うまたんダイヤモンドカッター

4話 うまたんダイヤモンドカッター

不細工な少年、愛餓夫(名前も変)は橋を渡り、
適当な店の中へと入り自分のデイパックを漁る。
出てきた物はチップカットソーと、古臭い絵柄のホラー漫画数冊。

「ちっ、前の時に比べて、支給品外れてやがる…まあ良いか…」

餓夫はチップカットソーを装備し名簿に目を通す。
クラスメイトの名前が幾つか確認出来た。

「……太田に、吉良、壱里塚、テトまでいんのか。他にもいっけど……。
…にしてもまた殺し合いなんてよぉ…何か無くなったはずの腕も元に戻ってるし、どうなってんだ」

餓夫は別の殺し合いで一度死んだ身だった。
もっとも死んだ理由は、自業自得に等しいものだったが。
それを反省するような性質の男でも無い、愛餓夫と言う少年は。

「……テト、か、へっ、今度会ったらまた……」

嫌らしい笑みを浮かべながら、チップカットソーを右手に持った餓夫は店の外に出る。

「今度は死なねぇ…今度は…殺される前に、殺してやる!」
「その意見には実に賛成だな」

餓夫の背後で男の声がした。

「あ…?」

振り向くと、そこには大きな馬がいた。

「……馬?」
「おう、馬だ。俺は加藤字佑輔ってんだが」
「かとう、そうすけ? 人間っぽい名前だな」
「まあな…まあそれは別にどうでも良いのさ、お前は?」
「愛、餓夫」
「あいうえお? ……本名かそれ」
「本名だよ!」
「ふぅん…まあ、取り敢えずだ愛餓夫君」
「何だよ」

「死んでくれよ」

加藤字佑輔と名乗った馬は突然長い首を薙ぎ払って餓夫を弾き飛ばした。

「があ!?」

軽く二メートルぐらい吹き飛ばされる餓夫。
近くに立っていた電柱に思い切り身体を打ち付ける。
呼吸困難になりその場に蹲る餓夫に、字佑輔がゆっくりと近付いていく。

「ぐ…ぞぉ…死んで、たまっかよぉ…」

折角生き返れたと言うのにまた殺されてしまうと言うのか。そんなのは嫌だ――。
餓夫はチップカットソーを字佑輔に向けようとしたが――自分の右手にあったはずのそれが、無い。
代わりに、字佑輔の胸辺りにそれは浮かんでいた。激しく回転する刃が自分に向いていた。
先程吹き飛ばされた時に落としてしまったのだろう。それを字佑輔が拾ったのだ。

「な……な?」
「探し物は何ですか♪ 見付け難い物ですか♪」
「やめ、やめろ、おい、やめ」

餓夫の顔面に鋸の刃が入った。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ガリガリガリと餓夫の頭部の皮膚が、骨が削られ血が飛散する。

「あああああがあっがあgttあyaメェおおオooooo**************************」

刃は餓夫の脳髄に達し、もはや声にならない悲鳴を上げる餓夫。
脳漿や骨の破片が血に混じり周囲に飛び散り辺りには異臭が漂い始める。
ガクガクと手足が痙攣し、股間からは液体が染み出す餓夫の身体。

「*********ア*********ェ*****――――――」

そして、チップカットソーが突然動きを止める。
元々人体を切るための物では無いので故障してしまった。
だが、その時にはもう、餓夫の頭部を縦に引き裂いた後だった。
ただの有機物の塊と化した餓夫はアスファルトの上に倒れ脳漿と血をばらまく。

「うへぇグロいグロい」

そう言いながら、字佑輔は蹄の前足を器用に使い愛餓夫のデイパックを開ける。
しかし、基本支給品以外には、恐ろしい程つまらないホラー漫画しか入っていない。

「ちぇっ…ショボいぜ…次行くか」

字佑輔は餓夫の死体から離れ歩き去った。


【愛餓夫@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【残り46人】


【早朝/C-4橋:橋南部周辺の市街地】
【加藤字佑輔@オリキャラ】
[状態]健康、返り血(中)
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???(1~2)
[思考・行動]
0:面白そうなので殺し合いに乗る。
[備考]
※特に無し。


※C-4橋:橋南部周辺の市街地の通りに愛餓夫の死体及びデイパック(基本支給品一式、十三階段ベムの漫画詰め合わせ@浦安鉄筋家族)、
チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル(故障により使用不可)が放置されています。


≪支給品紹介≫
【チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル】 支給者:愛餓夫
小型の電動回転鋸。しかしググっても出てこない謎の多い工具。

【十三階段ベムの漫画詰め合わせ@浦安鉄筋家族】 支給者:愛餓夫
売れないホラー漫画家、十三階段ベム作の漫画詰め合わせ。ある意味貴重。

≪オリキャラ紹介≫
【加藤字佑輔(かとう そうすけ)】
茶色のアラブ種の馬――の外見をした妖馬。28歳。RPGファンタジー世界出身で本名は他にあるが不明。
乗馬用の馬として働いている。加藤とは飼い主の苗字。妖力で物を操る事が出来る(制限はある)。


003:図書館では静かにしましょう 目次順 005:銀色の空、果て無い

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最終更新:2011年06月30日 22:02
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