33話 これは酷い干渉
「えーと、お前らもう帰って良いよ。何か仕事無いし」
「……」
「……」
荒神健児こと◆ymCx/I3enUは協力者の二人、黒牙と
大木弓那に帰還を命じた。
「…何かさあ、俺らの扱いどんどん悪くなってるよな」
「うん」
「うっさいさっさと帰れ」
黒牙と大木弓那は元の世界に帰還する。
「…さてと、ちょっと面白くしようか」
健児は手元にあるパソコンのキーボードを叩いた。
その画面には
殺し合いの参加者の一人である狼の顔が映し出されていた。
……
……
「……」
銀と白の妖狼、カスパルはふと意識を取り戻す。
自分は何をしていたのだろうか。太田かずみと安藤正年と言う二人と遭遇し、その後放送を聞き、
隠れていた民家の中で過ごしていた所までは覚えている。
「……あ」
周囲には血の臭いが漂っていた。
「……ああ」
部屋が真っ赤に染まっていた。
「……あああ!?」
自分の口の中が鉄錆の味で一杯だった。
「……あああああああああああああ!!!?」
さっきまで行動を共にしていたはずの三人がズタズタに引き裂かれ血塗れとなり息絶えていた。
「何で、何で何で何で何で何で!!?」
混乱するカスパル。
「誰がこんな事、う、あああ…誰だ…許さねぇぞ! 許さ……ん?」
怒りに震えるカスパルは、朝斬厳空の手元に転がるメモ帳に目が止まった。
それがとても気になり、カスパルはメモ帳に書かれた文章に目を通す。
酷く乱れた書き殴りの文字が書かれていた。
◆
死にたくない 死にたくない
殺される 食べられる
あいつが牙をむく もうすぐきっと殺される
この遺書を読む人がいたら
◆
「……はぁ、はぁ、ハァ」
◆
あいつを さばいてください
◆
「…ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ」
◆
わたしたち を ころしたのは
ぎんとしろの けがわをもった おおかみのまもの
カスパル です
◆
「………ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
……
……
民家の二階の一室。
天井からぶら下がるロープに首を絞め、ぶら下がる狼。
真下には排泄物が垂れ流れ、涙と泡を拭いて無惨な状態であった。
◆
「……ちょっとやり過ぎたか? まあ良いか」
荒神健児こと◆ymCx/I3enUがやった事は簡単である。
カスパルの首輪に特殊な信号を送り、一時的にカスパルの妖狼としての本能を増幅させ凶暴化させたのだ。
結果、同行していた三人は瞬殺された。しかし信号を切った途端カスパルは正気に戻り、
自分のやった事の重みに耐え切れず自害してしまった。
「たまには良いよなこういうのも」
うすしお味ポテトチップスを頬張りながら健児は言う。
【太田かずみ:死亡】
【安藤正年:死亡】
【朝斬厳空:死亡】
【カスパル:死亡】
【残り6人】
【黒牙:帰還】
【大木弓那:帰還】
最終更新:2011年05月30日 18:45