…二時間後…
律「」パチッ
律(りっちゃんタイマーなめんな、そろそろ寝ただろ、お、寝袋捕まれてないぞ)
梓「むにゃむにゃ」
律「よしよしってなんだこりゃあああああああ、巨大なお菓子…お菓子が!」
唯「むにゃ…お菓子おいひいよお…あ~アンパンマンだぁ、むふふ」
キュイン
アンパンマン「……」テクテク
律「アンパンマンが部屋の中歩き回ってる…」
律「はは…これは夢だ、そうに違いない、も、もっかい寝よう」
…三時間後…
律「」パチッ
律「何もいない、変な夢見ちゃったな…」
梓「むにゃむにゃ」
律(そんな事より、梓め、いままで散々邪魔してきやがって!おっとこんな奴はほっといて唯達にあんな事やこんな事してやんよww)ムクッ
梓「むにゃ…しゃむい…」プルプル
律(やべ起きたか?)
梓「むにゃむにゃ…」
寝言がした方へ顔を向けると、寝袋を掴んでいたと思われる手は律の寝袋の横にポトッと落ち葉の様に置かれいる
その手の持ち主の寝袋は手を出す為に開かれており、11月という季節も手伝ってか、梓はスースーと規則正しい寝息を立てながらも寒そうに体を震わせていた
律「…ばかなやつ、体冷えこんでんじゃないのか」
律「…寒そうだな、でもそんなものに構ってる暇は…」
律「……」
律「あーくっそくっそ、恨むぞ梓!せっかくチャンスだったのに!」
寒そうな後輩に抱き着き暖めようとする、抱き着いた瞬間予想通り、梓の体は冷え込んでおり、霜の香りと共に、ツンっと寒さが伝わってくる
体はそんな冷たさを否定するが、律は構わず梓に体温を分け与えるように体を密着させた、すると梓も体温を求めるように律の腰に手を回してきたのだった
梓「ふにゃ…暖かい…」スースー
律「当たり前だろ、心が暖かいんだから体も暖かいんだよ」
梓「えへへ…むにゃむにゃ…」
律はふと思う
律「普段は憎まれ口ばっかり叩かれるけど、こうやってみるとこいつも普通の女子高生なんだな」
律「そんな女の子が私と戦闘になった時は私を止めようと必死に説得しようとして、戦って…」
そうだ私はこう言ったんだ
律『性欲を私は本人にバレないように処理してたんだ、誰にも責められるような事はしちゃいない』
梓『律先輩は自分の好きな人が知らない所で本人の了解なしに誰かに体をいじられて平気な顔をしてられるんですか』
こう言われた
まだ梓の言った事は完璧には理解できないけど、あの言葉は確かに私の心に残ってる、体を張ってぶつかってきたからこそ、尚更だ
いくら友達仲間だといっても相手を思って本気でぶつかってきてくれる相手なんてそうそういないだろう
だから私は、今この瞬間からでも遅くないというのなら、そんな仲間から言われたこの言葉を理解する努力をしてみようかな?私はこの寝顔を見てふとそう思えてきた
律「バーカバーカ」
紬「……」ジー
紬(あらまあ)
まあ何がいいたいかと言うと私に考えを改めさせるくらいこいつの存在は私の中で知らない間に大きくなりつつあるっていう事だ!多分私は梓の事を好きになってきているのかもしれない
律「なんて…ねよっと!」Zzz
……
「きゃあああああああああああああああああ」
バッチーン
律「いてえええええええええええええええええええ」
梓「ななななななんで一緒に寝てるの?///」
律「な、なに?何が起こったの?」キョロキョロ
紬「う~どうしたのぉ」
唯「幻想だよ~お菓子だよぉ、幻想じゃ食べれないよ~むにゃ」スースー
澪「Zzz」スースー
梓「むぎ先輩こいつが私に!」
紬「ああ…」
梓「なになに?え?ばかなの?死ぬの?なんで抱き着いてきてるのお///」
律「そ、それはだな、お前が寒そうだったから仕方なくだな///」
梓「言い訳は聞かないし」
律「い、言い訳じゃねええええええ!このハゲ!」
梓「ハゲてんのはお前だろおおおおおおおおおおおおお!」
澪「むにゃ…もーおまえら朝からうるさいな」
律「しね!」
梓「お前がしね!」
唯「うーどうしたの?」
紬「えへー分からないわ」
澪「はぁ、まだ5時じゃないか静かにしてくれよ、もうちょっと寝たい」Zzz
…
紬「梓ちゃん、ちょっといい?」
梓「はい?」
紬「さっきの事だけどりっちゃんが言っていた事は本当よ?」
梓「え?」
紬「私たまたま起きてたんだけど寒そうに震える梓ちゃんを見て優しく抱きしめて、おやすみって!」
紬「私の見る限り、りっちゃん何もしてなかったわ、きっと震える梓ちゃんをほっとけなかったのよ」
梓「…そうだったんだ…やっぱり根は優しいんだな…」
梓(あれなんだろう?この暖かいような、少しこそばゆいような気持ち、なんか嬉しいな、顔がにやけちゃうよ、えへへ)クネクネ
紬(この様子、梓ちゃん落ちたわね!!)
…数日後律部屋…
律「あれから梓なんか様子おかしいな、妙に乙女チックになったっていうか、まぁ一緒にいて楽しいからいいんだけど、明日はどうやってからかってやろうかな~」
律(ん?なんか最近私、梓の事ばっかり考えてるな、変なの、前は女体の事ばかり考えてたのになー)
律「やっぱり好きって気持ちが日増しに強くなってきてるのかな」
律「なら、こ、告白とか///…いやー恥ずかしいし、大体梓からしたら女同士だし…ない…よな…」
ワタシハワタシノミチヲイク ソコノケソコノケデース
律「むぎから電話だ、はい、もしもし」
紬『りっちゃん!重大発表重大発表!』
律「なんだ、やぶからぼうに…」
紬『実はね実はね、ここ数日のリサーチの結果りっちゃんの事を好きな人がいるっぽいの』
律「まじか!ゲヒヒ、誰々?」
律(まぁでも誰が相手でも今は梓以外、考えられないけどな)
紬「知りたい?ねぇ知りたい?ねぇねぇ」
律「知りたいポゥw」
紬「仕方ないですな!教えてあげますな!ジャラジャラジャラジャラじゃーん、それはねー梓ちゃんよ!」
律「…嘘だろ?」
紬「嘘じゃないわ、あれは、ええ間違いないわ、きっとそうよ」
律「ないしないし、だって私達女同士だし、ないって!」
紬「恋に性別は関係ないのよ」
律「マジか…」ポカーン
紬「りっちゃんりっちゃん、どうするの?ねぇどうするの?りっちゃーんりっちゃーん!」
律(梓が私の事好き?やばい、嬉しい嬉しいよお、いやでも本人から聞いたわけじゃないし、むぎの勘違いかもしれないし。)
律(いや、でも最近の梓の様子はおかしかった、まかさ、そうなのか///)
紬「りっちゃん、おーい!…返事がなくなっちゃった、クスン」
律「……」ポケー
…
律(結局朝まで、ずっとボーッとしてたな、眠い…)
律「チョリーッス」
唯「おっはーりっちゃん!おっはー!」
紬「おはようりっちゃん、あらクマすごいわよ」
律「え?そうかな、あんまり寝てないからかも、ちょっと机で寝るよ、あ、後昨日電話ごめんな」
紬「ううん、いいのよ」
澪「おはよー、おい律先に行くなよ」
律「えーあー?ごめんごめん、おやすみー!」
澪「??なんだあいつ」
唯「眠いんだって~むぎちゃあああ!むぎちゃあああ、この宿題なんだけどさー」
澪「ふ~ん」
…放課後教室…
テクテク
梓(髪跳ねてないよね?糸くずついてないよね、よしっ!はぁ、あれから律の前では自分をかわいく見せようとしちゃうなー変なの///)テレ
ガチャ
梓「りっつ~…?」
律「スースー」
梓「おきてりっつ!…起きないし…ほっぺつんつんしちゃうぞ~」フニフニ
律(ん…ああ寝てたのか…なんかほっぺが痛い…)
梓「やわらか~い、えいえい!」
ピコピコ
律(ぁ…梓だ///むぎの話聞いてからなんか意識しちゃうな~普通に起きるの恥ずかしいし、ふざけて気を紛らわすか)
律「ん~ポッキー!」ガブ
梓「いったああああああああああああああああああああ!」
律「ほっほっほ!バカめ、引っ掛かったな」
梓「…いじわる」ウルウル
律「///」カァァァ
梓「なーんちゃって!バカめ!罪悪感に酔いしれるがいー!って何顔赤くしてんの?」
律「ば、うるさい!」
梓「??ずっと寝てたんでしょ?もう部活だよ、先輩達によんできてって言われたから呼びにきた、いこーいこー」
律「はいはい」
ギュッ
律「なんで制服の袖掴むんだよ」
梓「監視だもーん…」
律「そっか///」
梓(いつもと反応が違う…なんか恥ずかしいな///)
テクテク
律「……」
梓「……」
律(なんか気まずい…ずっと梓黙ったままだし)
梓(いつもの律と違う…いつもなら話題ふってきてくれるのに、ずっと前みたまま黙ってるし)
律「あ、な、なんか喋れよ」
梓「え、あ、律こそ…」
律「え、あ、うん…///」
梓「うん…///」
…部室…
ガチャ
澪「おーやっときたか、全く遅いぞ律」
律「悪い悪い」
唯「あああああああああああああああ!あずにゃんがりっちゃんの袖つかんでる!」
唯「恋人同士みたーい!ずるいずるい!りっちゃんあずにゃんをたぶらかしたな~」
律「あ…ちげーし!おい!離せよ!」バッ
梓「ご、ごめ」サッ
唯「あっずにゃ~ん、私の元へ戻っておいで~」
ダキッ
梓「ちょっ、ちょっと唯先輩!」
律「!」
いつも唯が梓に対してしていた行動、その行動に私の胸はギュウっと締め付けらるような感じがし、気づくと私は梓の手をとり、こちらへと抱き寄せていた
梓「きゃっ」
私が最初に思った事それは…私の好きな人に安易に触らないでほしい
奇しくもそれは私が梓に言われた、自分の好きな人が誰かに体をいじられていいわけがないという考えを私が身をもって体感した瞬間でもあった
律(昔の私って最低だな…)
梓「あ、り、律?」
唯「りっちゃん…?」
律「え?あ、ごごごめん、唯、梓」
律(雰囲気悪くしちゃった…ただじゃれあってただけじゃないか、おかしーし)
梓「えっと離してほしいなーなんて///」
律「ご、ごめん///」
紬(決定ね、これは決定よ!よーし)
最終更新:2010年12月20日 01:07