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オムニバス - (2010/10/28 (木) 19:50:44) のソース
*オムニバス ◆.pKwLKR4oQ 「……潮の香り……海か」 「ええ、海ですぜ」 寄せては返す波と岩が接するH-5の海岸沿い。 そこに一人の男と一匹のオコジョがいた。 「ここでも誰にも出会えそうにないか。周囲に人の気配がない」 海岸沿いの岩場に立つ男の名前は室賀豹馬。 この殺し合いに巻き込まれた参加者の一人で、甲賀卍谷十人衆の一人に数えられる程の優れた忍者だ。 数時間前にスザクとキラと別れて以降、誰とも会えないまま南進してとうとう島の最南端まで来ていたのだ。 「はぁ、見渡す限り海と岩ばかり。いつになったら女の子に巡り合えるんだよ~」 豹馬の肩に乗っているオコジョの名はアルベール・カモミール、通称カモ。 殺し合いの参加者の一人であるネギの使い魔で……簡単に言うとエロオコジョ妖精だ。 だが今は豹馬への支給品として配られた身であり、小さな首にはしっかりと首輪が付けられている。 付属の説明書によれば「持ち主から半径10メートル以上離れたら爆発する」らしい。 当初は己の不運を呪っていたカモだが、ここにネギがいると知ってとりあえず豹馬に同行する事になって早6時間程。 だがここにいる『ネギ』がカモの知っている『ネギ』と同一人物ではない事をカモはまだ知らなかった。 (さて、先の放送とやらで分かった事は……この殺し合いを開いた者が複数、おそらく10人以上いるという事ぐらいか。 実際に話していた者が二人、それからその背後から聞こえてきた足音の数、これぐらい聞き分けるのは容易い。 それでこれからどうするかだが、やはり人に会わない事にはどうしようもないな) 豹馬は先の放送を思い出しながら海に別れを告げて後ろに向き直った。 波打つ音を背後に置きながら、次に豹馬が向かう方角は北だ。 「ん、来た道を戻るんですかい?」 「9時にこの近くのI-6が禁止エリアになるらしい。つまりI-5周辺に行けば他の参加者に会える可能性が高い」 「ああ、確かに。I-6には橋がありますし、橋を渡りきったもしくは渡りそびれた参加者が少なからずいるって訳ですね」 「そういう事だ」 ここの時間と地形の表現の仕方はスザクとキラに聞いて全て記憶しておいた。 自分がいた時代のものと違って戸惑ったが、もう慣れた。 豹馬は他の参加者と遭遇するべく一路北へ向かうのだった。 【1日目 朝/J-5 海岸付近】 【室賀豹馬@バジリスク~甲賀忍法帖~】 【服装】江戸時代の医者姿の装束 【状態】健康 【装備】ムラサーミャ&コチーテ@バッカーノ、カモ@魔法先生ネギま! 【持ち物】基本支給品一式×2、天沼矛@古事記、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、首輪(ハルヒ) 【思考】 1:I-5周辺で情報収集と手足になりそうな者を見つけたい。 2:正午にはC-6の豪邸に赴く。 3:一応キラとスザクに協力する。 4:もしも殺し合いに乗った方が得策なら…… 【備考】 ※死亡後からの参戦です。 ※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。 ◆ 【そういえば海沿いには教会という施設があるらしい】→【次へ】 ◆ 「ほう、あの音の正体はこの鐘の音か」 少し前までは4人の男女が一夜を明かした教会も、今では呪われた棺桶の如く不気味な静けさを漂わせていた。 そこに残っているのは少女の死体と、子供用の豪華な服と、人差指と、デイパックが二つ。 古びた教会で何があったのか残っている物から推測するのは難しい。 当然鐘の音に引き寄せられたルガール・バーンシュタインも同様だった。 「何があったかは知らんが、考えても分かりそうにないな」 そう結論付けたルガールの手には教会に残されていた二つのデイパックがあった。 もしかして罠かと思って警戒して近づいたが、結局何もないままデイパックは拾えた。 ついでに中身を確認してみると、一つには刀と本が入っていた。 刀は「紅桜」というなんとも禍々しい妖刀だったが、ルガールは興味がなかったのでそのままデイパックの中へ戻る事にした。 本は「家族輪舞曲」という名の書物だったが、ルガールは興味がなかったのでそのままデイパックの中へ(ry もう一つの方を確認してみると、チェスのセットと時計型麻酔銃なる物が入っていた。 チェスはどうでもよかったが、時計型麻酔銃の方は一応付けておく事にした。 「さて、怪しい洞窟がどうとか……」 先の放送で呼ばれた死者の中には自分がここへ来る前に開いた殺し合いのゲームに招いた者もいた。 だが、それはルガールにとってはあまり関心がなかった。 今のルガールの一番の関心は―― 「次は誰を改名しようか」 ――誰かを改名してやる事だった。 【1日目 朝/A-9 古びた教会内】 【ルガール・バーンシュタイン@アーケードキャラバトルロワイアル】 【服装】赤いタキシード 【状態】健康、命名の能力を吸収 【装備】時計型麻酔銃@名探偵コナン 【持ち物】基本支給品一式×3、紅桜@カオスロワ、『家族輪舞曲』@現実、チェス@コードギアス、ランダム支給品(確認済み)1~3 【思考・行動】 1:人の名前を変えるのが楽しくなってきた。 【備考】 ※椎名桜子のデイパック(基本支給品一式、紅桜@カオスロワ、『家族輪舞曲』@現実)とチェスワフ・メイエルのデイパック(基本支給品一式、チェス@コードギアス、時計型麻酔銃@名探偵コナン)を回収しました。 ◆ 【そういえば教会から一人の嘘吐きな参加者が立ち去ったらしい】→【次へ】 ◆ 「73人か、予想以上の人数だな」 天才詐欺師の異名を持つ秋山深一が放送を聞き終わって抱いた第一感想がそれだった。 この6時間で152人中73人も死んだという事ははっきり言って異常な事実だ。 この事実が正しいとすると由々しき事態だ。 つまり殺し合いに乗っている参加者が異常に多いのか、または人智を超えた力を持った殺人者がいるのか、もしやその両方か。 こうなった以上これまで以上に油断ならない状況であると再認識する必要がある。 (それにしても椎名桜子にチェスワフ・メイエルか……いや、あいつらだって本当は何を考えていたか分からない! やはり信じられるのは自分だけか) これまでだってそうだった。 今の世の中、嘘が蔓延る事は当たり前の事だ。 しかもここは首輪をはめられて殺し合いを強要させられる場だ。 今まで以上に騙し騙されの状況になるのは当然だ。 それは秋山も望むところだった。 (ちっ、なんであいつの事を思い出すんだ!) そんな時に決まって思い出すのはここに来る前に共にライアーゲームに挑んでいた一人の馬鹿正直な少女、神崎直。 直はどこまでも馬鹿正直でそのためライアーゲームでは相手に騙される事も日常茶飯事と言っても過言ではない。 だがそんな直の事が秋山はなんとなく気になっていた。 「ここにあいつはいないんだ。考えても仕方ないか」 そう呟いて秋山はこの殺し合いを制するべく森の中を独り黙々と進んで行くのだった。 【1日目 朝/C-9 森の中】 【秋山深一@LIAR GAME(漫画)】 【服装】黒いTシャツ、ジーパン 【状態】健康 【装備】なし 【持ち物】基本支給品一式、メタモン@ポケットモンスター(ひんし)、ランダム支給品×2 【思考】 基本:ゲームからの脱出。 1:一人で勝ち残る。馴れ合わない。 ◆ 【そういえば教会にいた4人の内で生き残りは秋山ともう一人いるらしい】→【次へ】 ◆ 「……73人も死んだ……でも、そんなの関係ないアル…………人間は、許さない、アル……!!」 その頃、L字ブロックは人間に復讐するために爆走していた。 「で、でも、六条御息所は、別……アル」 【1日目 朝/C-7 森の中】 【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】 【服装】全裸 【状態】健康、人間への怒り 【装備】なし 【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1~3 【思考】 1:主催者を含めて人間は許さない、アル! 2:六条御息所と付き合いたい……アル。 【備考】 ※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。 ※チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。 ◆ 【そういえばこの参加者の中には他にも頭文字がアルファベットの参加者がいるらしい】→【次へ】 ◆ 「まだ誰もいないか」 怪しい洞窟は放送によって何人かの参加者が興味を持つ事になった。 MAXもその一人だった。 元々洞窟の近くにいたMAXは一足早く洞窟に着くと、そこにデイパックと剣が落ちている事に気付いた。 デイパックの中には自分にも配られていた食料や名簿などだけだったので近くに落ちていた剣が特殊な支給品らしい。 だがその剣は炎・氷・雷の三つの属性を持ち、さらに剣と持ち主の攻撃速度を上昇させる流星虫という寄生虫も付いていた。 寄生虫が少し気にかかったが、それに目を瞑りさえすればかなり使える武器だ。 「よし、罠を張るか」 つまりこうだ。 洞窟の前に今拾ったデイパックを放置しておいて、自分は近くの茂みに身を隠す。 当然ここに来た参加者はまずそれに目が行って近づこうとする。 そうでなくてもその瞬間は周囲への注意力が落ちるはずだ。 そこでボムなり機関銃なり剣なりで不意打ちを仕掛けて殺害する。 これがMAXの考えた罠の全貌だ。 「さて誰が最初に掛かるかな」 地面に落とされたデイパックを見るMAXの眼はさながら猛禽のようであった。 【1日目 朝/E-6 怪しい洞窟付近の茂みの中】 【MAX@ボンバーマンジェッターズ】 【服装】なし 【状態】健康、攻撃速度上昇 【装備】三属の剣(流星虫規制)@バロック、M134機関銃@シャーマンキング、クナイ×10@伊賀の影丸 【持ち物】基本支給品一式×2、不明支給品0~2 【思考】 基本:優勝して帰還する。 1:ゼロを破壊して己の優越性を証明する。 2:洞窟に来た者を殲滅する。 3:参加者の何人かをゼロに関するメッセンジャーとして利用する。 【備考】 ※参戦時期は後の書き手にお任せします。 ※設定上、マイティが利用可能なボムはほとんど全て使えるはずです。 ※洞窟に来た者をメッセンジャーにする気はあまりないようです。 ◆ 【そういえばMAXはゼロという者を探しているらしい】→【次へ】 ◆ ゼロとネギ。 些細な行き違いから生じた誤解は解ける事はなく、二人はお互いに望まぬ戦いを強いられる事になった。 その騒動の中心であるアキは恐怖からかまともに話す事すらできないでいた。 ボムと魔法。 二つの異能による戦闘は果てなく続くかと思われた。 それを止めたのは皮肉にも殺し合いを仕向けた社長による放送だった。 それを聞いたゼロとネギは悲しんだ。 理由は同じ。 73人もの命が失われた事に他ならない。 特にネギの方は教え子である椎名桜子の死を知ったから尚更だった。 そして、ゼロもネギも知った。 自分が戦っていた者は人の命が失われた事に対して悲しみを感じる者だと。 この時二人はようやく言葉を交わして、無事に誤解は解けたのだった。 そして現在ゼロとネギとアキの三人はひとまず休息を取るためにC-4にある病院にいた。 ゼロとネギは先程の戦闘で少なからず傷を負っていたので、何か手当てできる物がないかと思ってここを選んだのだった。 だが一番の理由はアキ。 先程の放送で恋人のトモの死を知り、その失意の程は計り知れない。 (危うく早まった判断から取り返しの付かない事をするところだった) ゼロはそう思って今後は慎重に相手を見極めようと決心するのだった。 そして気に掛かるのはベッドの上で蹲るアキ。 何か言葉を掛けようとは思うが、なんと言っていいのか分からないでいる。 デイパックの中のゼロシステム搭載コクピットでは気を紛らわせる事などできないだろう。 ゼロの苦悩は続く。 (――アキさん……僕は先生なのに、励ましの言葉すら掛けられないなんて……) ネギは内心そんな思いでいっぱいだった。 その手には戦いの前にアキから譲ってもらったゲイトの杖が握られている。 これがあったからこそネギは互角に戦い続けられたものだ。 だからこそ恩返しも含めてアキを励ましたいと思ったが、どうしたらいいか分からないでいる。 ネギの苦悩は続く。 (……トモ、死んだなんて嘘だよね?) アキの苦悩は続く。 【1日目 朝/C-4 病院(2階病室内)】 【ゼロ@ボンバーマンジェッターズ】 【服装】なし 【状態】健康、疲労(中)、全身に大小の負傷、多少の焦燥感 【装備】なし 【持ち物】基本支給品一式、ゼロシステム搭載コクピット@新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 【思考】 基本:この殺し合いを破壊して脱出する。 1:アキになんて声をかけたらいいんだ…… 2:MAXを破壊する。 3:メカードの仕業か? 【備考】 ※参戦時期は第45話「ゼロとシロボン」以降です。 【ネギ・スプリングフィールド@魔法先生ネギま!(実写)】 【服装】スーツ 【状態】健康、疲労(中)、全身に大小の負傷 【装備】ゲイトの杖@ドラクエⅥ 【持ち物】基本支給品一式、ランダム支給品1~3(杖なし) 【思考】 基本:皆と一緒にここから脱出する。 1:アキを励ます。 2:桜子さん…… 【アキ@あたし彼女】 【服装】普段着 【状態】健康、深い悲しみ 【装備】なし 【持ち物】基本支給品一式、ランダム支給品0~2 【思考】 1:トモ…… 2:なんでカヨが? ◆ 【そういえばスプリングフィールドとスタンフィールドは音の響きが似ているらしい】→【次へ】 ◆ 『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』は徘徊する。 その上空では彼を仮の主と認める鷹が偵察代わりか、ゆっくりと旋回していた。 放送など彼には関係ない。 なぜなら最終的には全員皆殺しにするのだから。 彼が向かった先は北に広がる都市部。 理由は単純に人が多く集まりそうだったから。 南に広がる町という選択肢もあったが、都市の方が大規模で人が集まってそうだったから。 だから怪物は北へ向かった。 特別急行に乗って全ての参加者に死を送るために。 【1日目 朝/D-3 都市南部】 【クレア・スタンフィールド@バッカーノ!】 【服装】普段着(つまり車掌服) 【状態】健康 【装備】エクスカリバー@Fate/stay night、シャーネのナイフ@バッカーノ、お幻の鷹@バジリスク~甲賀忍法帖~ 【道具】基本支給品一式×2、首輪(ルイズ)、ルイズの不明支給品0~2 【思考】 基本:??? 1:『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』として参加者全員を喰らい尽くす(つまり皆殺し)。 ◆ 【そういえば男と動物のペアは他にもいるらしい】→【最初へ】 *時系列順で読む Back:[[散りゆく者への鎮魂果]] Next:[[小さな星が導く時]] *投下順で読む Back:[[散りゆく者への鎮魂果]] Next:[[明日に向かって撃て!]] |[[『偽証の呼びかけ』]]|室賀豹馬|[[ ]]| |[[髭の方は2000だけ]]|ルガール・バーンシュタイン|[[ ]]| |[[嘘が為に鐘は鳴る]]|秋山深一|[[小さな星が導く時]]| |[[嘘が為に鐘は鳴る]]|L字ブロック|[[Lの名推理/死なない者達]]| |[[『二人の認証』]]|MAX|[[颯爽登場! 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