aces @Wiki内検索 / 「Main Story Ⅰ-1」で検索した結果

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  • Main Story Ⅱ-1
    Back to Ⅰ-15 第二章 第一節 見えていること、見えていないこと。 気付く、新しい世界。 何も変わってはいないのに。 今すぐ君に、会いたくなった。 それでも、今は。 あそこではないどこかへ。 大事なものの無いどこかへ。 せめて、何かが変わるまで。 『閉ざされた水の街』 穏やかな気候の中、軽やかな足取りで馬は進む。緑の多い景色と暖かな日差しに包まれていれば自然と心も弾んだ。 特に春日は何を見ても興味をもつらしくいちいち馬車を降りたがり、エレンを少々困らせていた。 「ねぇ今何かそこで動いたよー!」 「あら、本当ですね。一体なんでしょう?って……あぁっあまり乗り出したら危ないです!」 「あっあっちも!」 騒がしい馬車を微笑ましさ半分、呆れ半分で見やりながら琴菜が笑う。 「こら春日、あんまり迷惑かけるな……子供じゃあるまいし」 ...
  • Main Story Ⅲ-1
    Back to Ⅱ-14 第三章 第一節 高い天井に子どもの笑い声が響く。 石の壁に跳ね返されたその声はどこか無機質で奇妙な違和感を与えた。 「どっかのバカが一人死んだよ。でも、なかなか面白いものもみつけてくれた。楽しくなりそうだ、ねぇ?」 装飾された椅子の肘掛に浅く腰掛けるようにもたれた少年は、その椅子に深く座った男に口元だけの笑みを向けた。 「あれに、何か影響が?」 年不相応なその笑みを見返す男の瞳はどんよりと曇っている。 「あっけなかった、と思っていたよ。でも、"あいつ"は興味深いものを遺した。見極める必要がある」 「見極める……」 「今度こそ、うまくいくと良いな」 細められた少年の瞳が鈍く光った。 くすぶっていた叛乱の火が、確かに温度を上げていくのを見て取ったルギネスは、休養をとった後の出発を告げる。...
  • Main Story Ⅱ-12
    Back to Ⅱ-11 第二章 第十二節『矢車菊色の天使』 繊細な硝子細工が崩れたような音がした。 呆然と立ちすくむ男や澪達を尻目に、ステンドグラスのような羽根を広げたジルコンは薄く笑みを浮かべた。 「久しぶり。おはよう、サファイア」 祭壇に安置されていた大粒のサファイアを覆うように人影が浮かび始める。 幾重にも細い金細工で飾られた細い足首。 細くしなやかな腰と足首まで覆う幾重もの薄布は、一枚一枚に濃淡の差がある青。 大きく肩の開いたゆったりした青い布地の間からのぞく、白く細い腕にも細い金細工が飾られている。 細い首筋の先に見える耳は先が少し尖っている。耳たぶを飾る金と青い石の耳飾りや、手足の飾りが巻き上がる風で涼やかに鳴る。 舞い上がる髪は、絹糸のように細く艶やかな青。真ん中で分けた前髪の付け根には一際美しく輝くスター・サファイア。 ...
  • Main Story Ⅱ-14
    Back to Ⅱ-13 第二章 第十四節 閉鎖されたままの街にたどり着いたのは日も落ち夕闇が辺りを支配し始めた頃だった。 さらさらと水の流れる音を聞きながら、いまだ湖底に沈んだままの桟橋から街へと続く石垣をよじ登る。 薄暗い中もたれかかった石垣に濡れたような感触を覚えて、澪はついた手を引っ込めた。隣を見れば琴菜も同じように怪訝な顔をしている。 「なに……?水?」 「水路から水が溢れているんです。偵察に来た方々も驚いてらっしゃいました」 身軽に石垣を登り手を差し伸べたエレンが頭上で言う。 足場の悪さに閉口しつつ石垣の上に立つ。わずかに山の端から顔を出した月の光に照らされた街は、さらさらと心地よい音をたてる水の流れに洗われて侵しがたい聖域のように見えた。 魔物兵たちの再度の攻撃を恐れているのか、住民たちは街に留まらずその周辺で未だに野宿してい...
  • Main Story Ⅱ-11
    Back to Ⅱ-10 第二章 第十一節 「レイ、前触れ無しにあぁいうの、やめない?」 「…………」 静かに怒りを発しているカサンドラの足元で澪は、乱れた呼吸を何とか戻そうとしていた。 「澪、大丈夫か?」 「れいちゃん、お水飲む?」 けろりとした琴菜と先程まで肩で息をしていた春日が俯いた顔を覗き込む。 「……だめだねー、反応無し」 「こんな側にいるのに?」 「存在自体気付いてないかも。さっき外で色々やったけど反応なかったし」 神殿を入ってすぐに広い空間があった。 外観は灰色がかった白だったその建物の中は、壁や床、等間隔に並ぶ柱や高い天井までくすんだ青の石造りだった。 壁際にそって浅い溝が掘られ、柱と同じ間隔で目線の高さに流れる水のような曲線を描く彫刻の飾りがついている。 柱の根本や中程、天井との境目も同じような彫刻で飾られているが、...
  • Main Story Ⅱ-10
    Back to Ⅱ-9 第二章 第十節 結局、カムフラージュになるかと身を覆っていた深い緑色のマントを湿った地面に敷いて一晩を明かした。 すぐそばに魔物兵がいるということもあって春日以外一睡も出来なかった。 しかし、物陰に隠れているとはいえすぐそばにあるはずの陣からは物音一つしていない。 朝日がようやく一条の光を放った頃、大胆にもテントに近づいていったカサンドラは昨日とは打って変わって足音一つ立てずに戻ってきた。 「本隊にしては数が少なかった。町に出払ってんのかな?」 「……いや、奴らの目当てが石精霊なら、わざわざ多数が町にいる必要は無いだろう。何かあったのか?」 「人数は少なかった、って町の人は言ってたよな」 琴菜が呟くとカサンドラはそうだっけ?と惚けてみせる。 「昨日街にいた魔物兵、随分訓練されていた。なぜかはわからないがいるとしたら精鋭だろう...
  • Main Story Ⅱ-13
    Back to Ⅱ-12 第二章 第十三節 細い水路に流れる水量が流れ始めた頃と比べて急速に増え始めていた。 水路から溢れ出した水が靴を濡らす。 気付いたカサンドラが声にならない悲鳴をあげ、気配を探るような表情をしていたサファイアがハッと僅かに身長の高いジルコンを見上げた。 「先程、外で何かしました?」 「……なんで?」 「湖の水源は、封印が破られる以前はこの神殿の真下にありましたが今は枯渇しています。この地下祭壇は石組みで水量を調節していたので人も入れましたが、でもこれは……」 「一体、何が……」 ルギネスが先を促そうとする声は石造りの壁に反響した、耳障りな笑い声にかき消された。 全身に浮かび上がる文様からパタパタと赤い雫が散り、水面に波紋を描く。 狂ったように笑い続ける男のまわりを、今にもかき消えそうな光がいくつか飛び交っていた...
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