星印

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17話 星印

土井津仁は病院の廊下を歩いていた。
裸足に病院の床はとても冷たく感じる。

「小鉄っちゃん達…どこにいるんだろう」

殺し合いに呼ばれている大切な友達。そして先生、友達の一人の姉の彼氏、売れない恐怖漫画家。
皆、失いたくない人ばかりだ。早く見付けたい、と、仁は思う。
この殺し合いに、なぜ、自分達が参加させられたのか、荒神健児とは何者なのか。
どちらの疑問にも、答えは出されないが、ただ一つはっきりとしている事。

「…殺し合いなんてしない…」

支給されたスタンガンを右手に持ち、握り締める仁。
「好きな願いを一つだけ叶えられる」と言う荒神健児の謳い文句に惹かれなかった訳では無い。
もしかしたら母と自分の願いである貧乏生活からの脱却が果たせるかもしれないのだ。
だが、友人達の顔を思い出し思い留まる。

優勝して一人になると言う事は、大切な友達や知り合いを失う事なのだから。

そんな事になって、優勝して願いを叶えて帰還したとしても、きっと自分は全く嬉しく無いだろう――仁はそう考えた。

「うううううううう」
「……!?」

処置室と書かれた扉が乱暴に開き、中から若い男が出てくる。

「はぁ~見付けた…獲物ー!」

血走った目で仁を睨んだかと思うと、手にした自動拳銃ベレッタM92FSを仁に向け発砲してきた。

ダァン! ダァン!

「うあ!!」

間一髪、仁には当たらなかったが、背後の窓ガラスが砕け壁に穴が空いた。

「あた、当たらない、クソッ、う、撃つ、撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ」

青年、瀬戸正行はぶつぶつと呟きながら、仁に銃口を向け直す。
傍目から見て正気では無い事は明らかだった。
少なくとも話が通じるとは思えない。

「くっ…」

仁はイチかバチか、スタンガンで男の動きを止める事にした。
男は銃を持ってはいたが、照準をロクに定めず撃っているため、弾は外れっ放しである。

ダァン!

今度もまた、仁を狙ったのだろうが、天井の蛍光灯を撃ち抜くに留まった。
反動で仰け反っている所を狙い、仁は正行の懐へ飛び込み、スタンガンを押し当てた。

バリッ!!

「あがああああぁあああぁあああああぁああぁぁぁあああああ」

凄まじい悲鳴を上げ身体を激しく痙攣させる正行。
動きを止める程度にしか考えていなかった仁は戸惑う。
仁が使ったスタンガンには違法改造が施されていた。人を殺せるぐらいの強烈な電流が流れる程の。
しかし、スタンガンに添付されていた説明書にはその旨は書かれていなかった。
そのため仁は「人を殺さない程度に動きを止められる普通のスタンガン」だと思っていた。

「え、え…?」
「あああぁああごのおおおガぁああキいいいいいがあああああぁあああああああ」

思いも寄らなかったスタンガンの威力に呆然とする仁の額に、ベレッタの銃口が押し当てられた。

「あっ」

我に返った時には、もう遅かった。

ダァン!!

今まで何度も外れていた青年の銃弾は、今度は間違い無く、仁の頭蓋骨を撃ち抜き脳髄を破壊し、後頭部へ突き抜けた。
衝撃で仁の身体は吹き飛び、病院の白い床に血のペイントを施し倒れ、二度と起き上がる事は無かった。
直後、正行もまた、床に倒れ、そのまま息絶えた。


【瀬戸正行@オリキャラ:死亡】
【土井津仁@浦安鉄筋家族:死亡】
【残り:38人】


≪支給品紹介≫
【スタンガン(違法改造済)】 支給者:土井津仁
軽微な電流を相手に流し動きを止める護身用具…なのだが、本ロワの物は、
違法改造により人を普通に殺せるぐらいの強力な電流が流れるようになっている。
但し説明書にその旨は書かれていない。

【ベレッタM92FS】 支給者:瀬戸正行
イタリアのベレッタ社により1975年に開発された自動拳銃。装弾数が15発と豊富で操作性も高く、
上部が大きく切り欠かれたスライドにより排莢不良も起こりにくい上軽量で発射時の反動も比較的少ない。
現在、世界で最も信頼性が高く、知名度が高い拳銃として知られている。
本ロワに登場するM92FSはスライド脱落事故防止のために耐久性向上がなされた改良版。

≪オリキャラ紹介≫
【瀬戸正行(せと まさゆき)】
20歳のNEET。ネトゲや二次元に逃避する毎日を送り、就職活動も上手く行っていない。
最近3歳年下の妹を嫌らしい目で見るようになってきた。


016:桃源郷にグッドバイしたのならば 目次順 018:澄んだ瞳が呼び覚ます

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最終更新:2011年06月26日 00:58
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