31話 何事も唐突に
交番近くの民家の中でアーデルハイトとツェツィーリアは放送を聞き、
民家を出て次の行き先を模索する。
「…どこに行こう」
「…宛てなんて無いよね」
地図を出し行き先を決めようとする二人。
「取り敢えず学校の方に行ってみる…?」
「そうだね」
そして当座の行き先を学校に定め歩き出そうとした時だった。
アーデルハイトはどこからか自分達に向けられる殺気に気付く。
「……?」
「どうしたの? ハイトさ――」
ダァン!
一発の銃声が響き、ツェツィーリアの腹から血が噴き出した。
本人は一瞬何が起きたのか分からなかったが、やがて襲い来る腹部の激痛に、理解した。
「ぐあ…あ?」
「ツェツィーリア…!」
腹を押さえその場に膝を突くツェツィーリアにアーデルハイトが駆け寄ろうとした。
しかし、一陣の疾風が吹き抜けると同時に、アーデルハイトの首筋に深い切れ込みが入り、
そこから真っ赤な鮮血が噴き出す。
「え…ハイト、さん?」
身体に生温かい鉄錆の味がする液体を浴びながらツェツィーリアは、
呆然とした様子で、アーデルハイトが崩れ落ちる様を見届けた。
「だ、誰…誰なの!?」
周囲を見渡す黒と青の毛皮の竜少女。
そして、頭上に拳銃らしき物を浮かせ口元を赤く染めた紺色の狼を発見した。
「残念だな、人魚に竜か。俺は女なら、人間の女の方が良いんだ」
狼、パーヴェルは少し残念そうな口調で言った。
「よくも…!」
激昂したツェツィーリアは持っていたバスタードソードでパーヴェルに斬り掛かろうとした。
しかし、距離が離れていたためパーヴェルは容易に先手を打つ事が出来た。
ワルサー P38の引き金を引き、ツェツィーリアに銃撃を叩き込む。
ダァン! ダァン! ダァン! ダァン!
ツェツィーリアの腹や胸、首に9㎜パラベラムの弾丸が容赦無く食い込み、
アスファルトが赤く染まる。
「がはっ……こんな……こんなのっ……て」
突然の、自分の人生の終わりに、ツェツィーリアは納得出来なかった。
出来ぬまま、その意識は途絶えた。
【アーデルハイト:死亡】
【ツェツィーリア:死亡】
【残り12人】
【午前/D-6交番周辺の住宅街】
【パーヴェル】
[状態]健康
[装備]ワルサー P38(3/8)
[道具]基本支給品一式、ワルサー P38予備マガジン(3)
[思考]
1:
殺し合いに乗る。男も女も気に入った奴は犯してから殺す。
2:殺害した二人(アーデルハイト、ツェツィーリア)の武装を回収。
[備考]
※特に無し。
最終更新:2011年05月29日 21:49