バス停!
唯「それじゃあみんなまた明日ね~」プシュー
紬「じゃあねみんな~」バイバーイ
梓「さよならです」ペコリ
律「ふー、さすがに今日は唯も事故らず帰れそうだな…。それじゃあ私たちも帰るか」
澪「あ、ごめん律。私今日買い物頼まれてるから…」
律「手伝おうか?」
澪「いや、時間も掛かりそうだし一人で行くよ」
律「そっか、じゃあ私先に帰ってるなー」
澪「ああ、また明日な」
秋山家!
澪「ただいまー。ママー、頼まれてたの買ってきたよー」
澪ママ「ちょっと澪ちゃん!大変よ!ほら、
ニュース見て!」
澪「ちょっと、一体どうしたの?」
「今日夕方、桜ヶ丘女子高等学校前を出発したバスが出発直後にバスジャックされました」
「逃走の末バスはトラックと正面衝突し大破・炎上、さらに崖から転落して大爆発しました」
「乗客、乗員の安否は不明ですがかなり絶望的との見方です」
澪「」
次の日!
唯「いやー、さすがに昨日はもうだめかと思ったよー」
律「私もニュースで見てびっくりしたよ」
梓「でも軽い火傷だけで済んで本当によかったですね」
澪「あれだけの大惨事だったのにな」
律「その火傷もムギの家の病院で完璧に治してもらえたんだろ?」
唯「そうだよ。ムギちゃんありがとう!」ダキッ
紬「どういたしまして~。あ、唯ちゃんここの髪の毛チリチリになってるー」
唯「え?!どこどこ?!」
梓「しかし公共の交通手段にまで影響を与えるとは…、さすが唯先輩です」
唯「あずにゃんったら~、褒めても何も出ないよ~」クネクネ
梓「うわきめぇ」
律「バスで駄目なら電車で…、って考えてたけどこりゃ駄目そうだな」
澪「他の客も巻き込みそうだし、何より唯だと駅に着く前に車に轢かれそうだ」
律「さてどうしたものか…」
作戦その5・グランド・セフト・サイトウ作戦!
紬「はいはい!今日は私が作戦を考えてきました!」ビシッ
律「ほう…、そこまで言うなら話してみたまえ」
澪「なんでお前はに偉そうなんだよ」
紬「今日は唯ちゃんは車で帰ります!」
唯「えー、車の運転なんて出来るかなあ?」
梓「唯先輩、ただでさえ成績悪いのに無免許運転なんてしたら卒業できなくなりますよ」
律「誰かに迎えに来てもらうんだろ」
澪「でも誰に?唯の家には今憂ちゃんしかいないし…」
紬「ふっふっふ…。出てきて斎藤」パンパン
斎藤「御意」
律「うわびっくりした!」
唯「あ、ムギちゃんちのひつじさんだ~」
梓「羊じゃなくて執事ですよ先輩可愛いなチクショウ」
澪「なるほど、斎藤さんに送ってもらうのか」
紬「そうよ、それに斎藤の運転技術は一流なんだから。トラックの1つや2つ軽くかわしてくれるわ♪」
斎藤「御意」
唯「よろしくね、斎藤さん♪」
斎藤「御意」
梓「なんか言えよ♪」
斎藤「御意」
校門前!
唯「それじゃあみんなばいばーい」バタン
紬「またね~」バタン
斎藤「御意」ブロロロロ…
梓「…唯先輩大丈夫ですかね?」
律「ムギも付いてるし大丈夫だろ。斎藤さんもすごいみたいだし」
澪「だな。私たちもそろそろ帰るか」
律梓「おー!」
次の日!
唯「みんなおいっす!」ガチャ
紬「おいっす!」ガチャ
律「お、唯にムギおいっす。昨日はどうだった?」
唯「すごかったよー。あの後交差点に入った途端にトラック10台に囲まれてさー」
梓「唯先輩って何かの組織にでも狙われてるんですか?」
唯「でも斎藤さんってばすごいんだよ!するするするーってトラックの間を通り抜けちゃうんだもん!」
律「斎藤さんすげえ!」
澪「じゃあ昨日は無事に帰れたんだ?」
紬「それがね、家の前までは無事にたどり着いたんだけど…」
唯「車から降りたところをバイクに轢かれちゃった」テヘッ
澪「oh…」
紬「まさに狙い撃ちって感じだったわ」
唯「まさか家まで1メートルの距離で轢かれるなんてねぇ…」
作戦その6・このボロヘリとよばないで作戦!
律「でも本当にもう少しだったんだな」
紬「そこで昨日の反省を踏まえて新しい作戦を考えてきました!」ビシッ
唯「え?どんなの?」
紬「斎藤、お願い」パンパン
斎藤「御意」
バリバリバリバリバリバリ
唯「うわー!ヘリコプターだ!すごーい!」
澪「ムギ、これは一体…?」
紬「お父様に話をして貸してもらったの。昨日は家までの1メートルで轢かれたでしょ?」
紬「だから今日はヘリで唯ちゃんの家に直接乗り込みます!」ドーン!
律「すげえ!」
梓「だんだん大掛かりになってきました」
屋上!
唯「私ヘリコプターに乗るのって初めてだよー」
律「いいなー、唯代わってよー」
澪「唯が乗らなきゃ意味ないだろ!」ポカッ
紬「うふふ…、また今度乗せてあげるね。じゃあ斎藤、そろそろお願い」
斎藤「御意」バリバリバリバリ
唯「じゃあねー!みんなー!」
律「気をつけて帰れよー!」
梓「…ねえ澪先輩」
澪「どうした梓?」
梓「さっきヘリが停まってたあたりでネジみたいなの拾ったんですけど…」
澪「…そうか」
梓「あとここ、燃料が漏れた跡みたいなのが出来てます」
澪「…確かにそう見えるな」
梓「それにあのヘリ、よく見るとなんだか黒い煙みたいなの上げてませんか?」
澪「…」
バリバリバリバリバリバリ… プスンプスン… チュドーーン!! ギャー! ヘリガバクハツシター!?
律「唯ー!!?」
次の日!
律「さすがに今日は唯も休みかー」
紬「でも大事をとって、ってことだから明日にはもう学校に来れるそうよ」
梓「ところでムギ先輩はどうして無事なんですか?」
紬「私ゲル状だから…」
澪「もう乗り物系は止めにした方がいいかもな。失敗した時の被害が大きいし…」
律「だな。しかし唯がいないと作戦も出来ないしなー。今日はもう解散でいいか?」
紬「そうね。唯ちゃん抜きでお茶するのも悪いし…」
梓「なぜ練習という選択肢がない」
3-2!
律「おっはよーう!」
澪「おはよう。今日は朝からテンション高いな」
律「おう!なんたってすごい発見をしたからな!」
紬「すごい発見?聞かせて聞かせて!」
作戦その7・みんなで守ろう作戦!
律「昨日気づいたんだけどさ、あれだけ近くで事故が起きてるのに唯以外は誰も怪我してないだろ?」
紬「確かにそうね…。居眠り運転の時もヘリの時もそうだったし…」
澪「ふむふむ」
律「だからさ、今日はみんなで唯を囲んで帰るってのはどう?」
澪「バカかお前、何言ってんだ?」
律「バカとはなんだ!つまりこういうことだよ!」
律「唯が事故る確率はほぼ100%。でも私らが事故る確率は限りなく0%に近い」
律「私らも無理矢理巻き込む形に持ってけば唯の事故る確率も50%くらいにならないかなー、って…」
澪「何その適当な計算。下手したら部員が0になって廃部だよ」
紬「完璧な作戦だわ!」キラキラ
澪「梓ー、助けてくれー」
律「よーし、今日はこの作戦で決まりだな!」
紬「おー♪」
澪「多数決って怖いな」
紬「ところで唯ちゃん遅いね。遅刻かしら?」
律「あれだけ事故ってるんだしどこか調子でも悪くなったのかもなー」
さわ子「はいみんなー、席についてー」ガラッ
紬「あ、先生だ」
さわ子「ホームルームの前に悲しいお知らせがあります。今朝平沢さんが登校中にトラックに撥ねられました」
ザワザワ… エー?! マター?
澪「うん、こんな予感はしてた」ブクブク…
次の日!
唯「いやー、登校中に轢かれるなんて久しぶりすぎて焦ったよー」
律「せっかくすごい作戦考えてたんだけどなー」
澪「ボツになって本当によかったよ」
律「でもよかったな。打撲程度で済んで」
紬「お医者さんもびっくりしてたわ」
梓「唯先輩の身体って何で出来てるんでしょうね?」
唯「憂の作ったごはんで出来てます!」フンス
和「みんな揃って何やってるの?」ガチャ
唯「あ、和ちゃんだ~」
紬「実はかくかくしかじかで唯ちゃんの事故をなんとか防げないか、って考えてて…」
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」スタスタ
澪「相変わらずのスルースキル…」
梓「あの人、これっぽっちも唯先輩のこと心配してませんでしたね」
唯「これでも幼馴染なんだけどなあ」
律「スルースキル…スルー…回避……これだ!」
作戦その8・和式スルー作戦!
校門前!
和「一体どうしたの?こんなところに呼び出して…」
梓「そうですよ、話をするだけなら部室ででもいいじゃないですか」
律「ふふふ…、こんなところに呼び出したのは他でもない。唯の事故を回避する方法を思いついたんだ!」
唯「えー!?」
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」スタスタ
澪「いやそこはスルーしないでよ」
和「冗談よ。それで私は何をすればいいのかしら?」
律「ああ。そこに立ってくれてるだけでいいんだ」
和「この辺りかしら?」
律「そうそう…。ムギ!」
紬「ええ!斎藤お願い!」
斎藤「御意」ブロロロロロ…
梓「あ!斎藤さんの車が和先輩に向かって!」
唯「和ちゃん危ない!?」
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」ススス…
梓「車を…」
澪「スルーした…だと…?」
和「もう、いきなり危ないじゃない」
律「いやーごめんごめん。でも私の言いことは伝わっただろ?」
唯「うん!私も和ちゃんの真似して車をスルーすればいいんだね!」
律「そういうことそういうこと♪」
ブロロロロロ…
紬「あ!都合よくトラックがこっちに向かってきたわ!」
律「頑張れよ唯!」
和「落ち着いてやれば出来るわ」
唯「う、うん…」ゴクリ
プップー! ブロロロロロロ…
律「唯、今だ!」
唯「そ、そうなんだ、じゃあ私生徒k…ふげっ?!」
紬「大変!唯ちゃんがスルーしきれずにトラックに撥ねられたわ!」
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」スタスタ
澪「幼馴染なんだからそこは心配してやれよ…」ブクブク…
梓「普通に逃げればよかったのに」
次の日!
唯「よく考えたら私生徒会じゃなかったよね!」
澪「反省点はそこかな?」
律「やはり和のスルーには及ばなかったか…」
紬「唯ちゃん昨日は大丈夫だった?」
唯「うん、ちょっと骨にヒビが入っただけだって」
澪「大怪我じゃないか!」
唯「でもご飯食べて寝たら治ったよ!」フンス
梓「仙豆でも食べたんですか?」
憂「こんにちはー」ガチャ
唯「あっ、ういー!」ダキッ
憂「きゃっ!ちょっとお姉ちゃん、危ないよー」
澪「こんにちは憂ちゃん。今日はどうしたの?」
憂「はい、実はお姉ちゃん最近よく怪我をして帰ってくるんです」
憂「それで軽音部のみなさんなら何か理由を知ってるかなー、って思って…」
梓「憂に説明してなかったんですか?」
唯「えへへ、忘れてたー」
梓「全くもう…」
律「私から説明するよ。実はかくかくしかじかで…」
憂「なるほど…、みなさんでお姉ちゃんが事故に遭わないように考えてくださってたんですね」
憂「みなさんありがとうございます。あと疑ってすみませんでした」ペコリ
梓「私たちのこと疑ってたんだ」
紬「だから包丁持ってるのね」
澪「ひぃいい?!」ブクブク…
唯「もう、ういったらー」ダキッ
憂「えへへ…、お姉ちゃん大好きー」ギュッ
紬「うんうん、よきかなよきかな」
律「それにしても憂ちゃんって本当に唯にそっくりだなー」
憂「もう、そんなに褒めないで下さいよー」クネクネ
澪「別に褒めてないような…」
憂「…」ゲシッ
澪「…」ブクブク…
紬「それを言うならりっちゃんだってカチューシャをとったら唯ちゃんにそっくりじゃない?」
律「えー、そうかなあ?」
紬「そうだよー」
唯「はっ!いいこと思いついた!」
最終更新:2010年12月12日 20:12