侍、狼少女、医者、幕間

52話 侍、狼少女、医者、幕間


「し、師匠が……!? そんな、信じられない……あの師匠が死んだなんて……!」

師匠――ムシャの名前が放送で呼ばれた。
呼ばれたと言う事は、師匠は死んだ、という事。
信じられない、まさか、あの師匠が死ぬなんて……。
他にも知っている名前が何人か呼ばれたが、俺は師匠の事で頭が一杯だった。

「ノーチラスにサーシャさん……」
「牧野さん……まあ、予想はしていたが」

エルフィさんのクラスメイトの名前も何人か呼ばれた。
市街地の珈琲屋で出会った藤堂リフィアという狼獣人の女子学生を首を刎ねて殺し、
――当然リフィアさんの名前も呼ばれた――自分と交戦し、
背後からエルフィさんに銃撃され死んだエルフィさんのクラスメイト、
シルヴィア、当人から聞かされていたノーチラスの名前も。
放送前に会ったばかりの宮田さんも知り合いの名前が呼ばれたらしい。
ただ、それ程親しい訳では無かったのか悲しんでいる様子は無い。

ただそれよりも、俺は師匠が死んでしまったという現実を、
中々受け入れられずに、苦しんでいた。

「師匠……」
「弟子五郎さん……」

エルフィさんが心配そうに俺に声を掛ける。

「……」

悲しい。胸が張り裂けそうな程に。
だけど……悲しんでばかりもいられない。
じゃないと、師匠に叱られそうだ。しっかりしろ、と。

「……すみません、エルフィさん、取り乱してしまって」
「いえ、無理しないで……」
「……悲しいのは本当っス。でも……いつまでも悲しんでたら、
師匠にどやされてしまいすから……」

まだ悲しみに浸る訳にはいかない。殺し合いはまだ終わっていないから。



弟子五郎さんの師匠や知り合い、私のクラスメイト数人の名前が放送で呼ばれた。
クラスメイトの一人は、私が殺した。
ああしなければ弟子五郎さんが殺されていたかもしれない。
でも、今でもあの行動が正しかったかどうか、悩んでいる。

「……すみません、エルフィさん、取り乱してしまって」
「いえ、無理しないで……」
「……悲しいのは本当っス。でも……いつまでも悲しんでたら、
師匠にどやされてしまいすから……」

弟子五郎さんはどうにか悲しみから立ち直ったように見えるけど、
多分、無理をしているんだろう、声が少し震えていた。
彼自身から聞かされた話でしか彼の師匠の事は分からないけれど、
きっと固い師弟関係で結ばれていたんだと思う。

そう言えば、放送前、襲ってきた赤い翼の生えた獣人の女性と弟子五郎さんが戦い、
弟子五郎さんが女性を倒した後に役場の中から現れた、
医者と思しき格好の男性、宮田司郎さんも、知り合いが呼ばれたみたいだけど……。



牧野さんの名前が死亡者の発表で呼ばれた。
はっきり言って想定内だ。
あの人がこの殺し合いを生き延びられるとは思っていなかった。

それより、これからの行動について考えるのが先決だろう。

先刻会ったばかりの二人の参加者。
顔に傷のある、侍の格好をした青年、弟子五郎(本名は五郎らしい)と、
灰色の狼の顔を持った学生の少女、エルフィ。
二人共殺し合いには乗っていないとの事だ。

特に弟子五郎……先刻、翼の生えた獣人の女と戦った時、
彼は突撃銃の掃射を、二本の刀で完璧に防ぎ切った末、獣人の女を倒した。
剣に関して常人離れした腕前を持っているらしい事は分かる。

「二人共……悲しんでいる所悪いが……これからの事について話したいんだが、
良いだろうか」
「あ、はい……」
「そうですね……」

抵抗感を露わにされると思ったが意外とあっさり承諾してくれた。



その後、弟子五郎、エルフィ、宮田司郎の三人は島役場二階の会議室で、
今後の予定について話し合った。

互いの知人や所持品については放送の前におおよそ情報交換している。
宮田司郎の二つ目の支給品、お徳用う○い棒チーズ味には、
弟子五郎とエルフィは驚かされた。
基本支給品として食糧が既にあると言うのに何ゆえまた更に
ランダム支給品に食糧を入れるのか、主催者の考えが分からなかった。

また、弟子五郎とエルフィが出会った藤堂リフィアが持っていた、
リフィアの物とは別のデイパックの中には、基本支給品の他に拳銃用のマガジン三個、
先刻倒した翼の生えた獣人の女のデイパックには、
女が装備していた突撃銃の予備マガジンと、自動拳銃一丁と予備マガジン、
傷薬、玩具のゴルフクラブが入っていた。

突撃銃H&K XM8のマガジンを交換し、銃本体と予備弾薬は宮田が所持する事となり、
リフィアが所持していた拳銃二丁の内、比較的小型のS&W M39と予備マガジンを、
万が一の時のために弟子五郎が、ワルサーP99と予備マガジン、そして最後に残った
拳銃ベレッタ90-Twoと予備マガジンをエルフィが所持する事となり、
傷薬は医者である宮田、二人分の食糧は宮田は遠慮し弟子五郎とエルフィで分ける事になった。
残された二人分のデイパックと玩具のゴルフクラブは放棄された。

「これからどうしましょう」
「そうっスね……とりあえず、食事を取って、その後、隣のエリアにある小中学校に
行ってみましょう。どうっスか宮田さん」
「良いと思うが」

三人は食事を取った後、隣のエリアE-5に存在するという小中学校に向かう事にした。



【一日目/昼間/E-6北部島役場】
【弟子五郎@VIPRPG】
[状態]肉体的疲労(中)、悲しみ
[装備]蒼鬼、童子切安綱
[所持品]基本支給品一式、S&W M39(8/8)、S&W M39予備マガジン(8×3)、水と食糧(1人分)
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。ダーエロを捜す。
 1:エルフィ、宮田司郎と行動する。食事後、小中学校へ向かう。
 2:襲われたら戦う。
[備考]
 ※エルフィからクラスメイトの情報を得ました。


【エルフィ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康、悲しみ
[装備]コルト デルタエリート(7/8)
[所持品]基本支給品一式、コルト デルタエリート予備マガジン(8×3)、
 ワルサーP99(14/15)、 ワルサーP99予備マガジン(15×3)、
 ベレッタ90-Two(10/15)、ベレッタ90-Two予備マガジン(15×3)、水と食糧(1人分)
[思考・行動]
 基本:殺し合いには乗らない。死にたくない。
 1:弟子五郎、宮田司郎と行動。食事後、小中学校へ向かう。
[備考]
 ※弟子五郎からムシャ、ダーエロ、その他の知人についての情報を得ました。


【宮田司郎@SIREN】
[状態]健康
[装備]シグザウアーP226(15/15)
[所持品]基本支給品一式、シグザウアーP226予備マガジン(15×3)、お徳用う○い棒チーズ味(30)、
 H&K XM8(30/30)、H&K XM8予備マガジン(30×4)、傷薬
[思考・行動]
 基本:殺し合いをする気は無いが……。
 1:弟子五郎、エルフィと行動。食事後、小中学校へ向かう。
[備考]
 ※須田恭也が羽生蛇村を訪れるよりも前からの参戦です。



※E-6島役場内に柴田行隆、姫路礼華のデイパックと玩具のゴルフクラブが
放置されています。



≪支給品紹介≫
【お徳用う○い棒チーズ味】
う○い棒チーズ味が30本入ったお徳用。




油断大敵を絵に描いたような 時系列順 空を仰ぐ――――
油断大敵を絵に描いたような 投下順 空を仰ぐ――――

如何なる事が待ち受けてようと 弟子五郎 救いなんて有りはしない、どこにも。
如何なる事が待ち受けてようと エルフィ 救いなんて有りはしない、どこにも。
如何なる事が待ち受けてようと 宮田司郎 救いなんて有りはしない、どこにも。

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最終更新:2010年08月21日 21:31
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