餓えた狼 ◆h3Q.DfHKtQ
早朝、I-7地区、ハローワーク前。
今、そこで二人の男が対峙していた。
片や、スーツに身を包んだ日本人。
片や、赤い帽子に、赤いジャンパー、ジーンズとラフな格好の白人。
日本人の名は丹波文七、白人の方はテリー=ボガードという。
あらゆる意味で対照的な外見の二人だが、一つの共通点があった。
二人は、ともに獣であった。
餓えた狼であった。
東方不敗に完膚なまでに敗北した丹波文七は、
武道家として生きる道を捨てる決意をし、
ハローワークへと向かっていた。
武道家として生きる道を捨てる決意をし、
ハローワークへと向かっていた。
流石にハローワークへ向かうのに
下半身が裸の今の格好のままでは不味いと、
運よくデイパックに入っていたフレッシュマンスーツに
着替え、ついでに汗臭い下着も同じく中に入っていた
新しい下着に履き替えていた。
下半身が裸の今の格好のままでは不味いと、
運よくデイパックに入っていたフレッシュマンスーツに
着替え、ついでに汗臭い下着も同じく中に入っていた
新しい下着に履き替えていた。
決意のみならず、格好も新たにした文七であったが、
彼の望むものはハローワークには無かった。
彼の望むものはハローワークには無かった。
中を隅々まで探したものの人っ子一人おらず、
就職はおろか相談すらままならぬ状況であった。
就職はおろか相談すらままならぬ状況であった。
ハローワークを出ながら、文七は残念に思う反面どこかほっとしていた。
そして、そんな自分に気がついた文七は、思うのだった。
そして、そんな自分に気がついた文七は、思うのだった。
やはり、自分には武道家以外の道はないのだと。
あの老人との余りにも大きな力の差に絶望しながらも、
諦めきれぬ自分がいる。
たとえ亀の様な歩みでも、あれに近づきたい。
そう、餓えた獣のように渇望する自分がいる。
自分は・・・・
あの老人との余りにも大きな力の差に絶望しながらも、
諦めきれぬ自分がいる。
たとえ亀の様な歩みでも、あれに近づきたい。
そう、餓えた獣のように渇望する自分がいる。
自分は・・・・
そう考えたときだった。
殺気を感じて右側を見る。
殺気を感じて右側を見る。
そこには、ぎらつく獣の目をした、一人の若い男がいた。
赤いキャップに赤いジャケット、長く伸ばした金髪に青い瞳。
そして、血に染まったジーンズ・・・・
男は人殺しだった。
赤いキャップに赤いジャケット、長く伸ばした金髪に青い瞳。
そして、血に染まったジーンズ・・・・
男は人殺しだった。
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テリー=ボガードは完全に錯乱していた。
橘右京の突然の死に、今のテリーのように錯乱した
アンディは、テリーに殺意むき出しで襲いかかってきた。
テリー=ボガードは完全に錯乱していた。
橘右京の突然の死に、今のテリーのように錯乱した
アンディは、テリーに殺意むき出しで襲いかかってきた。
テリーは無論、それに応戦する。
錯乱しきったアンディが、一度も勝ったことが無い、
しかも多少動揺しつつも、心理的には遥かに安定している
テリーに敵うはずがなかった。
事実テリーが勝った。
もし誤算があったとすればそれは・・・
錯乱しきったアンディが、一度も勝ったことが無い、
しかも多少動揺しつつも、心理的には遥かに安定している
テリーに敵うはずがなかった。
事実テリーが勝った。
もし誤算があったとすればそれは・・・
アンディが死んでしまったことだ。
テリーに殺意などある筈もない。
それは完全な事故。不幸な偶然が生み出した結果に過ぎない。
それは完全な事故。不幸な偶然が生み出した結果に過ぎない。
しかし、テリーにはそんな事は関係がない。
義理とはいえ、たった一人の弟を手にかけたのは紛れもない事実。
義理とはいえ、たった一人の弟を手にかけたのは紛れもない事実。
この事実にテリー=ボガードは狂った。
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舞台はハローワーク前に戻る。
弟を死なせてしまったテリーは、耐えきれぬ悔恨と、
やり場のない怒りに、完全に支配されていた。
弟を死なせてしまったテリーは、耐えきれぬ悔恨と、
やり場のない怒りに、完全に支配されていた。
彼は求めていた。
自分の中で渦巻くこの黒い感情の奔流をぶつける相手を。
そしてその願いはかなった。
自分の中で渦巻くこの黒い感情の奔流をぶつける相手を。
そしてその願いはかなった。
テリーは構えをとった。
それは彼が師たるタン=フー=ルーより受け継ぎし八極聖拳。
テリーは目の前の男の技量を見切り、
自分の相手に足るとみたのだ。
それは彼が師たるタン=フー=ルーより受け継ぎし八極聖拳。
テリーは目の前の男の技量を見切り、
自分の相手に足るとみたのだ。
文七もまた構えをとった。
それは彼の武術の根本たる空手の構えだ。
それは彼の武術の根本たる空手の構えだ。
文七には戦う理由などない。
彼は武道家だ。目の前に強い奴がいて、自分に挑んでくる。
それだけで十分だった。
彼は武道家だ。目の前に強い奴がいて、自分に挑んでくる。
それだけで十分だった。
二人の男は構えたままにらみ合い、そして二人とも笑った。
それは野獣のような獰猛な笑み。
二人は、紛う事無き餓狼だった。
【I-7 ハローワーク前 /早朝 一日目】
【丹波文七@餓狼伝】
【外見】フレッシュマンスーツ
【状態】極度の興奮状態
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【目的・方針】強者と闘う
【思考・行動】
1:目の前の男と闘う
[備考]
※完全に自信を取り戻しました。
【外見】フレッシュマンスーツ
【状態】極度の興奮状態
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【目的・方針】強者と闘う
【思考・行動】
1:目の前の男と闘う
[備考]
※完全に自信を取り戻しました。
【テリー・ボガード@餓狼伝説】
【服装】いつもの帽子とかジャンパーとか
【装備】なし
【状態】錯乱状態(バーサーカー?)
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品(未確認)
【思考】 実力相応の者と戦う(結果相手の生死は問わない)
1:眼の前の男と闘う
[備考]
※強者には無差別に戦いを挑みます。
【服装】いつもの帽子とかジャンパーとか
【装備】なし
【状態】錯乱状態(バーサーカー?)
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品(未確認)
【思考】 実力相応の者と戦う(結果相手の生死は問わない)
1:眼の前の男と闘う
[備考]
※強者には無差別に戦いを挑みます。
【アンディ=ボガード@餓狼伝説 死亡】
※G-6渓谷内にアンディ=ボガード@餓狼伝説のデイパックが落ちています。
※G-6渓谷内にアンディ=ボガード@餓狼伝説のデイパックが落ちています。
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