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契約は交わされ、時は満ちる… ◆ENH3iGRX0Y

――――契約をしたい。


契約?


そう、力を貸す。望むものも与える。だから、私の願いを叶えて。


望み? そんなものは―――


違う。望みを見失っているだけ、本当の存在意義を―――思い出して。



存在意義……私の……私の存在意義……?




そう、あなたは――――







「全員無事か……」

雪乃を抱きかかえ、エドワードの無事を確認した黒は一先ず安堵した。
アヌビス神が上手く受け身を取ってくれたのだろう。気絶しているが、命に別状はなさそうだ。
同じくエドワードもまだ目を覚まさない。体を揺さぶり反応を見るが、相当な疲労から体が休息を求めているのだろう。
息はしている。時間はないが、二人とも僅かな時間なら放っておいてやった方が体力も回復してくれるはずだ。

飛ばされた先にいた猫にあと五分してもエドワードが目覚めなければ起こせと指示し、黒は改めて天空の機神を見つめ上げる。
何一つ事態は解決していない。ヴィルキスという対抗手段が現れたことは大きな収穫にはなる。しかし、御坂美琴、足立透、エンブリヲ、彼らの脅威は依然として消えない。

「足立と杏子は別の方向へと飛ばされたようだな」

周辺に二人の姿は影も形も見えない。足立はともかく杏子が頑丈であることはしっている。
魔法少女の頑丈さは別種ではあるが、嫌なほど思い知らされた。あの銃撃そのもので死ぬことはないと思いたい。
問題は飛ばされた足立が、たまたま杏子の傍で交戦に至ってしまった場合だ。

杏子にはかなりの無茶をさせてしまった。
足立と交戦するのは自殺行為にも等しい。あの鎧の力を借りても、なお反動を考えればむしろない方がマシなのではないか。
かといって逃げるようなタマでもない。確実に殺し合いの続きを始めてしまうだろう。

「……無事でいればいいが」

位置が分からない以上、救援に行くことも出来ない。運が良ければ御坂追跡の際に発見できるかもしれないが。
どちらにしろ。今は杏子を信じるしかない。


「別にいいじゃない。みんな消えるんだから」


黒を嘲笑うかのような声が響く。


「何? 猫、お前何か言ったか?」

「は?」

突如響いた声に目を丸くし、猫を怒鳴りつけるが猫は首を傾げていた。
我に返った黒もあれはエコーの掛かったような甲高い女に近い声だった事を思い出す。猫が出せるものではない。

「あれは」

言いかけて黒は口を閉ざした。
黒だけが―――あるいはエンブリヲも勘付いた可能性はあるが、何者かに見られている感覚が黒にはあった。


今でも近くにいる気がする。黒を引きずり込むように、その細く白い腕が絡みつく。冷たい死人の腕が。

「違う。誰も消えなんかしない」

振り払う。そこにそれが実在していたかどうかは定かではないが、黒からしてみれば確かにそれはあったのだ。
猫が怪訝そうに見つめる。当然だ。契約者以前に人として奇行にしか見えない行動を取られれば、そういった目で見てしまう。

「どうしたんだ黒?」

猫の声に一切黒は答えない。

無視されたことに不貞腐れた猫は時間を計りながら、そろそろ五分であることに気付きエドワードの顔の上へと乗っかる。
黒は意識をもう一度今目の前に広がる強敵達へと移す。
何も終わっていない。そう、まだ何一つとして終わっていないのだ。

この殺し合いで出会った参加者たちの顔が次々と浮かび上がる。今残る生存者達を除きその全てが息絶え、この場で朽ち果てた者達だ。

「今度こそ必ず全てにケリを着ける」










「派手にやるなあ」


天空で雌雄を決しようと激突する二対の機神を眺めながら、ぽつりと呟く。
どうやら身動き出来ない間に戦況は大きく動いていたらしい。あんなロボットが出てきたのが良い証拠だ。
お父様は特にヴィルキスだけは警戒に警戒を重ね、絶対に参加者の手に渡らないようにしていた。それがこの箱庭に現れたという事は彼が敗北しその枷が外れたのだろう。
あるいは愛の力が、それらを上回り奇跡を起こした――そちらの方が好みだ。そういうことにしておくことにした。

「なんて、ロマンチックかな」

リンゴを取り出し一口齧る。シャリシャリと子気味良い咀嚼音が聞こえ、そして齧ったリンゴを数時間前に佐倉杏子が線香の代わりに立ててあったタバコの横に置く。

「リンゴ、好きなんだよね? 最後まで、律義に嫌なもの吸う必要ないでしょ」

リンゴの前から踵を翻し、ゆるりとした足取りで進む。
彼女が向かう場所は一つしかない。誰よりも愛し全てを捧げた男の元へ―――










交わした契約は果たさねばならない。


始まった物語には幕を下ろさねばならない。


「ああ、分かっている」

広川は一言そう呟き、戦線へと向かう。


全てを果たし、そして終わらせる為に―――機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)として。





【F-5/二日目/午後】


【黒@DARKER THAN BLACK 黒の契約者】
[状態]:疲労(大)、右腕に刺し傷、腹部打撲(共に処置済み)、腹部に刺し傷(処置済み)、戸塚とイリヤと銀に対して罪悪感(超極大)、首輪解除
     銀を喪ったショック(超極大)、飲酒欲求(克服)、生きる意志、腹部に重傷
[装備]:黒のワイヤー@DARKER THAN BLACK 黒の契約者、包丁@現地調達×1
     傷の付いた仮面@ DARKER THAN BLACK 流星の双子、黒のナイフ×10@DTB(銀の支給品)、水龍憑依ブラックマリン@アカメが斬る
[道具]:基本支給品、ディパック×1、完二のシャドウが出したローション@PERSONA4 the Animation 、大量の水、クラスカード『アーチャー』@Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ
[思考]
基本:殺し合いから脱出する。
0:聖杯とやらを壊す。
1:御坂を追う。
2:銀……。







【???/二日目/午後】



【???@???】
[状態]:???
[装備]:???
[道具]:???
[思考]
基本:???







【???/二日目/午後】

【広川剛志@寄生獣 セイの格率】
[状態]:???
[装備]:???
[道具]:???
[思考]
基本:聖杯を手に入れる。
1:全てを果たし、そして終わらせる。


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