51話 油断大敵を絵に描いたような
「もうそんなに死んでるんだ……まだ6時間しか経ってないのに」
エリアD-4鉄塔の基部のコンクリートに腰掛けながら、
費覧は32人分の名前が消された名簿に目を通す。
最初に殺害したザックから聞いたアルベルトという人物の名前は呼ばれなかった。
「この分ならもうすぐこの
殺し合いも終わるね……。
あの主催者が言ったように」
名簿をしまい、傍に立て掛けてあった半自動散弾銃レミントンM1100を手に取り、
腰掛けていたコンクリートから立ち上がる費覧。
周囲を見回すが、見えるのは風に揺られる草木や樹木のみ。
「風気持ち良いね」
何気無くそう呟く。
直後に素早い一陣の風が吹き抜ける。
「うぁ……!?」
ブシュゥッ、と、費覧の白い柔らかな毛皮の腹に真一文字の傷が出来、血が噴き出した。
苦痛に顔を歪める雌の狐は、内臓が溢れる危険がある傷口を左手で押さえながら、
右手でM1100を構え周囲を警戒する。
「痛たたた、だ、誰……あれは」
「グルルルル」
費覧が見付けたのは、主催者の比叡憲武に似た、青と白の体毛を持った狼だった。
口に血が付いている事から、たった今自分を襲ったのはこの狼だと費覧は確信する。
「首輪にデイパック……参加者の一人、か」
どうやらやる気になっているようだ、と推測する。
先程の攻撃で分かったが、この狼はどうやら戦闘の訓練を受けているようだ。
ドォン!! ドォン!!
先手必勝と、費覧はM1100を片手で連射した。
元々片手で撃つ事は想定されていないので、いかに常人より筋力がある彼女と言えど、
右肩に来る強烈な反動は堪える。
放たれた散弾をシクルゥは避けようとしたが、やはり避け切れず数個身体に食らってしまう。
痛みに顔を歪めたが、それでもシクルゥは動くのを止めなかった。
「ガアアアアッ!」
「!!」
鋭い牙の斬撃。
ザシュッ!
費覧の喉笛が切り裂かれ、鮮血が辺り一面を真っ赤に染める。
そのまま費覧の身体はうつ伏せに崩れ落ちた。
「ゼェ、ゼェ、ゼェ」
(何とか勝てた……)
散弾を幾つか食らってしまったが、どうにか目標の雌狐を仕留める事に成功した。
安堵する青と白の狼。
(それにしても、もう残り16人か……これなら優勝する事も……)
シクルゥは先程の放送で知った残りの生存者の数の事を考えながら、
雌狐の死体に背を向ける。
喉笛を深く掻き切ったのだ、生きてはいまい。
シクルゥはそう考えていた。
ドォン!!
爆ぜるような音と、後頭部に感じた灼熱、そして、シクルゥの視界はブラックアウトした。
「うふふ……げほっ、げほっ、私も一応妖狐の端くれよ?
喉笛掻き切られたぐらいで死ぬもんですか。ごほっ、苦しいけど」
首から上が粉々になった狼の死体。
それを見下ろす、首元と腹に深い傷を負い血塗れになった雌狐――費覧。
右手には銃口から煙を噴き出す半自動散弾銃が握られている。
デイパックから予備弾を取り出し、装填する費覧。
「さて、この狼君は何を持ってるのかしら……。
あら、また散弾銃。こっちは手動式ね……それとこれは、
フランベルジェって奴ね。どっちも有り難く頂戴しましょ」
シクルゥのデイパックからポンプアクション式散弾銃ウィンチェスターM1897と、
現在自分が使っているM1100にも使用可能なショットシェル10発、さらに、
刀身が波打っている長剣フランベルジェを入手する。
「痛た……ごほっ、ちょっと休んだ方が良いかな……無理すると流石にヤバいし。
んでちょっと休んだら……東の方の処刑場にでも行こうか」
重傷のためしばらく休んだ後、東にある処刑場に行くと決め、
費覧は再び鉄塔の基部コンクリートに腰掛けた。
【シクルゥ@サムライスピリッツシリーズ 死亡】
【残り 11人】
【一日目/昼間/D-4中央部鉄塔】
【費覧@オリキャラ・再登場組】
[状態]喉笛と腹に深い切り傷(命に別条無し、治癒中)、血塗れ
[装備]レミントンM1100(4/4)
[所持品]基本支給品一式(食糧一食分消費)、12ゲージショットシェル(18)、
ウィンチェスターM1897(5/5)、コルト ローマン(6/6)、.S&W M27(5/6)、
357マグナム弾(36)、 ショートソード、 フランベルジェ 、水と食糧(2人分)
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。
1:怪我の治癒のため少し休んだ後、エリアC-6処刑場を目指す。
[備考]
※個人趣味ロワ本編開始前からの参戦です。
※ザックからアルベルトの情報を得ました。
※D-4一帯に銃声が響きました。
※D-4中央部鉄塔の下にシクルゥの死体と
デイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。
最終更新:2010年08月21日 23:34