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『』

「ほむらちゃんにマミさんまで…。」

鹿目まどかは、浮かない顔で言った。
もしも彼女が、『概念になった』時間軸の鹿目まどかだったのなら。恐らくはあの場で、こっくりの心臓に風穴を開けるくらいは容易であっただろうが、この鹿目まどかは『一周目』のまどかである。
人とは違う力を有している。その程度では、このゲームを壊せない。
それを、鹿目まどかは知らなかった。それが、彼女の命運を左右するなど知らずに。
夢と希望の魔法少女物語など、どこにも存在しないというのに。

パパパァン!という破裂音がした、弾は右の肩をかすめて飛んでいった。

まどかはとっさに武器である弓を取り、引き絞る。
殺しはしない。足を撃てば、とりあえず動きを止めて安全を確保できる。
そんな思考は、襲撃者には通じなかった。

矢が、まるで飴細工のようにどろどろに溶けーーーーーいや、矢が消滅して、液体のような波紋を見せる球体になっている。

「…え?」
「『衝撃圧縮』」

球体はそのまま、ゆるやかに前方にふわふわと飛んでいき、空中で静止した。
ドゴッ!という轟音の後に、衝撃波のようなものが放射されたのだ。
まどかの肉体が飛んでいく。しかし男は動かない。


しかしそこは日が浅いとはいえ、魔女との戦いを繰り広げてきた魔法少女。すぐに体勢を立て直し、今度は高速性に特化した矢を放つ。
が。男の前でそれは吸い込まれるように消えていく。
そして、まどかがそれを理解するより早く、まどかの体を男の前から猛烈な速さで射出された無数の槍の内一本が串刺しにしていた。

「何で……」
「残念だが、何も考えない攻撃では俺には届かないぞ」

ぐらり、とまどかが揺らぎ、そのまま仰向けに倒れてもう二度と動かなかった。
不思議な事に、その胸元に傷口はない。しかし、確かに攻撃を受けた箇所は内出血でどす黒く変色を始めていたことから、血管は切断されているようだ。

浅川智弘。彼はとある研究施設で開発された『超能力者』である。
能力名は設定されていないが、彼を見た者はこう形容した。

ーーーーー『衝撃ATM』ーーーーーダメージバンク、と。

自分の受けた衝撃を、攻撃15発分まで溜めることができる。更に、手で触れたものの衝撃は彼の思い通りに形を為し、時には爆弾にもなる。

智弘が何故超能力者になったか。それは、最愛にして唯一の理解者で決して成り合えない存在の妹、夕。彼女をあらゆる理不尽から守るため。

浅川夕。彼女は『コア』と呼ばれる存在だ。
その場に存在するだけで、超能力を人に発現させられる素質を持っている。
研究者は血眼で夕を捕らえ、生命維持装置に投入して脳を開発、『コア』を覚醒させるために一生を研究所で過ごさせるために奮闘している。
学校では、陰湿な虐めにあい、すでに智弘と『優しい人』にしか心を開かずに家に引きこもるだけ。そんな日々が、ずっと続いていた。

彼は研究者に開発を申し込み、『化け物』になった。
全ては、妹のために。妹を狙う奴等は皆殺しにした。妹を虐めた奴等は顔が滅茶苦茶に腫れ上がるまで痛めつけ、主犯は尋問した。

『いつでも笑顔を絶やさないのが妬ましかった』

ふざけるな。
お前のせいで夕は滅茶苦茶になったんだ。
お前のせいで他人とはキャンノットスピーク状態。

『死ね、死ね死ね死ね死ね死ねっ!お前は知ってるのか!あいつは、夕が絶対にお前等を悪く言わないんだよ!なあ、知ってるのかよ!一度壊れちまった奴が、本当に心からの笑顔を浮かべるのがどれほど大変なのか!想像もできないなら死ね!その汚え中身を撒き散らせよ、屑がぁぁああああああっ!!』

潰した。上から、フルチャージの衝撃をかけてプレス。


人間の中身は意外とピンクと灰色なんだと初めて知った。

あいつだけが幸せならいいんだ。
あいつだけでも笑って暮らせる世界を作る。だから俺は、夕を連れて主催者に交渉する。二人の優勝という特例を認めてほしいと。無理なら、俺はその場で舌を噛む。

「必ず、お前が安らげる世界を作ってやる。……待ってろよ、夕」

『お兄ちゃん』と無邪気に呼ぶ夕の声が、脳内で反響した。

【浅川智弘】
基本:主催に交渉を持ちかける。無理なら自害する。
1:夕以外の参加者は殺す。


【浅川智弘】
19歳の大学生。前述の通り超能力者。
妹の浅川夕を溺愛しており、彼女の為なら命さえ辞さない覚悟。



【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】  死亡
【残り39/30人】

変わる未来 投下順 死のティータイム
GAME START 浅川智弘 [[]]
GAME START 鹿目まどか GAME OVER

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最終更新:2011年08月06日 00:06
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