AM11:30 桜ケ丘高校
唯「ふぉ?!」
和「どうしたのよ、唯?」
唯「ふっふっふ、和ちゃん、私はやはり世界を救うヒーローだったんだよ!」
和「はぁ?」
唯「今、私はこの教室の時間を少しだけ戻したんだよ!!」
和「そう・・。でもね、今の時間は・・
(教室中の視線が唯達に集まる)
和「授業中なのよ・・」
先生「平沢さん?具合でも悪いんですか?」
唯「だから本当なんだって!」
和「でも、もし唯が時間を戻したのが本当だとして、それをどうやって証明するの?」
唯「うっ、それは・・・」
和「時間を戻したことを知っているのはあなただけなのよ?あなた一人時間を戻したと
言っても、誰も納得しないわよ?」
唯「じゃあ、例えば和ちゃんの目の前で私がテレポートすれば、納得してくれる!?」
和「テ、テレポート?!そうね、まぁそれなら・・」
唯「じゃあ、見てて!!(ヒュン!)」
和「!?ちょっと、唯?!まさか本当に・・?」
澪「ひぃぃぃぃ!!!」
和「澪?!どうしたのよ!?」
澪「ト、トイレに入っていたら、きゅ、急に唯が・・・!!」
唯「どう、納得してくれた?和ちゃん!!」
和「唯・・・あなた・・・」
同時刻 琴吹家
斎藤「お嬢様、入ってもよろしいですかな?」
紬「入りなさい。」
斎藤「失礼します。お嬢様、つかぬことをお聞きしますが、学校へは行かれないのですか?」
紬「今日は具合が悪いから休むわ」
斎藤「そうですか・・・」
紬「それよりこれを見て。」
斎藤「絵ですか?私は絵についてあまり素養はございませんが、この絵が良い物だと言うことは解ります。」
紬「感想は聞いてないわ。実はこの絵はこの写真を元に描かれたの」
斎藤「今朝の新聞記事ですか?昨日イスラエルで起きたテロですな。よく描けているとは思いますが、他に特別なところがあるのですか?」
紬「この絵は私が2週間前に描いたものよ」
斎藤「?!」
紬「そう、私には特別な力がある。未来を絵にすることができる。」
紬「そして2日前に描いた絵にはなぜか唯ちゃんがでてくるのよ・・・」
斎藤「・・・」
PM4:30 桜ケ丘高校音楽室
唯「あれ?今日は私達だけ?」
律「そうみたいだなー。ムギと梓は風邪で休みで、澪はトイレに唯が出てきたって言って、
泣きながら帰って行った」
唯「じゃあ今日は二人っきりだね!」
律「そうだな。でも二人で練習してもしゃーないから今日は帰るか。」
…
澪(な、何で私があんな目に・・・)
澪(もうイヤだ。明日から学校行きたくない・・・)
男1「ねぇ、お姉さん。」
澪「ひぃ!!な、何ですか!?」
男2「一人でこんなトコ歩いてたら、危ないよ?オレ達が送ってくから乗ってきなよ。」
澪「べ、別にいいです・・。急いでるからこれで・・・」
男3「そんな連れないこといわないでさぁ、ちょっと遊んでこーよー」
男1「そうそう。ちょっとでいいから遊んでこーよー。おい、人が来る前に車に乗せろ」
澪「ひ!や、やめてください!!」
男2「暴れても無駄なことくらい解るでしょ?」
澪(誰か助けて・・・律・・・助けて・・・)
同時刻、町はずれの廃工場にて
純「カメラ準備OK!いつでもいいよー!!」
梓「わかった。じゃあ行くよ。1・2・3」
ヒュー、ドシン!
純「おー、派手に飛んだわねー。あずさー生きてるー?」
純「はいはい、何回やっても同じでしょ。」
梓「・・・」
純「それより、なんでこんなことするの?」
純「便利じゃない、その体。ある意味すばらしい才能よ。」
梓「純、あなたに解る!?どれだけ体を傷つけても、あっという間に何事もなかったように、傷が治って行く化け物の気持ちが!」
純「そんなことより学校はどーすんの?結局さぼっちゃったけど」
梓「今から行ってもしょうがないから、帰る。」
純「そう・・・」
純(それにしても・・・すばらしい才能だわ、本当に・・・)
PM5:00 平沢家
唯「ただいまー」
憂「おかえりー。今日は早かったねー」
唯「うん、私とりっちゃんだけだったから帰って来ちゃった。そんなことより、今日ついに、時間を戻せたんだよー!」
憂「おめでとう、お姉ちゃん!!それよりご飯できてるから、早くたべよ?」
唯「えー、まずアイス食べたーい」
憂「アイスはお風呂入ってからだよ、お姉ちゃん。」
唯「えぇー、憂のいじわるぅー」
憂「ほら、早く手洗ってきて。」
唯「むぅ・・・、解ったよ・・。」
憂「・・・・そう、お姉ちゃん。ついに目覚めたのね・・・。」
PM8:30 田井中家
律「さーとしー、冷蔵庫にあったあたしのプリン食べたかー?」
聡「えっ?!た、食べてねーよ!」
律「本当かー?」
聡「ほ、本当だよ!!」
聡(姉ちゃんが風呂入ってる間に食った)
律「ん?あたしが風呂に入ってる間に食ったのか?」
聡「ギクッ!!」
律「そうか、そうか。私のプリンはうまかったか?」
聡「ご、ごめん!!うまそうだったからつい・・」
律「あー、もーいーから。お子様は早く寝な。」
律(・・・にしても)
律(今のはなんだ?私はこいつの心を読んだのか・・・?)
ニュースキャスター「今入ってきたニュースです。○○市内の山中にて男性3人の遺体が見つかりました。警察は殺人事件とみて調べを進めています・・・。」
律「○○市っつったらこの近くだな。最近はこの辺りも物騒になったもんだな・・・」
同時刻 ○○市内山中にて
澪「・・・?そうか、私、無理やり車に乗せらて・・・」
男1「・・・」
澪「ひぃ!し、死んでる!?」
澪「・・・ち、違う!私じゃない!!
澪「と、とにかくここから逃げないと・・・」
PM11:30 平沢家
憂「はい、そうです。
平沢憂です。斎藤さんにつないでください。」
斎藤「なんですかな、憂さん、こんな夜中に。」
憂「お姉ちゃ・・・いや、
平沢唯が能力に目覚めました。」
斎藤「・・・そうですか。実はお嬢様も能力に目覚めました。」
憂「!?」
斎藤「それともうひとつ、先ほどアメリカのミスターベネットより連絡がありました。サイラーが日本に入ったようです。至急、平沢唯達はアメリカの組織の保護下におけ、とのことです。」
憂「いえ、その必要はありません。」
斎藤「ですが、憂さん、今回はあいてが悪すぎ・・・」
憂「大丈夫です。私がいる限り、お姉ちゃん達には指一本触れさせません。」
斎藤「憂さん・・・、いえ、憂。これは育ての親としての忠告だ。奴がこれ以上強くなれば、誰にも止められなくなり、世界は滅ぶ。日本にいる能力者はまだ未熟で、自分の身を守ることができん。だから、戦力の多いアメリカで保護した方が・・・」
憂「そんな事は解っています!!組織のエージェントとしてとはいえ、身寄りのない私を育ててくれたあなたを初めとする琴吹家の人達にも感謝しています!!でも、お姉ちゃんは生まれて初めてできた本当の・・・本当の家族なんです・・・」
斎藤「憂・・・」
憂「お願いします。この馬鹿な娘の最初で最後のわがままだと思って聞いてください・・・」
斎藤「そうですか・・・。解りました。平沢唯達は私達の手で保護しましょう。ただし、あの子があなたの本当の姉ではなく、監視対象にすぎない、ということは忘れないでください。」
憂「はい。解りました・・・」
同時刻 田井中家
律「ん?澪からメールだ。」
助けてほしい。今すぐ公園に来てくれ
律「澪!?何があったんだ?!解かった、すぐに行く、と」
律(待ってろよ、澪。今行くからな)
田井中家近所の公園
律「澪!どうしたんだよ、こんな夜に呼び出して」
澪「律。やっぱり来てくれたんだ。嬉しいよ。私はとっても」
律「澪!やめろ!顔がちかい!!」
澪「そんなことはいいじゃないか。あぁ、愛してるよ律」
律「ん?お前・・・澪じゃないな?」
律「澪はだよなんて言わねーよ。だいたい、私はお前の心が読める。本物の澪はどこだ!?澪を出せ!このニセ野郎!
澪「ばれちゃったら仕方ないわね。私は澪の双子の妹の焔っていうの。仲良くしてねぇー。ま、あなたにはここで死んでもらう
んだけどねぇー」
律(なんて力だ・・・)「何のためにこんなことを・・・?」
焔「澪を守るのはあたし。あなたじゃない。だから殺す。澪に害をなすやつも殺す。」
律「こんなことして澪が喜ぶとでも思ってんのか!?」
焔「私は嬉しいわよ。じゃ、このまま死んでね」
律(クソ、何とかしないと!)「澪!いるんだろ!!おい、出てこい!」
焔「うっ!?」
律(きいてる!?)「おい、澪!そんなやつとっとと追い払っちまえ!!」
焔「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
バタッ!!
律「気絶した・・・のか?」
澪「・・・り、律?ここは・・・?ってそのケガは!?」
律「あぁ、お前の双子の妹とかいうのにやられた」
澪「ふ、双子の妹・・・?」
律「どうやらお前の中のもう一つの人格らしい。」
澪「まさか、そのケガは私のせいなのか?!」
律「あー大丈夫、大丈夫!!お前には殴られなれてるからへーき、へーき!!」
澪「律・・・」
律「それよりも、何があったのかだけ教えてくれ。お前の心を読むなんてことしたくないからな。」
澪「・・・解かった。全部話す。」
律「そうか・・・そんなことがあったのか。」
澪「本当に殺したのは私じゃないんだ!それだけは信じてくれ!」
律「わーってるって!お前がそんなことするやつじゃないことは私が1番よくしってるよ。」
澪「律・・・」
律「それより今日はもう遅いから帰るぞ。家まで送ってくわ。」
澪「ありがとう・・・律・・・」
焔(本当にありがとうね、りっちゃん☆)
澪(おい!律は関係ないだろ!律を巻き込むな!)
焔(ふふ。あの子、疑うことを知らないかわいい子ね。)
澪(律に指一本でも触れたら、ただじゃおかないぞ・・・!!)
焔(安心して。あの子、心を読むだけでなく、操ることもできるみたいだから、私にはそう簡単には殺せないのよ。」
澪(ふざけるな!そんなこと、私が絶対に許さないぞ!)
焔(まぁ、悪いようにはしないから、しばらくそこでおとなしくしててね、澪☆)
これのすこし前 ○○市内某所
サイラー「そこにいるのは誰だ!?」
純「こんばんわ~!あら、やっぱりばれちゃいました?!ってうわ!?」
サイラー「ふん、お前も能力者のようだな。まぁいい記念すべき日本の犠牲者第1号はお前だ」
純「きゃぁぁぁぁぁぁ」
サイラー「ははははははははは!」
純「もう、いきなり女の子になんてことするんですかー!」
サイラー「!?」
純「あなたの後ろですよ」
サイラー「お前・・・一体・・・?」
純「私の能力のことなんかどうでもいいじゃないですか。それより、今日はあなたの能力のことである人に頼まれて、お話に来たんです」
サイラー「俺の・・・能力?」
純「あなたって、たしかに強いけど、今のままだと銃で撃たれたりすれば、死んじゃうんですよね?」
サイラー「あぁ」
純「そんなあなたに、朗報でーす!とりあえず、このビデオを見てください!」
サイラー「こ、これは・・・!」
AM7:30 平沢家
憂「お姉ちゃん起きて、学校遅れちゃうよ?」
唯「うーん、テレポートで行くからいい~」
憂「もう、そんなことできるわけないでしょ。いいから起きて」
唯「うー、わかったよー。おはよー、憂。」
憂「朝ごはんできてるから、早く下に降りて。」
唯「わかったよー」
憂「ねぇ、お姉ちゃん。」
唯「何?」
憂「お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだよね?」
唯「そんなの当たり前だよ。それより早く朝ごはん食べよ?」
憂「お姉ちゃん・・・」
AM8:30 桜ケ丘高校
律「おはよう、唯。」
唯「おはよー、りっちゃん、澪ちゃん!!あれムギちゃんは今日もおやすみ?
澪「そうみたいだな。」
唯「心配だね。今日みんなで、お見舞いに行く?」
律「さすがにちょっと心配だから、放課後にムギんとこ行くか」
唯「ムギちゃんの家っていうことは、ケーキいっぱい食べれるかなぁ?!」
律「お前はそればっかだな!」
姫子「秋山さん。」
澪「何?」
姫子「あの子・・・2年のジャズ研のあなたの大ファンっていう子があなたに会いたいって」
澪「何か用?」
純「はじめまして、ジャズ研の2年の
鈴木純っていいます!」
澪「はじめまして。私のファンなんだってな。」
純「はい、そうです。でも、私は澪先輩のファンなんです。あなたじゃなくてね。」
澪「はぁ?何を言ってるんだよ。昨日律にもニセモノ扱いされて、これでも落ち込んでるんだぞ?」
純「だから、私は澪先輩の大ファンだって言ったじゃないですかー!澪先輩の秘密なら、なんでも知ってますよ。今だに母親のことをママって呼んでることも、・・・あなたが澪先輩じゃなくて双子の妹だってこともね。」
澪「・・・」
純「あら、どうなんですか?急に黙りこんじゃって。」
焔「最近はまわりくどい言い方が流行っているのかしら?」
純「あら、お嫌いですか?」
焔「えぇ、とっても。」
純「なら、単刀直入にお話しします、澪先ぱ・・・なんて呼べばいいですか?」
焔「焔でいいわ」
純「では焔さん、私に・・・いや、私たちに協力してください。」
焔「なんで、私があなたに協力を?」
純「いい話だと思うんだけどなー・・・うっ?!」
焔「ごめんね。わたしはあなたと違って特別なの。だ・か・らあなたの力なんて必要ないの。バイバイ。」
純「もー、いきなり絞め殺すなんてひどいですよー!」
焔「!?」
純「すいません。あいにく私も特別なんですよ。あなたと同じようにね」
純「あなたの力では私は殺せませんよ?だから、話だけでも聞いてください。」
焔「・・・続けて。」
純「あなたにとっての邪魔者を一気に消せるチャンスがきたんですよ」
焔「・・・・」
純「平沢唯、
田井中律はそれぞれとても強力な力を持っていて、我々の邪魔者となります。しかし、彼女達を一挙に殺す方法を私たちは持っています。」
焔「それは興味深い話ね・・・」
最終更新:2010年12月12日 21:14