● 澪side
あぁああああ、私もなにかすればよかったあああああ
ムギめ、まだケーキを持っていたのか
唯「澪ちゃんもわざわざありがとうね」ニコッ
天使だ。天使に触れたよ!!
いまあの笑顔は私だけに向けられている笑顔
携帯のカメラで16連写くらいしたい
澪「それにしても、唯と律はなにをしてたんだ?」
もし、唯になにかしたなら律、お前の命は無いと思え
唯「えっとね、今からりっちゃんがご飯つくってくれるんだー」
……!? なに……律め……通い妻みたいなうらやましいことになってるじゃないか!!
いや、どっちかというと唯のほうが妻っぽいから、通い夫?
いやいやいや、そんなの許さないから
唯は私の嫁だから
澪「律……ちょっとこい……」コソッ
手招きして律を呼び寄せると
澪「なんで、うらやま……おかしなことになってんだよ~!!」
律「おかしくねーし。普通だし」
いやいやいや、そもそもなんでお前料理できるキャラなんだよぉ
……私も花嫁修業するか
もちろん嫁ぎ先は唯で
紬「へぇ~、そうなの~、楽しそうね~♪」
律と二人で話している間に後ろからムギの声がした
どうやらさきほどの話が続いてるようだ
唯「あ、じゃぁ、ムギちゃんも一緒にうちでご飯たべていこうよ~」
紬「まぁ、ほんとにいいのかしら~?」
唯「うん、もちろんだよっ!!」
梓「ゆっ、唯先輩、あの私も……」
唯「うん、あずにゃんもおいでよー」
キャッキャと騒ぎ出す二人に私は
………完全に乗り遅れた
唯「いまから、スーパーに買い物に行くんだけど、みんなでいこっか?」
どうする考えろ、どうする……どうやって自然に行く雰囲気にするか……
唯「どうしたの、澪ちゃん?はやく行かないと皆においていかれちゃうよ?」
……!!
私も数に入ってた…
よかったぁ……
澪「(唯ちゃんまじ天使!!)」
――スーパー
● 律side
まだ、なんとか生きてる……
唯の抱きつき攻撃は荒んだ獣たちの心まで癒したか
ほんとに唯はすごいなぁ
正直、もっとひどいめにあうかとおもってたけど
たいしたことはなかった
唯「……~~……ねぇ、りっちゃん聞いてるー?」
おっと、考え事をしていたせいで唯の声が聞こえてなかったみたいだ
なんたる不覚
梓「うわぁ、律先輩無視とかひどいですねぇ」
うるせぇやい
澪「ほらっ、唯がかわいそうだろ」
あなたもですか澪しゃん
紬「う~ん、りっちゃんそれは私もどうかとおもうわぁ」
結局袋叩きっすか
ほんとあなたたち容赦ないっすね
唯「ねぇ、りっちゃん、ハンバーグってことはこのミンチでいいんだよね~?」
あぁ、唯さんのその声だけで癒されますとも、えぇ
う~ん、そうだなぁ。この人数だからもうちょっとグラム数あったほうが……
いや、待てよ……
律「なぁ、唯。この人数だし、鍋にでもしないか。そのほうが楽だろ?」
●紬side
!?
りっちゃんが自分の見せ場をみずから手放した!!
いったいどういうことなの?
もしかして、抜け駆けしちゃったことを反省してるのかしら?
ふふっ、りっちゃんもかわいいところあるのね~♪
●澪side
おかしい
律がなぜか、せっかく自分のアピールできる場を自ら手放した
……なにかあるのか?
ハンバーグは律の得意料理だ
そのことはみんな知っているし、その味も知っている
律の顔をちらっと見る
……おいおいおい、なんで半笑いなんだ……
● 律side
くくく、まだだ。まだ笑うな
この作戦はまだ成功しちゃいない
だが、それも時間の問題だろう
ほら
唯「えぇ~、りっちゃんのハンバーグ楽しみだったのに~、ぶぅぶぅ」
きたああああああああああああああああ
これを待っていた
なぜなら
律「しょうがないあなぁ。じゃぁ、今度また作りにいってやるから、今日は鍋とかにしとこうぜ~」
唯「……ぶぅ、約束だよ~」
律「あぁ、約束だ、ほらっ」
そういって小指を差し出した
唯「ゆびきり~げんまん~~~~~~…………指切ったっと」
「約束だからね~!」
よっしゃあああああああああ、今日はもう手を洗わない。
しかも、今度唯の家に行く約束までゲットオオオオオオオオ
3人の顔をうかがうと
……ほら、どうしたその、してやられた って顔は
結局、お前らより私のほうが一枚上手だったって話だよ
だって、部長だしな~
● 梓side
……やられた!!
おかしいとは思ったものの、律先輩だから油断していた
唯先輩との約束だとおおおおおおおおおお
その上、指きりだとおおおお
あの小指切り落として、コレクションしてやろうか
……いや、でもベースは律先輩だしなぁ
どうせ、律先輩は今日は手は洗わない とか思ってるんでしょうけど
私なら3日は洗いませんから!
なんとかして小指だけはお風呂に入るときも、手を洗うときも死守しますから
……あぁ、でもそれも仮定の話
梓「(むなしい……)」
● 唯side
うーん、本当はハンバーグも楽しみだったけど、みんなでお鍋も楽しそうだからいっか
それにりっちゃんも約束してくれたしね~
律「それじゃぁ鍋決定な」
うん、お鍋も楽しみだよ~
あれ、澪ちゃんたちどうしたんだろう
なんか様子が変だよ?
律「それじゃぁ、なに鍋にするか……だが」
はい!はい!りっちゃん私に考えがあるよー!!
唯「ハイ!りっちゃんたいちょー!ましゅまろ!ましゅまろがいいとおもいます」
律「はい、唯隊員、真面目に考えてください」
あう、真面目だよ~!
澪「……そのだな、うん、たまにはかわった鍋もありじゃないかなぁ」
ほら、澪ちゃんもありって言ってるよ!!
律「………」
あれ、なんでりっちゃん黙っちゃうの?
● 澪side
あぁぁ、やっちゃった
つい唯に賛成しちゃった
いや、正直言うなら、マシュマロはない。
うん、これだけはいえる
でも
……ほら、あの、好きな子にいい印象持ってもらいたいとか、そういうのが……
ぁ、だれか止めてくれ
……おい、律、その考えはバレバレなんだよ みたいな顔するのやめろ
ほら、ムギや梓も止めてくれ
マシュマロの入った鍋なんて食べたくないだろ?
……いや、二人ともそんな目でこっちみるなよおぉぉ
紬「それじゃぁ……」
きたあああああ、ムギィ。ほんと頼む
紬「2つ作りましょう。そのマシュマロを投入したげr……そのユニークなお鍋ともう一つ普通のやつを」
おい、今ムギ、ゲロって言おうとしなかったか?
仮にも唯が発案だぞ。おい
それにしても
……ほんと皆自分本位だなぁ……
いや、私も人のこと言えないけど
● 憂side
ふふふ、皆さんいい感じだよぉ~
ハーレム状態でお買い物。
きゃー、おねえちゃん、かっこいい!
ほら、みんな好き好きオーラがでてる
……あっ、そういえば夕ご飯はなににするんだろう
そしておねえちゃんが手に持つものを見た
憂「……ましゅまろ?」
あれでなにをするんだろう
あぁ、食後に食べるのかな?
ふふっ、おねえちゃん本当に甘いもの好きなんだから
あっ、いけない。先に帰っていろいろと支度しないと!!
……いろいろと……ね
――唯宅
● 紬side
唯「というわけで、第何回目かになる鍋パーティをはじめたいとおもいます!!」フンスッ
すでに準備はばっちりで、唯ちゃんだけが食卓についている
そして私も含めた皆はというと……
紬「(私は唯ちゃんの横がいいです!!)」
澪「(あ、ずるいぞ、ムギ!!)」
梓「(そうです!!幸い、今は唯先輩の横は両サイドとも空いてます!!つまり二人はハッピーになれます)」
なぜ心の中で私達は会話してるのだろうか。
あっ、これも唯ちゃんへの愛があって故に私達に目覚めた能力なのね~♪
澪「(いいや、その考えは甘い……唯の横は一つしか空かない)」
梓「(……!? なぜですか!? まさか澪先輩が とか言うのはなしですよ)」
澪「(いいや……なぜなら……そう)」
澪ちゃんが視線を送った先を同じように見た
憂「おねえちゃーん、切ったお野菜とかここに置くね~」
唯「あぁん、う~い、本当にもう大丈夫なの~?」
憂「うん、もう平気みたい♪」
……そうね、憂ちゃんは必ず唯ちゃんの横に座りたがるわ
澪「(わかっただろう……? つまり空く席は……1つ)」
梓「(なるほど……たしかに憂にはあまり強引にでられませんね……将来の義妹ですし)」
澪「(だろう? まぁ、憂ちゃんの義姉になるのは私だけど。で、どうするかだ……)」
紬「(さっきと一緒でジャンケンって言うのはどうー? 義姉になるのは私だけど♪)」
澪「(うん、まぁそれで……いや、梓、そういえばさっき貸しがあったよな?)」
紬「(あら~、そうね~。そういえばそんなものがあったわね~)」
梓「(……むっ……まさか私に諦めろとでも?)」
澪「(いいや、さすがにそんなことは言わないさ。そこまで私達も鬼じゃない。ただグーを出してくれるだけでいい)」
紬「(そうね~。それにしましょう~♪ まさか梓ちゃん嫌とは言わないわよね~?)」
澪「(おいおい、ムギー、あんまり梓を疑ってやるなよ~。それにもしここで貸しを返してくれないなら、利息がついてもっとひどいことになるだけだろう?)」
紬「(えぇ……そうね、それじゃぁ、梓ちゃんを信じましょう♪」
梓ちゃんを見るとなぜか悔しそうな顔をしている
……あら?なにか悪いことでもしたかしら~?
梓「(……先輩方、ほんとに鬼ですね……)」
……ひどいわぁ、梓ちゃんの利息が増えると困るだろうな って考えての提案なのに
●律side
……あいつら、なんで立ったまま睨み合ってるんだろう?
まぁ、いっか
唯はすでに、席につき食べる準備万端だ
律「(あっ、あいつらどこ座るかで睨み合ってんのか……)」
いや、確実にそうだろう
……あ、梓がなんか悔しそうな顔してる
どうなってんだよ、あれ、一見睨み合ってるようにしかみえねー
なにはともあれ
律「(そうだな……なら私は……)」
律「よっと」
座る位置を決めて、腰を下ろした
そう
唯「おー、りっちゃんだー!」
唯の向かいの席へと
……あいつらは、横を取ることで必死だろう
憂ちゃんの存在もあり、唯の横に座れるのはおそらく一人だろう
ならば私はそんな競争率の高い無謀な勝負をするより
……確実に唯の正面をとりに行く!!
ここならば、唯と何度も目が合うことは必定
律「(ふふふっ、策士のりっちゃん、ここにあり)」
唯「りっちゃん?」
おっと、唯の前で怪しげな笑みを浮かべるのは良くないな
気をつけよう
と、その時
律「…! あいたっ!!」
なぜか上から衝撃がきた
何かと思い振り向くと
拳をかためた澪を先頭に、梓とムギが立っていた
澪「ちょっ、お前こいっ」
そう澪が言うと、ムギの手が私の肩をつかんだ
……あれ、デジャブ?
そしてそのまま引きづられ2mほど強制的に移動……いや、もはやこれは拉致だ拉致
律「(ほらっ、唯がこっちを心配して………みてねえええええ!!」
唯の視線は鍋に釘付けだ
律「(ほんと、かわいいなこんちくしょー)」
最終更新:2010年12月23日 01:32