概略
金汐線(かねなぎせん)は
中部鉄道が運営する路線である。大渋湖から汐凪市へ流れる汐凪川に沿っており急峻な汐凪谷地にある集落を結んでいる。そうした過疎地域を結んでいるため年々乗客数が減少している。
路線データ
鉄道路線データ |
|
路線名 |
金凪線 |
よみ |
かねなぎせん |
ラインカラー |
なし |
運営事業者名 |
中部鉄道> |
停留所数 |
22駅 |
総路線距離 |
48.9km |
最高速度 |
80km/h |
開通年月 |
1978年5月 |
営業係数(2012年度下半期) |
158.1 |
路線電略 |
カナ |
保安機器 |
中鉄式ATS(金島~母衣)・特殊自動閉塞(軌道回路検知式)(母衣~汐凪) |
管轄 |
金島運輸区母衣支所 |
備考 |
|
運転系統
普通列車
朝夕の一部の運用を除き、ほとんどの列車がワンマン化されている。優等列車は設定されておらず全ての列車が線内折り返しの普通列車である。 しかし金凪線専用のワンマン車に予備車が確保されてない為に検査時など車両が確保できな場合は2750系もしくは1000系の3両編成で代走を行いこの場合は車掌が乗務する。ただし回生ブレーキを装備する2750系は変電所の関係により金島~母衣間のみの運用である。朝夕の一部を除き2両編成のワンマン列車となっている。
列車は全線通しの運用のほか金島~母衣間の区間列車も設定されている。汐凪~母衣はおおむね40分間隔で運行。また母衣~金島は区間便も入り20~40分間隔となる。
また汐凪市発15:10発の列車では母衣駅まで新聞輸送が行われる。途中には那賀峠が存在し道路の整備状況がよくない為に続いており現在は1000系の3両編成が充当され一番前の車両は貸切扱いとなっている。 当列車は中鉄では唯一の荷物列車となっている。
快速列車
早朝の母衣発夕凪市行の1本のみ設定されている。夕凪市駅で荻鉄の特急列車と接続をとる。一部駅では始発も兼ねる運用となっている。 停車駅は安生、和田市、上和田、楢井原から汐凪市までの各駅となっている。なおワンマン列車となっており中鉄唯一のワンマン快速となっている。
臨時列車
8月24日には汐凪市で汐凪花火競作大会が行われ、その日は臨時列車が設定される。また金島~母衣折り返しの列車も汐凪市へ延長運転を行う。臨時列車は主に汐凪~母衣間で設定されており、また一部定期列車は3両編成ないし4両編成の増結が行われる。
その為一部定期列車と臨時列車は車掌が乗務し、一部無人駅では臨時改札を設置し切符の販売や回収をおこなう。
ワンマン放送
始発駅発車前 |
「この電車はワンマン列車の汐凪市行きです。汐凪市まで各駅に停まります。発車までしばらくお待ちください」 |
始発駅発車後 |
「本日は中部鉄道ご利用くださりありがとうございます。この電車は金凪線ワンマン列車の汐凪市行きです。終点汐凪市まで各駅に停まります。お客様にお願いします。この電車はワンマン列車となっております。無人駅でご乗車の際にはドア横にある開けるのボタンを押していただき整理券をお取りください。またお降りになる際には一番前の運賃箱に整理券と一緒に運賃をお支払いただき前の扉をご利用ください。また定期券のお持ちのお客様は運転士にお見せください。優先席付近では携帯のご使用をご遠慮ください。その他の場所ではマナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。まだ車内は禁煙となっております。ご協力をお願いします。」 |
途中駅発車後 |
「ご乗車ありがとうございます。ワンマン列車の夕凪市行です。次は小酒沼に停まります。」 |
無人・簡易委託駅到着前(パターンⅠ) |
「間もなく音渡、音渡です。忘れ物ございませんようご支度してお待ちください、お降りの方は前の方にお進みになり一番前の扉をご利用ください。間もなく音渡です。」 |
無人・簡易委託駅到着前(パターンⅡ) |
「間もなく小酒沼、小酒沼です。金島線はお乗換えです。次の駅でお降りのお客様は運賃箱に運賃をお支払ください。定期券のお持ちの方は運転士にお見せください。間もなく小酒沼です」 |
無人・簡易委託駅到着 |
「お降りのお客様は前にお進みください。定期券のお持ちの方は運転士にお見せください。」 |
有人駅到着前 |
「ご乗車ありがとうございます。間もなく母衣につきます。母衣線、番場原線はお乗換えです。忘れ物ございませんようご支度してお待ちください。次の母衣駅では全部のドアが開きます。お近くのドアからお降りください。」 |
路線風景
金島~母衣間
金島駅を出て大きく左に曲がり、しばらくは金島市の郊外を走行する。 小酒沼駅を過ぎると右手に大渋湖が見え湖の南岸に市街地が広がる大渋町に
運用車輛
現用車輛
1000系(2両編成ワンマン電車・定期運用)
1000系(3両編成・定期運用(朝夕の一部運用のみ))
1100系(2両編成ワンマン電車・定期運用)
2750系(3両編成・定期運用(朝夕の一部運用のみ 金島~母衣間のみ))
3200系(2両編成ワンマン電車。定期運用)
駅データ
凡例◎管理駅○有人駅△管理委託駅×無人駅
駅名 |
駅名読み |
起点からの距離 |
電略 |
接続路線灰色は廃止路線または未成線 社局名は当時 |
駅種類 |
乗降人員 |
備考 |
所在地 |
金島 |
かねじま |
0.00 |
カネ |
皆北線 |
◎ |
7,968 |
|
皆見県 |
金島 |
深見町 |
音渡 |
おとわたり |
1.8 |
オト |
|
× |
141 |
|
三本松 |
小酒沼 |
こさけぬま |
2.9 |
コサ |
金島市内線 |
× |
219 |
交換可能 |
小酒沼 |
金島時ヶ原 |
かねじまときがはら |
3.5 |
トキ |
|
× |
193 |
|
時原 |
蒲原 |
かばはら |
4.4 |
カバ |
|
× |
341 |
|
蒲原 |
大渋湖 |
おおしぶこ |
5.8 |
シブ |
|
△ |
549 |
交換可能 |
大渋町 |
大渋 |
湖南 |
こみなみ |
7.4 |
コミ |
|
△ |
441 |
交換可能 |
湖南 |
霧石 |
きりいし |
9.1 |
キリ |
|
× |
83 |
|
霧石 |
中野甲 |
なかのこう |
10.6 |
コウ |
|
× |
101 |
|
皆見古田町 |
中野甲 |
古田町 |
ふるたまち |
12.9 |
フル |
|
○ |
453 |
交換可能 |
中野甲 |
大凪川温泉 |
おおなぎかわおんせん |
14.9 |
ナオ |
|
× |
53 |
|
大井田 |
大成 |
おおなり |
17.1 |
オオ |
|
× |
63 |
交換可能 |
大成 |
上母衣 |
かみほろ |
19.4 |
カホ |
|
× |
113 |
|
母衣町 |
東新田 |
母衣 |
ほろ |
22.7 |
カホ |
|
◎ |
619 |
母衣線交換可能・当駅発着列車あり |
|
皆見大島 |
春上遠 |
はるかみえん |
23.9 |
ハル |
|
× |
43 |
|
春遠 |
安生 |
やすお |
25.0 |
ヤス |
交換可能 |
△ |
119 |
|
安生 |
井田原 |
いだはら |
26.4 |
イダ |
交換可能 |
× |
52 |
|
井田 |
守厦門 |
かみあもい |
27.9 |
アモ |
|
× |
73 |
|
和田市 |
東鶴馬 |
和田市 |
わだし |
29.5 |
ワダ |
交換可能 |
◎ |
419 |
|
両毛町 |
上和田 |
かみわだ |
30.9 |
カダ |
交換可能 |
○ |
212 |
|
稲毛町 |
弓削 |
ゆみけずり |
31.5 |
ユミ |
|
× |
87 |
|
弓削 |
楢井原 |
ならいはら |
32.9 |
ナラ |
|
× |
113 |
|
母子里町 |
楢井原 |
母子里 |
ぼしさと |
35.2 |
ボシ |
交換可能 |
○ |
413 |
|
諏訪間 |
七主田 |
なぬしだ |
37.8 |
ナヌ |
|
× |
119 |
|
楢井原 |
戸田部 |
とたべ |
39.3 |
トタ |
交換可能 |
× |
93 |
|
汐凪市 |
戸田部 |
大那賀 |
おおなが |
41.8 |
オナ |
|
× |
192 |
|
那賀 |
西那賀 |
にしなが |
43.1 |
ニシ |
|
△ |
341 |
交換可能 |
那賀 |
大夕凪 |
おおゆうなぎ |
45.3 |
オオ |
|
◎ |
541 |
交換可能・夜間停泊あり |
東 |
汐凪市 |
しおなぎし |
48.9 |
ユウ |
|
△ |
1329 |
荻沢電鉄雲原線 |
中央 |
存続問題
2010年3月に中鉄が、金凪線の利用活性化策を2010年末までに、沿線の金島市、和田市、大渋町、母子里町、母衣町、皆見古田町に対して示すように求めた。「大量輸送機関として鉄道の特性が発揮できないほどに利用者が少ない」との認識が示され、中鉄側の企業努力は既に限界を超えているという
2000年に中鉄の浦田総一郎社長が定例記者会見の席で「不採算路線の整理・統廃合を関係自治体と協議したい」と発言し、母衣線、
目立川支線などとともに廃止・譲渡検討路線として挙げられ、ワンマン運転導入や途中駅の無人駅化などの合理化が行われた。金夕線では全車ワンマン化及び減車。ダイヤの減便(日中30~40分→40~60分間隔)。弓削・安生・蒲原・小酒沼が無人駅化された。
しかし利用客の減少と運行本数の悪循環が続いているため、2007年10月20日に中鉄の要請で金夕線の利用促進と経費節減を図る目的とする、沿線の三市四町と中鉄で構成された金凪線対策協議会を設立した。この会で中鉄は今後変電所などの施設の更新費や車両の代替費により必要経費が嵩むことを踏まえ、沿線自治体に廃止の意向を伝えた。 しかし沿線自治体の「金島地域の公共交通機関を維持したい」と反発。存続を要望した。協議会では5年間の廃止猶予が設けられ、その間の赤字補填は各自治体が行う事で結論ついた。また中鉄側もより一層の経営努力を行う事で結論ついた。具体的には協議会で行われた沿線住民対象のアンケートであげられた「列車の間隔の不均等の是正」「皆見本線の接続の改善」が実施された。
2009年の中間報告では金汐線の利用客数は2007年比の103%と微増の値を示した。しかしながら以前赤字には変わらず廃止の危機にある。期限となった2013年度は乗客数の僅かな上昇および沿線自治体の補助もあり猶予を5年延長した。
廃止問題における議論点
金凪線における橋井問題において以下の点が問題となっている。
- 金凪線の乗客の5割は学生による通学定期。
- 那賀峠の代替交通が不便である事、路線延長が長い為バス代替が難しい
- 車両及び施設の老朽化。特に変電所施設は老朽化が激しく制限もある。
合理化策
2014年度の施行を目指し以下の合理化策が進められている。
- 駅務集中操作システムの導入により母衣から汐凪市駅間の駅をすべて無人化する予定。
- 夜間停泊がある大夕凪駅も無人化対象である。なお乗務員の宿直は継続するが駅業務は停止する。
- 和田市駅の券売機による販売は継続する。また改札機も引き続き稼働する。母衣駅駐在の駅員へのインターフォンも設置する。
- 大夕凪駅は現在のところ無人化予定である。なお西那賀駅は引き続き簡易委託を行い切符の販売を行う予定。
- 母子里駅は母子里町に切符販売を委託する予定です。なお切符の回収および運賃精算は車内で行います。
一方で以下の施策を行う予定
- 日中の母子里~汐凪市間の区間便を設定し試験的に増便を行う。(現行60分間隔→30分間隔)
- 早朝の快速便の設定(1本)。(荻鉄雲原線の始発特急接続の為(6:00発の特急みなみに接続するダイア構成))
停車駅:母衣、安生、和田市、上和田、楢井原から汐凪市までの各駅
- 終電の繰り下げ。22:30母衣行→23:00母子里行
- 臨時駅として大夕凪~夕凪市の駅間に新駅を設置する。近くに夕凪市立図書館などがある。
最終更新:2014年01月14日 21:08