● 梓side
あ~あ、唯先輩帰っちゃった
よし、私も帰ろう。うん、そうしよう
梓「唯先輩も帰っちゃったし、今日はもう解散ってことでいいですかねー?」
今すぐここを走っていけば、唯先輩に追いつけるかな
……うん、まぁ唯先輩、普段はとろいから充分間に合いそう。まぁそういうところもかわいいんだけど
澪「うん、そうだな。じゃぁ、そういうことで私は唯のかばんもっていくついでに憂ちゃんのお見舞いにいってくる」
そういった澪先輩はすでにスタンバイ済みでドアの前
……やはり同じ考えか!!
梓「てか、はやっ!?きたなっ!!」
澪「じゃ、そういうことだから、ムギと律には伝えといてくれよ」
しまった
このままじゃ唯先輩にかばんを届けて、好感度アップ作戦は澪先輩のものになってしまう
考えているうちに澪先輩がドアノブに手をかけた
……だめだ、このままじゃ間に合わない
ドアが開かれる
梓「(あぁ……この世に神などいない……)」
だが
そこに女神がいた
紬「さてと、澪ちゃん?どこいくのかしら~?」
GJです。ムギ先輩
先ほどは眉毛とか沢庵とか言いたい放題言ってすいませんでした!!
● 紬side
まったく、みんな油断も隙もあったもんじゃないわ~
紬「で、澪ちゃんはそんなに急いで今からどこへ行こうっていうの?」
あらあら、そんなにおびえた顔しないで
別に怒ってるわけじゃないわ
ただ
紬「後輩に今までの説明放り投げて、自分は帰るっていうのは、ちょっといただけないわ、ね?♪」
「さぁ、もう一度座ってじっくり説明して頂戴」
うん、大丈夫だから。
私は怒ってないからね
澪「えっと……ムギ……?もしかして、さっきのことまだひきづってるのか?」
紬「あら?さっきのことってなんのことかしら?」ガシッ
澪「…………」
あら、まだ肩に手を乗せただけよ?そんなにおびえないでほしいな
澪「ハイ、ワカリマシタ」
素直な子ってほんとに大好き~♪
梓「えっと、ムギ先輩。じゃぁ、私はこれで失礼します」コソッ
紬「梓ちゃん、澪ちゃんの説明の補足をしてもらいたいんだけど」
そういって完璧な笑顔をつくりだす。
ね?
梓「……はい」
● 澪side
あぁ……もう少しだったのに……
そうおもいながらも、大人しくもとの位置にもどる私
そして、ゆったりとした動作で紅茶を入れなおしているムギを見た
澪「えっと……ところでムギ、その……律は……どうなったかなぁ……なんて」
紬「あらぁ、りっちゃんならどこかでおねんねしてるんじゃないかしらぁ~♪ たとえば一階の焼却場とかで」
澪「……ハハハ……うん……律なら……やりそうだよなはははは……」
少しかわいそうになったが
……まぁ、あれは自業自得だよな
紬「それで、唯ちゃんはどこいったのかしら」
梓「えっと、憂が急に倒れちゃったとかで、慌てて帰っていきました」
紬「あ、はい紅茶。それは大変ね」
そういいながら私と梓に紅茶をそっと差し出した
ムギの前にも紅茶と、そしてさきほどまで私達が食べていたケーキが置かれた
……これは飲んではいけない気がする
具体的に言うならば飲めばおそらく、今日一日ここでぐっすり なんてことになりえるような気がする
もちろん、その間にムギは唯の家へ行きムフフだろう
どうやら梓も危険を感じたのか、手をつけようとしない
紬「それで、二人はなんであんな必死な顔をしてたの?あ、まだまだあるから飲んでね?」ニコッ
そのなにかありそうな笑みを見ると、よけいに手をつけられなくなる
澪「えっと、それはだなぁ……なぁ、梓?」
なんとなく梓にふってみた。
案の定、ちょっと私にふらないでくださいよっー って顔をしている
……ふふふざまぁみろ
そして、観念したのか
梓「えぇ、あの、唯先輩がですね、かばんも持たずに飛び出して行っちゃったんで、それを届けに行こうかなぁ と」
「えぇ、言いましたとも。だからこの紅茶は勘弁してください!!」
紬「あらあら、別に強制してるわけじゃないのよ?でも、さっきから二人とも汗がダラダラだから、喉渇いてないかな
とおもって♪」
どうみてもムギのせいです
● 梓side
紬「それにしても、唯ちゃんも憂ちゃんも大変ね」
そういった後に
紬「そういうことなら、私がもっていくわ~。私は今日はたまたま、本当にたまたま車での下校なの~」
なっ!?なぜここの先輩方はこうも汚いんだ
澪「ずるいぞー、ムギー!!」
いいぞ、澪先輩!もっといっちゃってください
紬「あらぁ、だって私さっき唯ちゃんとの間接キスの権利とられちゃったのよ。これぐらいは許されるとおもうわぁ」
むっ……それを言われると
ん……あれ?
梓「ところで、ムギ先輩さっきから紅茶と一緒になに食べてるんですか?」
紬「梓ちゃん、とうとうモンブランもわからなくなってしまったの?」
イラッ
いや、落ち着け私。クールになれ
梓「いや、でもさっき4つしかなかったって……」
紬「あんなの、作戦に決まってるじゃない♪ 私が人数分をわすれるはずなんてないわぁ」
「だってもし忘れて唯ちゃんが食べられい、なんてことになったらかわいそうじゃない!」
いや、まぁそのとおりなんですけど
なんていうかほんと先輩方きたないですねっ
梓「………ムギ先輩、それ唯先輩が知ったらどうおもいますでしょうか?」
紬「………あら、なにがいいたいの?」
梓「いや、言葉のとおりです。察してください……」
紬「………」
「梓ちゃん……私ね、梓ちゃんがたまに唯ちゃんが使ったフォークペロペロしてること知ってるの」
「でも、私は一回も唯ちゃんに言ったことはないわ」
「だって、色んな意味での仲間ですもの」
しまった……なぜ、私のひそかな楽しみを知られている……
……まさか、どこかに監視カメラがっ!?
紬「ちなみに、その梓ちゃんがいつもペロペロしていたフォークは、すでに私がペロペロしておいた後のものよ!」
……なん……だとっ!?
まさか、そんなはずは……いや、まさか……ええええええ、そんな……
梓「………まじですか?」
紬「えぇ、マジです♪」
ちくしょおおおおおおおおおおおおお
ほんとにこの先輩方きたねええええええ
● 澪side
まったくこの二人は本当に汚らわしい
私の唯になんてことをするんだっ!!
しかし
澪「(これは、二人に対して圧倒的アドバンテージじゃないだろうか)」
なにせ梓とムギの変態行動の情報がでたが、私のはない
つまり、このことを利用すれば……
いまは一歩有利に事を進められる
澪「二人ともそんなことしてたのか……」
「まったく、そんなことをしてたやつに唯のことはまかせられないな。ここはやっぱり私がもっていk……」
紬「……澪ちゃん、こんな話をしているときにあなただけがいい子でいられると思うかしら?」
澪「………」
まずい。非常にまずい予感がする
紬「今からある話をするわ。ある恥ずかしがりやの女の子がいたんだけどね」
「その女の子はいつも、部活で一緒の女の子のことを思って、誰もいない部室で一人で自分の世界にふけったり」
そういって、ムギが懐からボイスレコーダーを取り出した
そして再生ボタンを押すと
――あぁん、唯……そんなとこ恥ずかしいよ……ん、駄目ぇ……あああああ
澪「うわああああああああああああああああああああ!!」
どう聞いても、聞き覚えのある声だった
梓「うわぁ……」
おい、梓やめろ。その目はやめてくれ
梓「そういえば、たまに部室に来たときに、澪先輩が唯先輩の机に座って、恍惚の表情浮かべてたこととかありますね」
「あれ、ほんとどっかの変態的な行為覚えたばっかりの小学生みたいだからやめたほうがいいですよ」
澪「うわあああああああああああああああああああああ」
もうやめろよおおおおお。お前らだって絶対あるだろおおおおおお
澪「それをいうのなら、ムギだって……ry」
紬「あら、それなら梓ちゃんも……ry」
梓「先輩方と一緒にしないでください。私のは……ry」
………
……
紬「不毛ね……」ゼェゼェ
澪「……」ゼェゼェ
梓「……」ゼェゼェ
紬「……」ゼェゼェ
どうしてこうなったんだろう
● 律side
いやぁ、本当に神さまっていたんだなぁ
まさか、ボロボロになりながらも教室に戻ろうとしたら、唯が慌てて走っていって
なにかと思って追っかけたら
……いつのまにか唯の家に招待されてたんだもんなぁ
唯「りっちゃーん、憂もうなんともないだって。でも、ちょっと心配だから寝かせてきたよー」
律「そうかそうか……ん?唯、なら晩御飯どうするんだ?」
唯「えっ、あっ、そっか……どうしようーりっちゃーん」
あぁ、もう幸せだなぁこんちくしょー
律「ははは、唯はしょうがないなぁ。私がつくってやろうか?」
唯「えっ!!いいの!? わぁい、りっちゃんのハンバーグだぁー」
この可愛いやつめ
律「ところで、なんでハンバーグなんだ?」
唯「えっ、りっちゃん、ハンバーグ以外作れたの」
律「つくれるわーい!! テイッ」ビシッ
唯「あいたっ。ふふーん、でもりっちゃんのハンバーグおいしいから、ハンバーグがいいなぁ」
律「まぁ、そういうことならまかせなさい!!」
唯「わぁい、ありがとーりっちゃーん。だいすきー」
よし、もう婚約届けを取ってこよう
あ、でも日本じゃ認められないか
……役所前でずっと土下座してたら認めてくれないかなぁ
唯「それじゃぁ、買い物にいこっか?」
律「(新婚旅行はどこにしようかな……えっと、やっぱりヨーロッパとか……あー、もうちょっと英語勉強しとけばよかったかも」
唯「おーい、りっちゃんやー?」
もう終われ
最終更新:2010年12月23日 01:30