日曜日の平沢家
唯「うー、寒い寒い」ブルブル
憂「もうすぐ12月だもんね」
唯「憂がこたつ出してくれてなかったら…今頃凍えてたよ…」ヌクヌク
憂「大袈裟だよー、お姉ちゃん」
唯「その上みかんもあるし!」
憂「おこたでみかんは定番だね」
唯「日本人でよかったよー」
唯「テレビ見よーっと」ピッピッ
憂「あ、音楽番組やってる」
唯「おっきいバイオリン…」
憂「あれはチェロだね」
唯「ギー太の何倍も大きいよー」
憂「お姉ちゃん、こういう音楽も好き?」
唯「うん、なんて言うか…かっこいい…!」
憂「(お姉ちゃん楽しそう…)」
憂「?」
唯「ギー太とってくるー!」パタパタ
憂「(さっきまであんなに寒がってたのに…)」クスッ
唯「♪~」
ギー太「♪~」
憂「わー!」パチパチ
唯「あ、テレビ終わっちゃった…」
憂「30分番組だもんねー」
唯「…そう言えば憂、さっき何作ってたの?」
憂「ちょっと待ってて。持ってくるから」パタパタ
唯「なんだろう…?」
憂「じゃーん♪」
唯「なにこれ?」
憂「しょうが湯だよ」
唯「しょうが湯?」
憂「しょうが湯にはね、冷え性を改善したり、免疫力を強くする効果があるんだって」
唯「へぇー」
憂「お姉ちゃん、寒いの苦手でしょ?だから良いかなーと思って」
唯「憂…」ウルウル
憂「飲んでみて?」
唯「うん!いただきまーす!」ゴクリ
憂「どうかな?」
唯「…うまい!」ポカポカ
憂「良かったー」ニコニコ
唯「ふぁー、憂のおかげであったかあったかだよー」
憂「どういたしまして」
唯「…そうだ、お父さんたち、何時頃に帰ってくるんだっけ?」
憂「ゆうべの電話じゃ『お昼前くらい』って言ってたよ?」
唯「お昼前かー」
憂「お姉ちゃん、午後から澪さんたちとお勉強会なんだよね?」
唯「うん、1時からー」
憂「それまでには帰ってくるんじゃないかな?」
唯「だといいなー」
憂「…本当なら昨日、帰ってきてるはずだったのにね」
唯「飛行機の都合はどうしようもないよー」
唯「…よし、決めた!」
憂「え?」
唯「私ももう18歳だし!」
憂「うん」
唯「来年は大学生だし!…たぶん」
憂「(断言しようよ!お姉ちゃん!)」
唯「だから作るよ!」
憂「何を?」
唯「さっきの『しょうが湯』!」
唯「憂と、お父さんとお母さんの分!」
憂「お姉ちゃん…(ジーン)…私も、お手伝いしていい?」
唯「うん!憂がいれば百人力だよ!」
憂「頑張ろ、お姉ちゃん!」
唯「えーっと、まずはどうすればいいのかな?しょうが?」
憂「そうだね。しょうがをおろし金ですりおろして…」
唯「んしょ、んしょ」ゴシュゴシュ
憂「それから、こし器でこすの」
唯「とりゃあああ」グニグニ
憂「うん、それでおっけーだよ」
唯「…ちょっと多いかな?」
憂「大丈夫、冷凍してとっておけるから」
唯「そうなんだ、じゃあもう少し作っておいたほうがいいかな?」
憂「作っておけば飲みたい時に飲めるもんね」
唯「よーし」ゴシュゴシュグニグニ
憂「あとはこのおろし汁をカップに小さじ2杯と…」
唯「はちみつ?」
憂「そうそう。小さじ1杯ね」
唯「とろーり…っと」
憂「そこにお湯を」
唯「これくらい…かな?」
憂「わー!いい感じだね」
唯「で、まぜまぜして、最後にレモンをちょっと絞って…」
憂「できあがり!」
唯「おおー♪ありがとー、憂のおかげだよ」
憂「どういたしまして。でも、頑張ったのはお姉ちゃんだよ」
唯「…憂、はい」スッ
憂「いただきまーす」ゴクリ
唯「…」ドキドキ
憂「…おいしい!」ポカポカ
唯「やったぁ!」
憂「きっとお父さんたちも喜んで…」
ガチャリ
「「ただいまー」」
唯「あ…!」
憂「!」
唯憂「…おかえりなさーい!」パタパタ
おしまい!
唯「ういぃぃぃぃぃぃぃいぃいぃいぃいぃいいいいいッッッ!!!!!」
憂「おねえちゃぁぁぁぁぁあぁあぁあぁああああああああああんッッッ!!!!!」
がばちょっ!!
二人が愛の抱擁をしたその時それは起こった
抱き合った時に発生したエネルギー的な物が相反し相対し殴り合いの喧嘩の後
異常に無情な衝撃波となり、平沢家を中心に全てを飲み込もうとしていた
衝撃波は人間を家をビルを動植物を……ありとあらゆるものを蹂躙していった
地球を包み込む青い海……豊かな恵みをもたらす生きとし生ける物のシンボルも例外ではない
衝撃波に飲み込まれ巨大な波……びっくうぇーぶとなりこの世の終焉を加速させていく
やがて……衝撃波と津波が世界中を完膚なきまでに破壊し尽くし、世界は今終わりを迎えた
唯「あわわ……とんでもない事になっちゃったよ憂~……」ガクガクブルブル
憂「いや、これで良かったんだよお姉ちゃん……ほら見て」
唯「え?……あっ!!……綺麗な虹だー♪わ~い!」
憂「えへへ、これが見せたかったんだ……大好きなお姉ちゃんに!」
唯「ありがとー!憂~♪」
憂「お姉ちゃ~ん♪」
がばちょっ!
二人が再び抱き合ったその時、奇跡が起こった
アダムとイヴ的な姉妹が抱擁した事による妹得因子が複雑に作用し
まず花が生まれ木が育ち昆虫が飛来し魚がピチピチと跳ね回り動物が生まれ人間は再び生を受けた
つまりは全て元の鞘 めでたしめでたし……あ、ついでに二人は結婚しました
………
……
…
先生「おい」
憂「」ホゲー
先生「おい平沢、この問題を答えろ」
憂「……はっ!……えーと、エアロスミスです」
生徒『おー!』
先生「ぼーとしてるようでもきっちり答える……流石だな、よし次にいくぞ」
梓(むー、やっぱり凄いな憂は……見習わなきゃ!)
純(お腹減った……今日の弁当はなんだろう)ホゲー
憂(……アダムとイヴって事は……裸!?きゃー♪////)
テレテテレテーン
唯「もうそう!」
ワーワー キャ-キャー ユイ- ミオチャーン
憂「お姉ちゃーん!頑張ってぇ!」キラキラ
唯「聞いて下さい!U&I!」
キミのご飯を食べたいよ
キミがいないと謝れないよ
キミの声が聞きたいよ
キミの笑顔が見れればそれだけでいいんだよ
律(唯……最後のライブだからか、すげえ力入ってるな……よし私も!!)グッ!
唯「キミの作ったみそ汁を毎日飲みたいよ」
澪(……ん?)
梓(あれ?こんな歌詞あったっけ?)
唯「キミと毎朝ちゅーしてから仕事に行きたいよ」
律「」ブハッ!!
紬「ちょっ……唯ちゃん!?」アセアセ
唯「この想いよ届け!」
梓「ゆゆゆ唯先輩!なにしてるんですか……はっ!まさか!?」
憂「わ、わたし……!?は、はいお姉ちゃん!」ドキドキ
唯「結 婚 し て 下 さ いっ!!!」ドーンッ!!!
律澪紬梓「告白キター!!」パチンッ!
……シーン
憂「は……はい喜んでぇぇぇぇぇえぇえええッッッ!!!」
がばちょっ!
律澪紬梓「結婚一丁入りましたぁぁぁあぁあぁあああっ!!」パチンッ!
ワーワー キャ-キャー オメデトー
バターンッ!!
?「その結婚……認めんぞっ!!」
さわ子「はっ!貴方は……日本大統領!?」ガビーン!
大統領「日本では同性の結婚は認められていない!女性器は男性器とフェードインする運命なのだ!!」
梓「そんな……二人はこんなにも愛し合っているのに!?」
律「横暴だー!ぶーぶー!」
澪「だが……正論だ、子供が出来ないと言うことは……」
紬「日本が……滅ぶ!!」ムギギ…
唯「そんな……やだよ憂……」ポロポロ
憂「お姉ちゃん……うぅ……」シクシク
大統領「さぁ……そうと分かったらさっさと絶縁するがいいのさ!」
ドバターンッッッ!!
和「その心配には……及ばないわ!!」
唯「和ちゃん!?」
和「IPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです!」ガタッ!
全員「な、なんだってーっ!?」ガビーンッッッ!!
大統領「何という事だ……ならば……」
ピピピ プルル
大統領「ニッポーンハウスか、私だ大統領だ……今これより憲法を改正する」
大統領「女性同士の婚姻を……認めようッッッ!!」
ウオォォォォォォォォォォォォオオオオッッッ!!!!!!!!
唯「ういぃぃぃぃぃいぃいぃいぃいいいいいいッッッ!!!」
憂「お姉ちゃぁぁぁあぁあぁあぁあぁああああああんッッッ!!!」
ぎゅううぃ!
梓「……愛の力です!!」グスッ
律「へっ、学園祭のライブが結婚披露宴になっちまうとはな!」
澪「ふふ……だけどこういうのも私達らしいな」
紬「二人の生活は琴吹グループが全力で支援するわ!!」
全員「唯憂!結婚……おめでとう!!」
………
……
…
憂「」ホゲー
梓「憂のこのきんぴらごぼう凄い美味し……あれ?憂?」
憂「あ、うん、ありがとう梓ちゃん♪」にっこり
純「(……なんか今涎垂らしていたような)憂は良いお嫁さんになるね」もぐもぐ
憂「……ねぇ、二人共」もじもじ
梓「ん?どうしたの憂?」
憂「もし私が結婚するとしたら……祝福してくれる?」もじもじ
梓純「」ブハッッッ!!
純「ななななに!?どういう事!?結婚!?結婚するの!?まだ高校生なのに!?」
梓「だれ!?誰と!?どこの馬の骨が憂を……!!ままままさかもうあんな事やそんな事まで!?」
純「ちょっと梓は落ち着け」
憂「……新婚旅行はどこにしようかなぁ……うへへ」ポワー
梓「うわあぁぁぁん!!この世の終わりだあぁぁぁあぁあぁあぁあああもう死ぬ!死んでやる!」
純「ダメだもうツッコミ切れない!」
唯「おしまいっ♪」
最終更新:2010年12月13日 21:15