序章 決意-Eugene




11:43 January 18,2012
WO. Eugene "Crux" Warren
the Korean Peninsula Coastal



自分は正しいのか。これは人の為になる仕事なのか。
今でもその答えは出ず、心には迷いが生まれていた。


「Cruxから第7JTS各機へ。
変電施設を確認しました。340度、距離54マイルの地点です。
Blaze各機、先行しSAMを破壊して下さい。」
『こちらBlaze1、了解。針路を修正、引き続き飛行する。

なあ、いつになったらUNJFは大規模な攻撃を仕掛けるんだ?
もう少しで北朝鮮まで攻め込めるのに、ちまちま攻撃していても意味が無いだろ!
しかもこういう特殊な作戦は俺たちに任せてばかりだ。』

「気持ちはわかりますが、UNJFは治安維持軍という建前上、そう簡単に攻め込む訳にもいかないんです。私たちPMCに任せておいた方が都合が良いんでしょう。

さて、ようやく目標に近づいてきましたよ。任務に集中して下さい。」
『了解だ。しっかり誘導頼むぜ!

俺たちはお前がいないと飛べないんだからな!』
「は・・・はい、勿論です!」


戦友の位置を示す青色の点が、モニター上を滑っていく。

航空管制を担当するようになってからもう随分経った。オペレーターの仕事は、本当に自分に向いていると思う。
勿論、指示を間違えれば戦友を危険に晒してしまうこともある。しかし、作戦はオペレーター無しでは遂行出来ない。

「各機、注意して下さい。目標周辺に2機のSAMを確認しました。」
『了解。』

そうだ。

自分が正しいかなんて、人に決めてもらうことじゃない。
戦友の為、大切な人の為に、この仕事をしている。十分な理由じゃないか。


自分の尊敬する人が、自分の仕事に誇りを持てることは幸せだと言っていた事を思い出した。誇りを持っていればどれだけ困難な事があっても立ち向かっていける、と。

『SAMを破壊!』
『Blaze4よりBlaze1へ、残りは目標施設のみです。』
『了解、あとは任せろ。』

今、その意味が本当に理解出来た気がした。
これから厳しい戦いが待ち受けているかもしれない。

『こちらBlaze2。目標をロックオン。発射!』

モニターから赤い四角が消えた。
『目標、電磁波レベル低下。機能を停止したものと思われます。』

任務完了の報告を聞きながら、Cruxは誓った。
どんな事があろうと諦めず、皆を導いていこう。

「こちらSentry2、了解。帰投して下さい。」

夜空に輝く、南十字星のように。



To be continued...

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最終更新:2012年05月10日 22:07