがわかるようになるまで、待ってて欲しいな」

澪「…うん///」コクッ

唯「ありがと」ニコッ

澪「わたしからもありがとう///」ペコッ

唯「ふぅー、よかった~」

澪「♪///」ポタッ

唯「澪ちゃんっ鼻血がまた!」

澪「え、ひゃあああ!!」ガタガタガタ


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最終更新:2010年12月06日 00:15