そう言ってムギと別れた
そして8月31日23時59分
私はまた急激な眠気に襲われ意識を失った
チュンチュンチュン
澪「朝……」
日付を確認する
8月17日
澪「……」
もう言葉は出ない
自分で朝食をとり、聞き飽きた補習を受けるため学校へ向かう
澪「あ、そうだ。髪」
『繰り返しに気づいていたら、髪を結んでいく』
そういう約束だった
澪「…ムギは、覚えてるよな」
いつもと同じ内容の補習を終え、部室へと向かう
ガラガラ
律「おーす澪」
唯「みおちゃんおそいー!!」
紬「澪ちゃんは特進クラスの補習だから…」
梓「澪先輩、お疲れ様です…」ハァ
澪「あ、うん…」
澪(ムギ…………髪結んでる!!)
ムギに目をやると、『大丈夫ですよ』と言わんばかりの笑顔が返ってきた
澪「ムギ、後でちょっと…」
紬「はい♪」
唯「二人で何の話ー?」
澪「内緒だ」
唯「えーずるいー」
この日も律にケーキを食べられた
練習後
梓「お疲れ様でしたぁ…」ハァ…
唯「?、澪ちゃん帰らないのー?」
澪「うん」
律「ムギと秘密のお話だもんなー」
やっぱり律の機嫌が悪い
紬「ごめんなさいねりっちゃん」
律「べべべ別に悪いだなんていいい言ってないよ」
梓「ハァ…何に動揺してるんですか?」
澪「そういう訳だ。悪いけど先に帰っててもらえないか?」
律「…わーったよ。じゃあまた明日なー」
唯「ばいばーい」
ガラガラピシャン
澪「…」
紬「…よかった。一人じゃなくて」
澪「私も」
紬「今度は…ちゃんと繰りかえってることに喜んでるね」
澪「変な感じだな」
紬「うふふ」
今日はムギの家に行った
紬「今回は朝のうちにカメラと盗聴器を仕掛けたの」
澪「………」
紬「一緒に見ましょ♪」
他人の生活を除くのは趣味じゃないけど…
澪(非常事態だ、許してくれみんな)
紬「♪~」
その日からみんなの生活を監視する生活が続いた
私は嫌な気分だったが、ムギはハァハァ言ってた
ある日
紬「…澪ちゃん、ちょっと見て」
澪「どうしたムギ?」
紬「これ…」
モニターは唯を映している
澪「…?いつも通りゴロゴロしてテレビ見てる唯だけど…あ、憂ちゃんも一緒か」
紬「こっちも」カタカタ
ムギが操作すると、画面が細かく分かれ、律、梓、さわ子先生の部屋も同時に映った
時間は深夜1時を過ぎたところ
みんな起きているが、特に変わった様子は無い
紬「……みんなテレビを見ているわ」
澪「…そういえば」
律も梓もさわ子せんせいも、じっと固まって動かない
紬「これを見た人は、ループに気づかないのかも…」
澪「…私この時間はいつもは寝てる」
紬「私もです」
じゃあこれが原因…?
澪「でも、この画面だけじゃどの番組か分からないや」
紬「皆さんが見終わるまで待ってみましょう」
数分後
澪「あ、唯がテレビ消した!!」
紬「他の皆さんも見終わったようです」
澪「じゃあみんな同じの見てたって事か…」
これでますます怪しくなってきた
澪「今の時間に終わった番組は!?」
紬「ええと、待ってください……ありました!!」
澪「…涼宮……ハルヒ?」
8月17日
唯「ねーねーみんな知ってる?今日からハルヒ再開だよ!!」
律「もちろん知ってるよ!」
梓「長かったですね…」ハァ…
澪「なんだそりゃ」
唯「みおちゃん知らないの!?人生の95割は損してるよ!!」
澪「転生何回分だ」
唯「とにかく見なきゃダメ!!ちょっと夜遅いけど価値あるよ!!」
澪「はいはい」
唯「絶対だからね!!」
これだ…
紬「それにしてもどんな内容なんでしょう?」
澪「…その話もしてたはず……思い出そう」
確か…
唯「昨日ハルヒ見た!?」
律「見た見た!!やっぱ京アニサイコーだな♪」
梓「長門は私の妹」
さ「いや、私の娘よ」
律「話もよかったねー」
唯「エンドレスエイトかー。いいなー夏休みがずっとあって」
梓「確かに遊び放題ですね。でも学園祭が…」
――――間違いない
澪「ムギ、やっぱりこのアニメが原因だ」
紬「思い出したの?」
澪「バッチリ。これ、夏休みが終わらない話だ」
紬「……」
澪「その、ハルヒ…という女の子が、夏休みにやり残したことがあるから、それを達成するまで終わらない」
澪「唯はそう言っていた」
紬「一緒…ね。今の状況と…」
澪「…エンドレスエイトっていうタイトルだ…」
紬「終わらない…8月……」
澪「…みんなに見るのを止めてもらおう」
紬「でももうみんな見てしまっているわ…」
澪「来週の放送もあるはず。効くかは分からないけど、来週の分だけでも見ないでもらおう」
澪「それでダメだったら、繰りかえった後、2回とも見るのを止めてもらう」
紬「それでもダメだったら…」
澪「……」
考えたくない
ここまで怪しいものを見つけておきながら無駄だったなんて
澪「……それは」
澪「………今は私達に出来ることをしよう」
紬「……そうね」
唯「今日はハル日だよ!!」
律「一週間長かったなー」
梓「今日はきっとエンドレスエイト解決編ですね♪」
唯「いやーどうかな、京アニのことだから、前回と同じの流したりして」
律「それはないだろー。もしそうだったら2ちゃんねるにスレ立てるわ」
梓「きっと炎上しますね」
澪「あ、あの、みんな…その……ハルヒのことなんだけど…」
唯「おおお!!澪ちゃんも見た!?良かったでしょ!?良かったでしょ!?」
澪「それ……見ないで…くれるか…?」
唯律梓「えっ?」
紬「今日の分のハルヒは…見て欲しくないの…」
律「な…なんで…?」
澪「…言っても信じてもらえないと思うけど…」
私は話した
夏休みが終わらないこと
それに私とムギが気づいてること
その原因がハルヒにあるかもしれないこと
私達が考えた仮説を全部話した
澪(さすがにカメラのことは話せないけど)
唯律梓「…………」
唯「あはははははははははーーーーーーーーー!!!!!澪ちゃん一回ではまりすぎーーーーーーー」
律「お、おい唯笑うな!あ、あたしだって、あははが、我慢してたんだからあはは!!」
梓「…………」プルプル
梓も笑いをこらえているようだ
澪(やっぱり信じてもらえないよな…)
紬「……………」スッ
紬「…この通りです」
そういって、ムギは膝をつき
額を床に押し当てた
紬「…お願い…します」ポロポロ
ムギは泣いていた
紬「もう…嫌なんです…」ポロポロポロ
律「お、おいムギ…」
梓「ムギ先輩!!顔を上げてください」
紬「カメラも今すぐ撤去させます、これから盗聴もしません。ですから…」ボロボロ
どさくさに紛れて超カミングアウト
唯律梓「…………」
どうやらムギの勢いに押されよく分かってないようだ
澪「私も…」スッ
そう言って私も膝をつく
律「み、澪…」
澪「お願い…します」
額を付けた
梓「澪先輩まで…止めて下さい!!」グイグイ
梓が私を起こそうとする
澪「………」
意地でも動くもんか
梓「分かりました!!見ませんから顔上げてください!!」
澪「!!!!梓、本当か!!」パァァ
梓「信じたわけじゃないですけど、先輩達にそこまでされたら…」
律「ハァ…まあ後でいくらでも見れるしな」
紬「りっちゃん…」
律「私も見ないよ。これで気が済むんだろ?」
澪「ありがとう律!!!」
唯「………」
澪「唯も、頼む。見ないでくれないか」
唯「………分かった」ボソッ
紬「…みんな…ありがとう」ポロポロ
最終更新:2010年01月26日 00:20