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部員めぐり・玄

691 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 00:43:46.73 ID:Ny+tLUH6o

……
…………
………………

 キーンコーン カーンコーン
   キーンコーン カーンコーン

今日も休み時間がやってきた。

チャイムが鳴り止むと同時に、隣の新子さんへ声をかける。

京太郎「なあなあ、玄先輩って何組か知ってる?」

憧「玄? 知ってるけど……もしかして、今日も行く気なの?」

京太郎「ロンオブモチ。目指すは部員コンプリートだ!」キリッ

憧「呆れた……」ガタッ

京太郎「……」ジー

憧「……なに?」

京太郎「あ、いや、新子さんこそ今日もついてきてくれるんだな」

憧「文句ある?」ギロッ

京太郎「アリマセンッ! で、でも流石に今日は大丈夫だって。相手も先輩なんだし」

憧「甘いわね」

京太郎「ひょ?」

憧「確かに玄は先輩だけど、危なっかしさで言えばしずと同等かそれ以上なんだから」

京太郎「なにそれこわい」

695 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 01:26:13.19 ID:Ny+tLUH6o

~二年の教室~

憧「ほら、玄のクラスはここよ」

京太郎「サンキュー。さてさて先輩は……あ、いた」

また窓際だった。窓際ブームか。

ここで先輩を呼ぶ為に大きな声を出しては昨日の二の舞だ。

しかも二年に男子はゼロ。更に目立つこと請け合いである。

ので、

京太郎「スイませェん……」

廊下側にいた見知らぬ先輩に話しかける。

「はーい? って男子だ!?」ギョッ

男子です。

696 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 01:36:43.52 ID:Ny+tLUH6o

京太郎「あの、一年の須賀という者ですが、松実先輩を呼んでもらえますか?」

「まつみ……って、松実玄ちゃん?」

京太郎「はい」

「ん、分かった。ちょっと待ってね」

京太郎「よろしくお願いします」

頼み事、滞りなく終了。

隣で新子さんが「え、なに今の猫被り……?」とでも言いたげな顔をしているように見えるがきっと気のせいだろう。

憧「え、なに今の猫被り……?」

気のせいじゃなかった。

それに対して反論しようとした時、俺の頼みを聞き入れてくれた親切な先輩がすぅーっと大きく息を吸い込んでいるのが見えた。

次の瞬間。



「クロちゃーーーん!! 男の子が面会にきたよーーーーー!!!」>ワ<



京太郎「アイエエエエエエエエ!!?」

698 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 02:06:35.48 ID:Ny+tLUH6o

センパイ!? センパイナンデ!?

なんで今の流れでそんな大ボリューム!?

あと先輩が満足気に「ふぃ~いい仕事したぜー」とでも言いたげな顔をしているように見えるのはきっと気のせいですよね!?

「ふぃ~いい仕事したぜー」

気のせいじゃなかった。

それに対して抗議しようとしても時既に遅し、教室内は上を下への大騒ぎとなっていた。

玄「!? !!? !?!」

中心は当然、玄先輩。

遠目に見ても可哀想なくらい狼狽してらっしゃる。

「なにあの子! もしかしてクロちゃんの彼氏!?」

玄「ち、違うよぉ! 須賀くんは部活の後輩で……!」

「部活の後輩に手ぇ出しちゃったかー。やるね松実さん」

玄「だから違うんだってば~!」

灼「ヒューヒュー」

玄「灼ちゃんは知ってるよね!?」

なにやってんだ鷺森先輩。

699 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 02:42:09.47 ID:Ny+tLUH6o

そんな騒動が数分続いて。

群衆から解放された時には、玄先輩はボロ雑巾のように成り果てていた。

玄「お、おまたせ~」

そのまま俺達の前に立つ玄先輩。

かなり際どいレベルで着衣が乱れている。眼福。

京太郎「こんにちは先輩。お疲れ様でした」

玄「あはは……あれ、憧ちゃんも来てたんだね」

憧「やっほー玄」ヒラヒラ

玄「やっほー。二人でどうしたの?」

京太郎「実は今ですね、部員との親睦を深めよう週間というのを個人的に実施してまして」

隣で新子さんが「本当に毎日やる気か」という顔をしている。これはもう気のせいではない。

京太郎「昨日が穏乃だったんで、今日は玄先輩とお喋りなんかしたいなーと……迷惑でした?」

玄「ううん、すごく素敵な考えだと思うよ! 私で良ければお相手します!」ニコッ

京太郎「ありがとうございます! じゃ、訊きたいことを何なりと!」

玄「私が質問する方なんだ!?」ギョッ

701 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 03:40:01.34 ID:Ny+tLUH6o

京太郎「はい!」

玄「うぅ、すごく爽やかに肯定されちゃった……」

京太郎「なにせ思い立ったのが月曜の夜だったんで、トークの中身までは用意出来なかったんですよね」

玄「そ、それはなかなかのなかなかだね。質問かぁ……」

うむむ、と律儀に悩んでくれる玄先輩。良い人だ。

玄「あ、そうだ!」

京太郎「何か思いつきました?」

玄「うんっ。………………あー、でも、どうしよ……」

京太郎「?」

なにやら言い淀んでいるご様子。

心なしか顔も赤いような……

京太郎「玄先輩? どうかしました?」

玄「ん……あのね、ちょっと真剣な質問なの。正直に答えてくれるかな?」ジッ

京太郎「は、はい」ゴクリ

703 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 04:01:49.37 ID:Ny+tLUH6o

俺はいかなる質問――例えば3サイズ――にも答えられるよう身構える。

玄「……よしっ!」グッ

玄さんも覚悟完了したようだ。

視線が強く交差する。

そして、

玄「須賀くん!」

京太郎「はい!」















                      -――-
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            /::/::.:: /::.::.::./:|::.::.::.::.:|::.::.::.::.:i.::. ::.:
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             |::i::.::.:|::.:|{ rJハ  \_{.rJハ }|::.:| ::.|
            V|::.::.|::.:| 弋ツ    弋ツ ::. | ::.|
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             「女の子の胸に……興味、ある?」

京太郎「あります(即答)」

707 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 04:18:28.50 ID:Ny+tLUH6o

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  / ゝ     /'⌒ヽ/   マ> ´  \     /::::::::::::i::}

      「本当に!!?」

京太郎「おうっ!?」ビクッ



玄「本当に興味あるの!?」ズイッ

京太郎「は、はい」

玄「ほんとのほんと!?」ズズイッ

京太郎「ほんとのほんと」

玄「やっぱり男の子はみんな好きなのかな!?」ズズズイッ

京太郎「嫌いな奴は少ないと思いますけど……」

玄「じゃあじゃあ須賀くんも!?」

京太郎「大好きですね(即答)」

玄「~~~ッ……やったぁー!」ダキッ

京太郎「ふおおおおおおおおおおッ!?」

むにゅうと潰れた感触ガー!?



憧「いーかげんにしなさいっ!」

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   <    /_  /乂   f i |  !  i ∨::.::.::ミ:.、
    |/\| 二 ミ 、 ..:..:\ 八}  {   }  }  }::.:.:.:.:.:.::.::\
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          「ぁたっ」

713 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 04:54:38.88 ID:Ny+tLUH6o

ぽこん、と。

一発のゲンコツが狂乱めいた事態を終息させた。

いつの間にか玄先輩の背後に回っていた新子さんの仕業だ。

憧「玄ってば興奮しすぎ! 落ち着いて前見てみなさいよ!」

玄「へ? 前……」チラッ

京太郎「」

玄「………………わひゃあああっ!?」バッ

大慌てで俺から飛び退く玄先輩。

口ではゲスゲス言ってる俺もリアルでの接触には免疫がないので、今は素直にホッとしてる。

玄「ごごご、ごめんね須賀くん! お仲間に会えたのが嬉しくって、つい……」

京太郎「こ、こちらこそ……って、お仲間?」

憧「玄も好きなのよ。女の人の、その……胸、が」

京太郎「なんと!?」

714 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 05:18:32.15 ID:Ny+tLUH6o

玄「えへへ、お恥ずかしいのです」テレテレ

憧「照れるとこじゃないから」

京太郎「女の人で胸が好きってのも珍しいですよね」

玄「そうなの。だから同じ趣味の人って今まで会ったことがなくって」

憧「だからって抱き付くのは行き過ぎ」ジトッ

玄「うぅ、ごめんなさい」シュン

叱る新子さんと叱られる玄先輩。どっちが年上だっけ。

玄「でもでも、本当に嬉しかったんだよ? これからは毎日おもち談義が出来るんだーって」ニコニコ

憧「毎日やる気なの? いや玄ならやりそうだけどさ……」

京太郎「……あのー、おもちって?」

会話の流れからなんとなくは分かるが、一応。

憧「胸のことよ」

京太郎「ですよねー」

玄「ただの胸じゃないよ! 程よく大きくて柔らかくって……まさにおもちと呼ぶに相応しい胸のことなのです!」フンス

717 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 05:45:37.91 ID:Ny+tLUH6o

京太郎「ふんふむ」

どうやら並々ならぬ情熱と拘りがあるらしい。

かく言う俺も長野では『「京太郎」の「きょ」は「巨乳万歳」の「きょ」』というキャッチフレーズで通っていた身。

まさか奈良で同好の士(しかも女子!!)に出会えるとは思ってもみなかった。

ここはひとつ、軽妙洒脱なトークで以ってより親睦を深めるとしよう。

京太郎「だったら、」

玄「はい?」



京太郎「玄先輩も結構なおもちをお持ちですよね」



玄「」

憧「」

京太郎「」

やってもうた。

720 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 06:07:23.19 ID:Ny+tLUH6o [13/17]

やってもうた!

さっきまでナチュラルに胸という言葉が飛び交っていたせいで上の口がゆるゆるになってもうた!

憧「     」

京太郎「あわわわわわ」ガタガタ

新子さんが筆舌に尽くし難い表情になってる!

一刻も早く玄先輩に謝らねば!

京太郎「せ、先輩! 今のは言葉の綾と言いますか、断じてセクハラとかそういうんじゃあなくて――先輩?」

憧「玄……?」

玄「」

玄「……」

玄「――」










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721 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 06:29:33.38 ID:Ny+tLUH6o

玄「いいいいいいいい今、いま、私の……む、胸っ?」

京太郎「あ、えっと、はい。すんませんでした」ペッコリン

玄「~~~~~っ!」カァァァ

おおお、玄先輩の顔が見る見る内に茹だって……

玄「わ!!!」

京太郎「WA!?」

玄「わ、わわわ私の胸なんてそんな全然、まだまだだよ! おもちなんかじゃないよっ!」

京太郎「そんなことないですよ! 紛れもなくおもちです!」

ここだけは譲れねぇ!!

玄「そんなことあるもん! だって前に自分で触ってみてもなんかヘンな感じがするばっかりで楽しくなかったし!」

京太郎「さわッ!?」ブホッ

もしかしてとんでもないこと口走ってないかこの人!?

玄「大体おもちって言うのはね誰にも邪魔されず自由でなんというか救われてなきゃあダメなのです! 独りで静かで豊かで――」

憧「だからいーかげんにしなさいっての!」

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          「ぁたあっ」

726 名前:4月10日(水)[saga] 投稿日:2013/06/28(金) 06:59:44.23 ID:Ny+tLUH6o

~教室~

憧「ったく玄は相変わらずなんだから……」ブツブツ

あの後。

つまり、新子さんによる撃滅のセカンドゲンコツが放たれた後。

気付けば休み時間が終わりそうだったので、俺達はそそくさと教室に帰ってきた。

次の授業の始まりを待ちながら、受取人不在の小言を続ける新子さんをボーッと眺める。

憧「男子の前であんなに胸の話ばっかり……それであの無防備さってなんなの……?」ブツブツ

いやに恨みがましい言い草だった。

何か理由があるんだろうか。何か……

京太郎「……あぁ~」ポムッ

憧「……なに? あんまりジロジロ見ないで欲しいんだけど」

京太郎「いや、うん。なんというか、」

憧「?」



京太郎「大丈夫、新子さんもまだ育つって!」ニカッ

憧「うっっっさい!!!」

抹殺のラストゲンコツが火を噴いた。
最終更新:2013年10月16日 00:06