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もう何も恐くないのだ☆

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もう何も恐くないのだ☆ ◆.pKwLKR4oQ



麗らかな春の日。
桜の花びらが舞い散る大学前の並木道。
そこに一組のカップルがいた。

春、桜、カップル、といえば定番は告白のシチュエーション。
もしくは――。

「グンジィー!」
「あ……」
「なにしてるの?」
「日本の桜も当分見納めだなと思ってさ。ラッキーだったな、今年は早く咲いてくれて」

――そう、別れ。
音無可憐とグンジィーこと武田軍司。
グンジィーが親の都合でアメリカに引っ越すと可憐が知ったのはついこの間の事だ。
それから可憐はグンジィーが引っ越さなくて済むようにありとあらゆる手を尽くしてきたが、その甲斐なく今日を迎えてしまった。
実はこれからグンジィーの送別会を開くつもりだったが、いつのまにかグンジィーの姿が見当たらなくなっていた。
そういう訳で慌てて探しに出た可憐はこうして大学前で桜を眺めていたグンジィーを見つけたのだ。

「みんな待ってるよ」

その可憐の言葉に対してグンジィーはただ黙って首を横に振るだけだった。
もう既にグンジィーの心は決まっていた。

「俺、ここでお別れするよ」
「そんなの……突然過ぎるよ!」
「みんなに見送られるの、苦手なんだ」
「だからって! だからって! うぅぅ……」

もうとっくに可憐の顔は溢れ出る涙でボロボロだった。
だがそんな可憐をグンジィーは優しく声を掛けて慰める。

「可憐、俺さよならなんて言わないぜ。だって、また会えるじゃないか」

これは永遠の別れではない。
またいつか会えると信じているから。
その気持ちが通じたのか、可憐は自然と自分の気持ちを正直に吐露していた。

「……ぁ、グンジィー、大好きだよ」
「なんだよいきなり」
「今まで心の中で呟いていた言葉。高校生の時も、大学生の時も、そして大人になっても、ずーっとずーっと!」
「可憐」

もう二人に多くの言葉は要らない。
お互いに見つめ合う。
ただそれだけで十分だった。

「じゃあな、可憐」
「またね、グンジィー」

去り行くグンジィーの背中を可憐は笑顔で見送る。
これは永遠の別れではない。
また会えると信じているから。
だから今言う言葉は『さよなら』ではない。
そう別れの言葉ではなく、再会を信じて送り出す言葉。

「いってらっしゃい」

こうして音無可憐とグンジィーはまた会う日を信じて別々の道を歩むのだった――。







「やっぱりグンジィーと離れるの嫌だから付いて行くのだ☆」

――数秒後、そこにはアメリカ行きの荷造りを済ませた木ぐるみ姿の音無可憐がいた。

 ◆ ◆ ◆

「グンジィー、待ってー……あれ?」

最初に目に飛び込んできたのは陽の光が差し込む青々とした木々。
先程まで周囲を彩っていた桜並木は影も形もなかった。
そうさっきまでの一幕は全て夢。
そこでようやく可憐は自分が寝ていた事を思い出していた。
あれは確か森の中でステッキを持った白装束の男を射殺した後。
さすがに夜通しグンジィーを探してちょっと疲れたかなと思い始めたので朝食を摂ってから睡眠タイムに入ったのだ。
そこで先程の夢を見て、現在目覚めすっきりの状態だ。

「あ、そういえば……」

起きて早々、可憐は変な緑のおっさん(セル)を殺して手に入れたデイパックを漁っていた。
先程何か食べる物を探していた時に黒いノートを見つけたのだ。
その時は食事を優先していたので碌に確かめないまま放置していたが、今は気になったので改めて確かめる事にした。
何気なく取り出した黒いノートはどことなく不気味な印象だったが、特に気にせず中身を見た。

「……こ、これは!?」

一目見た瞬間、可憐は思わず絶句していた。
そのノートの名は“DEATH NOTE”。
そこに名前を書かれた者は死んでしまうという死神の力を宿したノート。
普通に考えれば馬鹿馬鹿しいと一笑に伏すところだが、あいにく音無可憐は脳味噌だけは正常ではない乙女。
だからこのノートの力を知った時、それはそれは大喜びした。
もうグンジィーを探して島中を駆け巡る必要もない。
このノートに参加者の名前を片っぱしから書いていけば、それで全て終了。
そうすれば自分やグンジィーを危険に合わせるかもしれない奴なんていなくなるんだから。

「もう何も恐くないのだ☆」

そうと決まれば善は急げ。
早速参加者名簿を見て名前を書く作業に入るべし。
だがいざ書こうとしたが、デスノートの最初の方には知らない名前が羅列されていてページは埋め尽くされていた。
出鼻を挫かれたようだが仕方ないので名前の羅列が終わるまで機械的にページを捲っていく。
そうやってページを捲っていくと、ついに名前が書かれていないページに辿り着いた……と思ったらまだだった。

「あ、まだ書いてあるのだ。えっと、竜宮レナと園崎魅音? なんでこの二人だけ……あれ?」

可憐は脇に置いていた名簿を見てみた。
名簿を隅から隅まで調べた結果、園崎魅音の名はなかったが竜宮レナの名は間違いなく記載されていた。

「…………」

可憐がデスノートの存在を知ったのはついさっきだ。
当然ながらここまでの名前は可憐が書いたものではない。
では誰が書いたのか?
それはもちろんデスノートを支給された者だ。
その持ち主がセルか、またセルに殺された誰かは知らないが、重要なのは竜宮レナの名前が書かれた時間だ。
可憐がセルを殺したのは夜中の2時頃。
つまりレナの名前が書かれたのはそれ以前という事になる。

だがそれではおかしい。

なぜならデスノートに名前を書かれた者は40秒後に死ぬはず。
もし名前を書かれたのが夜中の2時以前なら6時の放送でレナの名前が絶対に呼ばれるはずだ。
だが実際のところ放送でレナの名前は呼ばれなかった。

つまり……。

「……偽物?」

それが分かった途端に可憐のテンションは一気に冷めていた。
さらにノートのルールを改めて確認してみると、名前の他に相手の顔を思い浮かべなければならない事が分かった。
ちなみにこの時点で音無可憐が確実に名前と顔を把握している参加者は一人もいない。
出会った参加者のほとんど出会い頭に殺している上に、逃がしたアルフレッドとビブリもぱっと見なので顔はよく覚えていなかった。
それに出会って名前を聞くよりも、直接拳銃で射殺する方が手っ取り早い。
つまりどのみち可憐にとってデスノートは有用な道具にはなり得なかった。

最終的に何か脅しにでも使えるかなと思ってデイパックの中に戻したところで、可憐は次の行き先を模索するのだった。

「この近くにあるのは怪しい洞窟か……グンジィーいるかな……?」


【1日目 昼/E-7 森の中】
【音無可憐@おそるべしっっ!!!音無可憐さん】
【服装】自前の木の着ぐるみ(略して木ぐるみ)
【状態】健康、脳みそ以外は至って正常、目覚めすっきり
【装備】デザートイーグル(9/9)
【持ち物】支給品一式×4、はさみ、コンドーム、デザートイーグルの予備マガジン×2、XM177E2(29/30)@覇王愛人、S&W M10(5/6)と予備弾24発@現実、デスノート(偽物)@多ロワ
【思考】
 1:大好きなグンジィー(武田軍司)を探す……のだ☆
 2:怪しい洞窟に行ってみる?
 3:グンジィー以外の男や同性は邪魔なので問答無用で消す……のだ☆(特にアルフレッドともう一人(ビブリ)は許さない)
【備考】
※平均以上の顔をした男は子供だろうとなんだろうとグンジィーだと勘違いしている。
※参戦時期はどこかでグンジィーと二人きりになった時点です。


【デスノート(偽物)@多ジャンルバトルロワイアル】
ジェバンニが一晩で作ってくれた精巧なデスノートの偽物。
だからこのノートに名前を書いても人が死ぬ事はない。
多ロワでは前原圭一に支給されていた。


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散りゆく者への鎮魂果 音無可憐